それは西暦2011年、アル晴レタ日ノコト…
ゆたか「~♪」
ドガァァァァァン
ゆたか「!!…日下部先輩!?」
みさお「出たなちびっ子2号!早速だが私と勝負しろぃ!!」
ゆたか「ちょ、ちょっと待っ…」
みさお「待つ気なんてないね、お前がサイボーグになったらただでさえ背景の私が空気になっちまうじゃねーか!勝負だってヴぁ!!」
ゆたか「いいですけど…生身で闘ったら日下部先輩、死んじゃいますよ?」
みさお「………」
ゆたか「………」
みさお「おらっしゃぁぁぁぁぁぁ!!」
ガキーン
ゆたか「きゃ!?何するんですか!?」
みさお「…これぞ東海大学・高良みゆき謹製パワーローダー!これならお前を倒すことが出来…」
ゆたか「私を…甘く見ないでください!」
ゆたかは太腿を開き、中からビームサーベルを取り出した!
みさお「みゅ!?」
ゆたか「おぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ズバーン
みさお「私はぁ!」
ズバーン
みさお「体育会系で!」
ズバーン
みさお「3秒ルールでぇ!!」
ヴゥゥゥゥン ガシャッ(←ビームサーベルをしまった音)
みさお「みさおだってヴぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ドシャァァァァァン!
電柱の影から双眼鏡で見ていたあやの「みさちゃん…」
黒井「失礼っ!」
あやの「く、黒井先生!?」
黒井「失礼、言うたんや」
あやの「…」
黒井「Y・U・T・A・K・A…あの機体の名前か…?」
みゆき「…まさか、あのパワーローダーが一撃で…フフッ、面白くなりそうですね」
うちおと~せ~な~い♪
みさお「あー…前回はひどい目に遭ったZE☆」
あやの「みさちゃん…大丈夫?」
みさお「大丈夫じゃないなんて言ってられねーだろ…いてて…」
その頃、ゆたかは…
ゆたか「らららコッペパン♪らららコッペパン♪欲しいパンはいつで~も…」
ドガァァァァァァン!
ゆたか「…筑波大学のトラック!?って、思いっきり電柱にぶつかってるんだけど…」
ウィィィィン…
ゆたか「…パワーローダー!?」
ななこ「…初めましてやなぁ、YUTAKA!」
ゆたか「いや、初めてじゃないですよ黒井先生。何やってるんですか…?」
ななこ「私はクロイム・エーカー…」
ゆたか「あの…聞いてます?」
ななこ「あんたの存在に心奪われた女や!!!!」
ドガァッ!
ななこ「GYAAAAAAAAAA!」
ゆたか「みなみちゃん!?(生身でパワーローダーを…)」
みなみ「……黒井先生、失望しました……」
ななこ「な、なんやて~!」
みなみ「……いくら先生でも、私のゆたかに手出しはさせません」
ななこ「ほぅ…いつからお前のもんになったん!?いつから!!」
ゆたか「とりあえずヤバイので、黒井先生に冷熱ハンド」
ななこ「アッー…」(凍結)
サイバー☆ゆーちゃんR2~さよなら絶望ゆーちゃん~
どうも、小早川ゆたかです。訳あって今はサイボーグです。
すっかり病気とは無縁になった私はこなたお姉ちゃんの家から懐かしの我が家に戻ることになりました。
もっとも、私自身もこなたお姉ちゃんに会いに行ったり、逆にこなたお姉ちゃんが遊びに来たりすることもあるんだけどね。
そんな或る日のこと、私はこなたお姉ちゃんと一緒にお出かけです。
こなたお姉ちゃんは「連載コラムの取材だだだだだー!」と言ってたみたいですけど…。
大丈夫なのかなぁ…うぅ…。
ゆたか「ねぇこなたお姉ちゃん、これからどこ行くの?」
こなた「ん~…大宮」
ゆたか「大宮って…またアニメのお店に行くの?」
こなた「違うよ。てっぱく」
ゆたか「へ?」
こなた「だから、てっぱく。鉄道博物館だよ」
ゆたか「て…鉄ど…」
こなた「いやぁ、鉄道っておっそろしいね。アニメやゲームとおんなじだ!ハマるとなかなか抜け出せないよね~」
こなたお姉ちゃん…。
私は最近、こなたお姉ちゃんのことがわからなくなっていくような気がします…
お姉ちゃんの趣味…理解不能…リカ、イ、フ、ノノノノ(あれ?なんか頭が…しばらくお待ちください)
鉄道博物館ではしゃいでいたこなたお姉ちゃんは、まるで子供みたいでした。
ゆたか「あの、こなたお姉ちゃん?…お姉ちゃんは確か、取材で来たんだよね…?」
こなた「そだよ?」
ゆたか「なんでまた、鉄道にハマったのかなぁ、なんて…」
こなた「…じゃーん☆『鉄のほそ道』~」
出してきたのは鉄道を題材にしたマンガでした。こなたお姉ちゃん、趣味の幅広すぎ…。
こなた「さぁて、帰るか~」
ゆたか「ええ!?」
こなた「だって撮るものは撮ったし、ハチクマライスも食べたし、ああだこうだ…」
ゆたか「…こなたお姉ちゃん」
こなた「何?」
ゆたか「…絶望した!こなたお姉ちゃんに絶望した!」
こなた「ちょwwwwwwゆーちゃんwwwwwwwwwwwwww」
こなたお姉ちゃん、予想通りの反応。ちょっとスッキリした、かも…。
(同じ頃、柊家)
つかさ「はぁ…お腹すいたなぁ…」
かがみ「じゃぁ、ラーメンでも作りましょうよ」
つかさ「そうだね、お湯を入れて…と」
かがみ「3分間待ってやる!」
…3分後
かがみ「時間だ!答えを聞こう!」
つかさ「バルス~☆」
(大宮駅)
こなた「さて、それじゃぁ帰るとしまs」
と、帰りの電車に乗ろうとした瞬間でした。
なんということでしょう。
突然貨物列車が爆発したのです!
ゆたか「ええぇっ!どうなってるの!?」
こなた「天変地異だ!NI☆GE☆RO!」
ゆたか「逃げるなんてできないよ!」
こなた「え?」
ゆたか「私が…なんとかしなきゃ!」
そう…私は今までみんなに助けられて生きてきた。
だから今度は私がみんなを助けなきゃ。
ゆたか「チェンジ、冷熱ハンド!」
こなた「スーパーライダー!?」
私は燃え上がる貨物列車に冷凍光線を浴びせて消火することにしました。
もう少しで、大惨事だったよ…ふぅ…。
こなた「…ゆーちゃん、凄いね」
ゆたか「えへへ」
こなた「だけど一体誰がこんなことを…」
(同じ頃、柊家)
かがみ「いや~、ラーメン美味しかったわね」
つかさ「まさかお姉ちゃんがラピュタネタを振ってくるなんて思わなかったよ~」
かがみ「まぁ…こなたの請け売りなんだけどねww」
つかさ「どんだけ~ww バルス☆」
(大宮駅)
ゆたか「…うぐっ…か、身体が…」
こなた「ゆ、ゆーちゃん!?」
ゆたか「身体が熱っ…アッー!」
次の瞬間私の背中が大爆発。私はそのままホームに倒れてしまいました。
な、なんで…こんな目に……整備はちゃんとしてきたはずなのに……。
ゆたか「こ…こんなしょーもないオチに…絶望した…!!!」
<絶望Phase終了>
「彼方の願い、ゆたかなる心」
久々にこなたお姉ちゃんのお家に泊まりに来たある日の朝、その出来事は起こりました。
それはとても、不思議なことでした…
「ん…んんっ…」
全身が機械で作られている私の身体。普通なら、私の思い通りに動くはず…
それが、今朝は違いました…。どこにも故障はないはずなのに…おかしいな…
考えてるうちにだんだん怖くなってきました…あうぅ…頼むから動いてよぅ~。
身体が動かなくって、だんだん怖くなって、泣き出す一歩手前まで来たその時でした。
「…ちゃん、ゆたかちゃん…」
声が…聞こえる?誰だろう…うっすらと見えてくる…
こなたお姉ちゃん?…でもアホ毛がないし…泣きボクロもないし…。じゃあ一体…
そういえば、こなたお姉ちゃんがよく言ってたっけ。
叔母さんは、お姉ちゃんが小さい頃に天国に行っちゃったんだって。
でも…だとしたら、なんで叔母さんが私の目の前に…?
まさか……これは……
……自分は本来なら、あの時死んでるはずだった。
それを、この機械の身体で命をつなぎとめられて何とか生きてるってことなんだけど…
まさか、それが許せなくってお迎えにきたとか…!?
私はとんでもなく怖くなってとうとう泣き出してしまいました…
「うわぁぁぁん!イヤだよう!死にたくないよぅー!連れてかないでー!私はまだここにいたいよぉ!」
「あ、あの…?」
「私だけこうして生きてるのがよっぽど許せなかったんですね?そうなんですね?それで私をあの世に連れてこうと…」
「…え、えっと…そんなことしないから泣かないで…驚かせちゃってごめんなさいね」
「ぇぐっ…だ、だって…」
それからしばらくの間、私は叔母さんと話をしていました。
「…そうだったの…」
「はい…私は本来…死んでるはずの人間なのに…」
「…それで、私がその運命に抗って生きているあなたを連れて行こうとしたって勘違いしたのね?」
「……はい」
「…」
「……やっぱり、おかしいですよね…死んだはずの人間がこうして…機械の身体になってまで…この世にいるんですから…」
すでにこの世にいないのに、こうして私の目の前に現れた叔母さん。
本来ならこの世にいないはずなのに、こうしてこの世にいる私。
長い沈黙を破ったのは、叔母さんの言葉でした。
「ううん、おかしくなんかない。あなたはもう一度生きるチャンスを与えられた。だからあなたは生きてる。決しておかしいことなんかじゃないの」
「でも、叔母さんは…」
「私は、ちょっと運が悪かっただけ。生まれる時代がもっとあとだったら、きっとあなたのようになっていたかもね」
「…でも…」
「ゆたかちゃん…」
「…」
「生きて。あなたはまだ生きなきゃいけない。私があなたと同じ時間を過ごすことは出来ないけど…ゆたかちゃんはここにいるでしょ?私は幸せなあなたの姿が見たい。そう君や、こなたと同じように、あなたにも幸せでいて欲しいの」
「…でも、こんな機械の身体で…」
「機械の身体だっていいじゃない。あなたはあなたなのよ?なら、あなたらしく生きて。あなた自身のためにも、あなたを大切に思っている人たちのためにも」
「…ありがとう…叔母さん」
実体のないはずの叔母さんが、私を抱き寄せてくれました。
あったかくて…そして…どこか懐かしい温もりを感じました。
生きる勇気をもらった私は、叔母さんに聞いてみました。
「叔母さんは、もし生き返れたらって思ったことありますか?」
「そうねぇ…もし生き返れたら…まず、そう君たちと挨拶がしたいわね。『ただいま』って」
「でも叔母さん…こなたお姉ちゃんとはよくお話してますよね?」
「それはそうだけど、正直言うと実体がないからちょっと寂しいのよ。でも、話ができるだけでも嬉しい、かな」
「今日は色々…ありがとうございました。また遊びに来てくださいね」
「ええ」
「でも、金縛りは勘弁してください…orz」
「あ…ごめんなさい…」
数時間後、私は今朝起こったことをこなたお姉ちゃんに話しました。
「ゆーちゃん、お母さんに会ったの?」
「うん。おかげで生きる勇気がわいてきたよ」
「お母さんは人を勇気付けるのがうまいからねぇ~」
「…こなたお姉ちゃん」
「?」
「私…がんばるよ。こなたお姉ちゃんのためにも、叔父さんのためにも、ゆいお姉ちゃんにみなみちゃん、みんなの為にも…」
もっともっと一生懸命、頑張って生きなきゃ。
そう、自分のためにも…
<おわり>
「ある日のバーにて」
こなた「お、来た来た。おーい!パティー!」
パティ「ハーイ、コナタ!お久しぶりデスネ」
こなた「いやぁ、パティも久しぶりだよね。誕生日はワイワイ騒いでたらしいじゃん」
パティ「オフコース!パパもママもみんなお祝いしてくれマシタ。コナタからのプレゼントにはビックリデス!」
こなた「いやぁ、新作のフィギュアだったんだけどね、パティなら喜ぶだろうな~って。どれにしようか迷っちゃったよ~。それより、そろそろ行こうよ」
2011年6月 都内某所
パティ「このビルの1階デスネ?」
こなた「パティはここ来るの初めてだよね。明日は私も休みだし、今日は一緒に飲もうよ」
パティ「OK!」
ジャズが流れる店内。こなたとパティは再会の喜びをこの小さなバーで交わすのであった。
こなた「それじゃあ、二人の再会とパティの二十歳を祝って~、乾杯~」
パティ「カンパ~イ♪」
パティ「それにしても…このお店にはガンプラが沢山ありマスネ」
こなた「ここのマスターがガンダマーらしくってさ。片手間でこっそり作って並べてるらしいよ」
パティ「What?…何か話し声が聞こえマスヨ?」
こなた「向こうのボックス席だね…ちょっと、聞き耳を…」
みさお「…回やっても何回やっても小早川が倒せねーってヴぁ…みゅ~ん…」
あやの「み、みさちゃん、ちょっと飲みすぎじゃ…」
みさお「あ~や~のぉ~…悔しくねーのかよぉ、あたしら年下に負けてんだぜ~?」
あやの「…みさちゃん?」
みさお「しかもさぁ、ほんの数ヶ月前まで病気がちだった奴にだぜ?やってらんねーよ、ヴぁーロー!」
あやの「ま、まぁ…そりゃぁ…相手はアレだし…」
みさお「たかが機械の身体になったくらいでいい気になってんじゃねーってヴぁ!…マスター、おかわり~!」
あやの「そ、そろそろやめようよみさちゃん!身体壊しちゃうよ!」
みさお「うっ…うっ…飲んでも飲んでも忘れられねー悔しさだー!ありえねー、ありえねー…こんなの…ありえねーってヴぁ~…」
その頃
ゆたか「っくしゅん!…風邪でも引いちゃったのかなぁ…そんなわけないよね、多分…」
こなた「……あの声はみさきちと峰岸さんだね」
パティ「何か、ヤケ酒って感じデスネ…」
こなた「人生そう上手くはいかないものなのさ…あれ?パティ?…どうしたの?サングラスなんかかけて…」
みさお「ちっくしょぉぉ~!何であの赤いのに勝てねーんだってヴぁー!!!!」
あやの「みさちゃん!もう、こんなに飲んじゃって…」
みさお「何で勝てねーんだよー!な゛ずぇ゛だぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
パティ「坊やだからサ☆」
こなた「おおっ!12話!!」
カランコロン♪
パティ「…誰かまた来たみたいデスネ」
こなた「…はい、どなたさん~?」
ななこ「ぃいずぅびぃぃぃぃぃ~~~~~~!!!!」
こなた「うわぉ!?」
その後、こなたとパティは黒井先生の愚痴を延々と聞かされることになったとさ。
めでたしめでたし。
こなた「…いや、めでたくないめでたくない」
☆小ネタ☆
(1:エネルギー源)
こなた「う~ん……」
ゆたか「どうしたの?」
こなた「いやぁ、コンセントにつながれて充電するってのも萌えるっちゃ萌えるんだが~」
こなた「やっぱりゆーちゃんもご飯食べたいよね?」
ゆたか「うっ…言われてみればそうかも…この身体になってから何にも食べてない…orz」
こなた「よぉし、それじゃぁ改造してもらおう」
翌日
ゆたか「というわけで、ご飯を食べられるようになりました!」
かがみ「へぇ、よかったじゃない」
つかさ「それじゃあ早速、バルサミコ酢ケーキ…」
ゆたか「……!」(逃亡)
つかさ「行っちゃった…せっかく作ったのにorz」
かがみ「いや、それはあんたが悪い」
(2:水にご注意)
ゆたか「今日は私が食器洗い~、よぉし!がんばるぞ~」
ゴシゴシゴシゴシ
ゆたか「それにしてもなんだか手に違和感が…」
ゴシゴシゴシ…ピタ
ゆたか「…?」
ゆたか「ろ、漏電がガガガガ…」
…その後、私は全身から煙と火花を出した状態でゆいお姉ちゃんに発見されました…orz
(ある日の泉家のテレビ)
ゆたか「こなたお姉ちゃん、何見てるの?」
こなた「『新造人間キャシャーン』だよ~」
サグレー『へひゃははははは!さすがは不死身のキャシャーン』
キャシャーン『俺が生きている限り、この港はお前たちに渡しはしないぞッ!』
サグレー『へっひゃはははは、そりゃそうだ…お前は死にはしない。壊されるだけだからな』
キャシャーン『何!?』
ゆたか「何!?」
こなた「ゆ、ゆーちゃん!?」
サグレー『よおく聞けキャシャーン!姿形は人間だが、その実体は…』
ゆたか「…やっぱり…やっぱり私は……orz」
こなた「ゆーちゃん!?ゆーちゃんは人間だよ!しっかりしてよ!!ねえったらあ!」
サイバー☆ゆーちゃん「小早川ゆたかが倒せない」
「気がついたら~同じように勝負を挑み、そしていつも~同じように負ける~」
私こと、日下部みさおは悩んでいた。
いつものように小早川に勝負を挑むけど…何度やっても負けっちまう。
なんでだ?なんで先輩であるはずの私が負ける?
奴がサイボーグだからか?
いや、それならこっちだってパワーローダーに乗って勝負をしているはずだから、条件は同じなはず。
ここで、パワーローダーとはなんなのかってのを説明しておく必要があるな。うん。
そもそもサイボーグもパワーローダーも共通しているのは、「人間の機能の一部を機械に置き換える」ってとこなんだと思う。
ただな、パワーローダーはあくまで「動力のついた服」って感じの装備で、中の人間には一切手を加えないでパワーを得ることができる。もっとも、パワーを追究すればデカくなっちまうのが欠点なんだけどな。
一方のサイボーグは、人間の身体を機械にそっくり置き換える。
簡単なものなら義手・義足だってこの一種と言えるみたいだし、人工心臓とかって言うのもあるみたいだな。奴の場合は…脳みそ以外はほとんど機械…ってか、頭の中にまで手を入れられてるみたいなんだがな。言って見りゃ、ちびっ子が好きな「仮面ライダー」みたいなもんか。
ここから結論を導き出すと、操縦する手間があるのと、デカくて重い分、機動性ではパワーローダーは負ける。
前に乗った筑波大のはそれを克服しようとジェットエンジンをつけてたみたいなんだが…扱いなれなくてみんなにボコボコにされたっけなあ。みゅーん…。
いやいや、大事なのはどっちの性能が負けてるかじゃない。
考えてみろってヴぁ。ガンダムの世界でも、GMは本来ザクより性能がいいはずなのにボロ負けしてる。
それは機体性能はよくてもパイロットが甘いっていうことなんだ。
だから、自分を鍛えるためにあれから何日も何日も、修行を積んで挑んでみたけど…。
結果は、惨敗だった。
「…もう駄目だ!もうあの手を使うしかねえってヴぁ!」
「みさちゃん!本当にやるつもりなの!?」
「…止めるなあやの…もう後戻りはできねえ!」
「でもっ……」
「しばらく、ミートボールが食えねえのはツラいけど…私にもプライドがあるんだよッ!!」
そうだ。奴に勝つために、残された道はただ一つ。
私も奴と同じ身体なら…奴に吠え面をかかせることは出来るはずだと。
固い決意を胸に、私は手術室に向かおうとした…。
その時だった。
「みさちゃん…あなたがどうしてもと言うのならそれでもいいわ」
「あやの……」
「でもね。あなた一人につらい思いはさせない…この手術……私も受けさせてもらうわ!」
「…うおぉぉ~~~!あやの~~~~~!!!」
そうだ…私たちはいつも2人でひとつだった。
あやの…ごめんな、こんなことにまでつき合わせちまって。…ありがとよ…。
そして、手術は成功した…。
「~♪」
「ごきげんだね、ゆーちゃん」
「だって今日からご飯を食べられるようになったんだもん、喜ばずにはいられないよ♪」
「……ゆたかがご飯を食べられるようになって…よかった」
買い物の帰り道。私たちは今日の晩ご飯を楽しみにしていました。
あのあと、私は身体をさらに改造して、新型の動力炉をつけてもらいました。
ご飯を食べるなんて、久しぶりです。
「…ゆたか、今日は何がいい?」
「…じゃぁ、チキンカレーがいいな☆」
「お、いいねぇ、それじゃあ今日はゆーちゃんのために腕によりをかけて作ってあげるからね」
「わーい☆」
と、話も弾んでいたその時…私のレーダーが接近する2つの影を捉えました。
あの速度…それに大きさ。パワーローダーじゃない…だとしたら、アンドロイドか、サイボーグ?
と、不思議に思っていたその時でした。
「…!?」
「会いたかったぜ…小早川ゆたかぁ!」
あの髪型…いや、あの顔…それにあの声。間違いない…あの人は!
「みさおさん…まさか!その身体…!」
「お前に復讐するために…地獄の底から這い上がったぜ!」
その後ろでヒソヒソ話をするこなたお姉ちゃんとみなみちゃん。
(…って、あれ単なる逆恨みだよね?)
(………うん)
「そこぉっ!聞こえてるってヴぁ!…勝負だ!同じ性能なら体育会系の私に分があるんだよ!!」
そう言うなり、みさおさんは肩のハッチからビームサーベルを取り出してきました。
私もすかさず応戦します。
「あなたは…そんな逆恨みのためにわざわざ…!?」
「…これは逆恨みなんかじゃない…プライドをかけた闘いだ!!」
「くっ…」
咄嗟に身体を翻し、攻撃をかわす私。
何とかかわせた…と思ったその時でした。
「…あぐぅっ!」
「…みさちゃんの邪魔はさせない!」
「…あやの…さん!?あなたまで…どうして!?」
「ハッハ、どうやら形勢逆転だな…あやの!ドッキングだ!どてっ腹に風穴を開けてやろうぜ!」
2人が一直線に並ぶと、みさおさんはランチャーを展開し、あやのさんの肩にあるエネルギーコネクターに接続しました。
まずい…あんな一撃を喰らったら、修理代が…
「エネルギーチャージ…完了!」
「…吹っ飛べ!小早川ぁ!!」
もう駄目だー!と思ったその時…私の胸に据え付けられた動力炉が熱くなったような気がしました…。
(え…!?)
「…か、かわした!?みさちゃん、どうなってるの!?」
「わ、わからねえ…急にあいつの目が赤く輝いて…!」
「こ、これは……『トランザム』!?」
「…泉先輩…トランザムって…」
「詳しくはわからないけど…ゆーちゃんの体内にあるリミッターを解除すると通常の3倍の能力が出せるらしいんだ…」
「いける…これなら…!」
私は未知の力…こなたお姉ちゃん曰く「トランザム」だそうですが…今までにないパワーを発揮したようです。
この力なら…この状況をどうにかできる!
私は残りのエネルギーを右足に込めました。
「ど、どうなってんだよ、聞いてねえぞ!」
「…みさちゃん、もうそろそろ逃げた方がいいんじゃ…」
「スーパー…イナズマ…キィィィィック!!!」
あ、またマニアックな技の名前を…私も染まってるなぁ…。
「あ…あれ~~~~~っ…」
「ちくしょー、覚えてろってヴぁぁぁぁぁっ!!」
…2人は星になりました。まぁ、あの身体だし、簡単には死なないと思うんですけど…
あれ…急に意識が…
「ゆ、ゆーちゃん!」
「ゆたか!?」
…どうやら今ので……エネルギーを全部………使っ…ちゃった……みた………
「…んっ、んん…」
目を覚ますと、私はコードにつながれて、こなたお姉ちゃんの部屋にいました。
「気がついた?ゆーちゃん…」
「こなたお姉ちゃん…みなみちゃん…」
「……チキンカレー、出来てるよ」
「さぁっ、ゆーちゃんも一緒に食べようよ!」
「うん!」
こうして、私たちはチキンカレーを食べました。
ああ、今日のチキンカレーはとっても美味しい…。
一方その頃…
「なぁ、あやのぉ…」
「な、何…?」
「私ら…何のためにサイボーグになったんだろうな……?」
「……うん…」
<やっぱり何回やっても倒せなかった>
『サイバー☆ゆーちゃん番外編~教えて!こなた先生』
こなた「今日はみんなの疑問に応えていくよ~」
ゆたか「いくよ~」
こなた「それじゃー最初の疑問。埼玉県の『みっくみくの館』さんから~」
『ゆーちゃんが頭突きしたらどんぐらいの破壊力があるの?』
ゆたか「……」
こなた「いきなしハードな質問だね」
ゆたか「お、お姉ちゃん?」
こなた「まぁ、私も見てないんだけど…ものは験しって言うし。瓦を用意しました☆」
ゆたか「…こ、この瓦をどうするの?」
こなた「割るんだよ?ゆーちゃんが」
ゆたか「…手刀で?」
こなた「いや、頭突きで」
ゆたか「…手t」
こなた「頭 突 き で 。」
ゆたか「…」
こなた「…」
ゆたか「お姉ちゃんの……」
こなた「?」
ゆたか「馬鹿ーーーー!!!!」ズガーン
こなた「ごっふぁー!ゆーちゃんはShock~!!!」バタッ
今回の質問の答え…ゆーちゃんが頭突きするとこなた一人は倒せる
ゆたか「……」
みなみ「…どうしたの?」
ゆたか「最近ね…いろいろあって…」
みなみ「…そんなに酷いの?(困ってるゆたかカワユス)」
ゆたか「みさおさんと中身を入れ換えられるわ、天邪鬼にとり憑かれるわ、もう大変で…」
みなみ「……大丈夫、そのときは私が守ってあげる」
ゆたか「みなみちゃん…」
みなみ「必要とあれば身体を整備してあげる…ゆたかのためだったら何でも…」
ひより「…というマンガのプロットを考えたんスけど」
こなた「…ひよりん、後ろ後ろ…」
ゆたか「………田 村 さ ん ?」
アッ――――!!
夏。茹だるような暑さの中、小早川ゆたかは庭に立っていた。
ゆたかの目の前には大量のみかん…。
「チェンジ!冷熱ハンド!!」シャキーン
解説せねばなるまいっ!小早川ゆたかは瞬時に腕を換装することができる。
冷熱ハンドは右腕から700度の炎を出し、左腕からは冷凍ガスを発射できるのだ!
「~♪」
ゆたかは冷凍ガスで目の前のみかんを少しずつ凍らせていく。
「はい、冷凍みかんできたよ~☆」
「いやぁ、夏はやっぱりコレに限るね~。ほら、こなたも食べな~」
「いやぁ、ゆーちゃんってホント便利だネ」
…その頃、日下部家……
「おーっす、遊びに…って……うわぁ!?」
「ひ…柊ィィい…ィ……助け…テ…」プシュー
「連日の……暑さ…デ…オーバー…ヒート……」プシュー
「……放熱効率悪すぎだろ…」ヤレヤレ
サイボーグの皆さん、夏は特に機械がダメになりやすいので注意しましょうね!