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腹ペコに定評のある軍人に無理やり青鬼実況させた ◆yZJRtWQFk.



「そういう訳で、その大会も私が勝たせていただいたのです」
「そ、そーなのかー」
「はい、やはり師範様の企画なされる大会はとても楽しいですわ~」
「はははは……」
「私より魅力的なファイターはたくさんいらっしゃいますのに、いつもいつも出場させていただいて……
 ああ、師範様……伝えたいですわ、この思い……」

G-08西部、四条雛子と我那覇響は適当に互いの素性を話しながら森の中を進んでいた。

中野TRFでの空中戦の後、南方から突如伸びてきた謎の熱線により、二人は一度撤退せざるを得ない状況に陥った。
雛子が難なく逃れられたのは予定調和だが、一般人である響はそうはいかなかった。
もし雛子によって熱線より西に投げられていなかったら、そのまま木々や建物と共に蒸発していただろう。
投げられたせいで未だに体が痛むが命には代えられない。SUMOUパワーにはまいったな!

そしてその体験と体の痛みは、今の状況が紛れもない『現実』であると響に知らしめるには十分であった。

(バトルロワイアル……夢でもドッキリでもないんだな、これ……)

響はチラリと隣を歩く命の恩人に目を向ける。
話を聞くに、この四条雛子は数々の大会で優勝を収める程の実力を持つ女子SUMOUレスラーらしい。
因みに四条姓と溢れ出るお嬢様臭から貴音の親類ではないかと響は疑ったが、尋ねてみたら違ったようだ。

小さな体に似合わぬ力と技を持ち合わせた女子高生RIKISHI。
そのRIKISHIと空中戦を繰り広げた怪しげな黒タイツの男。
極太レーザーで辺り一帯を蒸発させた謎の存在。

――そして自分は、ただのアイドル。

(……こんなの絶対おかしいぞ~~~~~!!)

響は心の中で頭を抱えて絶叫した。幾ら何でも場違い過ぎる。
これでは誰もが知る大御所アイドル達の中に一人だけ無名が放り込まれたようなものだ。
普段は自信家である響も、こんな超人連中に囲まれたからには消極的にならざるを得ない。
もう家族やペット達、そして765プロの皆とは一生会えないのでは……。
雛子の存在のお陰で表面上は平静を保てているが、内心響は強い恐怖心に蝕まれていた。

(どうする? 雛子はいるけどまた強くて怖い奴と遭ったりしたら……
 い、いや! まだ諦めるのは早いぞ自分! きっとプロデューサーが助けに来てくれるさー!)

あんな超人揃いの参加者や武装した主催者を相手にして、一介のプロデューサーに何が出来るというのか。
今の響にそんな事を考慮出来る余裕は無い。正しく藁をも掴みたい気分なのだ。
とにかく今は危険人物との遭遇を避け、信頼できる誰かの助けを待ちたいと響は考えていた。

「……ところで雛子、これからどこに向かうつもりなんだ?」
「特に決めてませんけれども……さっきの黒い御方は見失っちゃいましたし、東は海のようですし」

雛子はキラキラと目を輝かせて、言った。

「ですから、西に行けばきっと強い御方と出会えますわ~♪」

(い、いやだ~~~! プロデューサーはやくきてくれ~はやくきてくれ~)

……響の苦悩はもう暫し続きそうである。



 ★ ★ ★



時同じくして、こちらはG-06とG-07の境界地点。

(撒いたか……)

その男、アカツキは深く息を吐き、疲労と少しの恐怖で高鳴る心臓を落ち着けた。

呪いの館付近でブルーベリー色の巨人と遭遇し、戦術的撤退を余儀なくされたアカツキ。
彼はその後逃走を続け、いつの間にやら館から一エリア以上離れたこの地点までやってきていた。
何とか撤退には成功したものの、彼の表情には強い悔しさが滲み出ている。

(あのような化物風情に臆するとは……軍人とあろう者が情けない……)

アカツキはこれまで幾つもの死線を潜り抜けてきた。
しかし、その相手はあくまで「人間」の範疇に収まる者のみ。
中には皆のアイドル戦車たんなど多少のイレギュラーもあったが、あのような人知を超えた生物を相手取った事など今まで無かったのである。
『あれ』の正体は何なのか。それを今考えた所で答えが解かる筈もない。
重視すべきは、あの巨人が明らかにアカツキを殺害すべく追跡してきていたという事。
その目的は定かではないが、アカツキにとって任務遂行の邪魔となる敵である事だけは確かだ。

(……いずれは恐怖を克服せねば。まだ斃れる訳にはいかぬ)

半世紀前に与えられた『全ての電光機関破壊』の任務は未だ終わっていない。
アカツキは己の命が尽き果てる迄、任務完遂の為に戦い続ける覚悟を決めていた。

――その命令を下した張本人がオリーブオイルに感けた挙句ショタ化しているなど、今のアカツキが知る由も無い。


そうして少し西に進むと、周囲の森林風景に似つかわしくない高層ビルのような建造物が現れた。
アカツキはデイパックから地図を取り出し、目の前の施設を確認する。

(『こんなところ』……どんなところだ?)

あまりに抽象的な施設名に突っ込みを入れつつ、アカツキはその建造物に近づいていく。
その入口の前には「精神病院」と書かれた気色悪いピンクの看板が掲げられていた。
精神病院を「こんなところ」と表現するのは些か道理に外れるのではとアカツキは思ったが、
このような悪趣味な催しを開く連中に道徳性を求める事こそがそもそもの間違いであると考え直した。

(何者かが潜伏していないか確かめておくか)

入口の自動ドアを開け、アカツキはこんなところ内部へと足を踏み入れた。



 ★ ★ ★



それから暫く院内を回った後、アカツキは適当な所で探索を打ち切る事に決めた。
中に人の気配は無く、見つけたのは閉鎖病室の鍵の束と大胸筋矯正サポーターくらいなものだ。
鍵の束は閉鎖病棟の探索の役には立ったが最早用済み。
結局ここの探索は無駄足だったと言っても差し支えないだろう。因みにサポーターはその場で捨てた。

(さて、メイトリックスの捜索に戻りたい所だが……
 その前に腹ごしらえを済ませておかねば。電光機関による消耗で腹が空いてきた)

電光機関は適合者以外が使用すると代償として使用者自身の命が削られる、正に決戦兵器と呼ぶべき代物だ。
アカツキは――言及はされていないので定かではないが――『適合者』の方である為に幾ら使用しても消耗で死ぬ事は無いが、
それでもエネルギーの消費は避けられないのか使い過ぎると急激に空腹になってしまうのだ。
デイパックには三日分程度の食料が入っていたが、アカツキにとってそれらは全て合わせても一食分にも満たない量であった。
とはいえ何も無いよりはマシだろう。これからどんな強敵に襲撃されるかわからぬ以上、エネルギー切れだけは避けておきたい。
腹が減っては戦はできるという名セリフを知らないのかよ。


静寂に包まれた無人の院内に足音を響かせ、アカツキは長い階段を下りていく。
一階の玄関ホールで食事をしたら、再びメイトリックスの捜索に会場を回る予定だ。

「ム……?」

一階に到着し玄関に向かおうとしていたアカツキは、そこから更に下階に続く階段を発見した。
どうやら地下室に続く階段のようで、奥からは地階独特のひんやりとした空気が漂っている。
一階から順に上階へと探索を進めたアカツキだったが、地下まではまだ確認していなかった。

「…………」

その時、アカツキは地下からほんの少しのきな臭さを感じ取っていた。
それは彼の陸軍技官としての勘なのか、それともゲゼルシャフトに立ち向かった際に培った経験から来るものなのかはわからない。
とにかくこの病院の地下には何かが隠されている可能性が微粒子レベルで存在している気がしたのだ。

(……思い過ごしだとは思うが)

とりあえず軽く見て回った方がいいだろう。
そう判断したアカツキは踵を返し、地下への階段に足をかけ――――ようとした。

    |┃      _ノ⌒ヽ
    |┃     /      \
    |┃三   /   ≡≡  |
    |┃    ( r==、ッノ=<|
    |┃三  ノ<●> <(●ノイ
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    |┃ ≡ ヽ _ノ\Lノヽ_ ノ
____.|ミ\__ヽヽー―-イノ
    |┃=___\_二_/\
    |┃ ≡   ) ≡≡ ヽ ヽ ガラッ


「!!? ――――何ィィィィ!!」

アカツキは飛び退いた。
見覚えのあるブルーベリー色の巨体が視界に入った瞬間、反射的に。

一体いつから、何の目的でこんなところに侵入していたのか。
彼を追ってきたのかもしれないし、偶然同じ施設に辿り着いただけかもしれない。
真相は誰にも分からないだろう。


鬼ごっこは、まだ終わってはいなかった。


ブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人――通称『青鬼』は、のそりのそりと目の前の獲物に近づいていく。
異様に大きく不揃いな目で獲物を捉え、口元を不気味に微笑ませながら。
一方の獲物は未だその場を動かず、しかしいつでも次の行動を起こせるように体勢を整えながら、じっと敵の様子を伺っていた。

選択肢は二つだ。「戦う」か、「逃げる」か。
逃げる事は簡単だ。敵の移動速度も自身の逃走経路も既に把握済みなのだから。
しかし、戦うという選択肢も捨て切れない。彼には軍人としての誇りがあり、果たさなければならない任務がある。
それ故にこの程度の障害は排除しておきたかった。……勝てる見込みがあるのであれば。
そうして次の行動を決めあぐねている間も、青鬼は着実にアカツキとの距離を狭めていく。

「…………お前は……何が目的だ?」

アカツキの問いかけに、青鬼は一瞬だけ動きを止めたように見えた。
しかし返事は返ってこない。元から返答に期待などしていなかった。
それよりアカツキは、自らの口から出てきた声が少し震えていた事に愕然とした。

(まだだ……まだこいつには勝てん……)

未知の怪物への恐怖に未だ負けていると悟ったアカツキは、やむを得ず「戦う」選択肢を捨てる。
となると、残された道は一つしかない……が。

(……否、『撤退』のみではない。策はまだある!)

何かを閃くと同時にアカツキは青鬼に背を向け、思い切り床を蹴って走り出した。
その行先は玄関……ではなく、上階。
青鬼も釣られて走り始めたのを確認しつつ、アカツキは勢い良く階段を駆け上がっていく。
追手に追いつかせず、かといって完全には撒き切らないように適度な距離を保ちながら。


アカツキが辿り着いたのは閉鎖病棟。
どこぞのキチガイヒーローが精神病者の真似をして潜入入院した問題の場所である。
そのうちの一室の扉を開ける。中は隅にベッドが一つ置かれているだけの殺風景な部屋だ。
出入り口は一つで窓も存在しない。万が一出口を塞がれてしまったら袋のねずみであろう。

部屋に入ったアカツキはベッドをずらして簡単なバリケードを作り、敵の襲来を待ち受ける。
恐怖から来る若干の体の震えを抑えながら。
それから数秒もしないうちに、追跡者によって再び病室の扉が開け放たれた。

部屋の入口に立つ青鬼と、部屋の奥で身構えるアカツキ――両者の視線がぶつかり合う。

「……来い!」

その挑発を受けてか否か、青鬼はアカツキ目掛けて突進を開始した。
しかしバリケードで隔たれている為か、途中で方向転換して右側から回り込んだ。
バリケードと言ってもベッド程度、楽に突破できた筈だが、何故か青鬼は障害物を動かしたり乗り越えたりはしなかった。

アカツキは青鬼の動きに反応して上手く反対側に逃げる。青鬼はその後ろを追う。
それにより、青鬼よりアカツキの方がこの病室の出口に近い形となった。
チャンスとばかりにすかさず出口へとダッシュするアカツキ。
青鬼より先に廊下に飛び出すと、急いで扉を閉め、手に握り締めていたある物を取り出した。
それは探索中に手に入れた鍵の束のうちの一つ。

そう。アカツキの策とは、青鬼をこの部屋に閉じ込める事だった。
無差別に人間を襲う危険極まりない怪物、これ以上の被害を出さない為にも封印するに越した事は無い。
普通の部屋ならいざ知らず、ここは閉鎖病室。簡単に中から破られるように出来ている筈が無いのだ。
その壁と扉の頑丈さをアカツキは探索の時既に確認していた。

ここまでは大体予定通り。だがまだ作戦は完了していない。
アカツキは手にした鍵を鍵穴に差し込もうとする。
しかし手が震えて上手く刺さらない。

「くっ……!」

もし先に扉を開けられてしまえばただでは済まないだろう。
青鬼は既に扉のすぐ傍まで迫ってきている。
最早一刻の猶予も無い。


ガチャリッ


――アカツキが鍵を閉めるのと青鬼が扉に手をかけるのはほぼ同時であった。

「……作戦完了」

少し疲弊した声でそう呟く。
部屋が比較的広めで障害物もあったので、難易度自体はそう高くはなかった。
これがもし狭い鉄格子部屋か何かだったら正しく青鬼上級者向けであっただろう。



罠にまんまと掛かった間抜けな鬼は扉をドンドンと叩いている。
これでこの巨人は暫くはここから出られない筈だ。
無論この扉もそのうち破られる可能性はゼロではないが、それでも足止めには十分過ぎる程だ。

アカツキの体の震えは止まっていた。
しかしそれは恐怖を乗り越えたからではなく、単にあの怪物との仕切りが出来たからに過ぎない。
動物園の檻の中のグリズリーを怖がる子供はいないし、眼前の青鬼に「かわいいな、下半身w」なんて台詞を吐けるのも鉄格子あってこそなのだ。
真に恐れを克服するには、更なる七難八苦を受け入れるしかない。アカツキはそう考えていた。

(自分にはまず何よりやらねばならぬ事がある……これの始末はその後だ)

引っ切り無しに叩かれる扉の音を背に、アカツキはその場を立ち去る。


廊下の突き当たりを曲がる頃には、音はもう聞こえなくなっていた。



 ★ ★ ★



それから数分後。
アカツキはエレベーターに乗り込みデイパックを床に置くと、一階のボタンを押した。
行き損ねた地階もほんの少し気にはなるが、今はそれを優先すべき状況ではない。

階段ではなくエレベーターを選んだのは、可能な限り消耗を抑えたかったからだ。
F-04からF-08までの短期間の移動、そしてその後の怪物とのリアル鬼ごっこを経て彼の肉体には相当の疲労が蓄積していた。
最初エレベーターの使い方が解からず、十数秒くらい昇降ボタンとにらめっこしていたのは内緒だ。

一階に戻れば、あとは当初の計画通りに事を進めるだけ。
アカツキもあの巨人が居る建物の中で食事などしたくは無いが、他に場所を探すのも手間だ。
寧ろこの建物が現時点で最も信頼できる場所かもしれない。
脅威はあの病室に閉じ込めた怪物だけで、あの扉が早々に破られるなどある訳がないのだから。

チーンという音と共にエレベーターが下降を止める。どうやら到着したらしい。
中の乗客を守るように固く閉じられていた鉄扉が左右に開かれ、



ブルーベリー色の何かが目の前に現れた。



――アカツキは、生まれて初めて背筋が凍りつく感覚を覚えた。



「……莫迦な!!」

アカツキは目を疑った。
何故数分前に閉じ込めた筈の巨人が、悠々とエレベーターの前を塞いでいるのか。
この短時間であの頑丈な扉を破って出てきたのか。それとも、まさか空間移動でもしてきたというのか。

狭い鉄の箱の中、前方は塞がれ……もう、逃げ場は無い。

青鬼は大きく口を開け、獲物の頭部に狙いを定めて襲いかかった。


ガブッ


青鬼はアカツキの頭……ではなく、左腕に噛み付いた。
最早ダメージは避けられぬと判断したアカツキは、咄嗟に利き腕ではない左腕を犠牲にしたのだ。
そうしなければ卓郎コース、若しくはマミさんコース直行であった事は確定的に明らかだ。

「グッ……ウゥ………!」

青鬼はアカツキの腕に喰らいついたまま放さない。
白い軍服の袖が、見る見るうちに鮮やかな赤に染まっていく。
彼の左腕には猛獣と見紛う程の長く鋭い牙が深々と食い込んでいた。
苦痛に歪む獲物の表情に満足したのか、青鬼はニヤリと口元を歪めて顎の力を一気に強める。
このまま腕を食い千切ろうというのか。させるわけにはいかない。
文字通り、アカツキにはまだ手が残されている。

「電光機関……解放オォォォ!!!」

右手で試作型電光機関を操作し、最大出力で解放する。
アカツキの体に高圧の電流が走り、青鬼との接触部分に眩いばかりの火花が散った。
幾ら人知を超えた怪物といえど、生物である以上電撃が通用しない筈が無い。
堪らず青鬼は口を離し、アカツキはその隙に敵の横を抜けてエレベーターから脱出した。


あとは持てる力の限りを尽くして走るのみ。
腕から迸る血など気にしてはいられない。
床に置いていた自身のデイパックを回収する余裕すら無かった。



 ★ ★ ★



それから数時間が過ぎ、森の中に早朝の淡い日差しが差し込む頃。
四条雛子と我那覇響は幸か不幸か未だ誰とも出会わず、G-07をのんびりと歩いていた。
好戦的な参加者との遭遇は雛子にとっては神の賜物だが、響にとっては地獄の宴だ。
昨夜は間一髪で助けられたが、もしまた同じ事があれば……そう思うと体が震えてくる。涙まで出てきそうだ。

(せっかく765プロも有名になって、番組も貰えたのに……自分、まだ死にたくないぞ……)

そんな響の気持ちをようやく察してくれたのか。
雛子は目にうっすら涙を浮かべた響に向き直り、真剣な面持ちで話した。

「大丈夫ですわ、響さん。もし何かあったら私が響さんを守りますから」
「……ううう~っ……ひ、雛子、本当か……?」
「はい。その代わり、一緒に相撲やりましょう」

まさかの条件付き。もしや最初に助けたのもそれが狙いだったんじゃなかろうか。
そう疑いたくもなったが、今の響はもう四の五の言ってられなかった。
生きて帰りたい。まだまだアイドルとしての人生を楽しみたい。響は涙を拭った。

「……分かった、雛子! 自分も相撲やるぞ!」
「まあ! 本当ですか~?」
「それだけじゃないぞ! 『生っすか!?サンデー』に相撲コーナーを作って全国のお茶の間に相撲ブームを巻き起こすさー!」
「素晴らしいですわー!」

バトルロワイアル会場のど真ん中でキャッキャと騒ぐ女子二名。傍から見るとかわいそうな子にしか見えない。
しかし、今のやり取りのお陰で響はだいぶ元気を取り戻したようだ。
他者との繋がりが出来た事は、寂しがり屋の一面を持つ響の心の支えになったらしい。

(ところで『生っすか!?サンデー』ってどこの局の番組なんでしょう?)
「よーし、雛子が一緒ならもうなんくるないさー! 張り切っていくぞー!」

そう言うと、響は駆け足で雛子を追い越していく。
長時間ぴんと張っていた緊張の糸が解けた為に、響は少々テンションがハイ!になっていた。
待ってくださ~い、という後ろの雛子からの呼びかけも気にしない。

次の瞬間、響は叢の中に隠れていた何かに躓いた。

「くぃどぅるるる!!?」

受け身が間に合わず、思いっきり転倒してしまう響。
しかもつい異様な鳴き声を上げてしまった。言うなれば、ペットの生霊に乗り移られたような。

「う……うが~、これじゃ春香みたいだぞ自分~~」

立ち上がって肌や服についた土を払い落とすと、響は自分が躓いたモノに目を向けた。



「……うわわわわっ!?」

響の心臓がドキリと跳ねた。
無理もない。そこには白い軍服に身を包んだ若い男がぐったりと倒れていたのだ。
左腕を怪我しているらしく袖は全体的に赤色に染まり、下の地面は血を吸ってどす黒く変色している。

「お……おーい! 大丈夫かー? しっかりしろー!」

大慌てで男の元に駆け寄り、その体をゆっさゆっさと力いっぱい揺する。
死んではいないが反応は無い。というか揺らしすぎだ。このままでは頭の中がシェイクされてしまう。

「……まあ、アカツキさん! アカツキさんではありませんか!」

ようやく追いついた雛子が、男の顔を見るなり驚嘆の声を上げた。

「雛子、知り合いなのか!?」
「はい、大会でよくお見かけしますし、試合で直接戦った事もありますもの。
 きっと素晴らしい真剣勝負の末に怪我なさって気を失われたんですわ、早く手当てしませんと~」

とにかくアカツキの怪我の応急処置をする事にした二人。
彼が倒れた一番の原因は怪我ではなく極度の空腹だったりするのだが、そんな事を二人は知る筈もなかった。

【G-07 森林/1日目・早朝】
【四条雛子@MUGEN】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:真剣勝負を堪能する。相撲に勧誘する。
0:アカツキさんに手傷を負わせる程の御方、是非とも真剣勝負したいですわ~
1:アカツキを介抱する。
2:俺より強い奴に会いに行く……ために西へ向かう。
3:響を守り、一緒に相撲をする。
4:アサシンとの決着をつける。
※MUGENのアカツキと面識があります。その他にも何人かとは面識があるかもしれません。
※響の素性を簡単に聞きました。

【我那覇響@アイドルマスター(アニメ)】
[状態]:軽い打撲、死への恐怖
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:生きて帰る。
1:アカツキを介抱する。
2:雛子に守ってもらう代わりに一緒に相撲をする。
3:何で自分の周りは超人だらけなんだ~!?
4:プロデューサー~、助けて欲しいんだぞ~
※参戦時期はアニメ15話終了時からです。
※雛子の素性を簡単に聞きました。
※雛子を頼りにする事で死への恐怖を薄れさせています。

【アカツキ@アカツキ電光戦記】
[状態]:気絶、疲労(大)、左腕に大きな噛み傷、青鬼に恐怖、腹ペコ
[装備]:試作型電光機関@アカツキ電光戦記
[道具]:こんなところの閉鎖病室の鍵の束@チャージマン研!
[思考・状況]
基本行動方針:殺しあうつもりは無い。
0:――――。
1:腹が空いて力が出ない……。
2:メイトリックスを探し主催の事を聞きだす。
3:青鬼への恐怖を何としても克服する。
4:こんなところの地下が少し気になる。
※総統閣下シリーズの世界を知りました。
※別の世界から呼ばれたのだとギルガメッシュから聞きましたがどう考えてるかは不明です。



 ★ ★ ★



アカツキの敗因は、青鬼という存在の神出鬼没さを知らなかった事だ。

クローゼットの中、襖の中、暖炉の中、床下――青鬼はどこからでも現れる。
たとえ牢に閉じ込めようとも、次の瞬間には何事も無かったかのように追跡を再開する事だってあるのだ。
故に、密室に閉じ込めるなど不可能。
ただ只管逃げる事こそがあの時のアカツキにとっての最善の道であった。

再び森の中に逃げ込まれ、鬼は獲物を見失った。
これからどこに向かうかは、誰にも分からない。

【G-06/1日目・早朝】
【青鬼@青鬼】
[状態]ダメージ(小)
[装備]不明
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3個
[思考・状況]
基本思考:???
1:???


※アカツキのデイパックがこんなところのエレベーター内に放置されています。
 中身は基本支給品一式、草薙京のクローン(機能停止後)@THE KING OF FIGHTERSです。
※原作のこんなところの地下には秘密基地がありましたが、この会場にもあるかは以降の書き手にお任せします。




sm58:埠頭のアルセーヌ 時系列順 sm60:なかには役に立つ支給品だってあるんだよ?
sm58:埠頭のアルセーヌ 投下順 sm60:なかには役に立つ支給品だってあるんだよ?
sm27:響チャレンジ!バトルロワイアル編 四条雛子 sm82:SUMOUとポニテとチャーシュー麺
sm27:響チャレンジ!バトルロワイアル編 我那覇響 sm82:SUMOUとポニテとチャーシュー麺
sm34:青鬼ごっこ アカツキ sm82:SUMOUとポニテとチャーシュー麺
sm34:青鬼ごっこ 青鬼 sm66:恐怖!精神病院




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