ID:u6hSTM3rO氏:『萌えの国』日本

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※このSSはらき☆すたドラマCDを元に構成されています (……なんで?) 彼女が日本に来て最初に抱いた疑問はソレだった。 (なんで日本人は、外国人を避けるんだろう?) 日本についてはよく勉強していたから、少しは理解していた。 だから、日本語が話せれば、少しはマシになると思っていた。 だけど。 (やっぱり、外国人というだけで、避けられちゃうんだ……) 希望を持って日本に来たけど、その希望は絶望に変わりつつあった。 これが、本当に『萌えの国』なのだろうか? 「デスカラ! 受けと、攻めの、キャラが!!」 初めてやってきたコミフェだが、やはり自分の周りは誰もいない。 この店員(?)も、自分と話したくないオーラ全開だった。 日本な留学する予定だったが、やはり帰ろうかなと思った時―― 「あ、あの……」 「ハァイ!? オォ……キュートガール! アナタも私と同じ意見ですか?」 桃色セミロングヘアの女の子が話し掛けてきた。 外国人の自分に、しかも自分から話し掛けてきてくれたことに、彼女はひどく感動した。 「いや、おせっかいだとは思うんだけどね? ただカップリングに関しては、人それぞれ好みがあるからさ。自分と同じ趣向の本を見つけて楽しんだ方がいいんじゃないかなー、と」 続いて青色ロングヘアの女の子。恐らく桃色セミロングヘアの子の姉か友人。 「それジャ、私の好みのカップリング一緒に探してくれマスね!! セーンキュセーンキュセーンキュー!!」 「え……わ、私もいろいろと買いに行きたいんだけども……」 「私、パトリシアといいマース! パトリシア=マーティン! パティ、と呼んでくだサーイ!」 「わ、私は小早川ゆたかといいます。よろしくお願いします!」 「……泉こなただよ」 この時の彼女――パトリシア=マーティンは、幸せの絶頂にあった。 初めて日本人の友人ができて、しかも自分の好みのカップリングを一緒に探してくれるなんて。 なんて優しい日本人なんだ!! 「……無理やり連れてこられてるだけなんだけどなぁ……」 『で、どうするの? パティ』 『やっぱり、日本に留学することにしたよ。春から本格的に日本に住むから』 電話で祖国の母と会話しているパティ(もちろん英語)。 休みを利用して、留学を希望していた日本に来ていたのだ。 『日本のお土産、忘れないでね』 『わかってるよ、お母さん! ちゃんとミクルのフィギュア・ドール持ってくから』 電話を切ったパティは、あの時「こなた」「ゆたか」という女の子と一緒に買った同人誌を見た。 やっぱり日本は、まだまだ知らないところがたくさんある。 これからいっぱい、日本について学んでいこうと誓ったパティだった。 「今日からここの生徒ですネー」 春。陵桜学園の校門にパティはいた。 陵桜の制服を着ているパティは、校庭へと足を踏み入れる。 ゆたかとこなた、彼女達のような友達ができればいいなと思いながら。 「ンン? アレは……?」 見覚えのある髪型2つ。まさか、だとしたら、なんたる偶然……!! 「エクスキューズミー? ひょっとして……ユタカ&コナタですカ?」 「ぇ……わー!! なんか出たー!!」 「ぱ、パトリシアさん!!」

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