ID:2sAqLgAO氏:ネトゲ世界、再び

どうしてこうなったのか。どうしてこうなった、どうしてこうなった、どうしてこうなった、どうしてこうなった…って壊れてる場合じゃない!

…けど本当に、

「どうしてこうなったぁ~!!」
「イズミ、サワいでもカイケツしませんよ」
「うぅ…わかってるわよパーさん」

話は少し前に遡る。…『さかのぼる』って『遡る』って漢字になるんだ、知らなかった。
今年の学園祭の出し物について、放課後に話を続けていた時だった。
「去年は確か…ネットカフェだったっけ」
「うん。ひよりがコスプレ衣装も持ち出してたけど」
「あれ、私だっけ?泉先輩だったような」
…思えばそれが今回の発端だった。
「じゃあ、今年もコスプレするの?」
「イズミもヤリますか?」
「え゛。いや私は」
「私もコスプレはちょっと…」
「そうよね小早川さん。コスプレはちょっとね」
いくら学園祭ではめが外せるからってそれはちょっと。
「あ、でもあのリスみたいだったやつはもう一回着てみたいかな」
「?…あぁ、あの可愛いヒーラーの衣装ね」
「うん。みなみちゃんのアーチャーの衣装かっこよかったし」
…岩崎さん、Fateのコスプレしたの?しかもアーチャー?…いやいや、有り得ないから。いくらなんでもあの格好は女性としてどうかと。真名がウィリアムテルの方や金ぴかとかでも…

「…二人共、そんな衣装何時着たの?確かあの時用意したのって、ゆーちゃんが天枷美夏、みなみちゃんが綾波レイだったはずだけど」
…いや金ぴかなら鎧着てるわけだしでもレザーみたいな格好とか少年ギルの…いやそれはないわね。少年ギルは。
「ううん。あれは『ラッキースターユニバース』っていうゲームのだから」
「あのネトゲ?バイトかなんかでコスプレしてたの?」
「…引きずり込まれたの」
「What?ミナミ、ソレはサイマゾーンですカ?」
「そこはマクー空間よパーさん!戦隊じゃなくて、せめてガオームゾーンにしなきゃ!」
なんてこと。『~引きずり込め』なら宇宙刑事という伝統をパーさんが知らなかったなんて。これは問題だわ。というかなんで災魔ゾーンは知ってるわけ?
「えっと…委員長、何の話してるかわかってる?」
「え?引きずり込まれたのならマクー空間って返しのはな…し…じゃないよね…」
やってしまったぁぁぁ!


…暴走していた私の思考が治まり、小早川さんと岩崎さんの話をまとめるとこうだった。

学園祭の準備としてネットカフェの席の配置やらをしていて、トラブルが起きた。
PCがネットに繋がらなかったり、うまく連動しなかったりとか。何回かチェックしたけど原因がさっぱりわからない。困った小早川さん達は従姉妹を含めた(岩崎さんのご近所さんもいたらしい)三年生の知り合いに救援を
「…委員長」
「何、田村さん」
「長い。ゆーちゃんの言ったままでまとまってない。要するに学園祭の準備を先輩達に協力してもらってた時にそのゲームに引きずり込まれて衣装を着たってことだから」
………馬鹿じゃないわよ。だってこんな話聞かされたら、そのまま言いたくなるものじゃない。
どう考えても夢物語。しかも続きが、『魔王に頼まれてチーターをやっつけました』だもの。
「あの時は、確かお姉ちゃん達以外の先輩もいたよね」
「うん…誰か思い出せないけど、男の先輩だった」
でも言っているのがこの二人なのが問題よね。田村さんが言ってるなら妄想乙ですませるんだけれど。
「パーさん、どう思う?」
「ワタシにイわれてモ…」
「そうなんだけど、ほら」
田村さん、先輩が男と聞いて何か妄想はいったみたいだし。話をしてる二人には言えないし。
「そのゲームのナイヨウとハナシとがアうカショがアるかワカればハヤいのですが…」
「それだ。確かお兄ちゃんが『ラッキースターユニバース』を持ってるからそれで」
「イズミ…ネットのヒョウバンシらないノですカ?」
「え?」
「あのゲーム、発売してから一月後にゲームバランスが滅茶苦茶になったってクソゲー扱い。新しくやろうとする人は必ず後悔する。そんな話、聞いたことない?」
何時復活したの田村さん。聞いた事は…あった。あれってそのゲームなんだ。お兄ちゃんもそれでやめたんだっけ。
…一月後とんでもない事態が発生。魔王が最弱モンスターエリアに出没、でも必ず逃げる。
魔王の城は妙に強すぎるPKの巣窟…というかチート以外何者でもない連中の基地。しかも負かした相手を恐喝してチート薬販売。しかも現金。
会社も対策はしているが、本命がどうにも捕まらずにユーザーだけが離れていった…だったろうか。
急に小早川さん達の顔色が変わった。何か「チュンが…」とか「またあの魔王さん…」とか呟いているみたいだけど。嫌な予感。まるで何か決意したみたいな顔をした…。



そんなこんなで現在、『ラッキースターユニバース』プレイ中。持っているなんて伝えなきゃ良かった。
「まさか、ユタカがやろうとイいダすとは…」
小早川さんと岩崎さんが二人して「やろう」と言い出して、私と田村さんが二人協力している状態になっている。
パーさんはPCがないので不参加に近い。
まさか噂通りに雑魚モンスターエリアに魔王に居て、小早川さんの説得に応じてしまうとは…本当に魔王か?と疑ってしまった。
今、裏ルートから【チュン】の城に潜入中。いつのゲームか突っ込みたくなるグラフィックなのはさておき、
魔王『カノジョから連絡あったで。遅れてくるらしいわ』
ユタカ『あの、一体誰なんですか?その女の人って』
魔王『自分らと同じで、大体の把握しとって協力申し出た奴や』
ミナミ『男性じゃないんですよね』
ヒヨリン『なんで男かどうかにこだわってるんだろうね?』
私に聞かないで。っと。

…しかし、小早川さん達以外にこんな状況を把握していて、かつ協力するような人ねぇ。最初は小早川さん達の言う先輩方かと思ったけど、どうも違うらしい。その人達は別に忙しいらしく(大学祭に備えてるそうだ)パーさんがうちに遊びに来ているのも、会議の邪魔したくないからだそうな。一度会ってみたいのだけど、機会がね…。
「イズミ!モニター!」
と、いけない。何かあったのかな。
イズミ『ごめんボゥッとしてて画面見てなかった。何かあったの?』
魔王『え…』
ミナミ『…』
ユタカ『…』
ヒヨリン『…イズミさん』
「チュンというプレイヤー、マチブセしてたの、見てなかったデスねやっぱり」
「嘘!」
チュン『…お前、イい根性してるR。ここまでコケにしたのはお前が初めてR』
イズミ『…あ、ありがとう』
チュン『誉めてないR!今すぐ過去ログ読み直して出直すR!』
イズミ『え、見逃してくれるの?』
チュン『んな訳ないR!』
うわっなんかすごく怒ってる。

「サッキまでチュンがどうしてルートにキづいたかとかチートのクロウバナシとかカイインカンユウとかしてたのに、イズミのヒトコトでバがシラケたヨ…」
「あ、あれよ。悪人の発言なんて聞き流そうと思って」
ヒヨリン『イズミさん、悪人の台詞なんて無視だとか考えてない?』
イズミ『なんでわかったの?』
チュン『ほほぅ…死ねR!』
両手を合わせて錬成陣のつもり?
イズミ『なんか痛い厨二患者みたい。語尾のRとか邪気眼かな』
ミナミ『厨二?』
魔王『邪気眼?』
ヒヨリン『言っちゃったよ』
チュン『だだだだた誰が厨二Rか!!』
イズミ『貴女』
ユタカ『駄目だよイズミさん、事実は人を傷つけるんだよ』
チュン『貴様!!』
ヤマトラマン『何をしているの貴女達は』
ってまた誰か増えた。
イズミ『誰?…しかも何その鎧姿』
ヤマトラマン『そこの魔王の相談相手よ。鎧は気にしないで』
ヒヨリン『そのHN…もしかして永もr…さん?』
ヤマトラマン『そうだけれど。なんで打ち込み途中でやめたの』
イズミ『本名は出さないのが暗黙のルールだから。もしかして初心者?』
チュン『初心者は引っ込むR。ってその鎧は…もしや』
魔王『内〇まもるデザインの限定鎧アイテムやで。確か「ファイタスの鎧」や』
ヒヨリン『嘘!?』
ヤマトラマン『ソフトからしてこうにもらっただけで、なんとなく気に入ったから着けているのだけど。レアなの?』
何をしているの〇山まもる。ならあの鎧はブラックホールにも耐えられる訳?
ヤマトラマン『時にそちらでしているの』
チュン『!まさか!』
もう遅い。パーさんが待機しているホントの理由は通報にあるんだから。
チュン『く』
ヤマトラマン『逃がさないわよ』
ユタカ『あの、どうしてわかってたんですか?』
ヤマトラマン『貴女達と似た理由。ユタカさんにミナミさん』
ミナミ『…だから手を貸してくれるんですか?でも貴女は』
ヤマトラマン『私はいなかったけど知る事のできた位置だったから。同じ気持ちならわかるはず。今、一緒に戦わないなんてあり得ない』

…戦わないけどね。違反者共の首謀者をチート使用通報するだけだし。
チュン『こうなりゃGMをPKするしかないR!』
ヤマトラマン『スパイラルビーム』
鎧の腰についていた西洋剣をかまえたヤマトラマンさんがそう言うと、剣先から光線が発射された。
…って光線出たのその剣!斬らないの!あ、斬りかかった。良かった。
ヤマトラマン『またつまらぬものを斬ってしまったわ』



後日談と言うか。
通報した結果チュンはお縄となり、ゲーム世界は平和を取り戻した…訳じゃない。売ったチート薬が回収出来たのでもないので、しばらくは混沌だそうだ。
ヤマトラマンさんは以後ゲームに現れていない。彼女が誰なのかを知っているのは田村さんだけだが、彼女は今日、先輩に呼び出されたため話は聞けず。
そして魔王は…

魔王『ハッハッハッ、もっと鍛えてこんかい!』

今までの鬱憤ばらしのごとく、城に戻らず、今日もプレイヤーをいじめまくっていた。

完…でいいのかしら?


コメント・感想フォーム

名前:
コメント:
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。