ID:FdFisuqY0:タイトル不明

つかさ「私が絶対にこなちゃんの笑顔を取り戻します」


私達は、今日、こなちゃんの家に向かって居ます
理由は、こなちゃんに戻って来てもらう為です
こなちゃんは、私が話しかけても返事をしてくれません
お姉ちゃんが、こなちゃんの好きな漫画やアニメの話をしても、見向きもしてくれません
みんな、いっぱい・・・いっぱい話しかけているのに
こなちゃんの目は、いつも私達の方には向いていません
こなちゃんは、私達のことを忘れてしまったんでしょうか


ピンポーン

中からこなちゃんのお父さんが出てきました

「やぁ・・・また来てくれたんだね・・・本当にありがとう・・・」

こなちゃんのお父さんは、今日も元気がありません
気のせいか、最近どんどんやつれていっているように見えます

「おーい・・・こなた、またお友達が来てくれたよ・・・入って良いかい?」

中から返事はありません
あの元気な声は何処に言ってしまったんでしょうか

「あはは・・・みんな、すまないね・・・どうぞ、中に入ってこなたと喋ってあげてくれ・・・」

お姉ちゃんが俯き加減で返事をして、中に入ろうとします
でも、お姉ちゃんは中に入る前に一瞬立ち止まり、深呼吸をして、暗い表情から笑顔に変わりました
ゆきちゃんも、お姉ちゃんに見習って、なるべく笑顔でいようと決めたようです
私も、出来るだけ笑顔でいようと思います
だって、私達が暗い顔をしていたら、こなちゃんが可哀そうだもの

「ヨッス!こなたーーーー!!元気にしてたーー?ひっさしっぶりーー!!!」

部屋の中は、まだ昼だと言うのに薄暗いです
そしてその中に、パジャマ姿のこなちゃんが居ました
その顔は、もう以前のこなちゃんの面影は何処にも無く、生気が無い顔をしています
そして、そのこなちゃんが、お姉ちゃんの返事に答えることはありません・・・

「・・・はは・・・元気・・・そうだね・・・」

先ほど、元気良く入ったお姉ちゃんでしたが
こなちゃんの変わり果てた姿を見た途端、また俯き加減になってしまいました
その顔には、涙も浮かんでいるように見えます
私も悲しいです


「いずみさん?・・・ほら、お見舞いを持ってきたんですよ?」

ゆきちゃんが、さっき買ってきた果物をこなちゃんに見せます
花は持ってきませんでした、今のこなちゃんは、花を枯らせてしまうからです

「いっぱい食べて・・・早く・・・元気に・・・なって・・・くださいね・・・」

ゆきちゃんの声がどんどん震えていって、最後には涙声になってしまいました
お姉ちゃんも耐え切れなくなって、とうとう泣いてしまいました

「こなた?あのね?私ね、ホラ、こなたが前好きだって言ってた漫画あるじゃない?アレ、買ってきたのよ?
 ・・・あ・・・あはは・・・もしかしてこなた、もう買っちゃってた?こなたは本当に漫画大好きだもんね?
 でもね、多分これは買ってないよ!?だってね?昨日発売したばっかりなんだよ!?ホラ!早く読んでさ!
 また漫画の話聞かせてよ!!!前見たいに笑ってよ!!前見たいにふざけてよ!!ねぇ!!
 こなた!!!!こなたああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


お姉ちゃんがこなちゃんに抱きついてわんわん泣いています
ゆきちゃんも涙を必死に堪えながら俯いています
私も、みんなと同じでただ、泣くことしか出来ません
こうやって、ただ・・・泣くことしか出来ません
悔しいです、無力な自分が悔しいです
こなちゃん・・・こなちゃんは悲しいの?
私は悲しいよ
だからお願い・・・
もう一度だけ・・・もう一度だけで良いから・・・
私たちのところに戻って来てよ・・・


もうどのくらい時間が経ったでしょうか・・・
みんなはもう、涙が枯れてしまうくらいに泣いていました
その間、こなちゃんはずっとベッドの上でただボーっと何処か宙を見ていました

「うっぐ・・・ヒック・・・こなた・・・こなた・・・ごめんね・・・ごめんね・・・」

お姉ちゃんはもう壊れてしまったんでしょうか
先ほどからずっとこなちゃんの名前を呼んでいます
ゆきちゃんは、そんなお姉ちゃんをずっと慰めようと必死です

「グズッ・・・かがみさんは・・・何も・・・・・・何も悪くありませんよ・・・お願いだから、自分を責めないでください・・・」

私はと言うと
もちろん悲しかったです
でも、この光景を見ていると
逆に怒りもどんどん積もってきました
誰に?
一つは無力な自分にです
この無力で弱い、何も出来ない情けない自分にです
私は、初めてこなちゃんと会った時
こなちゃんに助けて貰ったんじゃなかったんだっけ?


それからこなちゃんと仲良くなって・・・
そんなこなちゃんを、私はどうしたんだろう?
ただ何も出来ず、黙って見ていただけじゃないか・・・
助けてもらった恩があると言うのに・・・私は・・・
こなちゃんを見捨てたッ!裏切ったッ!・・・
私は、こなちゃんの友人として最低な人間です
そしてもう一つ
こればっかりは絶対に許せません
こなちゃんを、ココまで追い詰めた"誰か"です
許せない・・・絶対に許せない・・・
怒りで体がフツフツと熱くなってくるのが分かります
一体こなちゃんをこんな風にしたのは誰なんでしょうか
絶対に犯人を突き止めてやります
許せません。
許せません。



・・気づいたら、ゆきちゃんが私の手をとっていてくれました

「・・・つかささん?・・・大丈夫ですか?・・・先ほどから・・・ずっと・・・」

私はキョトンとしてしまいました
どれくらい時間が経ったのでしょうか
時計を見るともう夜の10時でした
こなちゃんの家に着いたのがお昼だから・・・ちょうど10時間もこなちゃんの家に居たことになります

「先ほどかがみさんが、遅くなる、って家に連絡しといてくれましたから安心してください」

そうなんだ・・・
ずっと考え事に没頭していた為、気づきませんでした
お姉ちゃんの方に目をやると、随分落ち着きを取り戻していました
寝ているこなちゃんに付き添って、こなちゃんを優しく撫でていました

「つかささん・・・悲しいでしょうけど、きっといずみさんは元気になってくれます・・・だからその日まで、
 せめて私たちは元気で居ましょう?・・・もしいずみさんが元気になった時、私たちに元気が無かったら
 いずみさんは寂しい思いをしてしまいます・・・だから、いずみさんが元気になるのを信じて・・・ね?」

そう言って、ゆきちゃんは私を抱きしめてくれました
人って、こんなに温かかったっけ・・・
とても温かい温もりのおかげで、私も随分落ち着けました
ゆきちゃんの優しさに、少し心もじんわり熱くなりました
今のこなちゃんには、この温もりが伝わらないのでしょうか
そう思うと、また少しだけ悲しくなりました


さぁ・・・かがみさん?・・・そろそろ帰りましょう?・・・大丈夫です・・・いずみさんなら、きっと大丈夫ですから・・・」

お姉ちゃんは素直に、うん、と返事をしてその場を立ち上がりました

「じゃあね、こなた・・・また、来るからね?・・・バイバイ・・・」

そう言うと、お姉ちゃんは部屋から出て行きました
ゆきちゃんも、こなちゃんにサヨナラの挨拶をして、お姉ちゃんと一緒に部屋を出たので
今は私とこなちゃんの二人だけです
こなちゃんは、とっても可愛い寝顔で寝ています
寝ている時は、昔のこなちゃんと何の変わりもありません
・・・私は、さっきは取り乱して、言えなかったことをこなちゃんに言おうと思います

「ゴメンネ・・・こなちゃん・・・助けてあげられなくて・・・でもね、安心してね?
 私が絶対に、こなちゃんを、こなちゃんの笑顔を、取り戻すからね?・・・その日まで・・・
 こなちゃんはぐっすり眠ってて良いんだよ?・・・それでね、こなちゃんが起きたらね
 おはよ~~!って、笑顔で挨拶してね?こなちゃんの笑った顔、とっても可愛いからね
 きっと皆も笑顔でおはよ~!って挨拶を返してくれるよ・・・それじゃあ・・・私はそろそろ帰るね?
 ・・・バイバイ、こなちゃん・・・」

そう言って、私はこなちゃんの部屋を後にしました。



帰り道、私たちは殆ど話しませんでした
無理もありません、みんな疲れているからです
途中でゆきちゃんと別れ、お姉ちゃんと二人で帰っている時、お姉ちゃんが私に聞いてきました

「こなた・・・大丈夫だよね・・・」

お姉ちゃんは、本当に友達想いなので、きっと一番こなちゃんの事を心配しているんだと思います
姉と妹と言っても、私たちは双子なので、お互いのことくらいは分かってるつもりです
だから、私は今、お姉ちゃんになんて言ってあげれば良いか分かっていました

「大丈夫だよお姉ちゃん・・・こなちゃんは絶対戻ってくるよ・・・だって、こんなにお姉ちゃんが
 こなちゃんの事を心配しているんだもの、きっと、こなちゃん面白がって
 "かがみ~~!私が居なくて寂しかったか~い?"って言いながらヒョコっと戻ってくるよ」

「アハハ・・・そうだよね・・・戻って・・・来るよね!」

お姉ちゃんは取りあえずは安心してくれた様でした


それから家に帰り、お姉ちゃんはすぐに寝てしまいました
普段は私の方が早く寝てしまうのですが・・・
何故だか私は眠れませんでした
ずっと、布団の中で今度どうしようかと、考えていました
行動に移すなら、なるべく早く動く必要があります
手遅れになってしまってからでは遅いことがある事を、私は今回学びました
なので、同じヘマは二度もしません
・・・もう一度、こなちゃんに助けて貰ったあの日のことを思い出します
それから、こなちゃんと過ごした日々、一緒にいったお祭などのことを思い出すと
楽しい楽しい思い出ばかりが蘇りました
思い出せば思い出すほど、こなちゃんが恋しくなってしまいます
また涙が少し、浮かんでしまいました
・・・私は、これからも、絶対にこなちゃんと楽しい思い出を作って行くつもりです
そう考えると、私が絶対になんとかしてやる!という気持ちもしだいに高ぶってきます
でも・・・気持ちは高ぶっても、実際はまず、何をすれば良いのかよく分かりません・・・
こなちゃんを追い詰めた"誰か"が居るはずなんですが、私には検討もつきません
やっぱり・・・こなちゃんを詳しい人に話を聞くしか・・・
でも、友達の私たちでも知らないことを聞くって・・・誰に?
担任の先生?・・・どうだろう・・・
こなちゃんのお父さん?・・・知ってたらとっくに行動に移してるよね・・・
・・・クラスメイトで詳しい人は・・・居ないだろうと思う・・・
考えれば考えるほど、頭がこんがらがっていってしまいます
取りあえず・・・明日学校で色んな人に聞いて回るしか・・・
何となく気持ちはさっぱりはしませんでしたが、取りあえず明日やることは決まりました
待っててね・・・こなちゃん・・・



翌日、いつもの道で、いつも通りに学校に向かいました
でも、一つポッカリ大きいものが抜けてしまっています
こなちゃんです。
明るいこなちゃんが居る、居ないでは全然違います
いつもは短く感じる通学時間が、今日はやけに長く感じられました
学校に着き、お姉ちゃんと別れました
今日はこなちゃんのことを色んな人に回って聞かなきゃいけないので、少し忙しくなると思います
教室に入ると、みんなは至っていつも通りでした
こなちゃんの席は、もちろん今日も空席です
その空席が、私にとってはとっても、とっても大きくて
大げさかもしれないけど、いつもの教室の風景がガラっと変わったかの様にも思えました

先生が来て、朝の出席をとり始めました

「いずみ・・・は今日も来てへんか・・・」

そういえば、いつだったか、こなちゃんは先生とゲームをよくしてる、って言ってました
聞いてみる価値はあるかもしれません
朝のHRが終わり、先生が教室から出るところを捕まえました

「・・・そうか・・・そりゃあ気になるわなぁ・・・仲の良い友達だもんなぁ・・・分かった、昼休みウチのところに来な、職員室におるから」

やっぱり何か知っている様です
何を知っているんでしょうか


 
先生から手がかりを聞かないと、私はどうしようも無いので、4時間目までは普段どおりに過ごすことにしました
体育の授業の時、ボーッとしてたら先生に怒られてしまいました。
こなちゃんは、足が速かったなぁ・・・
昼休み、私はお弁当も食べないで、すぐに先生の所に行きました
先生もお弁当は食べてない様でしたが、私の為にすぐ話に入ってくれました

「でな、泉のことな・・・ウチも詳しくは把握しきれてないんやけど・・・知ってる限り話すな?」

先生の話を聞いて、私は驚きました
こなちゃんが・・・
あのこなちゃんが・・・
どうして?・・・
そんな雰囲気、何処にも無かったのに・・・
取りあえず、まだ確信が持てないので自分で少し調べてみることにします
話が終わる頃、気づいたら先生は涙目になっていました

「ホンマ・・・ウチ・・・あの子の担任なのに・・・担任らしいこと・・・一つも・・・一つもしてあげられなくて・・・」

それを言われると、私も胸がズキズキしました
私だって・・・何もしてあげられてない・・・

「先生は・・・何も悪くないですよ・・・」

そう言って、私は職員室を後にしました




教室に戻ると、お姉ちゃんとゆきちゃんが私のことを待って居ました
お弁当を食べに来たのかな?と思ったけど、どうやら違うようです
こなちゃんのことです

「ココじゃアレだから・・・場所を変えよう?・・・」

そう言われて、三人で人気の無いところに移動しました
私はとても嫌な予感がしました
でも、私とお姉ちゃんは双子なので、相手の考えてることが大体分かります
なので、私の嫌な予感はきっと的中するだろうな、と思いました



「こなたのことでさ・・・その、私が自分のクラスで弁当食べてたら、クラスメイトが変な噂話してたんだよ・・・」

ゆきちゃんがさっきからずっと困った顔をしています
ああ、きっとそうゆうことなんだろうな、と思いました

「こなたさ・・・どうやらさ・・・一部の奴等に・・・イジメられてた見たいなんだよ・・・」

やっぱり・・・

「でもね!?まだ確証は取れてないから、信じられるかどうかは分からないよ!?・・・でも、もしかしたら、ってぐらいに・・・」

「あのね・・・お姉ちゃん・・・さっき、私先生のところに行って来たの」

「え?・・・そうなの?・・・それで、なんて?」

お姉ちゃんがおそるおそる聞く

「お姉ちゃんと、同じこと言ってたよ・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!・・・」


ショックなんだと思います
お姉ちゃんはその場にズルズルと座り込んでしまいました
ゆきちゃんも、手を口に押さえて、信じられない、と言う顔をしています
私もとてもショックです
言葉が口に出ません
なんでそんなにショックなの?
そんなのは決まってます
こなちゃんが虐められてたと言うことは
その虐めは、こなちゃんの"ココロが壊れてしまう程の酷い虐め"だと言うことだからです
こなちゃんがこれまで何をされてきたのか、私にはとても想像がつきません
"想像を絶する"と言う言葉がこれほどまでに怖いと感じたことはありませんでした


悔しいです
本当に悔しいです
何が悔しいかって・・・

虐められていたのにも関わらず、そんな素振りを私達に見せなかった
こなちゃんの心遣いに気づいてあげられなかったことがです・・・

きっと、こなちゃんは相当強い子だったんだと思います
もし私が虐められでもしたら、きっとすぐお姉ちゃんに泣きついてしまいます
でも、こなちゃんは強い子でした
強かったからこそ、一人で抱え込みすぎてしまったのかもしれません
私達に見せていたあの笑顔にも、どこか陰があったんでしょうか
お姉ちゃんと悪ふざけをしていた時のこなちゃん・・・
あの悪ふざけは、こなちゃんなりの、せめて私達と居る時は楽しく居よう、と言う意味が合ったのでしょうか
きっと辛かったに違いありません、私たちに悩みを打ち明けたいと思ったに違いありません
でもこなちゃんはそうはしませんでした

関係の無い友達まで巻きこんでしまったら、申し訳無い
せめて、このことは自分自身の問題だから、自分で解決しよう

と思ったんだと思います
こなちゃんの意地だったのかも知れません
こなちゃんは、結局最後の最後まで、私達の前では、"今までのこなちゃん"を演じきりました
そして誰にも相談しないで、一人で全て解決しようとして・・・
そのウチ一人じゃ抱えきれない問題になっていって・・・
最終的には、こなちゃんのココロはズタズタに壊されてしまいました


こなちゃんのことを考えると、胸が、ココロが熱くなって・・・
みんな、もう涙をボロボロこぼしていました

「うっぐ・・・ヒッグ・・・こなちゃん・・・こなちゃん!・・・・・・うっぐ・・・うわああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!」

私は我慢しきれなくなり、大声をあげて泣いてしまいました
悲しいです
今までで一番、悲しいです
憎いです
今までで一番、人を憎いと思いました
辛いです
今までで一番、辛いです
悔しいです

今までで一番、悔しいです


でも、一番辛かったのはこなちゃんです
私達はそんなこなちゃんに気づいてあげられ無かったんです
友達なのに・・・一番身近に居る友達なのにッ!!!!
・・・なんで!?なんでなの!?
こなちゃん、相談してくれたって良かったんだよ!?
別に、私は巻き込まれたって全然平気だよ!?
だって、皆がいるじゃない!
友達がいるじゃない!!!
私達は一人じゃないんだよ!?
・・・こなちゃん・・・
気づいてあげられなかった私たちにも責任、あるよね・・・
ごめんね・・・本当にごめんね・・・
こなちゃん・・・
後・・・何回謝れば

 


    こなちゃんは戻って来てくれますか?




あんまり大声で泣いたせいか、黒井先生に見つかってしまいました
先生は何があったのか凄く心配そうな顔をしていました
ですが、私たちが何で泣いているのかをすぐ雰囲気で察してくれた様で
先生もまた、暗い顔になってしまいました

「・・・お前ら・・・辛かったら次の授業は出んでもええよ・・・保健室で休んどき?・・・な?」

このまま授業に出ると、明らかに浮いてしまうので
5時間目はみんな、保健室で休むことにしました

「ほんなら・・・この子達、頼みます・・・」

そう言って先生は行ってしまいました

保健室の先生は、事情は黒井先生が話しておいてくれたお陰で、私達のことは放っておいてくれました
私達三人は、落ち着くまでしばらく時間がかかりました
これからどうすれば良いのでしょう
こなちゃんがああなってしまった理由は分かりましたが
未だに主犯人は検討がつきません
それに、もし見つけたとしても、どうすれば良いのでしょうか
私は暴力沙汰は多分無理です
喧嘩なんて、小さい時にお姉ちゃんとしかやったことがありません
あれこれ考えているウチに、みんな随分落ち着いてきました
でも、お姉ちゃんのショックは大きいようで、ずっと顔が下を向いたままです
ゆきちゃんも、流石に今回は辛い様です
ゆきちゃんの涙は中々止まりませんでした
いじめ・・・
誰が、どうゆう理由でこなちゃんを虐めていたんでしょうか
虐めの理由なんて、大抵下らないものだったりしますが
私はこなちゃんが虐められる理由が全く思いつきません
こなちゃんは、とっても良い子です
それに勉強も私より幾分も出来ます
誰がそんなこなちゃんを狙うのでしょうか



すると、お姉ちゃんが口を開きました

「・・・絶対に犯人を見つけよう・・・それで、こなたに何をしたのか問い詰めて
                    二度とこなたに手を出させないようにする・・・絶対に!!」



「ええ・・・絶対に許せません・・・理由はどうであれ、あそこまで人を追い詰めるいじめだなんて・・・
                         泉さんの前で謝って貰います、絶対に・・・ッ!」


みんなの決意は固いようです、もちろん私もそれに賛成しました



丁度その頃、5時間目の終了のチャイムが鳴りました
私達はもう平気なまでに回復したので、それぞれの教室に戻ることにしました
帰りのHRが終わった後、先生に呼び止められました

「もう平気なんか?・・・あんま無理せん方がええで・・・」

私は 平気  です



平気だから



少し・・・無理をします







かけがえの無い友達の為に



放課後、また三人で集まりました
今日のウチに出来る情報収集をしたので、それを報告するためです
お姉ちゃんと私は、特に情報は集まりませんでしたが
ゆきちゃんが情報を持ってきてくれました
どうやら、こなちゃんを虐めていた人達はダンス部絡みだそうです
お姉ちゃんがいきなりダンス部に行こうとしましたが
流石にそれはまずいので止めました
今日だけで随分進展がありましたが、もう少し情報を集めた方が良いと思います
今日はこれくらいにして、家に帰ることにしました



お姉ちゃんと家で話をしました
内容は昔話です
あの時はああだったとか、そうゆう話です
やっぱり、こなちゃんの事を一番好きだったのはお姉ちゃんだったんじゃないかな、と思います
だって、お姉ちゃんが話す内容っていつもこなちゃんのことだもの
ソレを言うと、お姉ちゃんはいつも否定するんだけども


・・・こなちゃん・・・

もう少しだから・・・

本当にあと、少しだから・・・

待っててね・・・


翌日、今日も昨日と同じ様に通学します
相変わらずこなちゃんが居ないと寂しいですが
そのこなちゃんはもう少しで戻ってくる気がします
私は何かとウトいんですが、こうゆう感はよく当たります
今日は、相手が誰だか大体掴めてきたので、進展が凄くあると思います


学校で積極的にダンス部の人に話を聞きますが、みんなが口を開いてくれません
どうしてでしょうか?・・・
結局、私は何の進展も無いまま昼休みを迎えてしまいました
ダメだ私・・・
もっと頑張らないと・・・



昼休み、また三人で集まり、話を聞くと今度はお姉ちゃんに進展があったようです

「やっと分かったよ・・・主犯人・・・ダンス部の副部長だってさ・・・」

今一ピンと来ません
ダンス部の副部長?・・・
そもそもダンス部自体がこなちゃんと関係があるとは思えません
一体、何だと言うんでしょうか

「それで・・・かがみさん、動機なども分かりましたか?・・・」

「うん、分かったよ・・・男子から聞いた話だけどね・・・」

ダンス部には男子部員は居ません
と、言うことはダンス部から聞いたんじゃないらしいです
何がどうなっているんでしょうか?


「あの・・・ちょっと待ってくださいかがみさん、その男子って・・・誰でしょうか?」

「え?・・・あぁ、えっと・・・つかさ達と同じクラスじゃなかったかな?白石って子だよ」

白石君?・・・
意外でした
白石君は流石に知らないだろうと思い、こなちゃんのことを聞いてませんでした
もっと注意深くならないとダメだな、と思いました
でも、何で白石君が知ってたんでしょうか?

「あぁ、何かたまたま見ちゃった、って言ってたよ・・・あの人、結構こなたの事を気にかけていてくれたみたい」


「そうなんですか・・・じゃあ、先ほどの話を続けてください」

「うん・・・まずね?ダンス部の副部長には彼氏が居るのよ?結構前から付きあってたらしいんだけどさ・・・その・・・
     副部長はその彼氏にゾッコンってヤツでね?・・・一回妄想妊娠をしたくらいらしいんだよ・・・」

ココまでくると、流石に鈍い私でも、その人がなんでこなちゃんを虐めたのか大体検討がついて来ました

「・・・その副部長の彼氏はね?その子に嫌気がさしたらしいの・・・あんまりしつこいからね?・・・それで、別れを
   切り出したの。・・・でも、一回妄想妊娠をしたくらいに愛してる相手だもの、副部長は勿論それを拒否したの。
   別れるなんて絶対に嫌だ!!ってね・・・そうこうしているウチに、副部長の彼氏には、他に好きな相手が出来
   ちゃったの・・・ココまでくれば・・・その相手は・・・誰だったか分かるよね?」

こなちゃんです
今、やっと全てが分かりました
要は、虐めの原因は、こなちゃんへの嫉妬です
・・・それにしても、こなちゃんはどうしたんでしょうか?
その男の子からアプローチを受けたのでしょうか?

「うん・・・こなたは告白された、ってさ・・・でもね?こなたは断ったって・・・」

「え?・・・じゃあ、どうしてでしょう?」

「さぁ・・・やっぱり、女は執念深いんじゃないのかな・・・女の方は、自分が振られた理由はこなたにあるんじゃないか、って
     勘違いしてるんだと思う・・・それでね?・・・副部長はダンス部全体でこなたの事を・・・」



何それ・・・
何それ何それ・・・
じゃあ、こなちゃんは何も悪くないんじゃない
こなちゃんが何をしたって言うの?
どうしてこなちゃんが虐められなきゃならないの?
また怒りがどんどん湧いてくるのが自分でも分かります
こんなに怒りで震える自分は初めてです
酷いです
最低です
許せないです
あんなにこなちゃんを酷い目にあわせといて・・・その理由が自分が振られた腹いせ?
そんなのただの八つ当たりじゃない!
みんな気持ちは一緒でした

今日の放課後、決着をつけます


副部長とは、クラスは全く違うクラスでした
もちろん、私達は誰一人その副部長とは面識がありません
ですが、何としてもその子と決着をつけるため、昼休みのウチに会いに行くことにしました
いざ目の前にして、この人がこなちゃんを傷つけたんだ、と思うと我慢できなくなりそうでした

「え?・・・私に用?・・・放課後?・・・別に良いよ、今日練習無いし」

向こうももちろん、私達のことを知らなかったので最初戸惑って居ましたが
何とかOKしてくれました


こなちゃん・・・もうすぐ・・・終わるからね・・・


約束の場所に向かう途中、ゆきちゃんはずっと黙っていました
ゆきちゃんは、いつもはとっても大人しい子なので、やっぱり怖いのかな?と思って
大丈夫?と声をかけると、満面の笑顔で答えてくれました






「相手の出方によっては  フ   ル   ボ   ッ   コ   です」




どうやらゆきちゃんは大丈夫の様です


放課後、約束の時間に、彼女は来ました
もちろん場所は人気の無いところです

「・・・えっとさぁ、私に用って何?私、貴方達のこと良く知らないんだけど・・・」

お姉ちゃんがすぐさま答えました

「私達のことは知らなくとも、泉こなたのことは良く知ってるでしょうッ!!!!!?」

いきなり大声を出したので、私は少し驚きました
お姉ちゃんは本気で怒っています


ゆきちゃんもそれに続くように言いました

「忘れたとは言わせませんよ、貴方が深く傷つけた女の子の名前です」

副部長は、立て続けにいきなり言われたので
最初混乱していましたが、すぐに状況を把握したようです

「あぁ・・・貴方達、あの子の友達なの?・・・どうなの?あの子?最近学校に来てないみたいだけど」

明らかな確信犯でした
この騒動の原因は確実に彼女です
こなちゃんを壊したのも彼女です
こなちゃんから笑顔を奪ったのも彼女です
私達は具体的な相手をついに見つけました
怒りをぶつけるべき相手を見つけました
お姉ちゃんが怒鳴ります

「ふっざけんじゃないわよ!!!学校に来てない!?誰のせいだと思ってるの!?アンタがあの子を来れないように
                           仕向けたんじゃないの!!!!!!」


「私?私が何をしたって言うのよ?」


「今更シラを切るつもりなんですか?話は聞きましたよ、貴方は自分の部活の人達を使って集団で泉さん個人を
                                   虐めの標的にしたんでしょう?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」

副部長は少し黙り込みました
お姉ちゃんはもう、息が荒く、肩で息をしています
ゆきちゃんは、ジッと副部長を見つめています

沈黙を破るようにゆきちゃんが言いました

「貴方、彼女が今どんな状態に陥ってるのか想像出来ますか?」

「知・・・知らないわよ、そんなの」

「知らない、じゃすまされませんよ、彼女は今もずっと、一人で、薄暗い部屋の中で人形の用に固まってしまっています」

「は・・・はぁ?何それ?意味分かんない!」

「教えてあげようか!?アンタはね!人一人殺したようなモンなのよ!!!!!!アンタに想像できる!?
 今まで明るかった友人がいきなり一言も喋らなくなっちゃうのよ!!私の言葉に返事を返してくれないのよ!!!
 前見たいに・・・笑顔で笑ってくれないのよ!!!!!返してよ!!こなたを返してよ!!!!!!!この人殺し!!!
 この人殺しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!」

お姉ちゃんは副部長にどんどん詰め寄ります



「は?人殺し?アンタ何言ってるの?馬っ鹿じゃないの!?ねぇ、アンタ頭足りてるの!?・・・」




「   口   を   慎   み   な   さ   い   ッ!!!!!!!!!!!」




ゆきちゃんが怒鳴って
その場を一喝させました
ゆきちゃんが怒鳴ったのを私は初めて見たので
とても驚きました
怖かったです



「副部長さん・・・その子が言ってることは間違っていませんよ・・・貴方は殺しを犯しました。
 泉さんの心を殺しました、泉さんは今、死んでしまっています。貴方にその罪が償えますか?」

「・・・な・・・何よ・・・分けの分からないこと言って・・・元はと言えば・・・あの子がいけないんじゃない!そうよ!私は悪くない!」

「アンタ・・・それ、本気で言ってるの?」

お姉ちゃんが信じられない、という顔をしました

「そうよ!アイツが私から彼を奪ったの!だからね?私はアイツに罰を下したんだよ!!」

ゆきちゃんが、冷静に、相手を諭すように言いました

「良いですか?・・・私が言うことをよく聞いてくださいね?・・・貴方の彼氏さんは、泉さんが奪ったんじゃ無いんですよ?
 確かに貴方の彼氏さんは泉さんに好意を持っていたようです。でもですね?泉さんはそれを断っています。貴方、それ
 でも泉さんに非があったと言いますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいえ、言えますか?」

「そんなの嘘だよぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!でっちあげに決まってるじゃない!!!」


もはや逆ギレでした
今じゃただ、副部長は必死に理由をつけてはこなちゃんのことを
罵っているだけでした。お姉ちゃんは先ほどと変わらず本気で怒っています。
ゆきちゃんは、そのお姉ちゃんが言いたがってることを代弁をするかのように
落ち着いて話しています
私は?・・・
私はただ、その場に呆然と立ち尽くして居ました
何故だか頭の中が真っ白です
今自分が立っていることさえ忘れそうでした
副部長が何をしたいのかもうわけがわから なくなって居ました
私が立ち尽くしている間にも、話はどんどん進んでいきます


加えて話ますと、貴方の彼氏さんが別れた理由は・・・」

「五月蠅い五月蠅い五月蠅い!!いちいちアンタの口からそんなこと聞きたくないのよ!!」

「ふざけないでよ!!アンタそうやって自分の非は認めないで全部こなたに責任を押し付ける気!?
 ハッキリさせて貰うけどね!!!あの子は何も悪く無い!!!あの子は被害者なのよ!!!!!
 謝りなさいよ!!こなたに謝りなさいよ!!!!!」

「五月蠅い!!もうアンタ等の御託なんか聞きたくないのよ!!!
 死んだ!?良いじゃない!良い気味だわ!!!!当然の罰よ!!!!!!!!
 あんな奴死んで当然!!!!!」

「ちょ・・・アンタ・・・もう一度言ってみなさいよぉおおお!!!!!!!!!!!!」

「かがみさん!?止めなさいッ!!」





ドンッ!!!!


お姉ちゃんが副部長に飛びかかろうとしました
だけど、先に飛び掛ったのはお姉ちゃんじゃなくて



私でした



「つ・・・つかさ?・・・」

「・・・つかさ・・・さん?」

なんで飛び掛ったのかは分かりません
もう頭が真っ白で、考えるより先に体が動いていました
なんでか分からないけど、涙がボロボロボロボロこぼれました


「馬鹿・・・馬鹿!・・・謝って!・・・こなちゃんに謝って!!!!!!!」

副部長に馬乗りになり
ペシペシと私が副部長の頬を叩きます
ゆきちゃんが私を止めようとしますが、私はそれを振り払います

「こなちゃんは・・・こなちゃんはね!?とっても・・・とっても良い子なんだよ?・・・なのに、どうしてそんな
 酷いことするの!?ねぇ、こなちゃんに謝って!!!!!!!ねぇ!謝ってよぉ!!!!!!!!!!」



ポコポコポコポコポコポコ
自分でもどのくらい、彼女を叩いているのか覚えていません
お姉ちゃんも止めにかかりましたが、私は全部無視しました

「約束して!!・・・二度とこなちゃんに意地悪しないって・・・約束して!!!」

私の顔はもう、涙で顔がくしゃくしゃになっていました

「お願いだから・・・お願いだから・・・こなちゃんは・・・私達の・・・大切な友達なの・・・だから・・・うっぐ・・・
       もう・・・ヒッグ・・・こんなことは・・・しないでよぉおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!」

「つかさ・・・」

わんわんと大声で泣きました
気づいたら、副部長も泣いていました
お姉ちゃんも、ゆきちゃんも泣いています
こんなの・・・
副部長がこなちゃんを虐めたって
副部長は幸せにはなれません
私達も幸せにはなれません
一体、副部長がやったことにはなんの意味があったんでしょうか
誰かが得をしたんでしょうか
もう、これで終わりにして欲しいです
これ以上、こなちゃんを苦しめないで欲しいです



皆が泣き止み、落ち着いて来た頃、彼女が唐突に
謝ってくれました。

「それを、泉さんに伝えてあげてください」


そうゆきちゃんが言いました
私はしばらく放心状態で動けませんでした
アレ程感情を爆発させたのは初めてでした

「つかさ・・・・・・」

お姉ちゃんは何も言わないで、私の頭を撫でてくれました。

これで、多分もう、全てが終わったんだと思います
後は・・・こなちゃん次第です



こなた「うはwwwおkwww許すwww」

副部長「フヒヒwwwサーセンwwww」

かがみ「ちょwwアンタ等どんだけぇーw」

みwiki「あるあr・・・ねーよwww」

つかさ「なんという素晴らしき友情・・・見てるだけで汗から目が・・・」




白石「イジメ、ダメ。ゼッタイ」


~fin~
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