ID:NbETz5st0氏:仲たがい

「こなたの馬鹿!」
「へぇん、私は馬鹿ですよ!かがみの解らず屋!」
きっかけは、私の好きなラノベだった。
ついつい深い話をしてしまって、それからこなたを引き込ませようとしたけど
活字の苦手なあいつは、それを拒絶。
お互いムキになってしまって、収集がつくどころか泥沼化。
そして今、あいつは教室を出て行ってしまった。
つかさが横で、申し訳なさそうに立っている。
「帰ろ、つかさ」

ここまで言い争ったのは久しぶり。
「まったく、少しは本くらい読みなさいよ…」
つかさは「こなちゃんだし」と苦笑い。
もしかしたら、と思って下駄箱を確認してみたけど、こなたはやっぱり出た後だった。
あんな事があったせいか、つかさとの会話すら上手く進められない。
電車を降りて、小道を行くと川が流れている。
「ねぇ、お姉ちゃん…お姉ちゃん!」
考え事をして、つい気付くのが遅れてしまった。
つかさが指をさした向こう、川の方から人の叫び声が聞こえてくる。
女の人の声。声と言うより、悲鳴。
「何…」
川の中腹で、何かが浮き沈みしていた。
「お姉ちゃん!子供が溺れてるよ!」
「子供!?」
確に子供だ。子供が何かにつかまる事もできずに、川に飲み込まれようとしていた。 

「つかさ!鞄!持ってて!」
私は走った。走って川の中に飛込んだ。
この時期の水は想像以上に冷たい。体が凍りそうなくらいに。
待ってて!今すぐ行くから!もう少しだから!
制服が動きを制約して上手く泳げない。
けれど なんとか子供の手に触れる事ができた。
「大丈夫、大丈夫だから!」
でも、子供は暴れる一方で、正直、どうやって岸に向かえば良いのか迷ってしまって
私も沢山水を飲んで、気が付いたら、空を見上げていた。

何かが胸を圧している。途端
「げはっ!げはっ!」
意識が戻ってきた。周りから人の声が聞こえる。
泣き声、小さな子のそれと一緒に、お姉ちゃ~んと情けない声。
つかさ…?
「お~生き返った~」
すっとんきょうな声も。まるで…
私の目の前に、顔が現れた。半目開きの、見覚えのある顔。
それが私を覗き込んでいる。
「こなた…?」
「良かった…もぅ、心配させないでよ。かがみ」
溜め息を漏らす、顔。
「お姉ちゃん、こなちゃんがね、助けてくれたんだよ?」
こなたは学校のジャージを着て、私の横にいた。
「もうすぐ救急車来るからさ」
こなたに、助けられた…。
落ち着いた頃、つかさが話てくれた。
こなたはたまたま本を買いに来ていて、偶然溺れる私達を見付け、
川に飛込んだのだ。らしい。
持ち前の運動能力で二人を引き上げ、応急処置をしてくれた。



後日
「よっ」
3-Bに行くと、こなたは読書にふけっていた。
「どぉ?アレ、もう出てきた?」
あの日、こなたが買っていた本。
私がしつこく薦めた、ラノベ。
「ちょ、ネタばれ止めてよ!」
あえて何かとは言わないでこなたの反応を楽しむ。
「ねぇ、読めない字、ある?ルビふってあげよっか?」
「かがみ、煩い」
あれからこなたの家にお礼行って、ついでに学校の事も謝って
私達の友情は回復した。
『別に大したことじゃないって』
こなたは照れながら笑っていた。
でも、すぐにケロッとして、いつものあいつに戻ったかと思うと、
今回の事を色々茶化してきた。
照れを隠しながら。
ちなみに子供も無事。
お礼に来られた際、散々謝られて、溺れてた身としては気恥ずかしかったけど
助かって、ホント良かった。私より、こなたに感謝よね。
「もうさ、結末、ばらすわ」
「かがみ!邪魔するなら帰ってよ~」
まったく、こなたは…可愛いな。
「最後にね…」
「ちょーーーーっとぉぉぉぉぉぉ!!」
今度何かあったら、私が助けるわよ。
こ・な・た♪

ー終ー
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