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大きすぎる…修正が必要だ… ◆J/0wGHN.4E




「だめか…」

アリアスの死亡後、依頼人との連絡を試み続けていたベネットであったがこの数時間全くの応答がない。
もしかすると定時放送の際以外依頼人への通信は受け付けない仕様なのかもしれない。
静寂の中、そういった憶測がベネットの脳をよぎる。
この半ば崩壊しかけたゲームバランスといい、それに無介入な依頼人といい、ベネットの不信感は募るばかりである。
思索するベネットが通信をあきらめかけたその間、無機質な人口音声が静けさを破り部屋に響く。

「…聞こえているか」

依頼人である。
人口音声とはいえその声色を聞き間違えるはずがない。
その声を聞いた瞬間ベネットの頭上に「!」が浮かび上がりそうになったのは言うまでもない。
即座にマイクを手に取り応答する。散々待たされた憤りからか、その声は少々荒かった。

「ああ、聞こえているぞ。今になって返事が来るとはな」
「その声調子なら前置きは不要だな。これよりゲームバランスの調整のために臨時の措置を行う」
「臨時の措置?」

ベネットが反芻する。
ゲームバランスについてはベネット含め3人とも気にかけてはいたし、依頼人がそういった物に対する解決策を考えている可能性も憶惻の内であった。
しかし、自分たちを生き返らせるような超常的なまでの力を持っているが故、そう言った問題への解決手段については全く予想がつかなかった。

「措置の実行に関してはクックに任せてある。そちらにはその実行内容を定時放送の際に知らせてもらいたい。内容に関しては措置の実行後でクックがそちらに向かうので彼から聞くように」
「クック!?あいつもいるのか」

見知った人間の存在を知り、思わずベネットは聞き返す。
クックとはアリアスが雇っていた元グリーンベレーの人間だ。
部下の殺害によりメイトリックスの居場所を炙り出す作戦に協力し、自身の死亡トリックにも加担してくれた。
その後は自分の与り知るところではないがおそらくは自分と同様メイトリックスに殺害されたと考えている。
この件で自らが蘇生されたように彼もまた蘇生された可能性も考えていたがなぜかこの場には居合せていなかった。



(っと、考えてばかりもいられねぇな、聞く事聞いとかねぇと)

ベネットはここまで情報ばかりを与えられていたが、ここに来て依頼人との連絡を試みた理由を思い出した。
もこみちやカズマが首輪を外したことが、想定内なのか想定外なのか。
主催側と内通した参加者が二人とも死亡してしまったが、ゲームの進行に影響はないのか。
青鬼や少女アサシンなど参加者でも支給品でもない人物が独立して参加者を殺害することは、問題ではないのか。

そして、この殺し合いの目的は一体なんなのか。


「それと…聞きたい事がいくつかあるんですが」
「悪いが質問は受け付けていない」


即答。そして拒否。
同時に通信が断ち切られる。この間、僅か0.1秒足らず
それは曲がりなりにも軍人であったベネットでさえ、反論の隙を得るには短すぎる時間であった。



【ベネット@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:依頼人の素性が気になる
1:アリアスの死体はどこに置いたんだろうか


【エンリケ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:監視の続行


【サリー@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:監視の続行









(何だこいつは…?)

禍々しい肩パッドの付いた男・ジャギは、こちらに歩いてくる目の前の物体に対してそこはかとない好奇と、いい知れぬ戦慄を抱き、そんな言葉を心の中でつぶやいた。
その反応の対象こそがブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人こと、他ならぬ青鬼である。
ジャギは当然ながらその異様な風体からあの男の言っていた青色の巨人はこいつの事だろうと確信した。

(こうもやすやすと的が来てくれると嬉しい物だな…だが)

少しタイミングを考えてほしかった。そうも都合よくいかないのが現実ではあるのだが。
腕の応急処置こそ済ませてあるものの、立て続けの戦闘はかつての北斗神拳伝承者候補()であろうと少なくないダメージになり得る。
先程までのような対主催をほざくようなゲームに乗る気のない参加者を不意打ちすれば少ないエネルギー消費で殺せるし、派手な戦闘を起こさない分、周囲に警戒されづらい。
怪我に関してもマーダーと戦って撃退したが相応の傷を負ったと適当な題目でも述べておけば、治療を他人に任せつつ隙を作りやすくなる。
だが目の前の巨人は違う。アカツキの言う分には話の通じる相手ではないと聞かされたし、
ジャギ自身も見た目からして小細工の効かなさそうな相手とわかる。
正々堂々と戦う形になってもケンシロウと戦うまでは時間も含めて消耗は最小限に押さえたい。

そうなれば、短期決戦が望ましい。
自分にはそれだけの力がある。
その間にも、巨人は歩みを緩めず近付いてくる。


「北斗…」


ジャギは腰を落とし、技を構える。

青鬼はジャギににじり寄りつつ、僅かながら笑みを浮かべ不気味な口をゆっくりと開く。


「千手殺!!!」


青鬼はただ一言も言葉も単語も発さず、ただジャギを補食するために腕を広げて襲いかかろうとした。
そこに食欲以外の一切の感情はない。故に青鬼は恐怖を生む。

対するジャギは空中に飛び上がり貫手の構えで相手を高速で突く北斗千手殺を放った


貫手が青鬼の額を突き刺す。
それは額を砕くには至らないがわずかに青鬼の動きを阻んだ。


貫手が青鬼の頬を突き刺す。
それは頬を砕くには至らないがわずかに青鬼の口を遠ざけた。


貫手が青鬼の顎を突き刺す。
それは頬を砕くには至らないがわずかに青鬼の体勢を乱した。


青鬼は貫手に阻まれながらも怯まずジャギを補食しようと口を近づける。

この技は元より秘孔を狙った物ではないが、ケンシロウにも一定のダメージを与えられた。
しかし、この巨人の表皮は途轍もなく固く、怯むどころか呻き声一つあげない。
それでも、ジャギは手を止めなかった。

今までの彼ならば、手を止め取引だ等と理由を付け如何にも小物らしく命乞いをしていただろう。
まさに世紀末の悪党に似つかわしくない行動である。
彼自身に自覚はないが彼の心には慢心とは異なる魔法戦士としての「何か」が芽生え始めていた。

わずか数秒の出来事ではあったがジャギにはこの瞬間が一日よりも長く感じた。


ジャギは後悔した。
話の通じない相手とはいえもう少し敵を見定めておくべきであった。
だが同時にそれはジャギにある種の高揚感も生んでいた。
こういう一筋縄では行かない奴もいる。
こういう奴になら、殺されても納得がいく。

このゲームには殺しがいのある奴がたくさんいる。

楽しい。

ワクワクする。

「立て続けのピンチってのも面白ェな」

今、ジャギのその目は歪んだ殺人者の顔とは到底相応しくない、好敵手を求めて放浪する格闘家の目をしていた。



ジャギは地に斃れたブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人を一瞥し、無意識に頭を下げた。
それはかつてのジャギにはあるまじき動作であった。



~~~



「クソッ…あいつまだ…」


猛スピ-ドで走るオデッセイの中で物言う上半身、プラ/シドは苦悶の表情で車のドアをたたく。
響に抱かえられている時、確かに鬼子は自らの足で立って、こちらを見ていた。
だがその顔は、先ほど突如森林から現れ、雛子を補食した青い異形の巨人の顔をしていたのだ。

一気に4人の仲間を失った。これで振り出しである。
しかし参加者の人数自体は減っているので仲間を再び集める難易度は格段に上昇している。


仲間を、愛する者を、失う事なんてもうとっくに慣れていた。

もはや失った物の大小すらわからない。

一体自分はこれまで何を失ってきたのか。

この戦いで何を得たのか。

この現実を受け入れる事は断じて易い物ではない。

だが、悔しがってばかりもいられない。

せめてでも敵の素性を知り得なければ犠牲者は犬死になる。
プラシドは未知の敵に対し、正体を考察する。プラス★思考

(あいつらは、_繁殖あるいは増殖をしているかもしれない)

不意に頭の中でアカツキの言葉が木霊する。

青鬼にはおそらく何らかの能力がある
あの鬼が鬼子の姿をしていた点を踏まえて考えられるのは他者を洗脳する能力。
だがそれなら何故、アカツキやジャギのようなより戦力になりそうな者を洗脳しないのか。
次に不完全ながら他者のコピーを生み出す能力。
これも上と同じ理由である。仮に生み出した者の能力が自信と同じであるとしてもわざわざ鬼子を選ぶ必要はないはず。
あるい他者に擬態する能力。
夜間ならともかくも昼間にあんなブルーベリー色の肌をしていたらバレてしまう。何よりそれは増殖とは言えない。この可能性も低い。

最後に、一番考えたくないが補食、殺害した者を同胞にする形で増殖する能力。
しかしながら現状では状況からしてこの仮説が最も有力と言える。
この説が正しいとすれば非常に厄介だ。おそらく補食された雛子もやがては青い異形の巨人に成り果てるだろう。
もし、鬼子だったアレにも同等の能力が備わっているとしたら響も同じ運命を辿る事になる。
そうなればこの近辺には青鬼が4体も存在する事になる。仲間を四人も失った以上、こうなってしまっては現状ではもはや手がつけられない。

ここでプラ/シドはもう一つの事実に気づく。
日は西に傾き、すでにゲーム開始から15時間近く経過している。
これまでの定時放送で青鬼の名は2回呼ばれている。
これは少なくとも青鬼による犠牲者が雛子が喰われるまでに2人もいた事になる。
他に青鬼となった犠牲者がいても何ら不思議な事ではない。

真に危険な人物は司馬宙を殺害した巨大ロボットでもなく、厳ついマスクと肩パットのジャギでもなく、青鬼であった。

何にせよここにいては危険である。一刻も早く他エリアに移った方が良い。
そう一時的に結論づけたが、さすがに行く宛て位は決めておきたかった。
だがそのためには現在地の確認も含めて地図を見直さなければならない。
地図は最初に乗り合わせた際プラ/シドになる前にダッシュボードの上に置いたのだがこの体では手が届かない。
と言うのも、

下半身がない。
シートベルトは未着用。
ルカの錯乱運転。

これにより、乗せるときこそ無難な感じであったが、いまでは座席の上に仰向けになり起き上がる事も出来ないという無理な体勢なのである。
人間が仰向けから起き上がる際は少なからずとも腹筋や背筋を使用する。それらを全く使わず手だけで起き上がるのはそれなりに難しい。
そういった筋肉の多くは下半身の骨と健で繋がっており、ロボットとは言えど下半身がないプラ/シドはそういった状況に置かれているのだ。
ましてや車の座席の上という狭い場所に置いてはそれはより困難を極める。
故に地図はルカに取ってもらうしかなかった。
前も録に見えない体勢のままプラシドはルカに話しかける。


「おいルカ」




「…伏せろ!」









空も赤く色付き始める頃、赤ヘルメットの魔法戦士は道を引き返し、西へ向かっていた。
つらくも何とか撃退した青鬼であったが、遺体を見るとデイバックはおろか首輪さえ付いていなかったのだ。
治療薬の類いが無い事以前に戦利品自体が勝利以外に何も得られなかったのは、彼に大きな徒労感を生んだ。
なんにせよジャギは休息の場が欲しかったので地図を確認したところ、少し北にワグナリアという施設がある事に気づく。
運良くこの場所からも一部を視認できた。
近場とあらばすぐに向かいたい所なのだがそうも行かなかった。禁止エリアの存在である。
ジャギの存在するC-05は17時から禁止エリアに指定される事になっている。
すでに夕暮れが近づいているこの状況でこの場所でゆっくり休んでいては首が吹っ飛んでしまう。
朝方立ち寄った神社も禁止エリアに指定されており、時間的にもう入れなくなっているだろう。
なぜか奇妙な事に自分の近くに存在する施設のあるエリアが3つも禁止指定されてるのだ
ここでジャギの目についた施設が小学校であった。

(ここなら休めるかもしれねぇな…)

小学校と言えば災害時の避難所という印象がある。
このゲームの場に何故そんな物が設置してあるのか全くの疑問だったが身を休めるにはうってつけである。
もしかすると殺し合いに反対する参加者達が拠点にしている可能性もある。
そうとあらばこの体は好都合だ。怪我人という弱者を装えば付け入る隙も生まれるというもの。
青い化け物を倒したという事実を餌にヒーローを騙れば周囲の信用も得られるだろう。
とは言えこの作戦には2つ問題点がある。

まず、自らを貶めた女と犬である。
自分の素性を知っている以上、あの二人に先に学校に来られていた場合、上記の作戦は破綻する事になる。
後から来たなら「仲間」に嘘を流し込んでやればいい。

次にケンシロウである。
当然ながら鉢合わせする事自体が不味い。
どのタイミングで学校に来ても戦闘は避けられないだろう。

ここでジャギは昼頃出会った人物の話を思い出す。
あのやたら怖い顔をした女はケンシロウを「危ない奴」といっていた。
単純にあの女がケンシロウと敵対していただけなのかもしれないが、これを利用して適当に話を膨らませれば信用を失う可能性は低い。


結果論として以上のデメリットをさし引いても、学校に行かない理由にはならなかった。




「しかし首輪か…」

自らにかけられた枷に指をかける。
先程の青い怪物には無かった物である。
あの時、北斗千手殺による貫手は悉く怪物の強靭な表皮に阻まれ、歩みさえ止める事が出来なかった。
もし、怪物が自らを補食せんと口を大きく開いた時、口腔内が表皮に覆われてない事に気づけなかったら
もし、自分が咄嗟の判断で貫手の狙いを怪物の口内に集中させていなかったら

自分もまた餌にされていたであろう。

今まで彼は殺した物の事を気にかけるなど毛ほども無かった。
しかし今回ばかりは気になる。
参加者名簿を見るにあの青い怪物には「青鬼」という参加者の単語がそっくり当てはまる。
だが「青鬼」という奴は2回目の放送までに誰かに殺されているはずなのだ。

そうなると考えられるのは誰かの支給品だ。
あの怪物が誰かに命令されて動く傀儡の類いならデイバックも首輪も無い事に合点が行く。
一方で疑問も浮かぶ。支給品だとしたらこんな凶悪なアイテムがあっていいのか?
自分への支給品の外れ具合を根拠として参加者の能力差を埋めるために支給品が存在しているにしても、
先程確認した自分が殺めたアカツキという軍人のデイバックには重火器の予備弾薬とよく解らない鍵とカラのもう一個のデイバックのみである。
軍人である奴に弾薬が配られたとあればその仮説は消える。物々交換を行った可能性もあるのだが。
重火器の予備弾薬は素直に有り難かった  …その重火器さえあれば。
現状では宝の持ち腐れだが持っておく事に損は無い。
「こんなところ」のタグが付いた鍵束は完全に謎である。こんなところとはどんなところなのか。
カラのデイバックに関しては完全に必要ないと判断し、途中で捨て置いた。
ともかく能力の強弱で支給品の強弱が変わる可能性は無いだろう。

あるいはそう都合の良い物ではないのかもしれない。
例えば支給者本人にも制御が効かない代物である可能性もある。
自分に支給された物のようにデイバックから得られる物が必ずしも支給者にとっていい物であるとは限らない、その延長線としての考え方である。
ただそれで良いのだろうか。
もし、支給品が自立して殺害を続け優勝してしまったらどうするのか。
もしくは自分のような人物に倒される事を敢えて想定した上で支給しているのだろうか。



青から紫、紫から橙の夕空のグラデーション。
夕日に照らされ、紅く染まる木々。
この場がバトルロワイヤルという殺し合いの場所でなければそれは幻想的かつ日常的なさぞ平和な風景であった。
だが、この場であるからこそ「ソレ」は風景の中から唐突に現れた。
ジャギでさえもいい知れぬ戦慄を抱かせた青の異形―。


何時の間にここに。どうやってここまで。倒した筈なのに。
その光景に疑問と驚愕が突沸する。


青鬼は、巨大な口を開けジャギの頭をヘルメットごと食い千切らんと迫る。
その早さは獰猛と知られるヤゴの補食でさえも霞んで見える程である。

その凶悪な牙は、ジャギの首筋の肉を―




突き破……らなかった。




人は、あまりにも悲しい時、強すぎる怒りを覚えた時、この上なく面白い時、比べようが無いほど驚いた時、却って無表情になるという。
ジャギもまたこの驚愕のあまり、却って冷静を保てていたのだ。

絵に描いたような間一髪の状況でジャギは頭を引っ込め、ヘルメットに抉り傷を作りながらも凶悪な牙から逃れた。

「てめェ、まだ生きてたのか」

すかさずローリングで距離を取りジャギが言う。
やはり青い巨人は答えない。無言で不気味な表情をして迫るのみである。

(北斗千手殺でも為留められなかったか…面倒くせェなぁ)

ジャギとしては学校に到着さえすれば良いのだが、いざという時の為にそれ也の体力を残しておきたかった。
それならば、今は撤退を強いられるだろう。
走る事は避けられないがこのまま戦うよりはマシである。戦闘が長期化すればジリ貧にもなりかねない。
元は世紀末な小悪党である為かそういった判断への実行は素早かった。



「悪ィが今は逃げさせてもらうぜ!決着は後でな!」



そういってジャギは鬼に背を向け、全速前進!した。







「ふゥ、見えたな、あれが学校か」

校門まで数百メートル、ジャギは小さな声で呟く。
青い巨人もそろそろ撒いたと思いジャギが足を緩める。
息こそ切れていないがジャギは初めて全身全霊で走った気がした。

ジャギはこのゲームに参加してから奇妙な気分に覆われつつあった。
今までこんな相手の事を考えた戦いをした事があっただろうか。
今までこんなにも計略と考察を重ねたことがあっただろうか。

それがジャギのQMZの力の目覚めと自覚する事はなかったのだが。


「見る限り人気は無いな」

近くで学校を見た第一印象。
人や物は見かけによらないというが、初対面の人間や初めて見る物には正直第一印象でしか半断が付かない。
(これにはジャギの外見にも同じ事が言えるが)
とは言え、敢えて人の気配を隠している可能性も十分ある。あまり意味があるとは思えないが。


とにかく、今は中身が重要だ。



そう思ってジャギは校門を開くために手をかけようとして



誰かに肩を つ か ま れ た 。



否。



か ま れ た











「………」



もはや驚く事も出来なかった。
痛みよりも驚きよりも全てにおいて疑問が先行していた。
ジャギもまた青鬼同様無言になった。

それは諦念であろうか、後悔であろうか。
もっとも青鬼にとってはどんな事はどうでも良かった。
そこに人があるから喰らう。それだけである。
半ば人の姿をしているが故、そういった歪みがよりおぞましさを増長させているのだ。


ジャギの肩に食らいついた青鬼は顎を開き、肩肉から牙を抜いてより奥に食らいつこうとする。
自らの凶悪な牙で、心臓を貫く為に、

青鬼は最大限まで顎を開き、牙をジャギの胸に突き立てる。
強靭な筋肉さえも青鬼の顎の力には無力であった。




「…後悔も諦めも、しねェからな」




それは、魔法戦士としての抵抗。


同時に顎を閉じられる。


牙が心臓を___







貫かなかった。







青鬼の牙が空を千切る。
そのとき始めて青鬼は自分の体の違和感に気がついた。


拘束されている。


青鬼がその事実に気がつくのと青鬼がその空間から断たれたのは同時であった。


異変に気づき、ジャギが振り向く頃には青鬼もそれをつかんでいた「手」も消えていた。


【青鬼3@青鬼】一時退場



【c-03 /1日目・夕方】

【ジャギ@北斗の拳】
[状態]:疲労(大)+奥義連続使用による消耗、ダメージ(大)、全身に爆発によるダメージ×2、QMZの力の目覚め、原因不明の苛立ち、右腕に裂け傷(止血済み) 左肩に大きな噛み傷
[装備]:魔法戦士の衣装一式@QMZ
[道具]:基本支給品一式、音の出るフリスピー@ミツバチ(遊助)
    こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!、銃火器予備弾薬セット@オリジナル
    日本酒一升、刃物×2(全て違う種類、そこそこ大きい)
[思考・状況]
基本思考:ケンシロウの名を騙ってゲームに乗る
0:ケンシロウも気になるが、コソコソ見てた奴(譲治)も気になる。
1:参加者を探し、殺す。
2:銃火器がほしい。ガトリングとか。
3:襲撃者(にとり)は確実に殺す。
4:自分をコケにした女と犬(早苗と権兵衛)は許さない。
5:研、リュウセイ(名前を知らない)は次会ったら殺す。
6:奇跡の部屋にある新鮮な血に疑問。
7:右腕と左肩の治療を優先。
8:あの青い奴、さっきのとは何か違う気が…
※青鬼のデイバックがC-04に放置されています
※青鬼の事を支給品の類いだと考えています






「…伏せろ!」




プラシドがその異変に気づくことが出来たのはこの仰向けの無理な体勢だったからこそであろう。
上しか見えない、しかしそれが最大の不幸中の幸いであった。

…青い巨人という最大の不幸の。

今まで自分の周りで5人もの仲間が失われた。
その悲劇を繰り返さないのは、もはや言うまでもない
プラシドはプラ/シド也に上半身だけの状態でも自分に出来ることを絶えず模索し続けていた。

絶望を一歩分でも遠ざける為に、

希望に一歩でも近づく為に、

多くの仲間を失ってもなお挫けず、

上半身だけになってもなお諦めず、

絶望の未来を変えるため、生き残った仲間の命を救おうとするプラシドのその姿は、正に希望の番人であった。



そのプラシドの希望の声は、しかし手遅れだった。



桃色の人工的な頭髪がプラシドの顔にかかる。

プラシドにはルカの表情を伺い知ることは出来なかった。
なぜなら、ルカが座るべき運転席には、ルカの「体」だけがあった。
胸のあたりまで青黒く染まった首から上の存在しないルカの体が、そこにいたから。

その首無し死体の上に、歪な青の双眸がのぞく、
その双眸の正体こそ二人の仲間を喰らった張本人、青鬼であった。

青の異形は手に入れた餌をさぞおいしそうに咀嚼し、そして飲み込んだ。

ここでプラシドはここでやっと今起こった事を理解した。
それほど短い、一瞬の出来事であった。



自分の呼びかけもむなしく、ルカは青鬼に食われた。

プラシドの感情もまた、ルカを救えなかった事への絶望より、疑問が先行していた。

オデッセイの天井を破るまで音もしなかった。いつの間にここに。それだけの力があるというのか。
これは鬼子か。いや、青鬼は複数いる。とすればこいつは一体元々誰だったんだ。

青鬼は自らを見つめる上半身だけのそれが生きている事に気づく。
体を車内へとのめり込ませ、その上半身という餌に腕をのばす。
プラシドの視界が青鬼の手に覆われていく。

(………っ!)


運良くまだシート上に転がっていた拳銃の存在に気づき、それを構える。

重力が歪み、視界が反転していく。

それはプラシドの幻覚でも走馬灯でもなく、他ならぬ現実であった。




ルカという運転手を失ったオデッセイは文字通り暴走している事になる。

空中に放り出されたオデッセイは。運動エネルギーを残したまま位置エネルギーを生み出し、落下していく。
そのままオデッセイが転がりながら着地し、なおも何度か回転を続け川の浅瀬に着水、その場で回転運動を停止した。

プラシドもフロントガラスを突き破って吹き飛ばされ、河原に落ちる。
それは奇しくも遊星のシューティングスター・ドラゴンのスターダスト・ミラージュ五連撃を喰らって敗北した時と同じ吹き飛び方であった。
今回ばかりは意識が残っていたが。



河原のプラシドは微睡む意識を目覚まさせ、両腕で前へ進む。

あの鬼はまだ生きてるだろうか。
下半身は無事だろうか。
どちらにせよ移動しなければ。遅かれ早かれここも危険な所になる。


ついにまた、1人になった。



愛さえもいらなくなったあの世界のように。


だが、それでも絶望には呑まれない。


必ず希望はある。





そんなプラシドを飲み込む巨大な影が。





ブルーベリー色の全裸の巨人が。






「S・トリガー『地獄門 ヘル・ゲート』!」





どこからとも無く微かに聞こえた声とともに突如、青鬼をも飲み込む巨大な影が。


青鬼を呑み込んだ。






^ ^ ^ ^




「便利なもんだ。こんな紙切れにこれほどまでの力があるとはな」

「しかし相変わらず気持ち悪い化け物だ、こんなモノを去勢した所で何になるんだ」

青鬼を飲み込んだ影が霧散し、またどこからとも無く声が聞こえた。
プラシドは視界の端の声の主に目を向ける。
その男はかのアカツキの様な軍服を着用し、見知らぬカードを手に持っていた。

途切れながらの声でプラシドが問う。

「…お前は…誰…だ…」
「その…カードは…」

軍服の男が上半身だけのプラシドの存在に気がついた。
だが、その男は一言も話さずプラシドへ背をむけた。
軍服の男は何かを手に取り耳に当てる。通信機器の類だろうか。


「聞こえるかカルロ?そちらの様子はどうだ」


「なら主催に連絡して穴掘る道具でも送ってもらえ」


その言葉から、その態度から、プラシドが軍服の男の正体を察するのは容易であった。

プラシドはテケテケのような歩きでありながらも必死でその男に近づこうとした。


(…こいつは…主催者…?)


(何故俺を…)


「いや、残り志村と江頭に任せてある。終わったら主催の所に戻っていろ」


「俺はまだ仕事がある。切るぞ」


プラシドの手が男に触れようとしたその時、男は通信を切った。
同時に男はその空間から消え、プラシドの手は空を薙いだ。





大破したオデッセイと上半身だけのプラシドただ一人が、そこに残された。




【青鬼4(青鬼B)@青鬼】一時退場

【ホンダのオデッセイ@課金騎兵モバマス予告集】大破

【巡音ルカ@VOCALOID】死亡


【プラシド@遊戯王5D's】
[状態]:上半身のみ、希望の番人化
[装備]:アノニムの二丁拳銃 弾数(5/6)(一丁のみ下半身の腰に差している)@アカツキ電光戦記
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:絶望の未来を変える
0:今のは…?
1:気に食わないが戦力になりそうな不動遊星を探す。
2:愛用のDホイールと剣が欲しい。
3:不動遊星との決着は保留。
4:下半身♂を直したい。
5:宙……ルカ…。
6:青鬼を最優先で警戒
※シンクロの代わりとなるエクシーズに注目しています。
※歴史を改変しシンクロ時代の今をエクシーズの時代に変えようと思っています。
※ルカ達の話の食い違いについては一応思考中・・
※RUMと希望王セットのカードは一度使うと6時間使用できません。
※No.の精神汚染は本ロワでは無効です。
※プラシドのデイバック及び下半身、ルカのデイバックが大破したオデッセイの中に残されています。




¥  ¥  ¥  ¥






「後はあの少女アサシンか…」

軍服の男クックは、依頼内容のメモを再確認する。
2体の青鬼と少女アサシンの回収を行う。
回収後三人は参加者として正式登録し直し定時放送の際に再入場させる。
内2体の青鬼は増殖能力を削除。それまでに増殖する可能性のある死体は回収、処置を施し元の場所に戻す。
目的遂行の助けとして余りの支給品を渡すので好きに活用してよい。
但し、参加者との接触はできるかぎり控える事。
他の参加者の手中にあったり協力している場合は致し方ないが、断じて傷つける事の無いように。
メモに描かれたゲームバランスの調整の概要はだいたいそんな感じであった。

そのうち2体の青鬼と少女アサシンの回収を行うのが自分への依頼内容である。

この依頼に対しクックもまた多くの疑問を抱いた。
なぜ主催は最初からこんな事になる可能性もあると気づけなかったのか。
青鬼は増殖能力を削除とあるが、何をする気なのだろう。シモでもちょん切るのか。
何故自分だけベネット達と一緒に蘇生しなかったのか。


「まあ、今気にする事でもないな」

今は依頼の遂行が優先である。
そういう事はベネットに聞けばわかるかもしれない。

気を切り替え、妙に大きな双眼鏡で目標を確認する。
この双眼鏡も支給品となる筈が没になった物である。
覗きのレンズが少し汚れているが、一応使用に耐える物ではあった。

渡された余りの支給品はデイバックにまとめて入れられており、クックはそれを背負う形でここへ来た。
これではまるで参加者の様である。
だがそれも、クックにとっては満更でもなかった。
死んだ筈の自分が蘇ってメイトリックスと再び戦えるのは千載どころか万載一隅の好機である。

あの時、自分はメトリックスと戦い、よく解らないスイカバーのような物が胸を貫き、その命を失った。
元グリーンベレーを自負しておきながら。
それはクックにとって一番受け入れがたい事実であった。

もう一度、メイトリックスと戦いたい。
今度はスイカバーもルームガールもいない場所で。


「参加者が二人…やはり協力してると見て間違いないな」

レンズには映ったのは三人の少女。
そのうち質素な衣装をしているのが少女アサシン。
残る二人が暁美ほむら、鹿目まどかであろう。

位置情報の時点からだいたい見当はついていたがやはり協力者がいた。
こうなると面倒である。
戦闘になれば、誰かが傷ついてしまう。自分が犠牲を負う意味も無い。

そうなれば残された手段は話し合いである。
こちらには支給品という取引材料がある。
このデイバックの中にどれくらいの没支給品が入ってるかは知らないが役に立つ物も多いだろう。


クックは、メイトリックスとの戦いを経たからか以前と比べだいぶ慎重になっていた。
主催である以上、今の所命の心配をする必要は無い筈なのだが。


冷酷ながらもその目に闘志の宿る元グリーンベレーが足を踏み出した。


…要はチキンになったとも言えるけどね。


【クック@コマンドー】 主催追加確認

【クック@コマンドー】
[状態]:健康
[道具]:デーモン・ハンド@デュエルマスターズ、
    地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ、
    雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん、その他余りの支給品
[思考・状況]
基本思考:殺し合いの進行。メイトリックスへの復讐。
0:メイトリックスとは後で再戦したい
※午後までの参加者状況と位置を依頼者から説明をうけています
※デーモン・ハンド、地獄門デス・ゲートは元は支給品となる物でしたが枠から溢れ没になった物です。
 このため他のカード等と同様制限がかけられており、一度使うと6時間使用できません。

【カルロ@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:ジャック及びメアリーの死体の回収


【志村けん@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:四条雛子の死体の回収


【江頭2:50@コマンドー】
[思考・状況]
基本思考:クックの命令の遂行。
0:我那覇響の死体の回収




【アイテム及びキャラクター説明】
【カルロ@コマンドー】
「見てこい、カルロ!」 でお馴染みのアリアスの兵士たちの一人。
アリアスには「私の兵士は皆愛国者だ」と敬意を払っている一方、
ベネットからは「口だけは達者なトーシローばかり」「ただのカカシですな」と酷評されている。
動画内での彼らの呼び名も専らカカシである。

【志村けん@コマンドー】
カルロと同じくアリアスの兵士たちの一人。
メイトリックスに射殺される際やられ声が志村けんに似ていた事から命名。

【江頭2:50@コマンドー】
カルロと同じくアリアスのカカシたちの一人。
メイトリックスに射殺される際やられ声が江頭2:50に(ry

【デーモン・ハンド@デュエルマスターズ】
S・トリガー マナコスト6
相手のクリーチャーを1体破壊する。
発売当初から幅広く使われ、黎明期のデュエマを支えてきたS・トリガー付きの呪文。
ジャギを襲った青鬼を回収した。

【地獄門デス・ゲート@デュエルマスターズ】
S・トリガー マナコスト6
相手のタップされていないクリーチャーを1体破壊する。そのクリーチャーよりコストが小さい、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出してもよい。
デーモン・ハンドの相互互換と称されるS・トリガー付きの呪文。
プラシドを襲った青鬼を回収した。

【雪風の双眼鏡@艦隊これくしょん】
「艦隊これくしょん」に登場する艦娘の一人、雪風の常備する双眼鏡。駆逐艦娘に分類される。
他の駆逐艦娘が魚雷やら単装砲やら連装砲ちゃんやらの武装を持っているのに対し、雪風のみ双眼鏡である。
この理由は担当デザイナーが「史実では多くの軍艦の最期を見てきたとされるので見ることしかできないアイテムとして」とされている。
覗きのレンズが汚れていたのは、雪風の涙のあとが原因。


sm146:お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! 時系列順 sm151:妖怪(プラ/シドがテケテケ的に)競演
sm146:お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!! 投下順 sm148:幕間2
sm136:最悪の脚本(マッドスプリクト) プラシド sm151:妖怪(プラ/シドがテケテケ的に)競演
sm136:最悪の脚本(マッドスプリクト) 巡音ルカ GAME OVER
sm136:最悪の脚本(マッドスプリクト) ジャギ sm157:ならず者達
sm136:最悪の脚本(マッドスプリクト) 青鬼3 sm167:新にとり計画
sm136:最悪の脚本(マッドスプリクト) 青鬼4(B) sm:[[]]
sm142:私気になります! ベネット sm159:第三回放送
sm142:私気になります! サリー sm:[[]]
sm142:私気になります! エンリケ sm:[[]]
クック sm156:「アイテム渡しすぎじゃないですかね?」「ま、多少はね?」
カルロ sm159:第三回放送
志村けん sm159:第三回放送
江頭2:50 sm159:第三回放送




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