ID:8aQt3JyZ0氏:タイトル不明2

いつからだったのだろう
「ごめんなさい」が必要になったのは

いつからだったのだろう
「ごめんなさい」すら言えなくなったのは

私は誰かと対立したいわけじゃない
私は誰かを傷つけたくないわけじゃない

どうしてなのだろう
私はどうして、こんなふうに他人を……

「お姉ちゃんのバカ!」

つかさは扉を勢いよく閉じて
自分の部屋へ行ってしまった

そうだ、私はバカだ

ほんの些細なこと
とても些細なこと

それなのに、私はつかさを突き放してしまう
つかさだけじゃない

こなたからも日下部からも
"怖い"って認識されてるんだ

私は、どうして───

始まりは、とても些細なこと

今ではなんで喧嘩したのかすら覚えてない
でも、私はつかさを否定した

そんなつもりはなかったのに
口から流れ出た言葉は、私の意図するものと違っていた

いつもそうだ
どうして私はこんなに……

私はいたたまれなくなって部屋を飛び出した
階段を駆け下りて、家を飛び出した

……どうしよう

途方にくれ行くあての無い私
でも、家に帰るのもなんか気まずい

ふらっと、何も考えずに
ただ歩いていた

古本屋
ゲーセン
そこらへんにでも行って時間を潰そう


「やっほ~、か~がみ~ん!」

不意に背後から声がして
そして次に私の背中に飛び掛ってきた

「どうしたのさ、暗い顔して」
「……なんでもないわよ」

一声でこなただとわかった
友達だから

「なんでもないわけないじゃん、私に言いな~
 私はギャルゲマスターだよ、いろんなシチュの悩み聞けちゃうよ~」

背中から私の髪にほおずりをしてそう言うこなた

「……ほっといてよ!」

まただ
私はいつも、私の意図する言葉と逆を言ってしまう
今も、本当は寂しかった
誰かに聞いて欲しかった

でも、私はこうしてこなたを突き放してしまう言葉を……

「ふふふ、素直じゃないねぇ、かがみんや」

でも、こなたは相変わらずの口調で背後にいた

「……」
「かがみ」
「何よ?」

こなたは急に真面目な声を出して、私の正面にまわる

「つかさと喧嘩でもしたの?」
「っ……関係ないでしょあんたには」

図星を突かれ、口調が厳しくなってしまう

「関係有り有りだよ」
「なんでだよ」
「私にとってはつかさもかがみも同じだけ大切なんだし」
「……」

こなたは、照れもせず、臆せもせず言い放った

「こなたは……強いよね……」

自然と口から言葉が漏れる
そう、こなたは強い

私がどんなに突き放してしまいそうな言葉を放っても
のらりくらりとそこにいてくれる
その小さな身体に似合わない、強さを持ってる
なのに……私は

「ははは、私は強くなんて無いよ」

え?

「ただ知ってるだけだし」
「何をよ」
「かがみんは素直じゃないって事」
「あ……」

こなたはそう言うとちょっと微笑んで頭を撫でてきた

「ちょ、ちょっと、こなた!」
「恥かしい?でも、本当はして欲しいでしょ」
「え……」
「かがみは素直じゃないけど、本当は甘えたがりだもん」
「そ、そんなこと」
「ふふふ、そんなことあるよ」

顔が赤い
恥かしかった

「本当はかがみは凄い甘えんぼさんなんだよ
 だから、自分が好きな人には同じ意見持ってて欲しいんだよね」
「え?」
「だから、好きな人が違う意見を持ってたら、思わず衝突もしちゃう」

こなたが私の目を覗きながら
そう続ける

「だからね
 かがみがつかさと喧嘩したのは、つかさが大好きだったからなんだよ」


「……ありがと、こなた」
「あれ?今はちょっと素直だね」
「うるさい」

私はこなたに礼を述べて、自宅へと駆け出した

「ふふ、頑張ってねぇ」

後ろから小さく、そんな声が聞こえた

そうだった、私はつかさが好きだから
だから、つかさと同じでいたかっただけ

別につかさが嫌いなわけじゃない
むしろ大好きだったから

私は素直になれて無いだけだった
ただ、それだけのことだった

「つかさ!」

つかさの部屋のドアを開ける

「お姉ちゃん?」

あまりの私の勢いに、目をしろくろさせるつかさ

「つかさ、さっきはごめん」

「え?」
「さっきは言い過ぎた、ごめんね」

言えた

それがとても嬉しかった
普段は言えなかったけど

でも、私はつかさが大好きだから
それを考えたら、簡単に言えた

「……お姉ちゃん」
「つかさ」
「ごめんなさい、お姉ちゃん、ごめんなさい」
「いいの、私が悪かったんだから」

つかさは私に抱きついてきた
私もつかさを抱きしめた

そうだよ、私とつかさは、大切な姉妹だもん
嫌いなわけ無いじゃん

バカだな、私

-fin-
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