ID:nWSdzJMy0=ID:6lDyk0nI0氏:小さなきっかけ

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その日はありがちな学校帰り。 変わった事といえばその日はかがみんが家にゲームを借りに来るって約束した日で、 しかも私がその約束をすっかり忘れてゲマズに行ってしまったくらいだった。 ゲマズに向かってる途中に珍しく持ち歩いてた携帯にメールが来て、 開いてみたらかがみんの [ちょっとこなたの家着いたは良いんだけどなんでアンタいないのよ] というメールだったのを見てあーやっちゃったコレ、と思いながら急ぎ足で家へ帰った。 家に着いて居間に行くと、そこにはお父さんしかいなかった。 「おかえりこなた、かがみちゃんが来たから部屋に通しといたよ」 「ただいまーってえ?部屋に入れちゃったの?・・・んーまぁいっか」 別に部屋の中に特に見られて困るようなもんは無いだろうし・・・。 ギャルゲの箱位じゃ驚かないだろうし、同人誌なんか見られたって今更・・・ ってアッー!この前のイベントで表紙買いした百合本!!! アレ机の上に置きっぱなしだった! でもまぁ見られても多分大丈夫だよねぇ、別にガチレズな訳じゃないし 等と思いながら自分の部屋のドアを開けるとかがみんが何かの本に視線を落としていた。 「いやーごめんねかがみん。今日うち来るってすっかり忘れてさぁ、ゲマズ向かってたよアハハ」 「・・・」 無言かかがみんよ。 いやいやちょっと何か言ってよ!ていうか何読んでるの? 『マリア様がイッてる』 わーどう見ても百合本です、本当にありがとうございました。 って言っている場合じゃない。本気に取られる訳無いだろうけど説明しとこうかな 「あのさかがみん、その本なんだけどねイベントで・・・」 「あーごめん、今日はもう帰るわ」 「え、ちょっ・・・」 そう言ってかがみんはあっという間に帰ってしまった。まさに疾風のごとく。 えーっともしかしてマジにとっちゃったのかな。フォロー入れた方がいいのかなコレ。 でもまぁ明日も学校で会うしいっかな、と思ってると携帯がまた鳴った。 [さっきはいきなり帰ってゴメン。 でも部屋であんなものを発見したこっちの気持ちも察して。ぶっちゃけあんたレズなの?] フォロー入れようか考えてるうちに向こうがアクションを起こして来たよ、ありがたい・・・かな? さて何て返そうか、と暫く考えて多少ジョークも交えて [オタクなんだからレズ本位読むよ~w そんなに過剰反応しちゃって、かがみんこそレズなんじゃないの~?] と返しておいた。これでかがみんから[アンタオタクだからって節操無さすぎ!] とか返信来て円満解決!みたいに考えてたら [そうよ] 釣れちゃった、はじめてなのに釣れちゃった! [あたしはそういう自覚無いけど、こなたのこと好きなんだから世間一般から見たらレズなんじゃないの] えードッキリ?明日になったらメール見せながらつかさとみゆきさんに向かって 「こなたったら本気で信じちゃってさー、私もしかして演技の才能あるんじゃないかなー」 とか言って笑い話で済むんだよねぇ、と思ったけどレズ本見られたの偶然だし残念ながらそんな事はなさそう。 なんて返信しようか、と頭を捻っていたらかがみんからさらにメールが来た。 [やっぱいい。今の冗談にしといて。無かったことにして今まで通りやってきましょう] 無かったことにするのはちょっと無理だよ、展開的に無理やりすぎるよ。 [いやいや、それは止めようよかがみん。この状態でなかったことには出来ないって!] [気持ち悪いって思ったら今度から無視してくれて良いから] おまえは何を言っているんだ、が頭に浮かんだ。 [そんなん出来っこないじゃん!!もう埒あかないから会って直接話しようよ] そこからぷっつりと返信が切れてしまった。 こっちは少女マンガのヒロインみたいに携帯握り締めてメール待ってるのにお風呂でも入ったのかな。 結局暫く待っても返事は来ない。もう待ってられないと電話を掛けると留守番センターへ繋がる。 え、コレって着信拒否?はじめてされたけどめっちゃ凹むんだけど。 凹むと同時にちょっと腹立ってきた。いきなり着拒はひどくない? もういいや、どうせ明日学校行けば顔合わすんだしその時話し合えば良いや、 と自己完結してその日はイライラしながらネトゲしてアニメ観て寝た。 次の日かがみんは学校を休んだ。 昨日かがみんに着拒された後、イライラしてた私はろくに寝付けず、睡眠不足の重い頭のまま で予鈴よりだいぶ早めに学校に着いた。 教室にはチラホラ生徒が来ていて、適当に挨拶を済ませる。つかさはまだいない。 みゆきさんとちょっと雑談をして机に突っ伏す。寝不足のせいか頭が重い――。 「・・・ずみ、泉ー!」 先生に呼ばれて目が覚めた。時計を見たらHRはとっくに始まっている。 周りを見るとつかさと目が合った。小さく手を振りながら口パクで「おはよう」 と言ってる。かがみんとの事は何も知らないのかな。まぁ知りっこないか。 「泉聞いとんのか?朝っぱらから寝おって、また徹夜でネトゲかー?」 ・・・狼少年The Second Raid。 半分寝て授業を過ごして昼休み、私は急いでつかさの所に向かった。 「ねぇつかさ、かがみんは?」 正直何を話すかなんて考えていない。その場のノリだ。 「え?お姉ちゃんなら今日具合悪いから学校休んでるよ」 「そうなの?んじゃあ学校終わったらお見舞い行くよ」 「・・・」 「つかさ?どしたの?」 つかさはこっちに目を合わせようとせず、困ったような顔をしている。 「・・・あのね、ちょっとここじゃ言いづらいんだけど・・・」 「オッケー、じゃ屋上行こっか」 しかしつかさの態度が何か気になる。かがみんが私の事話したとは思えないし、思いつくのは 「喧嘩したから来るなって伝えろ」ってかがみんから伝言頼まれたとかだけど、どうもしっくりこない。 つかさの妙に不安そうな態度はいったいなんだろう。 「で、言いにくいことって何、つかさ。ここなら人いないからだいじょーぶだよ」 「うん、えっとね、お姉ちゃんの事なんだけど、昨日から変な感じでね?上手く言えないんだけど、様子がおかしかったの。  それで昨日はこなちゃん家に寄ってきたからもしかしたらって思ったんだけど・・・」 肝心な部分で言葉を濁しているつかさ。そんなに言いづらい事なのかな、ていうかそこから先は「喧嘩でもしたの?」 位しか繋がらなさそうな気がするけど・・・。 「お姉ちゃんとこなちゃん、別れちゃうのかなって思って」 「・・・は?」 「だから、昨日お姉ちゃんとこなちゃんが喧嘩して、このまま別れちゃうのかな?って思ったんだ、けど・・・」 「ちょっと待ってよつかさ、何でそんなクレイジーな結論になっちゃうの!?」 普段から結構ボケてるようなイメージだったけど、さすがにこれは超越しちゃってるよ。ギャルゲーの電波キャラみたいだよ。 「だってこなちゃん家行ったのってデートでしょ?それでその時喧嘩して・・・」 「ストーップ!そもそも私達付き合ってないから!デートじゃなくてゲーム借りにきただけだし」 「え、じゃあ付き合ってないの・・・?」 「うん」 つかさは顔を青くしたり赤くしたりせわしなく一人で百面相をしてから大声で 「わーっごめん!!!今の忘れて!無かったことにしてっ!!」 とのたまった。柊家よ、アナタタチは姉妹揃ってそれですか。もうちょっと考えてから物言おうよ。 でもその発言忘れるわけにはいかない。この局面で忘れられたらきっとそれは悟ってる人だ。 「そうはいかないよつかさ~。キリキリ話して貰うからね」 と、ここで予鈴が鳴った。さすがに授業サボってまで聞く訳にもいかない。続きは放課後に聞かせてもらおう。 で放課後、私たちは近所の喫茶店へ行き、続きを話した。 「んで、何で私とかがみんが付き合ってるって思い込んだの?」 「だってこなちゃんお姉ちゃんのこと萌えとか言ってるし・・・」 「あー成る程ね、でもそれだけで決め付けるのはちょっと無理矢理じゃない?萌えとかならみゆきさんにも言ってるし」 「ううん、理由はそれだけじゃないの・・・」 「ほほう、さぁ話してごらんつかさ。悪いようにはしないから」 「こなちゃん何か怖いよ・・・」 ごめん調子に乗りすぎた、続き話して。つかさはちょっと困ったような顔をした後に 「ちょっと前にさ、携帯電話の電池が破裂するニュースってあったじゃない?あのときに怖くなって私のとお姉ちゃんの携帯 の電池のフタ開けてみたらね、フタの裏にこなちゃんのプリクラ貼ってあったの。それでもしかして好きなのかなーって」 何やってんのかがみん。ケータイにプリクラってベタすぎない? 「そう思ってからお姉ちゃんの事見てると、みんなで一緒に居る時とかこなちゃんの事気にしてるような感じなんだよね」 けどそれを聞いたらかがみんは本気なのかな、と思った。正直まだドッキリであって欲しいと思う自分がいたけど 無残にもその考えは打ち砕かれた。 今までナンパだの何だの言って来たのは自分はノーマルですよ~って アピールしてたのかな、それを面白おかしくからかってた私のことをかがみんは内心どう思ってたんだろう。 ツンデレだの家事出来ないだのいろいろ言ってきたけどかがみんはいつも怒ってた。本心では何を思ってたんだろう とかそんなエロゲーの主人公みたいな事を考えてたらちょっと気分が沈んできた。これからどうしたものか・・・。 やっぱりかがみんの家に行って流れに任せようかな、若さゆえの過ちとかで。 「あのね、多分お姉ちゃんはこなちゃんと仲良いから貼っただけで、多分私の勘違い――」 「んとねーつかさ、じゃあ私も昨日の事話すわ・・・」 つかさからの予想外の話を聞いて昨日の事を全部話す事にした。 勘違いかもしれないけどかがみんの気持ちを一番分かってたのはつかさって事になるし。 「・・・そっかぁ、こなちゃん家でそんな事あったんだ・・・。」 「うん。でさ、これからかがみんと話しようと思うんだけど」 「こなちゃんはお姉ちゃんになんて言うか決まってるの?」 「あーいや、その場のノリに任せようかなって思ってるよ。多分何とかなるだろうし」 「ええっ!?どうするか考えてないの?ちゃんと考えた方が良いと思うよ。こういうのってすっごく大事なことだよ!」 やたらとよく考えるように力説するつかさ。 「お姉ちゃんね、多分こなちゃんの事色々考えて、悩んでたと思うんだ。それで今日は具合悪いって言って部屋から 出てこなくてね・・・だから出来ればこなちゃんにもちゃんと考えて欲しいんだよ。」 なるほどねー。確かにかがみんは色々考えたり悩んだりした訳だし、そう言われるとやっぱり私もちゃんと考えないと駄目な気もする。 「そんじゃあさ、週末にかがみんと私でちゃんと話するよ。私はそれまでに考えとくから。それならいいでしょ?」 「うん。それとさ、みゆきさんに話したほうがいいのかな・・・?」 みゆきさんかぁ。大事な友達だから隠し事はしたくない。したくないけどあんまり人に広めるのもどうよ?と思う。 これはきっとバッドエンドかグッドエンドの重要な分岐ポイントだね、現実ってどうしてセーブできないんだろう。 「話しときたいけど、かがみんがどう考えるかってのもあるよね、いい考えが思いつかないなぁ」 結局逃げに走った。 「そっか、お姉ちゃんにも聞いてみた方が良いよね。私今日帰ってからお姉ちゃんと話してみるよ」 何だかつかさが頼もしく見えてきた。予想外にガッツをみせているのはやっぱり家族絡みだからかな。 大体の話も纏まったからその日は解散して、家に帰った。 夜になって暫くするとかがみんからのメールが届いていた。 [昨日は拒否にしてごめん。つかさに聞いたよ。みゆきにも話して大丈夫だから。 あんまり長文打つと色々言いたくなるからこれで切るね、おやすみ] メールが来たことが正直嬉しかったと同時に、つかさの頑張りに改めてビックリした。今度ケーキでも奢ってやるか・・・。 なんて返信するか暫く悩んだ後に[わたしも言いたいことは週末までとっとくよ、おやすみ]と送って早めに眠った。 次の日の昼休み、私はつかさとみゆきさんと昼ご飯を食べている。場所は屋上だ。 ちなみにかがみんはちゃんと学校にきているけど極力顔を合わせないようにしようとお互い決めたので自分の教室で食べている。 ちょっと申し訳ない気もするけどまぁあと1日ばかりの辛抱だ。 で、何で屋上にいるかというと昨日一昨日の事をみゆきさんに話している所なのだ。 「そうですか、それで週末に泉さんとかがみさんで話をする、という事になったんですね」 「そそ、理解が早くて助かるよみゆきさん」 「それで、具体的に私は何をすれば良いのでしょうか?」 「うんとね、もしお姉ちゃんとこなちゃんが暴走したときに私だけじゃ止めらんないと思うから居て欲しいの」 私は暴走するつもりなんか無いんだけど、ていうかつかさとみゆきさんの組み合わせは頼りない。と思っていただろう。 でもつかさは以外とガッツがあるというのが分かってるし、それにみゆきさんは頭良いから万が一って事があっても大丈夫だろう。 「わかりました。微力ですがお力になります。」 そんなわけでみゆきさんも加わって立会人2人の元でわたしとかがみんは話し合うことになった。 私は決戦当日まであれやこれやと考えたり、ギャルゲをやり返してみたり、かがみんとの会話を思い出したりして過ごした。 で、話し合いの当日。集合場所の喫茶店に行くと皆椅子に座って待っていた。私が最後だったみたい。 「あ、こなちゃん来たー。これで皆揃ったね」 つかさが笑いながら言葉をかけてくる。みゆきさんもこっちを見て微笑んでいる。 かがみんは窓の外を見たままこっちを見ようとしない。まぁ気まずい気持ちは分かる。 分かるけど挨拶くらいしても良いんじゃないの?こっちは恋する乙女のようにかがみんの事ばかり考えてたんだよ。 「いやーごめんごめん、ちょっと遅れたね。面と向かって会うの久しぶりだねかがみん」 「・・・・・・そうね」 相変わらずこっちを見ないかがみん。こっちを見るようにお絞りを持ったり離したりメニューを見たり置いたりしたけど 全然こっちを見ない。携帯の電池パックを外して「最近電池の減り早いなぁ」とか言って見る。あ、こっちをチラって見た。 まぁこのままじゃラチがあかないので注文したアイスコーヒーが届いたところで本題に入る。 「さてと、本題に入ろうかかがみん。心の準備は出来てる?」 「・・・」 かがみんは困ったような、不安げな顔をして小さく頷いた。いつもなら「かがみんかわいいねぇ」とかいって笑いあえるのに今は無反応。 さっさとこんな気まずい現状は打破したい。よし、この泉こなた一世一代の勝負に出るよ! 「私はかがみんの事を親友として見てたからいきなり付き合うとか言うのは無理。だけど嫌いなわけ無いし、 かがみんが私の事を好きだからドン引きするとかもありえない、むしろ嬉しかったしこれからの展開次第では 恋人関係になる事だって十分ありえるからこんな私で良ければ付き合ってください!」 と一気に捲くし立てて頭を下げながら右手をバッと差し出した。 これが私の考えついた結論だ。ツンデレかがみんの牙城を崩すには反論する余地も無い位に攻め込んで断れないように追い込む、 という作戦だ。これでかがみんは私の手を握らざるを得まい、フッフッフ この一件でかがみんと親友同士の関係に今すぐ戻るなんて無理に決まってるし、レズ同人誌のせいで疎遠になるのは冗談じゃない。 だったらそっちの方へ一気に足を突っ込んでやれ、という結論だ。全然興味が無いという訳では無いのだし。 しかしいつまで経ってもかがみんは私の手を握ってこない。 何があったのかと顔を上げてみるとかがみんはハトが豆鉄砲を食らったような顔をして口をパクパクさせている。 「すごいこなちゃん、ドラマみた~い!」 つかさは頬を赤く染めながら喜んでいる。何その反応は。みゆきさんもほんのり頬を染めている。二人ともなんなのさ。 「そうよ!ドラマじゃないんだから、何カッコつけてるのよっ!!」 かがみんは顔を真っ赤にして怒ってる。この反応は懐かしい。思わず頬が緩む。 「っ!何笑ってるのよ!またあたしをからかってんの!?」 「いやそんな事ないよ・・・」 「どーだか!どーせその場の流れに任せちゃえばいいやーとか考えたんでしょ!?」 む、確かに最初はそう思ってたけどちゃんと考えてさっきのセリフなんか練習までしたのに。 ちなみに一回お父さんに見られたのでコントローラーぶん投げた。 「ちゃんと考えたよ!」 「嘘でしょそれも!また適当に脊椎反射で会話してんでしょ!」 「何それ!!?」 だんだん声が大きくなる。店に迷惑なのは分かるけど止まらない。あー暴走ってこういう事か。 つかさー、何とか止めてねー。 「あ、あのさ二人とも落ち着いて―――。」 「お二人とも落ち着いてくださいっ!!!」 私たちよりさらに大きい声が飛ぶ。びっくりして私もかがみんも静かになる。て言うか店内が一瞬にして静まり返った。 「かがみさん、泉さんは毎日真剣に考えていました。ですからそんな言い方は止めてあげて下さい。  泉さんも、そんな売り言葉に買い言葉な反応は良くありません、お二人とも頭を冷やしてください。」 大声の主はみゆきさんだ。普段の天然な雰囲気から真剣な目でわたしとかがみんをキッと見据えている。 『ごめん』 二人の声が重なった。と、みゆきさんはいつもの表情に戻ったかと思うと茹蛸みたいな顔になって 「い、いえ、こちらこそ大きな声を出してすいませんでした・・・。」 と、全員だんまりになってしまった。空気が重い・・・。店内の注目も集めまくっている。 「とりあえずさ、雰囲気的にもお店変えた方が良いんじゃないかな?」 つかさのナイス提案だ、ここ2、3日のつかさの行動力は神懸かっている。皆賛成して外に出て適当に他の店を探すことにして、 街をぶらぶらと歩くことにした。 「あのさ・・・さっきはごめん」 「かがみん?」 「私のほうから変なこと言って、勝手に怒ってたらバカみたいね。ホントごめん。」 「こっちこそごめんねかがみん、でもさっきのは本気だから。」 「・・・」 「本気だからもう一回お願いするね、私はかがみんの事を親友として見てたからいきなり付き合うとか言うのは無理。だけど――。」 「二回言わなくたって良いわよ、バカ」 こっちのセリフをさえぎってかがみんは私の手を握ってきた。折角覚えたんだから最後まで言わせてくれても良いのに。 「よろしくねこなた、ありがと」 笑ったかがみんを見たのは久しぶりだ。嬉しい。 「いやぁこっちこそ宜しくねハニー」 思いっきりの笑顔でそう返した。かがみんは「バカ」って言ってるけど顔は真っ赤だ。きっと私の顔も赤いんだろうな。 少し前のほうでつかさとみゆきさんが次の行き先を話し合っている。二人にはうんとお世話になったし、次の行き先のお代は私とかがみん持ちにしよう。 二人の下へ駆け寄って私たちは声を合わせた。手は繋いだままだ。 『―――ね、カラオケでも行こうよ!』

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