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*人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E
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自らの信念に従い、この殺し合いを止め、主催を打倒する。
そんなスタンスとして行動したはいいが、それにはあまりにも情報が少なさ過ぎた。
自分と同じような考えを持った者は確実にいるだろうがそれがどこにいるのか。
どの人物が危険でどの人物が安全なのか。
自分の事を知っている者がいるのかどうか。
イカ娘は現在このロワに於いて典型的な弱者の立場に於かれていた。
理由として、自分のバックは襲撃者に奪われあかりのバックは置いてきてしまった事。
(最もあかりのデイバックにはあの玩具の剣と基本支給品しか無い様だったのでさほど重要だと思っていなかった)
これは何か重要で一定の大きさのある物を手に入れた時手に持ったりするしかない事になる.
その上、もし戦闘になったとき一切の支給品無しで戦わざるを得ない。
さらに協力者もいない事。
つまり、何か情報を得たときに相談する事もできないし、怪我しても自分で治療するしかない。
死亡しても誰も弔ってはくれない。
そして参加者との出会いが乏しい事。
イカ娘が出会ったとのは少なくともあかりとあかりを襲った人物の二人のみである。
上述のような参加者の情勢など知る由もない。
こういった状況の自分はある程度の戦力こそあれど、先程の様な殺人者の恰好の的である。
一刻も早く参加者と出会い、情報を得たかった。
とは言え、無計画に歩き回ればまた先程の襲撃者に出会う可能性もある。
信念に従いこの殺し合いを止めるとはといっても現状では無謀極まり無い。
ある程度行き先の目星をつけておくべきだろう。
(一度、海の家を見てみるでゲソ)
先程、民家で地図を確認した際に見つけたある筈の無い自分の拠点。
参加者の拠点としては微妙な所だが自分を知る者がいるなら一度は立ち寄っているだろう。
まずはこの海の家が本物かどうか確かみてみる事にした。
___
ー時は経ち、時刻は午後3時半を回る。
「どういう事ゲソ?」
イカ娘は訝しんだ。
当然、目の前の建造物に対して放った言葉である。
イカ娘が2時間程をかけて辿りついたI-04の砂浜には自らの侵略地、海の家れもんがそこにあった。
何の寸分の狂いも無く、どこと無いくだびれ具合の何から何まで自分の拠点に酷似していた。
強いて違いを挙げるとすれば背景が違う事ぐらいである。
「栄子!千鶴!たける!いるのかゲソー!出てきてほしいでゲソ!」
イカ娘が声をかける。返事は無い。
どうやら人の気配は無いようだ。
イカ娘が様子を見ながら慎重に足を踏み入れる。
(本当に…れもんとしか言い様が無いでゲソ…)
主催者とやらは殺し合いをさせたい筈だ。こういった施設はオブジェクトでしかない。
ならば何故ここまで精巧な偽物を作るのか。
だが、イカ娘はもうこの家を偽物と認める事はできなかった。
自分の破壊した壁の穴の修理跡までそっくりなのだ。
イカ娘は既にこの家が本来の場所から持ち出してきたものと断定していた。
深海でも見た事の無い技術である。
「騒ぎが終わったら元の場所に戻さないといけないでゲソ…」
やる事が一つ増えたようだった。
内部を探索してみたが特に気にかかるものが二つ程あった。
まず、座席の一つに血がべったりと付いていた。
黒ずんで固まっており、だいぶ時間が経っている物のようだ。
汚れているのは宜しくないと思い、備え付けてある雑巾で拭くが、全く落ちない。
仕方が無いので騒ぎが終わった後で栄子達に相談する事にした。
なお、これは早朝に士郎が支給品を確認しようとしてクマに噛まれ、その際に飛び散った血である
次にかき氷機の下に置かれ、水の溜まった皿。
誰かが作りかけのまま放置したのだろうか。こちらもそれなりの時間が経っている事がわかる。
この溶けたかき氷は杏子が士郎に作ろうとしたが、クマに襲われ製作が中断したかき氷である。
…少なくとも2人の人間がここには来ていたようだ。
血痕とかき氷機の距離は離れている。
怪我をしたからかき氷を食べるというのも考えにくい。
恐らく二人組が来て一人がかき氷を作っている間にもう一人が襲われたか、或はかき氷を作っている途中に何かに気づき、その場を離れた時に誰かに襲われたか。
(色々と、遅かったみたいじゃなイカ…)
イカ娘は後悔した。
何故もっと早くこのスタンスで行動しなかったのか。
何故もっと早くここに来れなかったのか。
先刻の定時放送で残り人数は32人と言っていた。
そして参加者は70人。既に半数以上が死んでいる。
理論上は参加者に出会える確率も初期から半分以下に下がっているのだ。
現にここまでくる道中、一人も参加者に出会う事は無かった。
「他の人を探すしか無いでゲソ」
ここから海は近い。イカ娘にとって泳ぎなど朝飯前、脱出だけなら簡単にできるだろう。
…でも、根本的な解決にはなりませんよね?
逃げた所で殺し合いが終わる訳ではない。
それ以前に逃げるにしてもここがどこかもわからない以上、どこへ行ったらいいかもわからない。
今のイカ娘にできる事は、参加者を捜す事だった。
あかりのような犠牲者は、もう生みたくない。
(あかり…)
数十分後、イカ娘は恐らくもうここに人は来ないだろうと思い、移動する事に決めた。
せめて食料調達だけでもと思い、冷蔵庫からすぐ食べられそうな物を取り出しいくつかはポケットに入れた。
ポケットにはいりきらなかった分は食べられるうちに食べておこうとここで自分が食べる事にした。
一応焼きそばの材料など調理すれば食べられる物もあったのだが、何時襲われるかわからないので缶詰などの簡便だけに留めておく事にした。
だが、固いパンと水だけの基本支給品よりは幾分かマシであろう。
遅めの昼食を終えた後、イカ娘は次の行き先を考える事にした。
ポケットから地図を取り出し改めて確認する。
デイバックは奪われてしまったのだが、なんとか地図だけは持っていた。
民家を飛び出した際、道に迷ったらすぐ取り出せるようにと何気なく地図をポケットに入れておいたのが功を奏した。
イカ娘は気になる場所をいくつかマークした。
1つ目にショッピングモール。
2つ目にゲキド街。
3つ目に見滝原中学校。
1つ目のショッピングモール、その言葉を聞くと多くの人で賑わう場所だ。
食料も豊富だろう。医療器具の類いもあるかもしれない。
だが一つの問題点としてこの施設は北東にあり、あかりが殺された場所に近いエリアを横切る事になる。
もし先程の殺人者がまだ近くにいたら戦闘は避けられず面倒な事になる。
2つ目のゲキド街、町というからには市街地のような物だろう。
ショッピングモール同様に多くの物が得られる可能性もある。
こちらは北西にあり例の殺人者と出くわす確率が相対的に低い。
3つ目の見滝原中学校、
学校という物を自分は余り見た事が無いが有事の際の避難所として指定されているのをよく見かける。
もしかすると、他の参加者が避難しているかもしれない。
こちらも北西にあり、道程としてはゲキド街の先だ。
(よし、北西にむかうでゲソ!)
北東のショッピングモールは前述の理由から探索を諦め、北東のゲキド街と中学校を探索する事にした。
大まかな予定としては町を探索し、得られる物が余り無ければ学校に向かうつもりであった。
イカ娘は海の家を後にする。
名残惜しいが、ここにはもう用は無い。
(…もしかすると自分は生き残れないかもしれないゲソ)
(でも、それまでに絶対主催者には一矢でも報いてやるし、この海の家も元の場所に戻しておくゲソ!)
(だから栄子、千鶴、たける、今は待っていてほしいでゲソ!)
【I-04/午後 海の家れもん付近の砂浜】
【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者を捜す
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
4:できればバックが欲しい
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※この場所から北のエリア、H-04には多くの死体が転がっていますがイカ娘がそれに気がつくかどうかは不明。
|sm149:[[自分から騙されていくのか(困惑)]]|[[時系列順>第三回放送までの本編SS]]|sm146:[[お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!!]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|[[投下順>151〜200]]|sm154:[[殺し合いやめますか?人間やめますか?]]|
|sm137:[[イカ娘、侵略やめるってよ]]|イカ娘|sm:[[]]|
*人探 HITO SAGA ◆J/0wGHN.4E
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自らの信念に従い、この殺し合いを止め、主催を打倒する。
そんなスタンスとして行動したはいいが、それにはあまりにも情報が少なさ過ぎた。
自分と同じような考えを持った者は確実にいるだろうがそれがどこにいるのか。
どの人物が危険でどの人物が安全なのか。
自分の事を知っている者がいるのかどうか。
イカ娘は現在このロワに於いて典型的な弱者の立場に於かれていた。
理由として、自分のバックは襲撃者に奪われあかりのバックは置いてきてしまった事。
(最もあかりのデイバックにはあの玩具の剣と基本支給品しか無い様だったのでさほど重要だと思っていなかった)
これは何か重要で一定の大きさのある物を手に入れた時手に持ったりするしかない事になる.
その上、もし戦闘になったとき一切の支給品無しで戦わざるを得ない。
さらに協力者もいない事。
つまり、何か情報を得たときに相談する事もできないし、怪我しても自分で治療するしかない。
死亡しても誰も弔ってはくれない。
そして参加者との出会いが乏しい事。
イカ娘が出会ったとのは少なくともあかりとあかりを襲った人物の二人のみである。
上述のような参加者の情勢など知る由もない。
こういった状況の自分はある程度の戦力こそあれど、先程の様な殺人者の恰好の的である。
一刻も早く参加者と出会い、情報を得たかった。
とは言え、無計画に歩き回ればまた先程の襲撃者に出会う可能性もある。
信念に従いこの殺し合いを止めるとはといっても現状では無謀極まり無い。
ある程度行き先の目星をつけておくべきだろう。
(一度、海の家を見てみるでゲソ)
先程、民家で地図を確認した際に見つけたある筈の無い自分の拠点。
参加者の拠点としては微妙な所だが自分を知る者がいるなら一度は立ち寄っているだろう。
まずはこの海の家が本物かどうか確かみてみる事にした。
___
ー時は経ち、時刻は午後3時半を回る。
「どういう事ゲソ?」
イカ娘は訝しんだ。
当然、目の前の建造物に対して放った言葉である。
イカ娘が2時間程をかけて辿りついたI-04の砂浜には自らの侵略地、海の家れもんがそこにあった。
何の寸分の狂いも無く、どこと無いくだびれ具合の何から何まで自分の拠点に酷似していた。
強いて違いを挙げるとすれば背景が違う事ぐらいである。
「栄子!千鶴!たける!いるのかゲソー!出てきてほしいでゲソ!」
イカ娘が声をかける。返事は無い。
どうやら人の気配は無いようだ。
イカ娘が様子を見ながら慎重に足を踏み入れる。
(本当に…れもんとしか言い様が無いでゲソ…)
主催者とやらは殺し合いをさせたい筈だ。こういった施設はオブジェクトでしかない。
ならば何故ここまで精巧な偽物を作るのか。
だが、イカ娘はもうこの家を偽物と認める事はできなかった。
自分の破壊した壁の穴の修理跡までそっくりなのだ。
イカ娘は既にこの家が本来の場所から持ち出してきたものと断定していた。
深海でも見た事の無い技術である。
「騒ぎが終わったら元の場所に戻さないといけないでゲソ…」
やる事が一つ増えたようだった。
内部を探索してみたが特に気にかかるものが二つ程あった。
まず、座席の一つに血がべったりと付いていた。
黒ずんで固まっており、だいぶ時間が経っている物のようだ。
汚れているのは宜しくないと思い、備え付けてある雑巾で拭くが、全く落ちない。
仕方が無いので騒ぎが終わった後で栄子達に相談する事にした。
なお、これは早朝に士郎が支給品を確認しようとしてクマに噛まれ、その際に飛び散った血である
次にかき氷機の下に置かれ、水の溜まった皿。
誰かが作りかけのまま放置したのだろうか。こちらもそれなりの時間が経っている事がわかる。
この溶けたかき氷は杏子が士郎に作ろうとしたが、クマに襲われ製作が中断したかき氷である。
…少なくとも2人の人間がここには来ていたようだ。
血痕とかき氷機の距離は離れている。
怪我をしたからかき氷を食べるというのも考えにくい。
恐らく二人組が来て一人がかき氷を作っている間にもう一人が襲われたか、或はかき氷を作っている途中に何かに気づき、その場を離れた時に誰かに襲われたか。
(色々と、遅かったみたいじゃなイカ…)
イカ娘は後悔した。
何故もっと早くこのスタンスで行動しなかったのか。
何故もっと早くここに来れなかったのか。
先刻の定時放送で残り人数は32人と言っていた。
そして参加者は70人。既に半数以上が死んでいる。
理論上は参加者に出会える確率も初期から半分以下に下がっているのだ。
現にここまでくる道中、一人も参加者に出会う事は無かった。
「他の人を探すしか無いでゲソ」
ここから海は近い。イカ娘にとって泳ぎなど朝飯前、脱出だけなら簡単にできるだろう。
…でも、根本的な解決にはなりませんよね?
逃げた所で殺し合いが終わる訳ではない。
それ以前に逃げるにしてもここがどこかもわからない以上、どこへ行ったらいいかもわからない。
今のイカ娘にできる事は、参加者を捜す事だった。
あかりのような犠牲者は、もう生みたくない。
(あかり…)
数十分後、イカ娘は恐らくもうここに人は来ないだろうと思い、移動する事に決めた。
せめて食料調達だけでもと思い、冷蔵庫からすぐ食べられそうな物を取り出しいくつかはポケットに入れた。
ポケットにはいりきらなかった分は食べられるうちに食べておこうとここで自分が食べる事にした。
一応焼きそばの材料など調理すれば食べられる物もあったのだが、何時襲われるかわからないので缶詰などの簡便だけに留めておく事にした。
だが、固いパンと水だけの基本支給品よりは幾分かマシであろう。
遅めの昼食を終えた後、イカ娘は次の行き先を考える事にした。
ポケットから地図を取り出し改めて確認する。
デイバックは奪われてしまったのだが、なんとか地図だけは持っていた。
民家を飛び出した際、道に迷ったらすぐ取り出せるようにと何気なく地図をポケットに入れておいたのが功を奏した。
イカ娘は気になる場所をいくつかマークした。
1つ目にショッピングモール。
2つ目にゲキド街。
3つ目に見滝原中学校。
1つ目のショッピングモール、その言葉を聞くと多くの人で賑わう場所だ。
食料も豊富だろう。医療器具の類いもあるかもしれない。
だが一つの問題点としてこの施設は北東にあり、あかりが殺された場所に近いエリアを横切る事になる。
もし先程の殺人者がまだ近くにいたら戦闘は避けられず面倒な事になる。
2つ目のゲキド街、町というからには市街地のような物だろう。
ショッピングモール同様に多くの物が得られる可能性もある。
こちらは北西にあり例の殺人者と出くわす確率が相対的に低い。
3つ目の見滝原中学校、
学校という物を自分は余り見た事が無いが有事の際の避難所として指定されているのをよく見かける。
もしかすると、他の参加者が避難しているかもしれない。
こちらも北西にあり、道程としてはゲキド街の先だ。
(よし、北西にむかうでゲソ!)
北東のショッピングモールは前述の理由から探索を諦め、北東のゲキド街と中学校を探索する事にした。
大まかな予定としては町を探索し、得られる物が余り無ければ学校に向かうつもりであった。
イカ娘は海の家を後にする。
名残惜しいが、ここにはもう用は無い。
(…もしかすると自分は生き残れないかもしれないゲソ)
(でも、それまでに絶対主催者には一矢でも報いてやるし、この海の家も元の場所に戻しておくゲソ!)
(だから栄子、千鶴、たける、今は待っていてほしいでゲソ!)
【I-04/午後 海の家れもん付近の砂浜】
【イカ娘@侵略!イカ娘(イカ娘の侵略実績のご紹介)】
【状態】】疲労(小)、深い悲しみ、強い決意
【装備】いつもの服(少し破けてる。あかりの血で汚れている。)
【道具】ヴェルタースオリジナル×1、ポケットに入るだけの食料品(すぐ食べれるような物)、地図
【思考・状況】
基本:殺し合いを止め、主催を打倒する
1:他の参加者を捜す
2:あかり……
3:どうやってれもんをここに持ってきたんだろう?
4:できればバックが欲しい
※E-09にあかりのバックが放置されています。
※海の家れもんを自分の世界から何らかの技術で持ち出された物と考えています。
※この場所から北のエリア、H-04には多くの死体が転がっていますがイカ娘がそれに気がつくかどうかは不明。
|sm149:[[自分から騙されていくのか(困惑)]]|[[時系列順>第三回放送までの本編SS]]|sm146:[[お前に夢中だ!! エイラァァァァァ!!!]]|
|sm152:[[最期の戦い]]|[[投下順>151〜200]]|sm154:[[殺し合いやめますか?人間やめますか?]]|
|sm137:[[イカ娘、侵略やめるってよ]]|イカ娘|sm163:[[レ陰謀クルーズ(前編)]]|
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