ループ実装! ゴンさんを守れ! ◆Olivescz6Q
◇ ◇ ◇
先刻、ランサーと龍昇ケンの二人を相手に、苦戦もせず優位に立ったゴンさん。
しかし現在の彼からは、その際の圧倒的なパワーは見て取れなかった。
未来を捨てるという危険な誓約と制約により授かった力は、ほんの数時間も経たぬうちに消え失せてしまったのだ。
硬く鍛え抜かれた筋肉は衰えてしまい、太く強固だった骨は穴だらけ、分厚く張りのあった肌は全面に皺が刻まれている。
しかし現在の彼からは、その際の圧倒的なパワーは見て取れなかった。
未来を捨てるという危険な誓約と制約により授かった力は、ほんの数時間も経たぬうちに消え失せてしまったのだ。
硬く鍛え抜かれた筋肉は衰えてしまい、太く強固だった骨は穴だらけ、分厚く張りのあった肌は全面に皺が刻まれている。
――そしてつい(終)に、立つことさえままならなくなった。
受け身も取れず地面に身体を叩き付けても、地面の冷たささえ感じなかった……――
◇ ◇ ◇
脳内に響く自身のため息、胸中から聞こえる「もう終わりだな」の声。
無言で帰り始める細胞達の中、ゴンさんの思考を司る脳ミソは独り地面で泣いていた。
G・Iで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間たち・・・
それを今のバトル・ロワイアルで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ・・・」ゴンさんは悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、ゴンさんははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい地面の感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」ゴンさんは苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、ゴンさんはふと気付いた。
無言で帰り始める細胞達の中、ゴンさんの思考を司る脳ミソは独り地面で泣いていた。
G・Iで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間たち・・・
それを今のバトル・ロワイアルで得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ・・・」ゴンさんは悔し涙を流し続けた。
どれくらい経ったろうか、ゴンさんははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい地面の感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」ゴンさんは苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、ゴンさんはふと気付いた。
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
地面から飛び出したゴンさんが目にしたのは、東ゴルトー共和国を埋めつくさんばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにキメラアント討伐隊の応援歌が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするゴンさんの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ゴン、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったゴンさんは目を疑った。
「モ・・・モラウさん?」 「なんだツンツン頭、居眠りでもしてたのか?」
「ネ・・・ネテロ会長?」 「なんだゴン、かってに会長を引退させやがって」
「カイト・・・」 内川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた。
1番:キルア 2番:シュート 3番:ナックル 4番:ネテロ 5番:モラウ 6番:ゴン 7番:メレオロン 8番:パーム 9番:ノヴ
暫時、唖然としていたゴンさんだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ビスケからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するゴンさん、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
地面から飛び出したゴンさんが目にしたのは、東ゴルトー共和国を埋めつくさんばかりの観客だった。
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにキメラアント討伐隊の応援歌が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするゴンさんの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ゴン、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったゴンさんは目を疑った。
「モ・・・モラウさん?」 「なんだツンツン頭、居眠りでもしてたのか?」
「ネ・・・ネテロ会長?」 「なんだゴン、かってに会長を引退させやがって」
「カイト・・・」 内川は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた。
1番:キルア 2番:シュート 3番:ナックル 4番:ネテロ 5番:モラウ 6番:ゴン 7番:メレオロン 8番:パーム 9番:ノヴ
暫時、唖然としていたゴンさんだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった。
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ビスケからグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するゴンさん、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっているゴンさんが発見され、多村と村田は病院内で静かに息を引き取った。
◇ ◇ ◇
ジュラルの魔王とヴェルタースオリジナルのおじいさんが倒れ伏したゴンさんを発見したのは、まったくの偶然であった。
「目的地? 気にするな!!!」というあてもないクセに偉そうな魔王に、ただただヴェル爺がついてきただけだったのである。
いまにも呼吸が消え入りそうなゴンさんを前に、ヴェル爺は狼狽する。
何せ、このような不愉快な催しで人が死ぬなど、あってはならない存在なのですから。
それに、ヴェル爺にとって名も知らぬ初対面の人間とはいえ、誰かにとっては大切な存在なのですから。
「目的地? 気にするな!!!」というあてもないクセに偉そうな魔王に、ただただヴェル爺がついてきただけだったのである。
いまにも呼吸が消え入りそうなゴンさんを前に、ヴェル爺は狼狽する。
何せ、このような不愉快な催しで人が死ぬなど、あってはならない存在なのですから。
それに、ヴェル爺にとって名も知らぬ初対面の人間とはいえ、誰かにとっては大切な存在なのですから。
「ま、魔王さん!」
「落ち着くのDA!!!!」
「落ち着くのDA!!!!」
落ち着けとの内容に反して、魔王はヴェル爺の四倍のエクスクラメーションマーク分叫んで、さらに続ける。
「いまから命令をすりゅ!
貴様に支給されたあの道具を私に渡すのDA! 若貴!?」
貴様に支給されたあの道具を私に渡すのDA! 若貴!?」
その言葉を受けてようやく、ヴェル爺は自身の支給品を思い出した。
もちろん、甘くてクリーミィで素晴らしいキャンディではない。
移動をしつつ確認した際に出てきた道具のことだ。
説明書を読んでも使い道はよく分からなかったが、このような事態では役に立つのかもしれなかった。
倒れているゴンさんは薬を嚥下する力もなく、そして手術を行うような大それた道具はないが、あの道具ならばもしもということもありうる。
もちろん、甘くてクリーミィで素晴らしいキャンディではない。
移動をしつつ確認した際に出てきた道具のことだ。
説明書を読んでも使い道はよく分からなかったが、このような事態では役に立つのかもしれなかった。
倒れているゴンさんは薬を嚥下する力もなく、そして手術を行うような大それた道具はないが、あの道具ならばもしもということもありうる。
『リピート機能』という、あの道具ならば――
「魔王さん、これですね」
「んむ」
「んむ」
リピート機能を手にした魔王がゴンさんの元に歩み寄っていくと、同じくしてゴンさんが吐血をした。
思わず息を呑んだヴェル爺に向けて、魔王が声を荒げる。
思わず息を呑んだヴェル爺に向けて、魔王が声を荒げる。
「この肉体、地球人にしてはかなりのもの。我が配下となるに相応しい!
治療に成功すれば、この殺し合いの脱出に一歩どころか五歩は近付く! まだまだ諦めるぞ!」
治療に成功すれば、この殺し合いの脱出に一歩どころか五歩は近付く! まだまだ諦めるぞ!」
発言に脈絡がない気がしたが、ヴェル爺は触れないことにした。
余計な会話をするほど、事態に猶予はないのである。
余計な会話をするほど、事態に猶予はないのである。
「これより、接続すりゅ!」
かけ声とともに、魔王はゴンさんの胸部にリピート機能を押し当てる。
すると体内にリピート機能が沈んでいき、ついに肉に飲み込まれて見えなくなってしまう。
すると体内にリピート機能が沈んでいき、ついに肉に飲み込まれて見えなくなってしまう。
――そのとき、『リピート再生』が発動した。
衰え切っていたゴンさんの肉体が、一瞬にして殺し合い開始直後の鍛え抜かれたものに戻ったのだ。
いまにも喪失しかけていた意識も同時に覚醒し、幸せな夢はたちまち霧散する。
完治した自身の両手を眺め、ゴンさんは目を丸くした。
怪訝そうな表情を浮かべながら上体を起こすと、浴びせられたのは魔王の哄笑であった。
いまにも喪失しかけていた意識も同時に覚醒し、幸せな夢はたちまち霧散する。
完治した自身の両手を眺め、ゴンさんは目を丸くした。
怪訝そうな表情を浮かべながら上体を起こすと、浴びせられたのは魔王の哄笑であった。
「ンハッハッハッハ! 一見大成功!!」
やたら高い鼻が天に向けられるほど、魔王はのけ反って笑っている。
その姿を見て、ゴンはゆっくりと手を伸ばした。
その姿を見て、ゴンはゆっくりと手を伸ばした。
「First comes rock……」
「んん? 握手すりゅのか? ハハハ、殊勝なことだ! 死人同税のお前を救ったのは、この俺」
「Scissors」
「んん? 握手すりゅのか? ハハハ、殊勝なことだ! 死人同税のお前を救ったのは、この俺」
「Scissors」
魔王の高慢な言葉は、そこから先が告げられることはなかった。
彼の首は、ゴンさんの『チー』――二本の指から伸びた刃状の念により斬り落とされたのだ。
彼の首は、ゴンさんの『チー』――二本の指から伸びた刃状の念により斬り落とされたのだ。
「Aiko is……」
物言わぬ魔王の亡骸から、ゴンさんがヴェル爺へと視線を移す。
念を知らぬヴェル爺にも、硬く握られた拳から次の攻撃を想像することができた。
念を知らぬヴェル爺にも、硬く握られた拳から次の攻撃を想像することができた。
(私のおじいさんがくれた初めてのお仕置き。
それはゲンコツで、私は四歳でした。
その拳は硬くてペインフルで……
こんな酷いお仕置きを受ける私のしたことは、きっととても悪い行動だったのだと感じました)
それはゲンコツで、私は四歳でした。
その拳は硬くてペインフルで……
こんな酷いお仕置きを受ける私のしたことは、きっととても悪い行動だったのだと感じました)
一歩ずつ、確実にゴンさんはヴェル爺に歩み寄っていく。
ゴンさんの拳を覆うエネルギーもまた、見る見る光度を増していく。
ゴンさんの拳を覆うエネルギーもまた、見る見る光度を増していく。
(いまでも私は、お仕置きをされる立場。
いまから喰らうのは、もちろんげんこつ。
なぜなら、私は――)
いまから喰らうのは、もちろんげんこつ。
なぜなら、私は――)
ゴンさんが足を止め、拳を大きく振りかぶった。
そのゆっくりとした動作は、相手を決して逃がさないという自信の表れだ。
事実、ヴェル爺に逃げる気力などなかった。
自信の過ちを理解し、罰を受ける覚悟を固めているのだ。
そのゆっくりとした動作は、相手を決して逃がさないという自信の表れだ。
事実、ヴェル爺に逃げる気力などなかった。
自信の過ちを理解し、罰を受ける覚悟を固めているのだ。
「このような怪物がいるというのに、身の程を知らず殺し合いを止めようとした……悪い存在だからです」
――ボ。
【ジュラルの魔王@チャージマン研! 死亡確認】
【ヴェルタースオリジナルのおじいさん@ヴェルタースオリジナル 死亡確認】
【ヴェルタースオリジナルのおじいさん@ヴェルタースオリジナル 死亡確認】
【E-08 森林/1日目 黎明】
【ゴンさん(ゴン=フリークス)@HUNTER×HUNTER】
[状態]:回復、ループ実装
[装備]:チェーンソー(頭の毛に絡まってる)@ジェイソンさんシリーズ、リピート機能(胸部)@ニコニコ動画
[道具]:基本支給品×2、ヴェルタースオリジナル一袋@現実、ランダム支給品(1~4)
[思考・状況]基本:カイトを生き返らす。
1:その為に優勝する。
※参戦時期はゴンさんになってから右腕を失う前です。
[状態]:回復、ループ実装
[装備]:チェーンソー(頭の毛に絡まってる)@ジェイソンさんシリーズ、リピート機能(胸部)@ニコニコ動画
[道具]:基本支給品×2、ヴェルタースオリジナル一袋@現実、ランダム支給品(1~4)
[思考・状況]基本:カイトを生き返らす。
1:その為に優勝する。
※参戦時期はゴンさんになってから右腕を失う前です。
【支給品紹介】
【リピート機能@ニコニコ動画】
ヴェルタースオリジナルのおじいさんに支給された。
終わると始まりに戻る。
ヴェルタースオリジナルのおじいさんに支給された。
終わると始まりに戻る。
sm30:真夏の夜の淫夢!グレイト・クレイジー・ティロフィナーレ | 時系列順 | sm32:ホテル「早速人ですか……」 |
sm30:真夏の夜の淫夢!グレイト・クレイジー・ティロフィナーレ | 投下順 | sm32:ホテル「早速人ですか……」 |
sm22:ボ【ゴンさん】 | ゴンさん | sm:38ゴンさんは滅びんよ、何度でも蘇るさ |
sm07:優しい魔王 | ジュラルの魔王 | GAME OVER |
sm07:優しい魔王 | ヴェルタースオリジナルのおじいさん | GAME OVER |
村田修一 | GAME OVER | |
多村仁志 | GAME OVER |