ID:qeA35weQ0氏:記憶のカケラ

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つかさ「ねぇお姉ちゃん、ここ分からないんだけど・・・」 かがみ「またぁ?もう、ちょっとまじめに勉強したほうがいいんじゃないの?」 つかさ「えへへ・・・ごめんごめん。何か授業内容頭に入らなくって」 かがみ「まったくもう、そこは教えてあげるけど、次の応用は自分で解いてみてね」 つかさ「・・・ねぇお姉ちゃん、やっぱり分からないんだけど・・・」 かがみ「はぁ・・・もう、しょうがないなぁ~」 つかさ「あは、ごめんね」 つかさ「・・・おねぇちゃぁ~ん・・・」 かがみ「・・・はぁ」 ====登校中==== かがみ「ってな訳でさ~、昨日はずっとつかさにつきっきりで勉強教えてたわよ~」 つかさ「お姉ちゃん、恥ずかしいよ~」 こなた「まぁ勉強するだけましじゃん?あたしなんかまったくやってないし~」 かがみ「あんたはやれよ!」 こなた「にしても今日提出の宿題面倒だったね~、かがみんがノート貸してくれなかったから手間取っちゃったよ」 つかさ「え・・・宿題・・・えーと・・・あー!あーっ!」 かがみ「ちょっとつかさ、もしかして忘れたの?」 つかさ「えへへ・・・すっかり忘れちゃってたよ」 こなた「つかさもドジっ娘だね、みゆきさんとどっちがレベル高いのかな~」 かがみ「もう今からじゃ取りに戻れないわよ、諦めて先生にごめんなさいしな」 つかさ「うぅ~、怒られちゃうかな~」 かがみ「まぁ、覚悟はしておきな~」 黒井先生「ほなー、宿題集めるでーすまんけど一番後ろの奴集めてきてくれー」 つかさ「あのー・・・」 黒井先生「お、どうした柊?まさか宿題忘れたとかいうんちゃうやろな?」 つかさ「えと、あの、そのまさかです・・・」 黒井先生「あっはっは、素直でよろしい。安心せい、成績からちょーっと点数引くだけやからー」 つかさ「あぅぅ~、やっぱり~」 こなた「やっぱり先生は厳しいネ」 つかさ「普段からしっかりできてる人だったら許してもらえたかなぁ、ゆきちゃんみたいな」 みゆき「いえ、そんな。きっと私でも同じ事を言われていたと思いますよ」 こなた「まぁ仮にも先生だしね」 かがみ「おーす、きたよー」 こなた「おぉ凶暴なのが来たことだし、早速お昼にしようか」 かがみ「喧嘩売ってんのかお前は」 みゆき「泉さんは今日もチョココロネなんですね」 こなた「そりゃもう、大好物ですから」 かがみ「栄養かたよるぞーんなもんばっかだと」 こなた「みゆきさんみたいに一部にかたよってくれたらいいのにね、ねぇかがみん?」 かがみ「なぜそこであたしにふる。やっぱ喧嘩売ってんのか」 つかさ「あはは、みんな落ち着こうよ。んしょ・・・あれ?あれれ?・・・あー!あーっ!」 かがみ「つかさぁ、あんたまさかお弁当まで忘れたんじゃないでしょうね?」 つかさ「えへへ・・・そのまさかだよ」 こなた「むぅ、みゆきさんからドジっ娘の座を奪うつもりかい?」 みゆき「あの、私はそんな・・・」 こなた「いーやみゆきさんは誰がなんと言おうとドジっ娘だよ、反論は認めないよ」 かがみ「あんたはまったく・・・まぁいいわ、それじゃ学食にいって食べましょ。」 つかさ「うん、ありがとう。ごめんね」 ====下校中==== かがみ「にしてもつかさ、今日は忘れ物多かったわね。教科書も忘れてたし」 つかさ「えへへ、ごめんね」 こなた「みゆきさんを凌ぐドジっ娘属性得る日も近いねこりゃ」 かがみ「あんたはそういう発想しかできんのか」 かがみ「熱でもあるんじゃない?ちょっとこっちきて」 こなた「おぉ!これぞまさしくおでこでこっつん熱計り!これは完全に百合フラグだね!」 かがみ「あーもううるさいなー」 かがみ「んー、やっぱり少し熱あるみたいかしら。家に着いたらちゃんと計りなおそ」 ====柊家==== ――ピピピピッ かがみ「お、終わったみたいね。どれどれ――37.3度か、やっぱ熱あるわね」 つかさ「はぅ」 かがみ「今日は薬飲んで、暖かくして早く寝なさいね」 つかさ「うん、わかったよ~」 その日の夢は、とても珍しいものでした。 それは、例えるなら私の半生をつづったドキュメンタリードラマ。 なつかしい思い出を夢の中で見ていました。 自分では忘れていた思い出から、つい最近のものまで。 とても、不思議な夢でした。 かがみ「ありゃ、熱上がっちゃってるじゃない。今日は学校休んでゆっくりしたほうがいいわね」 つかさ「うん・・・知恵熱でちゃったかな、あはは」 かがみ「え、何で?」 つかさ「今日見た夢ね、昔の懐かしい思い出がいっぱい見れたんだよー」 かがみ「ふぅん、そっか。あ、懐かしいっていえばこんなことあったよねー」 かがみ「小さいころつかさが犬に追いかけられて、あたしに泣きついてきたの。かわいかったなーつかさ」 つかさ「あれ?・・・そんなことあったっけ?」 かがみ「あったわよーもう、自分に不都合な事だけ忘れてるの?」 つかさ「あははー、そうかもね」 かがみ「っと、そろそろ準備して学校行かなきゃ。今日はゆっくり休んでるんだよー」 つかさ「うん、わかったー」 今日見た夢・・・私の思い出・・・。 見てない思い出はないと思ってたんだけどな。 そう思って必死に思い出そうとしてみるけど、やっぱりそんな記憶はない。 小さいころの事だからほんとに忘れてるのかな。 そういうことにして、私はまた眠りについた。 その日の夢も昔の思い出だった。 私の熱はずっと下がることはなかった。 その間ずっと学校は休んだ。こなちゃん達もお見舞いにきてくれたりした。 眠るとかならず、あの夢を見るようになっていた。昔の思い出たち。 だけど、おかしいこともあった。思い出の数が少なくなっている、気がした。 ある日、私は家の中で倒れました。 すぐに救急車で運ばれて、病院生活となりました。 依然として熱は下がらないし、例の夢も見続けます。 病状は原因不明、だそうです。 そして、次の日から本格的に私の身に異変がおこり始めました。 つかさ「ん・・・ぅん・・・」 つかさ「朝か・・・ってあれ・・・?ここ、どこ?」 看護士「あら、柊さんお早うございます、具合はどうですか?」 つかさ「具合・・・?・・・熱っぽいかも」 看護士「そうですか・・・何か困ったことがあったらいつでも言ってくださいね」 つかさ「・・・あ、あの」 看護士「はい、何ですか?」 つかさ「ここ・・・どこですか?」 看護士「え・・・?どこって、ここは病院ですよ」 つかさ「病院・・・病院・・・そっか・・・私入院してた・・・」 看護士「・・・では、失礼しますね」 つかさ (何で私、入院してたこと忘れてたんだろう・・・) その日から私はつい最近起こった事や、色々身近な事を一時的に忘れる事が多くなってきた。 ひどい時は自分が誰なのかさえ分からなかった。それでも、人に教えてもらうと思い出せた。 とても怖かった。お医者さんに相談しても分からないの一点張り・・・。 どうしようもなく、怖かった。 それでも、お姉ちゃんや家族のみんな、こなちゃんやゆきちゃんがいるから大丈夫だった。 だけどついに私は――――。 かがみ「やほーつかさ。きたよー」 みゆき「つかささん、こんにちは。お体の具合はどうですか?」 つかさ「あ、お姉ちゃん!・・・と・・・だれ・・・?お友達・・・?」 かがみ「っ!?つ、つかさ!?忘れ・・・ちゃったの・・・みゆきのこと・・・」 みゆき「つかささん・・・」 つかさ「・・・わからないよ・・・思い出せない・・・頭・・・痛い・・・」 みゆき「つかささん、無理はなさらないでください・・・えっと・・・」 みゆき「初めまして、高良みゆきです。かがみさんにはいつもお世話になってます。つかささん、よろしくお願いしますね」 かがみ「みゆき・・・」 つかさ「・・・初めまして、みゆきさん。ごめんね、思い出せなくて」 みゆき「いえ、いいんです。つかささんを苦しませてまでそんなことは・・・」 かがみ「ちょっとみゆき!あんたそれでいいの!?」 みゆき「・・・本当に辛いのは、つかささんです。私はこれくらい・・・」 かがみ「みゆき・・・」 つかさ「・・・・・・」 それからしばらく、お姉ちゃんやこなちゃん、みゆきさんは毎日お見舞いに来てくれた。 みゆきさんもああは言っていたけれど、きっと自分の事を思い出して欲しいのだろう。 その思いに応えてあげられない自分が悔しくて・・・悲しくなる。 そして数日がすぎる。今日はお姉ちゃんとみゆきさんと、長い青髪の小さな女の子が来た。 どうやらこの子のこともみゆきさんと同じく私は忘れているみたいだ。こなたちゃんと言うらしい。 こなたちゃんは私に忘れられていたことがショックだったらしく、その日は会話には参加してこなかった。 どうやら、私のこの症状はどんどん進行しているらしく、また新しく覚えたことも忘れてしまう。 とても、悲しい。 みゆき「つかさ・・・さん・・・」 つかさ「ごめん・・・思い出せないや・・・ごめんね・・・」 みゆき「いえ・・・大丈夫です。私は大丈夫ですよ」 つかさ「みゆきさん・・・こんな私で良かったら、また来てね。もしかしたら明日には忘れちゃうかもしれないけど・・・」 みゆき「はい、約束します。必ずここへ来ますね」 かがみ「みゆき・・・あんたは強いね・・・」 みゆき「いえ・・・私に出来ることはこれくらいですから・・・」 みゆき「見捨てられてしまったら・・・つかささんはきっと壊れてしまうんじゃないかと・・・」 かがみ「それは・・・みゆき自身にも当てはまること・・・?」 みゆき「・・・・・・」 私が入院してから、どれだけの日数が経ったのだろう。 もう、それすらも覚えていない。 もしかしたら昨日かもしれないし、10年も前かもしれない。 今でもずっと私が覚えていることは、もう片手の指で数えられるくらいだ。 不幸か幸いか、忘れたという事実を忘れることはなかった。 ただ、何を忘れたかは、人から言われないと分からなかった。 かがみ「ねぇつかさ。あたしの事は、忘れないの?」 つかさ「・・・わからない・・・けど、出来るなら忘れたくない」 かがみ「・・・あたしは、たとえつかさに忘れられてもずっとつかさのそばにいるからね」 つかさ「お姉ちゃん・・・ありがとう」 かがみ「双子の妹だもの・・・今までずっと一緒だったのに、サヨナラなんてできないよ」 かがみ「だから、あたしがずっとそばにいるよ、つかさ」 つかさ「・・・お姉ちゃん・・・」 かがみ「つかさは怖がらなくていい、あたしが守ってあげるから」 つかさ「・・・うん」 少しの静寂が病室を包み、私達姉妹はそっと抱き合う。 お姉ちゃんの体温が、温もりが、優しさとなって私を包んでくれる。 つかさ「私・・・忘れたくない・・・もう何も失いたくないよ!」 かがみ「つかさ・・・」 つかさ「やだよ・・・怖いよ・・・お姉ちゃんもいつか私の記憶からいなくなっちゃうなんて!」 つかさ「何で・・・何でこんな事になっちゃったの!?私、何かいけないことした!?」 かがみ「つかさは・・・何もしてないよ。なのになんでつかさなんだろうね・・・あたしも不思議だよ・・・」 つかさ「私・・・私・・・」 かがみ「つかさ・・・」 つかさ「・・・・・・あなたは、誰?」 来るべき時が来てしまった。 ついに、つかさがあたしの事を忘れてしまった。 他の家族のみんなは既に忘れられていた。いつかあたしも忘れられると覚悟していた。 けれど・・・とても辛い。いつも一緒にいたつかさに・・・忘れられてしまった。 辛いけど、この時のために前もって考えていたセリフを言う。 かがみ「あ、あたしは・・・冬木かがみ。あなたのお友達。かがみって呼んでね」 つかさ「ふぅん、かがみっていうんだ。私は柊つかさ・・・って、かがみは私の事知ってるんだよね?」 かがみ「うん・・・」 つかさ「そっか。ごめんね、私記憶を失っていっちゃう病気みたいで、もうほとんど何も覚えてないんだ」 つかさ「そんな私でも、仲良くしてくれる?」 かがみ「・・・うん、それが・・・約束だから・・・」 つかさ「約束?誰との?」 かがみ「あたしの・・・大切な人との・・・」 それから、あたしとつかさとの、まるで初めて同じクラスになったような友達のような、少しぎこちない関係が始まる。 みゆきやこなたにも連絡をして、一緒に行こうと誘った。 みゆきは快く了承してくれたが、こなたは一言だけ無理というと電話を切ってしまった。 かがみ「よっ、つかさ元気ー?」 つかさ「あ、かがみ!今日も来てくれたんだね!・・・それと・・・えと・・・みゆきさんだっけ?」 みゆき「はい、よかった。まだ覚えていてくれたんですね」 つかさ「うん、何とか覚えてたみたいだよー、今日は二人で来てくれたんだね、うれしいなー」 かがみ「つかさ、体の具合はどう?悪くない?」 つかさ「うん、大丈夫だよ。ねぇかがみ、今日は何して遊ぶ?」 かがみ「うーん、そうだなー。じゃあ――――」 それからしばらく、あたし達はトランプとかのゲームをして遊んだ。 ルールを一から教えるので少し大変だが、つかさはとても楽しそうに笑ってくれる。 それだけで、とても嬉しかった。 つかさ「うーん・・・」 かがみ「どうしたのつかさ?このゲーム飽きちゃった?他のにする?」 つかさ「あ、違うの。すっごく面白いんだけど・・・だけど、何か物足りないの。それが何かわからないの」 みゆき「かがみさん・・・」 かがみ「・・・・・・」 みゆきも同じ事を考えているみたいだった。 つかさのいう足りない物・・・足りないのは、こなただと思う。 明日、こなたを引きずってでもつれて来ようとみゆきと話をして、その日は帰ることにした。 翌日、あたしとみゆきはこなたの家にお邪魔した。 かがみ「こなた・・・」 みゆき「泉さん・・・」 そうじろうさんの話では、もうずっと長いことパソコンの前に張り付いているらしい。 こなた「何しに来たの二人とも?いまさらつかさのお見舞いに行けって言っても無理だよ」 みゆき「どうして・・・あの、ずっと家を出てないって・・・お父さん心配してましたよ」 こなた「ネットの世界なら誰もあたしを忘れない。あたしはネットの世界じゃヒーローなんだよ」 かがみ「あんた・・・」 こなた「あたしの居場所はもうこっちにはないんだ。向こうが本当のあたしの居場所なんだよ」 こなた「かがみもみゆきさんも、もうつかさのお見舞いなんて行かなくていいよ。行っても無駄だし。また忘れられるのがオチだよ」 かがみ「ふざけるんじゃないわよ・・・」 こなた「ふざけてなんかないよ。あたしゃいたってまじめさ」 かがみ「ふざけたこと、言ってるんじゃないわよぉ!」 みゆき「か、かがみさん!」 こなたが言い終わる前に、あたしはこなたに殴りかかっていた。 あたしの拳がこなたの顔面にヒットする。 本気で殴ったのだが、さすがに武術経験者なだけあって少しふらつく程度だった。 かがみ「あんたに・・・あんたに何が分かるっていうのよ!」 こなた「・・・・・・」 かがみ「忘れたくない事まで忘れてしまうつかさの辛さが!」 かがみ「一番大事な人に忘れられたあたしの辛さが!」 かがみ「あんたはただ逃げてるだけだよ!現実から!つかさから!」 みゆき「かがみさん・・・」 かがみ「そんなあんたに、何が分かるっていうのよ!」 そういいながら、もう一度殴りかかりに行くが軽くかわされて、床に組み伏せられてしまった。 こなた「じゃあ聞くけど・・・かがみには何が分かるの?」 かがみ「そ、それは・・・」 こなた「結局、誰も自分の事なんか理解してくれないんだよ。あたしも、かがみも。つかさも」 かがみ「あたしは、つかさのことは理解してあげてた!」 こなた「それはきっと思い込みだよ、かがみはきっと何も分かっちゃいないんだよ」 かがみ「なっ・・・」 あたしが反論しようとした瞬間何かがピシッと高い音で鳴った。 その瞬間こなたのあたしを押さえる力が弱くなったので、その隙にふりほどいた。 そしてこなたの方に向き直る。音の正体がわかった。 みゆきがこなたにビンタをくらわしていたのだった。 みゆき「泉さん、あなたがそんな人だとは思いませんでした」 こなた「みゆきさん・・・?」 思わぬ所から反撃を受けたこなたは少し呆然としていた。 みゆき「友達というのは、友情というのはたとえ相手のことを理解できていなくても、理解できるようにがんばってこそじゃないのですか?」 みゆき「私は、残念ながらかがみさんや泉さん、つかささんの事を全て理解できたとは思っていません」 みゆき「ですが、私はいつも理解できるようにがんばっていました。皆さんと一緒にいるのが楽しいから。もっと一緒にいたいから」 かがみ「みゆき・・・」 みゆき「泉さんの居場所はこちらにはない、とおっしゃいましたよね?では、あの日々は泉さんにとってどのような場所だったのですか?」 こなた「・・・・・・」 みゆき「私にとっては、とても楽しくて、充実していて、幸せで。あの場所こそが、私の居場所でした」 こなた「あたしは・・・」 みゆき「泉さんにとってはどんな場所だったんですか?あの場所は、私にとって幻想だったのですか?」 こなた「あたしも・・・あたしもあそこが居場所だったさ・・・でも・・・」 こなた「でも、もうあの頃のつかさはいないじゃないか!どうやってあの場所を取り戻すっていうのさ!」 みゆき「つかささんは・・・生きています。つかささんの心も、生きています」 みゆき「泉さん・・・どうか私達と一緒に、つかささんのお見舞いに・・・」 こなた「なんか・・・これじゃあたしが悪者みたいだね・・・」 かがみ「こなた・・・!」 みゆき「泉さん!」 こなた「そこまでいうなら、見せてもらうよ。つかさの心・・・この目でね」 これで、みんながそろった。 つかさの記憶が戻るとは思っていないけれど、これで心からつかさは楽しんでくれると思う。 そのことを考えるだけで、心が躍った。 ちなみにこなたは、あの後みゆきに「一発は一発ね」と言ってビンタをしていた。 みゆきが何だか少し嬉しそうな顔をしていたのは、勘違いでは無かったと思う。 そして、私達は病院へ向かった。 病院についたあたし達は真っ直ぐにつかさの病室へ向かった。 こなたは少し緊張気味の様子だ。 かがみ「おっすー、つかさ元気ー?」 みゆき「こんにちは、つかささん」 つかさ「あ、かがみー。今日も来てくれたんだね、それに・・・みゆきさんと・・・」 こなた「・・・あ、こなただよ。泉こなた。よろしくね」 つかさ「・・・背、小さいね。年下なのかな・・・?じゃあ、こなちゃんね!よろしく!」 こなた「・・っ!」 つかさ「?・・・こなちゃんどうしたの?具合悪い?」 こなた「あ、いや・・・なんでもないよ」 つかさ「よーっし、じゃあ今日は何して遊ぶ?ていっても、昨日まで何してたか忘れちゃったんだけどね・・えへへ」 それから、あたし達はゲームをして遊んだ。 つかさは満面の笑みを浮かべている。こなたも割と楽しんでくれているみたいだ。 つかさ「あはは、これすごい面白いねー」 みゆき「みなさんとやるから、面白く感じるんじゃないでしょうか?」 こなた「・・・そうだね、ネトゲより全然面白いね」 かがみ「こなた・・・」 つかさ「あれ・・・?でも何だろう?」 かがみ「え?どうしたのつかさ?」 つかさ「うぅん、何だろう・・・なんだか、すごく懐かしい感じがするんだ・・・」 かがみ「つかさ・・・あんた・・・」 つかさ「あ・・・でも・・・痛い・・・頭が、割れる・・・」 かがみ「ちょ、つかさ!?大丈夫!!?」 つかさ「か・・がみ・・・助け・・・て・・・」 みゆき「す、すぐにお医者さんを!」 あたしに抱きついてきたつかさは、暖かい・・・と呟いて気を失った。 つかさはすぐに救急治療室に運ばれた。 原因不明の病気・・・突然の発作。 治療でどうにかなる可能性は・・・ほとんどなかった。 こなた「つかさ・・・つかさの心は確かにあったね」 みゆき「ええ、ですが・・・つかささん・・・」 かがみ「きっと・・・きっと大丈夫よ・・・」 みんな自分に大丈夫と言い聞かせていた。そして、治療は終わった。 医者「手は、尽くしました。ですが・・・彼女はもう長くないと思います。鎮静剤と痛み止めを使っています。どうか彼女の最期を・・・」 かがみ「つかさぁ~!」 つかさ「あはは・・・どうしたの・・・?そんななきついてきちゃって・・・」 つかさ「あぁ・・・ワンちゃんに追われてたのね・・・大丈夫だよ・・・あたしが守ってあげるから・・・」 かがみ「え・・・つかさ・・・それって・・・」 つかさ「ゆきちゃん・・・私、ゆきちゃんに会えてよかった。色々教えてもらったね・・・ありがとう・・・」 みゆき「つかさ・・・さん・・・」 つかさ「こなちゃん・・・私・・・ドジッ娘だったかな・・・いわゆる萌えで・・・いられたかな・・・?」 こなた「うん・・・つかさはあたしにとって一番の萌えだったよ!つかさ・・・!」 つかさ「お姉ちゃん・・・私・・・私・・・」 かがみ「うん・・・何?つかさ・・・」 つかさ「私・・・約束守れなかったね・・・ごめん・・・ね・・・」 かがみ「やく・・・そく・・・?」 つかさ「うん・・・犬から守ってくれたときに・・・約束したの・・・」 かがみ「あ・・・」 つかさ「みんな・・・こんな私に最期まで一緒にいてくれてありがとう・・・」 つかさ「私・・・多分・・・世界・・一・・・しあわ・・・せ・・だね・・」 つかさ「バイバイ・・・みんな・・・おねえ・・ちゃん」 あれから一年の月日が経過した。 つかさは結局あの後すぐ息を引き取り、その短い生涯を終えた。 つかさが死んだ後は、悲しいほどに早く時間が流れた。 私達は3年生になり、こなたの従姉妹のゆたかちゃんが入学してきた。 どことなく、つかさに似ていて可愛い。うんと可愛がろうと思った。 こなた「そういえばさ、かがみー」 かがみ「ん、なによ」 こなた「あの時さ・・・つかさが言ってた約束ってどんな約束だったの?」 かがみ「何で急にそんなこと聞くのよ」 こなた「いやぁちょっと気になっちゃってさ」 みゆき「あ、でもそれ私も気になってました、差し支えなければ・・・」 ゆたか「つかささんって・・・かがみさんの亡くなってしまった妹さん・・・なんですよね・・・?」 かがみ「うん・・・まぁ、別に隠すほどの約束でもないからいいんだけどね」 こなた「それで・・・どんな約束?」 かがみ「うん・・・それはね―――」 つかさ「うぁぁおねえちゃぁん!ワンちゃんがぁ!ワンちゃんがぁ!」 かがみ「どうしたの、つかさ。そんな泣きついて・・・あぁ、ワンちゃんに追われてたのね」 かがみ「大丈夫だよ、あたしが守ってあげるから」 つかさ「うぅ・・・お姉ちゃんありがとう・・・」 かがみ「これからは、あたしがつかさを守ってあげるから、つかさはずっとあたしのそばにいるんだよ?」 つかさ「・・・約束・・・?」 かがみ「うん、約束」 つかさ「わかった!約束!!」

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