ID:zWaLEko0氏:タイムリミット~泉こなたの隠し事~

…ある日の学校からの帰り道。
泉こなた、柊かがみ、柊つかさの3人はいつものように話をしながら歩いていた。

「それで、次々に強い敵が出てきてさぁ…もう大変大変」
「アンタは…ゲームにはまるのもいいけどちったぁ勉強したらどうなのよ」
「わかっちゃいるんだけどね…実際やる気でなくってさ」
「あはは、こなちゃんらしいな~」
「やれやれ…」

こなたは相変わらずのオタクで、それにやや呆れがちのかがみ。
そしてこんなときでもひたすらマイペースに振舞うつかさ。
そんないつもの光景。

しかし、次の瞬間……それは思わぬ形で起きた。

「ところで、こなた…」
かがみがこなたに顔を向けて話題を振ろうとする。しかし、こなたは呼びかけられても何も反応しない…。
「こなた?どうしたのよこなた!こなた!!」
かがみがこなたの肩を掴み揺さぶる。ハッとした様子のこなた。
「ご、ごめんごめん、ついボーっとしちゃってさ…」
「まったく…こいつは相変わらずなんだから」
「でもおねえちゃん、最近のこなちゃん、なんか変じゃない?」
「変?…こなたがボーっとしてるのなんていつものことじゃない」
「違うんだ…違うんだよお姉ちゃん。話し掛けようとしたときに突然死んだように動かなくなるの…肩を揺さぶったり叩いたりすると起きるみたいだけど…」
「……」
こなたは黙ったまま考え込んでいる。ただ考え込んでいる。

(…やっぱり、本当のことを話したほうがいいのかな…)

「なに深刻な顔してるのよ、アンタらしくないわね」
「いやぁ、ななななな何でもない…よ」
後ろから突然かがみが話し掛けてくるので動揺するこなた。
何か隠していることでもあるのだろうかとかがみは思ったが、どうせたいしたことじゃないだろうと溜息をつくだけだった。
「…ほら、早くしないと電車出ちゃうわよ」
「そ、そうだね…」
と、足を踏み出したそのときだった。

「きゃあ!!」
つかさのすぐ傍には、猛スピードを出してトラックが近付いていた。
「……つかさっ、危ない!!!」
思わずこなたは飛び出した。持っていた通学鞄をかがみに預け、ひたすら一直線につかさのもとへ走り出した。そして………。


「こなちゃん…こなちゃん!!!」
『……あ……つか…さ……?』
つかさが目に涙を溜めながらこなたの名を呼ぶ。
こなたはつかさを庇おうとしてトラックに跳ねられてしまったのだ。
傍にいたかがみもショックで青ざめていた。
いつも一緒に笑っていた友達が、妹を庇ってトラックに跳ねられたこと…。
しかしそれ以上にかがみがショックを受けたのは…今道路の上に転がっているこなたの姿であった。
「…こなた……アンタ、その身体…」
『ア、アハ……最後まで…隠そうと思ってたけど……コレで全部…バレちゃったね……』
こなたの身体は真っ二つに引き裂かれて道路の上に転がっていた。
……腕も千切れている様子であり、こなた自身も喋るのがやっとといった状況であった。
ただ、かがみがショックを受けたのは、その道路に転がったこなたの身体に漂う異質感であった。

『…かが…み……。つか……さ…。実は私ね……2人に…隠してた…ことが…あるんだ……』
次の瞬間こなたは衝撃的な言葉を発した。
『見ればわかると……思うけど……私はこの通り……ロボットなん…だよ……』
「どういうことなのよ……?」
「嘘だ……嘘だよ…こなちゃんが…ロボットだなんて…」
『嘘なんかじゃないよ……私は……』

こなたの口から告げられたのは衝撃の事実だった。
こなたは、実は人間そっくりに作られたロボットであること。
泉そうじろうが、亡き妻「泉かなた」に似せて知り合いの科学者に頼んで作らせたロボット…。
それが「泉こなた」だったのだ…。

「そんな!それじゃあ…修理すれば…」
『ムリだよ……もう身体の方もだいぶガタがきてたし…交換用の部品ももう……残ってないんだ…』
「そんな………じゃあ最近…こなちゃんがボーっとしてたっていうのは…!」
『……もともと……寿命が…近かったんだ……どっちみち……私には……時間…が…』

すっかり壊れてしまったこなた……。
それを見つめてただ泣くしかなかったかがみとつかさ。
『……今まで……みんなを騙して…ごめん……。こんな私だったけど……かがみたちが…友達でいてくれて…幸せ…だった…よ……』
「こなた……」
『最期の……お願い……訊いてくれる……?』
「……なに?」
『私……生まれ…変わったら………ニンゲンニ…ナリ…タイ……ナ…』
その言葉を最後に、こなたは静かに瞳を閉じた……。

「……こなちゃん?…こなちゃん!起きてよ!ねぇっ!!!」
「嘘でしょ……?:こなた!…目をあけてよ!返事しなさいよ!……またいつものように笑ってよ…!ねえ……こなたあああぁぁぁぁぁぁあっ!!」
かがみとつかさは泣いた。物言わぬ鉄屑と化したこなたの傍で、涙が枯れるまで泣いた。
やがてすっかり泣き疲れた二人に、こなたの声が聞こえた気がした…。

―――アリガトウ、カガミ、ツカサ
―――ワタシ、ホントウニタノシカッタヨ……

<終>
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