つかさが死んでから早5年…三人はそれぞれの道を歩んでいた。
特にかがみはすでに夫を持ち、妊娠もしていた。
そして今日、吉報がこなた、みゆきに知らされた。
もうすぐ赤ちゃんが生まれるみたいだと…
「大丈夫?」
こなたがかがみに声をかける。
「うん、今ちょっとマシ…」
「それにしてもかがみはもうお母さんかぁ、まあ高校のときから男がいそうな雰囲気は漂わせてたけど」
「それはあんたの勝手な妄想だろうが、今の人とは会社先で知り合ったの」
「あーあみゆきもお見合いの話しあるんでしょ?」
「ええ、まあ…」
「いいなあ、後は私だけか…時が過ぎるのって本当に早い…」
皆の頭の中には高校時代…四人で楽しく過ごした日々がよみがえっていた。
今ここにつかさがいればどんな反応をしていただろう…
自分の子供を見せて上げられないかがみは少し涙がこみ上げてきた。
「うぐぅ…」
激しい痛みが襲ったのはその直後のことであった。二人はあわてて看護士を呼びに行く。
医者は顔をしかめた
「いきなりですか、これはまずいですね…しょうがないここで生みましょう!」
「こ、ここでですか?」
「大丈夫。昔の人は何も設備のないところで産んでいたものですよ。タオルと桶を用意して!」
看護婦達の迅速な行動によって一気に整備が整う。病室は騒然としてきた。
かがみが口を開いた。
「すみません…あの二人に…私が生む所を見てもらいたいんです、ここにいてもらっても良いですか?」
「ええ良いでしょう。あなた達は?」
「もちろん大丈夫です!」
二人はうなずく。さらに痛みは増してきた。
「ぅぅうう…くぅ……」
そして…………
「……おぎゃあ…おぎゃあ」
「う…生まれ…た…」
「おめでとう!元気な女の子ですよ」
「見せて見せて」
三人はいっせいに赤ちゃんを覗き込み、そして驚いた。
「うそ…こんなことが」
ほとんど生えそろっていない、それでも少し生えている髪の毛は薄い紫色をし、
目は少し垂れ下がっていておっとりした優しさが滲み出している。
思わずかがみが叫ぶ。
「お帰り……つかさ!」
つかさとなずけられたその子はすくすくと成長し、黄色いリボンが似合うかわいい女の子へと成長していく…
最終更新:2007年06月03日 20:40