風呂SS~そうじろう編

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関連作品 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/586.html『幻想(ゆめ)への回帰』 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/584.html『風呂ssゆたか編』 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/583.html『風呂ssこなた編』 ID:XOI8eVGG0氏とID:Y1KG2POC0氏による合作。 序盤はID:XOI8eVGG0氏によるもの。 「ねえ…そう君…」 「ん?」 「幸せになって欲しいね…」 「うん、そうだな」  かなたの両手に優しく抱きかかえられた小さな赤ん坊。  よほど気持ちいいのか、湯船に使ったままうとうとしている。 「はは、こいつこのまま寝ちまうんじゃないか?」 「ふふふ、少なくとも今は幸せそうね?」 「あぁ、そうだな。でも、心配しなくてもこいつはきっと幸せな人生を過ごしていくよ」  そうじろうは湯船に手を入れ、少しだけ空気に触れている赤ん坊の肩にお湯をかける。 「どうして分かるの?」  かなたは不思議そうな顔で無精ひげの残る夫を見つめた。 「簡単なことだよ!俺たちの娘じゃないか。これ以上の幸せがどこにあるんだよ?」  顔が熱くなっていくのが分かる。 「俺と、なによりもかなたの産んだ生命(いのち)だ。こんなに幸せな奴はこの世界のどこにもいないよ!」  そういって豪快に笑うそうじろうを見て、目頭が熱くなる。幸せを感じる。ぬくもりを、暖かさを…。 「ふふふ、そう君らしいね」 「そうか?ははは、まさに幸せはここにある!そうだろ、こなた?」  その瞬間、小さいこなたが笑ったような気がすした。 ここからはID:Y1KG2POC0氏による続き。 風呂は気持ちがいい。 それにネタも思いつく。 そう言えば家族三人そろって入った事もあったか。 あれから随分と時間が経ったものだ。 あのすぐ後に、お前は入院することになったんだよな。それで死んじまった。 全く時間の過ぎるのは早いものだ。 残されてしまったこなたは、もう高校三年生になる。 あの時よりもずっと大きくなってるんだぞ。 もう、昔のように高い高いは出来ない。少し切ないよ。 それでもやっぱりお前に似たんだろうな、こなたのやつ、お前みたいに身長の低さを悩んでるんだ。 お前に見せてやりたいよ。本当にお前にそっくりなんだぞ。 約束したよな?こなたの髪を、お前の様にのばすんだって。ちゃんと守ってるぞ。 こなたの髪の毛は、見事なくらいにお前の髪型に似たぞ。 こなたのやつもあの髪型は気に入ってるようだし、多分しばらくはあのままだろうな。 しかし、こなたは……。あいつは、俺との生活を幸せだと感じているのか? 確かにあの時、俺はあいつは幸せな人生を送ると言った。 でもな、不安なんだ。 幼稚園、小学校、中学校。 その時に通知表に書かれていたのは、『もっと友達を作りましょう。』とか『積極的に話してみましょう』ってな具合だった。 ……あいつ、あの時はきっと友達が少なかったんだろうな。 楽しい筈の時にほとんど笑わず、つらい筈の時にほとんど泣かなかった。 自分の思っていることを他人に表現するのが、どうしても苦手なようなんだ。 不器用で育児なんてした事のない俺には、どうしてもこなたの我がままを聞いてやることが出来なかった。 炊事や洗濯や掃除、そして空いた時間はこなたの相手をするだけではなく、俺の仕事も進めなくてはならなかった。 だからきっとあいつは、いろんな事を我慢するようになったんだと思う。 自分の思いをアピールすることを、あきらめてしまったのか。 だとしたら、これほど悲しい事はない。 でもな、最近はよく笑うんだ。 どうやら高校では友達に恵まれているらしい。 全く、これで少しは安心できたよ。 後は……。 泣くことを思い出して欲しい。 それとも俺の心配しすぎなのか? どこか俺の知らないところで、こっそり泣いているのかも知れない。 「こなたは今、幸せだと感じていると思うか?なあ……、かなた……。」 その時、気配を感じた。 その気配に懐かしさを感じ、浴室中をを見渡す。 すると部屋の天井のすみに浮かぶぼんやりとした白い影が、まるで微笑んでいるかの様に俺を見下ろしていた。
関連作品 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/586.html『幻想(ゆめ)への回帰』 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/584.html『風呂ssゆたか編』 http://www34.atwiki.jp/luckystar-ss/pages/583.html『風呂ssこなた編』 ID:XOI8eVGG0氏とID:Y1KG2POC0氏による合作。 序盤はID:XOI8eVGG0氏によるもの。 「ねえ…そう君…」 「ん?」 「幸せになって欲しいね…」 「うん、そうだな」  かなたの両手に優しく抱きかかえられた小さな赤ん坊。  よほど気持ちいいのか、湯船に使ったままうとうとしている。 「はは、こいつこのまま寝ちまうんじゃないか?」 「ふふふ、少なくとも今は幸せそうね?」 「あぁ、そうだな。でも、心配しなくてもこいつはきっと幸せな人生を過ごしていくよ」  そうじろうは湯船に手を入れ、少しだけ空気に触れている赤ん坊の肩にお湯をかける。 「どうして分かるの?」  かなたは不思議そうな顔で無精ひげの残る夫を見つめた。 「簡単なことだよ!俺たちの娘じゃないか。これ以上の幸せがどこにあるんだよ?」  顔が熱くなっていくのが分かる。 「俺と、なによりもかなたの産んだ生命(いのち)だ。こんなに幸せな奴はこの世界のどこにもいないよ!」  そういって豪快に笑うそうじろうを見て、目頭が熱くなる。幸せを感じる。ぬくもりを、暖かさを…。 「ふふふ、そう君らしいね」 「そうか?ははは、まさに幸せはここにある!そうだろ、こなた?」  その瞬間、小さいこなたが笑ったような気がすした。 ここからはID:Y1KG2POC0氏による続き。 風呂は気持ちがいい。 それにネタも思いつく。 そう言えば家族三人そろって入った事もあったか。 あれから随分と時間が経ったものだ。 あのすぐ後に、お前は入院することになったんだよな。それで死んじまった。 全く時間の過ぎるのは早いものだ。 残されてしまったこなたは、もう高校三年生になる。 あの時よりもずっと大きくなってるんだぞ。 もう、昔のように高い高いは出来ない。少し切ないよ。 それでもやっぱりお前に似たんだろうな、こなたのやつ、お前みたいに身長の低さを悩んでるんだ。 お前に見せてやりたいよ。本当にお前にそっくりなんだぞ。 約束したよな?こなたの髪を、お前の様にのばすんだって。ちゃんと守ってるぞ。 こなたの髪の毛は、見事なくらいにお前の髪型に似たぞ。 こなたのやつもあの髪型は気に入ってるようだし、多分しばらくはあのままだろうな。 しかし、こなたは……。あいつは、俺との生活を幸せだと感じているのか? 確かにあの時、俺はあいつは幸せな人生を送ると言った。 でもな、不安なんだ。 幼稚園、小学校、中学校。 その時に通知表に書かれていたのは、『もっと友達を作りましょう。』とか『積極的に話してみましょう』ってな具合だった。 ……あいつ、あの時はきっと友達が少なかったんだろうな。 楽しい筈の時にほとんど笑わず、つらい筈の時にほとんど泣かなかった。 自分の思っていることを他人に表現するのが、どうしても苦手なようなんだ。 不器用で育児なんてした事のない俺には、どうしてもこなたの我がままを聞いてやることが出来なかった。 炊事や洗濯や掃除、そして空いた時間はこなたの相手をするだけではなく、俺の仕事も進めなくてはならなかった。 だからきっとあいつは、いろんな事を我慢するようになったんだと思う。 自分の思いをアピールすることを、あきらめてしまったのか。 だとしたら、これほど悲しい事はない。 でもな、最近はよく笑うんだ。 どうやら高校では友達に恵まれているらしい。 全く、これで少しは安心できたよ。 後は……。 泣くことを思い出して欲しい。 それとも俺の心配しすぎなのか? どこか俺の知らないところで、こっそり泣いているのかも知れない。 「こなたは今、幸せだと感じていると思うか?なあ……、かなた……。」 俯き気味だった俺は上を見上げた。 すると部屋の天井のすみに浮かぶぼんやりとした白い影が、まるで微笑んでいるかの様に俺を見下ろしていた。

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