ID:pAPBIs.0氏:好きって言え

「そりゃー私だってたまにはさ、現実逃避の一つや二つくらいはするんだよ」

開口一番。
三年生に進級してから初めて受けるテストを直前にしても、進路の不安など微塵も見せずにいつも通りなこなたがそこにいた。
彼女の分まで焦って心配をする親友を目の前にしても、そう呟く。

「なるほど、それでお前は現実逃避の為にオタクになったと」
「違うよ。オタクは私のステータス。男か女かを聞かれて『私は女です!』って答えるのと同じレベルなんだよ。はい、男女男男女男女!ピッ!ピッ!」
「現実逃避が自分のステータスって、ある意味終わってるぞ・・・」
「かがみんやぁ~、今のその発言はすっごい敵を作る発言だと思うよ。隠れオタもあわせたら、日本だけでももぅ気持ち悪い位のオタクがいるんだよ?」
「気持ち悪いのは現実逃避をステータスと考えるお前の頭だ」
「かがみだって、女のくせに料理も満足に出来ないじゃん。それって女としてはかなぁーり気持ち悪いと思うよ」
「なっ・・・そんなこと言ったらこなただって、学生の癖にマトモに勉強しようとしないじゃない!」
「今話してるのは男と女のステータスの話だよ。はい軌道修正~」
「つーかお前が軌道修正しろ。私の教室までついて入ってくるな」
「おっと・・・まーいいじゃん。夜はまだまだ長いぜ?」
「どう見てもまだ昼休みだから。夜に学校来たけりゃ一人で来い」


「‥‥で、改めて話させてもらいましょうか、かがみさん」
「私も腹をくくったわ・・・聞きましょう、こなたさん」
「料理、っていうのはもう言うまでもなく生活の中心なわけ。朝に「今日も一日頑張るぞ!」って気合を入れる為のbreac fast‥‥」
「普通に日本語で言え」
「それが朝ごはんに黒コゲのご飯や謎の自家製ジャム、挙句の果てにはレインボーパンみたいなのが出てきた日にゃ~一気に動く気も失せちゃうわけ。わかる?」
「黒コゲのご飯ってところからまず間違えてるけどな。炊飯器壊れてるとしか思えん」
「そして働く男が求めているのは、家でご飯を作って待っててくれる嫁なわけ。そりゃーたまには外食や出前もいいんだろうけど・・・太るよ?」
「もしも(イフ)の話をしてまでソコにツッコむなっ!!」
「それがかがみんのステータスさっ!」
「的確なツッコミを入れるのも私のステータスよね?真っ直ぐ立って手は後ろに、回れ右して歯ぁ食いしばれや」

「大丈夫だって、人間誰でも欠点は持ってるんだから。
普段大抵のことはソツなくこなすかがみんが持ってる数少ない弱点‥‥きっとかがみんは好きになったらその人にしか目が行かないだろうし、好きな人の為に影ながら努力するかがみん・・・うわ、よだれが」
「この教室から出て行け。今すぐ」
「俺は・・・まだこの刑務所から出てくわけにはいかねぇんだ」
「人の教室を牢獄呼ばわりするなっ!」
「そう‥‥罪という名の闇に差した、一筋の光・・・全てを映し出して、僅かな光を部屋全体に行き渡らすような・・・」
「出て行け」
「かがみっ・・・私、かがみんが好きっ‥‥!この光を掴まないことには、ここから出たくても出られないんだよっ!!」
「きゃっ!ちょっと、何すんのよっ!離してってば!!」
「離さないよ!!私かがみんが好きなんだもん!!料理が出来なくたっていい、かがみに教えてもらえるなら勉強だって頑張れるもん!!」
「ナニソレエェエ??!」
「すき・・・かがみ、すき」
「‥‥ったく、しょうがないわね。ちょっと待ってなさい。日下部ー?日下部ってば!」


「・・・みさちゃん、何やってるの?」
「いや‥‥なんか久しぶりに一人かくれんぼでもやってみよーかなーって」
「だからって掃除用具入れに隠れなくても・・・」
「そーじ用具入れは3年C組の防空壕みてーなもんだし。何だったらあやのも隠れてみっか?」
「うーん、ちょっと遠慮しておくわ。そんな狭いところでみさちゃんと二人っきりになったらどんな悪戯されるか分かったもんじゃないし」
「みゅ~、あやのがここにかけてある金属チリトリのように冷たい~」
「妙に生々しい例えだな」
「あ、柊ちゃん。どうしたの?」
「あぁ、日下部を探してたんだけど・・・日下部ー!出てきなさいよー!」
「やだってヴぁ!だってあんな状態で呼び出されたら、何されるか分かんないじゃんかー!!」
「あんな状態・・・って、何かあったの?みさちゃん」
「あやのぉ・・・一緒にいたのに、柊達のこと全然見てなかったのかよー!」
「うん‥‥ごめんねみさちゃん。明日のお弁当の献立のことばっかり考えてたから」
「ちえっ・・・どーせ明日はあやのはデートだもんなぁ~。いーよなーラブラブでさー。どーせあんなことやこんなことしてるんだぜー。えろえろあやの~」
「‥‥‥柊ちゃん、消臭スプレーとか持ってない?」
「ごめん、ちょうど切れてるんだけど・・・これじゃダメ?」
「ありがと、後でお金は払うね‥‥えいっ!」
「へ・・・ヴぁああっ!!!何だよコレっ!!ぷえっ!ぷえっ!」
「やっと出てきたか・・・気分はどう?」
「最悪に決まってんじゃんかっ!!ってゆーか何だよ今のっ!」
「何・・・って言われても、そうね・・・強いて言うなら、害虫駆除?あ、一応水ナシでも使えるやつだから。ありがと、柊ちゃん」
「それを掃除用具入れの空気口から流し込むかよ普通っ!!マジで死にそうになったじゃんかっ!!」
「だから出てきなさい、って言ったでしょーが」
「みゅううぅん、何かゴ○ブリの気持ちが分かった気がする・・・今度からバ○サン炊くのやめようかな‥‥」

「でさ、日下部・・・確かあんた今日学校来る途中に桜並木で花びら集めてたわよね?桜ジャム作るとか何とかで」
「えぐっえぐっ・・・うん、確かに集めてたけど。でも私が作るんじゃなくてあやのに作ってもら」
「少し貰ってくね。それじゃ!」
「ちょ、えええぇっ!?待てよひ」
「こなた!コレあげるから、それで花占いでもしときなさい!もし「好き」って出たらアンタと付き合ってあげるから!!」
「ホント!?ホントにかがみ?!」
「男に二言はないって言うでしょ!!わかった?!」
「うんっ!!私頑張るよ!かがみっ!!!」


「あ、逃げた・・・しくしく」
「柊ちゃんも女の子だもんね‥‥男じゃないから二言もある、ってことなのかなぁ?」





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