ID:px7JqE > 0氏:タイトル不明

「う、そでしょ・・・つかさ・・・つかさぁあああああ」
「かがみん・・・」

人通りの少ない交差点で3人、正確には2人の少女が立ち尽くしていた。
その少女らが見つめる先には、新しく買ってもらった携帯をうれしそうに抱えながら
安らかに眠るつかさの姿があった。

その日と次の日、かがみとこなたは通夜と葬式の準備の手伝いに追われていた。
つかさのご両親からは手伝わなくていいから休んでおきなさい、と言われていたが二人は積極的に手伝った。
忙しさに追われることで、つかさの死という現実から逃れようとしたからである。
夜になり一通りの行事が終わり、身内だけの食事会が開かれた。
そこには居心地が悪そうなこなたの姿があった。
誰も料理に箸をつけようとはしなかった。
そしてそれを見かねたのかつかさのお母さんが口を開いた。

「こなたちゃん遅くまでつきあってもらってありがとうね、遠慮しないで食べてね」
「あ、いえいえ、大して役に立てなかったと思いますが。あ、このエビフライおいしそうですね」

そういうと手前にあった料理の中から適当に小皿に移し食べ始めた。
それを機にその場にいた親族も料理に手をつけ始めた。ただ一人かがみを除いて


「そういえば、つかさも好きだったのよね、エビフライ・・・なんで・・・なんでつかさなのよ、ひっく、ひっく」
「かがみん・・・」

気づけば回りも手を止めて涙ぐんでいる。こなたは箸を置いてかがみを抱きしめた。

「ぅ・・・ひっ・・・ごめん、こなたちょっと外歩こうか・・・」
「そだね、今日は満月だしきっと月も綺麗だよ」


二人は神社の階段に腰を下ろし、寄り添うようにしながら月を眺めていた。
ここから見る街はとても小さく、弱々しい月の光がそれを照らしていて
多くの生命が存在しているとは信じられないほどだった。
街からふく風が頬をすべり、二人の潤んだ瞳を乾かした。

「ねぇ、こなた、つかさはもう天国いっちゃったのかな」
「・・・きっとまだいるよ、かがみんがそんな顔してちゃ心配で天国いけないよ」
「そっかー、そうだよね、あたしがつかさに心配されるっていうのはなんか納得いかないけど」
「ちょっといつもの調子が戻ったね、落ち着いた?」
「まぁ・・・ね、でも・・・」

そういうとかがみは少し笑いながら一度俯き、そして満月を見上げながら呟いた。

「魂とかあるんだったらどうにかして会話できないかな、とかそんなことばかり考えちゃうんだよね」
「かがみん・・・」

それまでかがみを心配そうに見つめていたこなたの表情が急に険しくなった。
そして何かを決心したかのような面持ちでかがみに一つの提案を持ち出した。

「かがみん、つかさを蘇らせよう!」


考えもしない切り替えしに戸惑いつつも、かがみは平静を保とうとした。

「あ、あんた何いってるのよ、そんなことできるわけ・・・」
「魂はまだある、人間の構成要素の成分さえ集めれば決して練成は不可能じゃない」
「あ、あんたまさか・・・人体練成は法で禁止されてるの知ってるでしょ!」
「知ってるよ!けど・・・けどそんなんでかがみんは納得できるの?」

かがみは俯いた、そして唇をかみ締め、声にならない声で尋ねた。

「・・・材料何がいるのか教えて」
「うん、時間はまだある、決行は次の日曜日、この神社でやろう」



ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・
土曜日の夕暮れ、大きな荷物を両手に抱えた女子高生二人が電車に揺られていた。

「これで材料は全部よね、以外に安くすむものなのね」
「まぁね、体自体は安上がりだしね、ところで神社で人がこないところってどこかある?」
「そーねー、基本は家族だけだから深夜ならどこでも大丈夫よ」
「そっか、それじゃ今日の深夜、階段あがった広間のとこでやろう」


今夜は雲が多く月が見え隠れして、風の音もなく、不気味なほど静かだった。

「よし、陣はこれで完成、と。かがみん、魂の情報をお願い」
「わかったわ・・・」

かがみは持っていたカッターナイフで親指の先を切り
陣の真ん中に置かれた人間の材料の中に血を一滴落とした。

「いくよ、かがみん」
「う、うん」

二人は陣の外枠に手をつき、力を循環させ、練成陣を発動した。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

雷鳴のような凄まじい音が神社の境内を通り抜けた。

バチバチ・・・バチバチ・・・

光が練成陣に集まっていく。練成陣を中心に風が渦を巻き、二人の制服がバタバタを揺れ動いている。
練成は成功したかのように見えた・・・が、そのとき雷鳴のような音にまじってもう一つの不快な音が生まれた。

「きゃああああああああああああああああああああああああ」


かがみだ。かがみの周りの空間が歪んで、その空間にかがみのツインテールがひっぱられているのだ。
こなたもそれに気づき、練成を止めようとするが、一度爆発した練成の勢いは止まらない。

「かがみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

ブチッ!!!

凄まじい音と共にかがみのツインテールは亜空間に引きずり込まれた。

「く・・・う・・・もっていかれたぁあああぁあああぁあああ」

かがみの悲痛の叫び声と共に、二人はそのまま意識を失ってしまった。

気づけば辺りは練成前の物静けさを取り戻していた。
今までのは全て夢だったのかという考えも巡らしたが、かがみの髪型によってその考えは見事に打ち砕かれた。

「かがみん、大丈夫・・・?」
「う、うん、私は平気、それより・・・」

二人は顔を見合わせた後、練成陣のほうに視線をずらした。
しかし練成陣の周りには煙が立ち込めていた
そして月が雲と重なってしまっていて中がどうなっているのかよく見えない。
二人は恐る恐る練成陣に向かって足を運ばせた。

「つ、つかさ・・・いるの!?」

かがみが震える声で叫んだ。
その時、風が吹き煙が流され、雲間から月の光に当てられてそれが姿を現した。
かがみとこなたは声を失った。

それの体はまるで皮膚がとけたかのような桃色で全身を覆われていて
顔と体の区別ができないくらい体の構造が無茶苦茶で、鼻は形を成してなく
手足は短く、足に至っては血の成分がそこだけに密集したかのように朱にそまっている。
まさに人間と呼ぶには程遠い化け物の姿・・・



後のカービィである


                                【 Fin 】
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