ID:utno0KXZ0氏:同い年のお姉ちゃん

かがみ「あ~、疲れた。なんか甘いもの欲しいわね」
      
つかさ「ん~、そろそろ寝ようかなぁ? と、その前におトイレに」
      
ガチャ
      
かがつか「「うわぁ!」」
かがみ「ど、どうしたのよ!?こんな時間に!」
つかさ「お、お姉ちゃんこそ……って、受験勉強だよね?」
かがみ「あ……うん。つかさは?」
つかさ「私はこなちゃんに借りてた漫画読んでてね、眠くなったから、寝ようかなぁーって」
かがみ「そか。私はもうちょっとやってから寝るから、おやすみー」
つかさ「あ、おねえちゃん!」
かがみ「ん?」
つかさ「今ので目が覚めちゃったから……一緒に居てもいいかなぁ?」
かがみ「え?そ、そりゃあいいけど……。どうしたのよ?」
つかさ「ううん。別に……」

かがみ「あちゃー、冷蔵庫の中空っぽだー。そういえば明日買い物に行くって言ってたっけ~?」
つかさ「ホントだ~。何にも無いね」
かがみ「う~ん……。お!ちょっと寒いけど、コンビニまで行かない?」
つかさ「うん!行く行くー!」
      
つかさ「うわ!寒いねー!」
かがみ「うん、もうちょっと着て来るべきだったわね」
つかさ「おねえちゃん」
かがみ「んー?」
つかさ「ちょっと、手、貸して?」

つかさが私の左手を取り、ほうっと息を吐きかける。
暖かい風が一瞬だけど、私の手を包み、気持ちがいい。
「あはは、何してるのよ?」
「えへ。なんか、久しぶりだと思って……」
「久しぶり?」
つかさは私の手を握り締めたまま、放そうとしない。
別に嫌な気もしないし、そのまま……うん、手をつないでいた。
      
あぁ、それが久しぶりなんだ。
      
「嫌じゃないんだよ?」
つかさが少しうつむき加減で呟く。
「っていうかね、すっごく楽しいの!」
「何がよ?」
笑いながら聞き返すと、つかさは言いにくそうにもじもじしてる。
はあ、私にもこんな女の子らしい一面があったらなぁ……。

タイミングが悪い。
つかさの答えを聞く前にコンビニについてしまった。
まあ、本来の目的はこっちだし、さっさと家に帰ろう。
      
「旬だよね」
って、つかさが言うから買ったけど、さすがに10本は無い。
後はもう寝るだけなのに、このおでんの量は半端じゃない。
けれど、おでんの湯気がふわふわと漂って、少しだけ暖かい気がした。
もちろん、つかさとずっと手を繋いでいたせいもあるかな。
      
「さっきの話……」
「え?ああ……。あのね……」
つかさの歩く速さが、落ちる。
「うんとね。こなちゃんはちっちゃくてかわいいし、ゆきちゃんはきれいで優しいし……」
は?いきなり何の話?
「みさおちゃんは元気で明るいし、あやのちゃんはかわいくてしっかりものだしね、皆好きだよ」
「あぁ、うん。そうなんだ……」
つかさの言いたいことがよく分からない。
どうしたんだろう、この子?

「だけど、私ね、いつも皆に嫉妬してたの……」
「嫉妬?」
「うん……」
そのままつかさは黙ってしまった。
      
なんとなく気まずい空気のまま、家にたどり着く。
そのまま家の中に入ればいいのに、もう少し夜風に当たっていたくて、
私はつかさの手を引いて神社の方まで足を運んだ。
      
少し雲が出ていて月は見えなかったけど、神秘的な感じがする空だった。
つかさがおでんの包みを開けて私に差し出す。
冷めかけて、湯気が少なくなったおでんを口に入れる。
「あつっ!」
油断してた。がんもは危険だ。
「あはは」
やっと、声を出してくれた!
「あ……。おねえちゃん笑ってくれた」
「え?」

「おねえちゃんはしっかりしてて、頭も良くて、みんな、おねえちゃんのこと大好きでしょ?」
つかさの手が私の手を握り締める。
「私ね、おねえちゃん取られちゃうって、時々思っちゃうんだ……」
      
風が吹き抜けていった。
      
「何が、とか、どうして、とかよくわかんないけど……。
  私ね、おねえちゃんが…………」
つかさが私の胸に顔を埋める。
暖かい。
つかさの頭を抱えて、頬を寄せる。
「ゴメンね」
なんとなく、なんとなく……そう、言ってみた。
私の胸でつかさが首を横に振る。
ぎゅって抱きしめたら、ぎゅぎゅって抱き返された。

「女の子同士だから変かもしれないけど……」
つかさが不意に顔を上げて、私を見つめる。
「う……」
油断してた。双子の妹をかわいいと思うなんて、私どうかしてる。
そう思って、私が顔を横に背けようとした瞬間。
背伸びして見慣れないブランドのシャンプーを買った、つかさの髪の毛が鼻をくすぐり、
私との距離がゼロになった。
「……」
あったかい。すごく、あったかい。
柔らかくて、気持ちよくて、それにすごく……
      
懐かしい――――。
      
「……。あはは。ごめんね、おねえちゃん」
顔を真っ赤にしながら、つかさが頭をかく。
今が夏なのか冬なのか分からないくらい、熱い。
「だけど、血がつながってるから変じゃないよ?」
そうだね、変じゃないよね。
昔、そう、ほんとに、ずーっと昔はよく二人でしてたよね?

知らないうちに……といっても当然だけど、おでんは冷めてた。
冷たいの食べるのも嫌だし、
「おうちにかえろ?」
つかさが私の手を引っ張る。
      
「どうせ明日のお弁当も無いんだし、これ冷蔵庫に入れておくね?」
つかさはおでんを綺麗に詰めなおして、冷蔵庫にしまう。
ビニール袋からココアを取り出し、二つのコップに分けてレンジに入れる。
「ほっ……」
なんて、なんかのCMじゃあるまいし。
でも、暖まったね。

二人とも特別何か喋ったりはしなかった。
ううん。喋らなくても分かった。
姉妹だから?双子だから?
      
ココアを飲み終わると、どちらがと言うこともなく、立ち上がる。
二人して私の部屋に入り、二人してベッドに横になる。
      
なんかね、そういう気分だったのかな?
      
「寒くないね?」
うん。
「おねえちゃんがいるから、寒くないよ」
つかさがいるから寒くない。
「おねえちゃん、これからもよろしくね」
「はは、改まって言われると恥ずかしいな……」


私は頭を掻きながら、頷く。
そして、
「忘れないでね?」
つかさの顔をこちらに向けて、話しかける。
「絶対に忘れないでね?」
つかさがこくりと頷く。
      
「私達は姉妹だから、なにがあってもね。
  だから、ずうっと、一緒だからね」
      
そう言って、私の唇がつかさのそれに引き寄せられていった。
      
改めて感じる、暖かさと、優しさと、柔らかさと懐かしさ。
      
それと――――愛おしさ……。
      
おやすみ、つかさ。

翌朝。
つかさを起こしに来た筈のお母さんが、私の部屋に飛び込んでくる。
「か、かがみ!つかさがいな、い、の……?」
当然だ、つかさは私の隣で寝ているし。
まだ眠い目をこすりながら、からだを起こそうとすると、お母さんが笑い出した。
      
「ふふふ。二人とも、ほんとに仲が良いわね」
      
つかさが私のパジャマにすがり付いて大量の涎をたらしていたけど、今日だけは許してやろうと思ってる。
      
Fin
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