ID:y51TvjmFO氏:タイトル不明

―海―
家族連れや友達同士、または恋人同士で賑わう、真夏の定番の場所
「ぷはぁ~気持ちいいねぇ」
海面から水しぶきをあげ、一人の少女が姿を現す
特徴的な二つに綺麗に分けられたツインテール……ではなく今は髪を結い上げ、それを頭の両端にとめている。
基本強気な性格の持ち主
私の友人、柊かがみだ。
その吊り上がった目がより強気な性格を誇張している様に思える

そんな彼女はこちらに気付くと、私の元へスタスタと歩み寄って来た。
「こなたも早く泳ぎなよ、とっても気持ちいいわよ」
パラソルの日陰の中に腰を落としている私に手を伸ばす。
「えぇ~私はまだいいよ~」
それをあっさりと断りにかかった。
何故なら照り付ける太陽の熱に、パラソルの中に居るだけでもとても暑い。そんな中で、太陽の直射日光を浴びるなど論外だ
焼け死んでしまう。
「ほらほら、そんなこと言わずにさ」
そう言い切る前に私の手を取る、そして強引に引っ張り起こされた。
起こされた私はさらに引っ張られ
肌を太陽に晒すはめになった。
ああ…太陽はなんでこんなに私をいじめるんだ
もう私の体は、汗だらけで、もう乾いてないヶ所がない程なのに。「やっぱ無理だよ……かがみ……暑くて死んじゃうよ」

太陽光線の熱に完敗し、パラソルという砦に帰ろうとする私
だが「えい」という掛け声と共に、私はかがみに持ち上げられた。
私の体格は小学生並なので軽く持ち上げられてしまった。
そしてかがみは海へ向かった歩き始める。
「ちょ……かがみ?」困惑する私を無視してさらに歩き、海の中に入っていくかがみ。

そして今度は「それ」という掛け声と共に私は海へと放り投げられた。
高々とまう水渋きと大きな音をあげ、海中へと沈む私
水面に向かって手足をバタバタと動かし、海面から顔を出す。
するとそこには二人、見知った顔があった。「こなちゃん大丈夫?」
肩まで掛かる薄紫の髪に、少し垂れていて、優しそうなイメージを醸し出す目。
頭にヘアバンド的な特徴を持つリボンを付けた私の友人
柊つかさが私を心配した。
「ぷはぁ~、死ぬかと思った~、かがみはやっぱり凶暴だね」

そう大袈裟に言って見た
死ぬかと思った、は言い過ぎだが、お姫様だっこの様に持ち上げられた時はそのまま投げれれるなんて思わなかった。
ふふっという小さな笑いと共に、つかさの隣りにいた、ピンクいろの長髪に、抜群にいいスタイルの持ち主、丸めがねをつけた高良みゆきがニッコリと笑う。
「ふふ、こなたさんも元気そうでよかったです」

大きなイカダ型の浮輪に乗り、おっとりした口調で言う。
彼女は水中がとても怖いらしく、そのため泳ぐことが出来ないらしい。
だが、本人の要望もあり、浮輪に乗って海の波を満喫している。
だが私は気に入らなかった。
はち切れんばかりの大きな胸、少しふっくらとした細型の手足
おっとりとした雰囲気を持ちながらも、ぱっちりと開かれた綺麗な瞳に、整った顔立ち。まさしく言葉通り“容姿端麗”なみゆきさん。
そんな彼女が浮輪にちょこんと乗っているのを見ると、
自分の抜群のスタイルと美貌を公然と周りの人達にアピールされている様で、くやしい気分になる。
近くで泳いでいる男の人もみゆきさんを見ているのか、やたらこちらをちらちらと見てくるが、
並の人よりやや小さめのつかさの胸など気にしていなさそう様子で、ましてや幼児体系で胸など微妙にしかない私の水着姿など眼中にすらなさそうだ。
そう思うと少し魔がさして来た。
彼女の美貌への嫉妬が原因だ。
私も常人程の物があればこんな魔は刺さらなかっただろうが、差が激しすぎる。
その世界の不条理さからか、彼女の乗る浮輪をひっくり返そういう考えと共に浮輪に手をかけた。

ちょっとした子どもがする様ないたずら。
掴んだ浮輪を上へと思いっ切り押しあげる。
「ひゃあ!?」
シーソーの様に浮輪は傾き、それに驚いたのか、みゆきさんはバランスを崩し、フラフラとよろめいてから海面へと体を預けた。

水渋きなどあげず、綺麗に海の中に沈んでいくみゆきさん
つかさは突如起こった私の奇行にボー然としている様だ。
私は多分ニヤニヤと笑っていたのだろうな





みゆきさんが沈んでから数十秒が発つ
がまだ上がってこない。
「ゆきちゃん……確か泳げないんじゃ……」
つかさが恐る恐るそう言った。
それで私はみゆきさんが水中恐怖症なのを再び思い出す
そういえばそうだ。水中が苦手な人が泳ぎの練習を出来るはずがない。
てことは水中から水面に向かって浮くことも難しいはず
そう思うと自分の顔がだんだんと青ざめていくのをはっきりと感じた
その私の表情を見たのか、つかさの顔も青ざめていく。
沈黙が流れる
「おーい、成海さんがそろそろお昼にしようってー」
遠くの海岸から自分達をそう呼ぶ声が聞こえて来た。
そのかがみの声が沈黙を破り、私達は
「つかさ!」
「う、うん」
息を大きく吸い込み、急いで水中へと素潜りしてみゆきさんを探しに向かった。
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