ID:FDDpgR58O氏:母の複雑な思い

まだ柊姉妹が中学1年生だったころのお話

「キャアーーー!!」
「うるさい、つかさ!!聞こえんでしょうが」
姉妹は揃ってTVでホラー映画を観ていたのだが、醍醐味である怖いシーンが来るたびに小心者の妹は叫んでしまうのである。
「だって、いきなりでてくるんだもん。ってキャアーーー」
「うるさぁぁい!!」

映画が終わる頃、つかさは既に放心状態であった。

「何で怖いもの苦手なくせに、いつもいつも観るのよ?」
「予告見たらおもしろそうだなぁ~、って思ってつい//」
怖いもの見たさというやつである。かがみはいつもの如く呆れてしまった。
「あんた夜寝れなくても知らないわよ。一緒に寝てあげないからね」
「えぇ!?」
すっかり姉の部屋に忍び込もうと思っていたつかさは愕然とした面持ちである。
「何で!?いつもは一緒に寝てくれるのに」
「私達もう中学生よ?いつまでも一緒に寝てたら恥ずかしいじゃない。」
「うぅ……」
「それにいのり姉さんもまつり姉さんも今年受験なんだから邪魔しちゃ駄目よ。ちゃんと一人で寝ること、わかった?」
「……わかった」
つかさは渋々納得したのだった。


就寝時間になったが、案の定、つかさは怖いシーンを思い返してしまい、眠れそうになかった。
「うぅ、どうしよう……そんなに急に変わるなんてできないよぅ」
内心姉のことを恨めしく思いつつ、考えを巡らせていると、ある良案を思いついた。
「そうだ!!」


スーッ、と両親の部屋の襖が開けられる。つかさは、母親と一緒に寝てもらおうと思いついたのだった。
「(あっ、お母さんたち寝ちゃってる。起こさないように忍びこまなくちゃ)」
コソコソと盗人のように母親の布団に近づいていたところで、「…誰?」
母親からの突然の声に驚きつつも答えた。
「え~っと、私//」
「つかさ、どうしたの?」
「怖い映画観ちゃって……それにお姉ちゃんが一人で寝なさいって」
「なるほどね、かがみももう一緒に寝るのは恥ずかしい年頃か。あっ、お父さん起こさないようにゆっくり入って来なさい」
「う、うん」
母の言う通りに更に慎重に布団まで歩き、その中に入った。
「つかさが来るなんていつ以来かしら?最近はかがみにべったりだったからねぇ」
「やっぱりちょっと、恥ずかしいし//」
つかさは姉達(主にまつり)に母親と寝ることを冷やかされるのが恥ずかしかったのだった。
「だから、お姉ちゃん達に言わないでね、お願い//」
「はいはい、わかったわよ」
そう言いながらみきは、つかさの背中を規則正しく優しく叩いてあげた。
「(やっぱりお母さんあったかい……)」
それからすぐにつかさは安らかな寝息をたてはじめた。
「まったくこの子はいつまでたっても甘えん坊ね。でも、つかさが甘えなくなっちゃったら、それも寂しいわね」
みきは複雑な思いのまま、眠りにつくのだった。



~翌朝~
みきはいつものように朝食の用意をしていると、つかさを起こしに行ったかがみが、「つかさが部屋にいないの!!どこに行ったか知らない?」
と慌てた様子で言った。
(しまった!!)
みきは、幸せそうに眠るつかさを見て、もう少し寝させてあげようと思い、そのまま起こすのを忘れていたのだ。


結局つかさは母親と一緒に寝ていたのがばれて、姉達(主にまつり)に冷やかされるのだった。

fin
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