第2話:つかさの尻尾

「……ふぁ」
授業中。だるい。やる気が起きない…。早く帰って羽を伸ばしたいよ…。
そう思った矢先のこと。

「うおぉっ!?」
「わぁ!」
「きゃあ!?」
って、またやっちゃった……。それまで静かだったクラスは騒然。

「泉ー、お前またやっとるんかー?」
「せ、先生…?」
「しっかしお前もイタズラが好きなやっちゃなー」
「い、いやこの羽根はそんなんじゃなくて」
「授業にならんから早よぉその羽根しまっとき。お前がそれやるたびクラスがうるさなんねん」
「は、はぃ…」

……別に好きでやってるんじゃないんだけど…。
案の定クラスの全員が大笑い。なんで竜人なんかに生まれてきちゃったのかな、かな。
あぁもう、恥かいちゃったよ…穴があったら入りたいよ……。
と、赤面してると……先生の声が響いた。

「柊!お前も何尻尾出しとんねん!泉の二番煎じはやめとき~」
「バルッ!?」ビックゥ

……つかさ…?また…やっちゃったんだね…。

放課後……。
「まったく、あんたは今日もやったのか」
「いやぁ、竜人は身体のコントロールが難しくってねぇ…18年も生きてるはずなのに慣れなくってさ~」
「うんうん、竜族って長生きだもんね~」
「つかさ、呑気なこといってるんじゃないの。…ってちょっと待て、その尻尾はなんだ?」
「ふえぇ!?」
「はぁ…全く2人そろってだらしがないわね、集中力が足りないのよあんた達は!」
集中力…ねぇ。意識してないとすぐ私は竜人の姿に戻っちゃうからなぁ。否定は出来ないよね。
でも、かがみにケチをつけられてるのは私だけじゃないのだ。

柊つかさ。彼女のスカートの下からも、尻尾がのぞいていた。
ただ、あの尻尾は私のように鱗で覆われたものじゃない。代わりに尻尾を覆うのはふさふさとした毛。
かがみの話によると、柊家の一族には昔この地方を治めていた狐の血が流れているという。
だからかがみ達はこういう狐の姿に変身することが出来るらしい。…ということは?

私はかがみの方に向き直り…ニヤリと笑った。
「ねぇかーがみん、尻尾だーして♪」
「はぁ!?」
かがみが急に赤面する。もぅ、デレの直前って感じだね~。
ちょっと面白くなってきたので、私はさらに続ける。
「はずかしがらーなーいでー、モジモジしなーいでー♪」
「うううう、うるさーい!!」
かがみが一気に大爆発。その瞬間のことだった…。

「…あ、お姉ちゃん……」
「……あっ、あぁっ、ああぁぁぁぁぁ!?」
かがみの腰からもふさふさの尻尾が生え、頭の上にはやはりふさふさの毛で覆われた耳ができて…。
かがみの腕もまた、同じように毛で覆われていた。そして、その顔は…。
どうみても狐です。本当にありあとじゅしたー。

「あぁぁぁぁぁっ!なんという失態だー!!」
「お姉ちゃん…どんだけー」
「あぁ、ご、ごめんね、まさかこうなるとは…」
「うっさーいっ!!!!!」
「うわらばっ!」
……わたしはかがみに引っ掻かれ、噛みつかれ…ボロボロになって家に帰ってきた。

「こなた!?誰にやられたの?まさか竜狩り!?」
「…いや…友達に狐がいて……怒らしちゃったみたいで……」
「なにっ!?それは本当か!?」
玄関先でグッタリしている私と、そんなボロボロの私を見て心配しているお母さんをよそに、お父さんはなにやら準備をしている。
カメラにジャケット、いろいろ持っちゃって。
「ぃよっし!お前の友達のところに行くぞ!案内してくれー!」
「…そんな体力ないし、また近所に変な目で見られるからやめてよ!」
「そんなこといわずに、ささ、行くぞー♪」
「ちょっ、離して!痛い、痛いってば!羽根がちぎれるー!」
必死に叫んでお父さんを止める私だけど、お父さんは聞いてくれない。
ウキウキ顔で私を連れ出そうとしていたその時…。
「…そ~う~君~?」
背後からお母さんの声がした。お父さんがおそるおそる後ろを振り向くと…。
……そこには『本来の姿』に戻ったお母さんの姿があった。
白い羽毛で覆われた、美しい竜。身長は2メートルくらいだろうか?
しかしその目は赤く輝いていて…顔はすごく引きつってて…誰が見ても怒っているのは明白だった。
「怪我してる娘に何をさせるんですか!ドラゴンブレス!!!」
「ギャアァァァァァァァァ!!!!」
…お母さんの吐くドラゴンブレスによって、お父さんは氷漬けにさせられてしまった。
「…暫く頭を冷やしなさい!さ、こなた…お母さんが治してあげるからこっちへいらっしゃい」
「は、はい……」

「……ドラゴンとそのハーフを発見…まさか、泉さんが竜の血を引く子だったとは…これは研究のし甲斐がありそうですね。フフフ…」

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