ID:yyL4FIU50氏:告白-柊かがみの場合

ある夜の事だった、ある一軒の家の部屋で普通のベッドに普通の外装の部屋だ。
1人で窓に向かい何やらぶつぶつと呟いている女の子が居た。

綺麗と言っても差し支えない程の女の子だが人一倍目付きが悪い為良く性格が誤解
されがちである。

名前は柊かがみ、今は夜中なのでチャームポイントであるツインテールは解いてある。
姉妹で姉であるかがみは妹であるつかさの面倒を見ている所から面倒見が良く周りから
好評を得ている、そんな彼女だから家では変な趣味を持っている訳では無い。
彼女がこんなにも変なのは訳がある。

何度もコホンと咳払いをし予行演習をする。

「えと・・・私が・・・貴方を・・・えっと・・・」

ここぞと言う時喉から声を捻り出せないかがみ、普段はきっぱりとした性格なのに
こういうのには上手く言えないとは何とも純情な女の子である。
何とか羞恥心を払い除け、声を続けようとする。

「えっと・・えっと・・・・えっと・・・・その・・・。」

顔が熱くなり高鳴る胸が心臓を痛くし締めつかれるような思いだ、あれだこれだと
考える内に眠りに付いてしまった。



適当にかがみは支度、朝食を済まし早々と学園に着いた。
学園に登校中こなた達が不穏がっていたがかがみは「大丈夫よ。」と適当に返事をして
早朝に固まった体を休ませていた。

普段生真面目とは思えない程ぐったりしている、ここで本来なら1時間目の授業の
準備をするのが当然だがいかんせんやる気が無いらしい。

そんなこんなで放課後になる、授業中もかがみの憂鬱は晴れなかった。

「お姉ちゃん、一緒に帰ろう。」
「つかさ・・・先に行っていいよ、私・・・さぁちょっと用事があるから・・・。」
「でも。」
「いいの、先に行ってて。」

普段の姉には似つかない難しい表情につかさはそれ以上口を開かなかった。

「わ・・わかった・・。」



放課後になって教室には誰一人として居なかった、あの2人を除いて・・・。

「何のつもりだ?この手紙を俺の下駄箱に置いたの。」

ある1人の男子が右手にある紙を挙げた。

「こんな回りくどい事しなくても用があるならいつでも言えばいいのに・・・。」

紙にはこう書いてあった。

『話があるから放課後残ってください-柊かがみ。』

それ以上もそれ以下も書いてない何とも不思議な手紙だ、何の工夫も無い紙を
丁寧に折りたたんでぽつんと置かれていた。生真面目なかがみらしくきちんとした字
と鉛筆で書かれていた。

かがみに呼ばれた男子は何かのいたずらだろうと思った、その男子は学園では取り立てて
目立った事の無い普通な男子だ、それをクラスでは一目置かれているかがみが呼び出す何て
きっと誰かのいたずらの差しがねにしか思えないかった。





「これ・・・柊が呼んだの・・?」

場所は教室、時刻は放課後。
柊かがみが呼びだしたある男子生徒と柊かがみ本人だけが居る。
その男子生徒は何の変哲も無い一枚の封筒を挙げた。その中にはこう書かれてある。

『話があるから放課後教室で待って下さい―柊かがみ』

誰が見ても奇妙としか言い様が無いだろう、その男子生徒の名前する書かれてすら
無いのだ、用件すら書かれてないのでどうせ誰かのいたずらかと思い半信半疑で
教室で待っていた時が今の状況である。

「誰かのいたずらか?どっかにカメラでも忍び込ましてんのかよ?」
「あの・・・その・・・・。」
「そんな下らない芝居何てしなくていいって。」
「芝居なんかじゃないって・・・・。」

いつも強気なかがみには珍しい消極的な返事である、ますますわからない。

「私ね・・・その・・・」

かがみは一呼吸置いて呟いた、目線はその男子生徒を真っ直ぐ見つめている。

「貴方の事・・・好きみたい。」


「好き・・・・?」

その男子生徒はかがみが何を言ったかわからないと言った表情で首をかしげていた。

「何で・・・俺・・?」
「・・・・・・わかんない・・・。」
「へ?わかんない?好きなのに何でわからないんだよ!」
「だって本当にわからないんだもん!」

かがみはこれまでの経由を話した、聞く所によるといつも暇になればその男子生徒
の事だけを思い込んでいたらしい。

「それが恋だった・・・って訳か。」
「そうよ!大体何で告白されてそんなに冷静な訳!」
「だって・・・こんな・・いきなりでしかもまともに話し合った事無い人にこんな
事言われても・・・。」
「うるさいわね!でどうなの・・・。」

その男子生徒は眉をくねらせ俯いた、かがみの心境はこれ以上に無い緊張だと言うのに
罪な男である。

「断る。」

「な・・・何で・・・よ。」
「なんか・・そんなに風にしおらしく言われても・・・柊らしく無い・・っていうか・・・。」
「そうに決まってるじゃない!だって・・・!」
突然かがみは俯いて目線を逸らした、顔が赤くなってるのは夕日のせいでは無いだろう。
「好きな人の前で・・・いい女の子・・・演じるのは・・・当然の・・・・。」
いつもみないかがみの表情に慌てふためく男子生徒。
「いや違うんだ!別にそういう訳じゃ無いんだ・・・ごめん。つまり俺は柊にはしっかり
している方が好きなんだよ・・・。」
「・・・・・・・。」
黙って聞き入れるかがみ。
「俺ってまだ全然運動も成績も駄目だし・・そんな時にもし柊が喝を入れてくれたら
いいんだ・・・。だからこれから俺が駄目駄目になった時お前が俺をしっかりさせて
欲しいんだ、付き合うとかは違うんだけどな・・・。」
「ふ~ん・・・それって上手い方に逃げてる言い方してない?」
「べ・・別にそんな事して―」
「冗談よ。」
かがみはいつもの表情に戻った、あの面倒見のよいあのかがみに。
「そういうのも・・・悪くないかもね・・・。」
「これからもよろしくな・・・柊。」
「名前で呼んでよ、もう知らない仲じゃないんでしょ?」
「か・・・かが・・・。」
「何照れてるのよ。」
「うるさい!笑うな!」
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