※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

何故なら彼女もまた、特別な存在だからです ◆0uDu0SETOk



『ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウゥゥゥゥウウゥゥゥゥゥゥウゥウゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!』

イカ娘と赤座あかりが呪いの館を出てまもなく、けたたましいサイレンが鳴り出す
「さ、騒がしいでゲソ!いったい何の音でゲソか!」
イカ娘はその騒音に耳を塞ぐ、やがてサイレンはやみ、どこからか男の声が響き渡る

『──おはよう、参加者の諸君。 始めの六時間をよく生き残ったな』

「イカちゃん、放送だよ!メモの準備しないと!」
「わかったでゲソ!」

イカ娘は地図と筆記用具を取り出し、放送を書き写し出した
(せっせと文字を書いてるイカちゃんもかわいいなぁ)
その様子をぼーっと眺めるあかり。働け

まずは禁止エリアが発表され、続いてこれまでの死亡者の名前が読み上げられる
もし自分の親しい人が読み上げられたら…不安で心臓が大きく鼓動する

『…以上の十六名だ。
知り合いがいたなら御愁傷様。』
「どうやら知り合いはいなかったみたいでゲソ…あかりはどうだったでゲソか?」
安堵した表情を浮かべるイカ娘に対し、あかりは依然として不安げな口調で呟いた
「知ってる人はいなかったよ。でも…たった6時間でこんなに人が死んじゃうなんて…私たちに何かできなかったのかな…?」
「…あかりは優しいんでゲソね…でもこんな場所ではどうしても仕方ないことでゲソ…」

さらに定時放送は続く
マイクが切り替わり、ジェニーの叫び声が響く
『それでは諸君、次の放送まで精々生き残るんだな。』
サリーの言葉を最後に、放送は終了した

「なんて卑怯な奴ら…許せないでゲソ!どこまでも虫野郎でゲソね…!
 あいつらはもはや、人間じゃないでゲソ!」
サリーの行為にイカ娘は激しくイカりを露わにしていた
「イカちゃん…(…あかり達も人間じゃないんだけど…)
 それより見て、参加者名簿に文字が浮かんできたよ!」

白紙だった参加者名簿に、徐々に文字が浮き上がってきた
二人はそれぞれ自分の知り合いがいないかを確認する
やがて、あかりは安心したように口を開いた
「よかった、京子ちゃんはこの戦いには呼ばれなかったみたい」
仮にマスターである京子がこの場に呼び出され、あかりの手の届かないところで殺されてしまったら、サーヴァントであるあかりも消えてしまう
それに、なによりも自分の大切な人が殺し合いに巻き込まれなかったことが嬉しかった

「それに友達の結衣ちゃんもちなつちゃんもいないみたい。
 イカちゃんは…なんか微妙にがっかりしてるみたいだけど、知り合いがいたの?」
イカ娘は少し落胆している様子で、ため息混じりに答えた
「いや、私も知り合いはいなかったでゲソ」

「早苗」という文字を見て一瞬だけビビったが、結局自分以外には知っている名前はいなかった
ただあかりとは反対に、内心では他に誰かがいて欲しかったと思っていた
例えばそう、千鶴なんかがこの場にいてくれたら間違いなく最強の味方となってくれただろう
栄子でもいい、彼女と一緒ならばこの世界からの脱出だろうと何であろうと出来る気がする

…って待てよ、私の目的は別に脱出ではないじゃなイカ!
知り合いがいないということは、逆に邪魔されずに侵略活動に徹することができるということ
もう海の家で遊んでいるだけの私じゃない!今こそ…

「そう!今こそ、侵略者としての本気の本気を見せつけてやる時なのでゲソ!」

先ほどのがっかりした顔から一転、イカ娘は立ち上がり空を指差してゲソゲソと高笑いをした
「わぁい、イカちゃん、なんか突然元気になったみたいでよかった」
勝手に元気が出たイカ娘につられて、あかりも自然と笑顔になった
(なんていうか、お調子者のイカちゃんもかわいいなぁ)



地図を眺め、先程発表された禁止エリアと照らし合わせる
現在、二人がいる場所は呪いの館から少し歩いたところ、つまりE-08にいる
「このまま道なりに行くと、2時間後に封鎖されるエリアに入るのでゲソね」
「そうなの!?それじゃあ早く引き返したほうがいいんじゃないの?」

その言葉にイカ娘は人差し指を立て、チッチッと動かす
「何を言ってるでゲソ!禁止される前に探索しておかないと、もったいないじゃなイカ!」
「えーっ!でももしもそのエリアから抜けようとした危険人物に鉢合わせちゃったらどうするの」
あかりが疑問の声を唱えると、イカ娘の威勢が弱まった
「うぅっ…その時はその時でゲソ。二人がかりなら多少の危険人物でも返り討ち出来るはず…」
「で、でも、物陰に隠れて狙撃してくる人がいたらどうしよう…」
「ううぅっ…やっぱり危険でゲソか…?…いや、あかりはちょっとネガティブすぎるでゲソ!危険を恐れて侵略なんかできないでゲソよ!」
「う~ん…あかりはやっぱり不安だなぁ、狙われたらどうしよう」
それでも心配そうな顔をするあかりに、イカ娘は自信満々に言い放った
「その点は安心するでゲソ!あかりは影が薄いから狙われることはないでゲソ!」


くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡


ショックを受けているあかりを引きずりながら、砂利道を進んでいく
「え~ん、痛いよ~、自分で歩くから一旦離してよ~」
座ってる状態で胴体に触手を巻きつけて引っ張られているため、あかりの尻にはどんどんダメージが蓄積されていく
あかりが抗議した直後、ピタリとイカ娘の足が止まった
「あかり…あそこに何かあるでゲソ…」
その隙にあかりは制服のスカートをはたきながら立ち上がる
「もう、イカちゃんひどいよぉ…。何かあるって、そんなの一目見ればわか…」
あかりは道路脇に転がっている『それ』を見た瞬間、ぴたりと凍りついてしまった



それは深夜のうちに殺された木原数多の死体であった
頭部はぐちゃぐちゃに潰されており、バラバラに散った頭蓋骨の破片や歯が血によって赤く染まり、脳みそと共に周囲を汚していた
今まで人の死体なんて物を見たことのない二人には、その光景はあまりにも衝撃的であり、あまりにも刺激の強いものであった
あかりはこみ上げる吐き気に咄嗟に口を抑えてかがみ込む、その間にイカ娘は恐る恐る死体に近寄っていた
必死に吐き気を抑えながら、あかりはイカ娘に尋ねる
「イ、イカちゃんは平気なの…?」
イカ娘は死体を周りをうろうろと回って観察し、あげく触手を使って死体を動かしてみたりしていた

「あかり…これは…」
「こ…これは…?」
何か発見したのだろうか?あかりは嘔吐感に耐えながら、なるべく今の光景を考えないようにしながら、イカ娘の次の言葉を待った

次の瞬間イカ娘は死体を放り投げ、さらに一歩身を引いて叫んだ
「人間の死体じゃなイカ!?」
「ええええぇぇぇぇっ!?気づくの遅いよ!」
イカ娘の発言に拍子抜けしたあかりは、思わず吐き気を忘れてツッコんでいた

「ここまで原型を留めない殺され方をしていたとは…一瞬わからなかったでゲソ…」
「ふ、普通はわかるんだけどね…」
「どう考えてもこんなに必要以上に攻撃する必要はないじゃなイカ!殺した犯人は絶対に許せないでゲソ…!
 あ、そういえば参加者一覧にに知的な犯人っていなかったでゲソか?」
「これ知的なやり方じゃないから多分違うと思うけど…
 それより、とりあえずこの人は埋めてあげたほうがいいのかなぁ」
横目でチラリと死体を見る。…正直あまりまともには見ていたくない
「埋める…?それも人間の文化の一つでゲソか?」
そっか、イカちゃんは海の使者だから知らないのか…
「えーっとね…人間は死んだら、その…燃やして土に埋めてあげるんだよ」
「に、人間は死んだ人に対してそんなひどい追い討ちをかけるでゲソか…!お、恐ろしい…」
イカ娘が悪い方へ解釈しようとしていたので、あかりは慌てて訂正をする
「あわわっ違うよ!なんていうか、土に埋めて体を大地の元へ還すってことで、その人を弔うってことになるんだよ」
あかりはうろ覚えで説明したが、あながち間違ってはいないだろう
イカ娘もその説明に納得したらしい

「なるほど…それじゃあ、私はもうちょっと付近を調べるから、あかりはその人を埋めてあげるでゲソ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!私じゃ怖くて出来ないよ!いやぁん待ってぇ置いてかないでぇ」
「少ししたら戻ってくるから、なるべくそこにいるんでゲソよ」

手を伸ばして涙目で訴えるあかりを置いて、イカ娘はスタコラと行ってしまった



「あかりはちょっとビビリすぎでゲソ。死んだ人間よりサメやシャチの方が怖いじゃなイカ」
いくらスプラッタ状態であろうと、イカである彼女には人間の死体などそれほど恐怖の対象とは感じなかった
むしろあんな悲惨な殺し方をする参加者に対する怒りがこみ上げてくる
血はだいぶ乾いていたし、まだ周辺に犯人がいるとは思えないが、ほかに手がかりが残っていれば見つけておきたい

E-08エリアに入ってすぐ、またしても二つの死体が横たわっていた
一人は胴体に風穴の開いた老人、もう一人は肌が青白い派手な服の首なしの男
「殺人者はわざわざ刃物で首を切り落として…もう一人には至近距離でバズーカでも撃ち込んだでゲソか?」
こんな必要以上に手間のかかった方法で惨殺されている様子に思わず鳥肌が立つ
周囲を見渡すと青白い肌の男の物だと思われる頭が転がっていた
…が、その形状に思わずギョッとした。その顔は人間のそれではなく、悪魔と形容するに相応しいものであった

(この状況はいくらなんでも不気味でゲソ…さっさとあかりを連れて先へ進んでしまおうか…)

イカ娘は来た道を引き返そうとしたが、さきほどのあかりの言葉がよぎった

――土に埋めて大地に還してあげることで、その人を弔ってあげることになるんだよ

(とすると、彼らも埋めてやるべきなのか?)
もし私がこのままこの死体を放置したら、ここはすぐに禁止エリアとなり、彼らはずっと誰にも手をつけられずに野ざらしになるだろう
そう考えると、不気味な悪魔男も老人も、哀れに思えてくるのだった
「仕方ないでゲソね…私がお前らを弔ってやるでゲソ。ありがたく思うでゲソ」

イカ娘は触手を使い、近くの土を掘り起こした
「さぁ、ここで安らかに眠るがいいでゲソ」
そう言って二つの死体を持ち上げる
その時、老人のスーツのポケットから何かがポトリの何かが落ちた

「これは…飴でゲソ…」

その老人は子供たちの未来を守ろうと誓い、そして圧倒的な力を前にあっけなく幕を閉じた犠牲者である
そんな無念を抱いた彼が一番のお気に入りだったキャンディー、それはヴェルタースオリジナル
その飴を拾い上げた時、少女の心に彼の思いが流れ込んできた

――私がこの場に呼ばれた時の初めての誓い、それは子供たちの未来を救うこと。その望みを貴女に託させてほしい――

本来彼が守ろうとしたのは、この少女のような存在であった。そんな相手に自分の願いを託すのはおかしな話なのかもしれない
しかし、そんな思いにイカ娘は空を仰いで力強く答えた

「…わかったでゲソ!お主の願い、確かに受け取ったでゲソ!」

苦痛に歪んでいた老人の亡骸が、ほんの少しだけ微笑んだように思えた

――こんな素敵な少女に会えた私はきっと特別な存在なのでしょう、その飴をどうか受け取ってください
――何故なら貴女もまた、特別な存在だからです


二つの亡骸を土に埋め、近くの折れた木を目印代わりに突き刺しておいた
そしてしばらく、手のひらにあるヴェルタースオリジナルを見つめ、ギュッと握りしめて呟いた
「…私が特別な存在…フッ…そんなこと、わかりきったことじゃなイカ…」
そう、わかりきったこと…でも、とても嬉しく思えた。そして何故だか目頭が熱くなった



「あかり、戻ったでゲソ!」
\ポピーン/ \カメンライドゥ/ \キバァ/
「な、何やっているんでゲソか…?」
あかりは涙目でアゾット剣を使って穴を掘っていた
「うぅ…一応こうやって穴は掘っておいたんだけど、怖くて死体を埋められないよぅ」
「あ、そういえばその人間も埋めてあげる話だったっけ…すっかり忘れていたでゲソ…」
「ひどいよ~!あかりは何のためにずっと穴掘りしてたのさ!」
「ご、ごめんでゲソ!私が代わりに埋めておくでゲソ!」
こうして、3体の亡骸は土の中へ埋葬されたのであった

「だいたいこのエリアは調べ終わったし、さっさとここを突っ切ろうではなイカ!」
「うん!イカちゃんが他の死んだ人も埋葬してくれたから、安心して進めるよ!」
はぁ、もしイカちゃんが先に行ってくれてなかったら、恐怖で失神するところだったよ


くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡


E-08を道なりに通り過ぎた先に、小さな民家を発見した
「イカちゃん、そろそろ疲れたし一旦ここで休もうよ…」
「疲れてるのはこっちでゲソ…まさかあかりが失神するとは思わなかったでゲソ…」
道中、木に突き刺さったレミリアの手を発見したあかりは気絶したため、イカ娘は手を埋葬したあと、触手であかりを運んできたのだった


民家の中には椅子や本棚などの家具が一通り揃っている以外に、特に変わったものは何もなかった
敷いて言えば銃弾を撃ち込まれて窓ガラスが破壊されている跡だろうか

「本棚の中だけ埃が溜まってないから、先に来た誰かが持って行っちゃったのかな」
「それどころか台所の食料も空っぽでゲソ…。先に来た奴め、少しくらいは残しておくべきじゃなイカ!」
誰とも知らぬ相手に対し、イカ娘は不満を漏らした
道具の調達は諦め、あかりは椅子に座って体を休ませる

「う~ん、とりあえずしばらく休憩しようよ…」
「そうでゲソね」
イカ娘も椅子に座り、ふとヴェルタースオリジナルを眺める
(特別な存在…か…)
そして、イカ娘は突然ハッと何かを思い出したような表情を浮かべ、民家の外へと飛び出していった

「あれ、イカちゃん!どこへ行くの?」
「ちょっと先にやるべきことがあったでゲソ」
あかりも慌てて追いかけると、イカ娘は屋根の上に登っていた
イカ娘は屋根のてっぺんに立ち、そしてこう高らかに宣言した


「この民家は、たった今私が侵略したでゲソ!!」


「ええええぇぇぇぇっ!?」

――1日目朝八時前より、E-09民家 侵略完了。


【E-09 民家/一日目・朝】

【赤座あかり@ゆるゆり(Fate/Zeroにアッカリ~ン(アッカリ~ン出張シリーズ)】
【状態】疲労(小)
【装備】七森中の制服
【道具】基本支給品一式、DXアゾット剣@ もし、時臣がアゾット剣を東急ハンズで購入していたら【Fate/Zero】
【思考・状況】
基本:ここから脱出
1:とりあえずイカ娘と一緒に行動する
2:イカちゃん可愛い
3:仲間になりそうな参加者を探す
4:もう呪いの館はこりごり
【備考】
※一応サーヴァントです。詳しくは未だ不明。
※頭のお団子をミサイルとして飛ばせます。
※\アッカリーン/と唱えると空気化出来ます。

【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)
【装備】いつもの服
【道具】基本支給品一式、不明支給品1~3、ヴェルタースオリジナル×1
【思考・状況】
基本:総てを侵略し尽くすでゲソ!
1:さっそく侵略出来たでゲソ!
2:とりあえずあかりを引き連れて部下を増やす。
3:もう一度呪いの館に挑戦したい




さて、本来であればこの場にヴェルタースオリジナルがあることは非常に不可解なことである
なぜならば支給品として配られたそれは、依然として袋を開けておらず、デイバックの中で眠っているからだ
つまり、封の切られていないはずのキャンディーが、ポケットの中に一つだけ入っているなど、普通では有り得ない現象なのだ

…ただし、これはあくまでも「普通」という前提の上では起こりえない、という話
もしも、彼が言っていた「特別な存在」という言葉が事実だったとしたらどうだろう?
実は、彼が初めてキャンディーを貰った時にもこれと似たような現象が起きていた
だとすると、彼は本当に「特別な存在」だったのだろうか?残念ながら、今となってはもう確認する術はないのだが…




sm96:主催者特権もいい加減にしろ!! 時系列順 sm99:ケンはそっち側に行くの?俺はどっちでもいいけど
sm97:保健室へどうぞ!! 投下順 sm99:ケンはそっち側に行くの?俺はどっちでもいいけど
sm62攻略せよ呪いの館 第一章 赤座あかり sm108:侵略の星は流れた
sm62攻略せよ呪いの館 第一章 イカ娘 sm108:侵略の星は流れた




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー