ID:NNpNNVne0氏:大爆発

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「お、メールだ。ん~、何何?『ごめんね~、少し遅れるかも~。めんごめんご』またかよ。全く、時間守れよな」 かがみはマクーシェイクを一口すすった。少し下品な音を立て、シェイクが吸い上げられていく。 「早く来ないと飲み干しちゃうゾ~」 時計はとっくに待ち合わせ時刻を過ぎていた。いつもの事ながら、こなたの遅刻癖は治らない。今日もこなたは遅れる。 かがみの予感は的中した。むしろ、遅刻が普通になりつつある現状に、こなたは既に慣れている節がある。 「慣れてどうすんのよ…ズズズ」かがみは呟いた。と同時に目の前に影が現れた。目だけを動かし、その正体を確認する。 「ヤフ~」おどけるこなたがそこにいた。「遅いわよ!もう、何やってんのよ?また…」「ごめんね~、お父さんに用頼まれちゃってさ…」 「用?」「出版社に原稿届けに行ってたの。お父さん、家に置いてきちゃってさ…」「何よ、だったら連絡くれればいいのに…」 「えへへへへ…ネトゲーも少々やってたし…」「オイ!」二人は軽く食事を済ませ、店を出た。 「今日はどこ行こっか?」ふん!と鼻を鳴らし気にこなたは答える。「メロンでしょ!新刊入ったって言うし、かがみん向けのも入ってるかもよ?」     メロン書店、今年に入ってこの街に出来た、同人誌専門店だ。 「こなた、随分買うのね…」こなたは次々に気に入った本を籠の中に入れていく。 「この前買えなかったのもあるからね。これはリベンジ、なのだよ」かく言うかがみの腕の中には、3冊の本が収められていた。 それを見たこなた。「むふふふふ、やっぱり買うと思ったw」「う、うるさいな!」 それぞれの精算を済まし店を出ると、こなたがふと足を止めた。ラックにかけられた即売会のチラシを見ている。 「かがみってさ」「ん?」「イベントって行かないの?」「イベント?」かがみも即売会の事は知っていた。たまにこなたの話にも出てくる、コミケ、みたいなものだ。 「さすがにそこまではね~、あんたと行ったアレで懲りたわ」「…そっか」寂しそうなこなたの目。「でもさ、どうしてもって言うのなら、考えないでもないわ」途端明るくなるこなたの顔。 かがみはこの顔が好きだった。「それじゃあさ…うぉわ!?」床が揺れている。「何、地震?」 店の中からも驚きの声が上がっていた。 「随分揺れるわね…」「天変地異の前触れですな…地は焼け、水は腐り…巫女さんの出番だよ!かがみ!」「何の台詞だよ、それ…」 突然、店内から大きな音が鳴り響いた。ざわめく店内。 「な、何だ~!?」覗き見る二人。「あ…」 揺れに耐えられず、一部の棚が床に倒れていた。 「あわわわ、凄いね。こりゃ」揺れは止まない。次から次へと本が床に叩き付けられていく。 「ちょっと…マズイんじゃない?これ…」どれ程経ったのか、虚無とも言える時間が訪れた。 揺れが治まり、店員達が本や棚の整理に追われている。その中にこなたの姿もあった。「何やってるのよ…まったく」 つられてかがみも手伝ってしまう。「だってさ、ほっとけないじゃん?」そう言うヤツだ。コイツは。かがみは微笑んだ。 店から出たのは、それから少し後だった。「いや~、良い事した後は気持が良いね~♪あ…」二人は驚いた。大通りで車が玉突き事故を起こしていた。 先頭車両はドアが開かないのか、運転手が必死にもがいている。窓を叩き、何かを叫んでいる。そして次の瞬間、豪火がその車を包んだ。 「危ない!」頭を押さえられ、かがみは地面に突っ伏した。手の主はこなただった。「大丈夫?かがみん」「うん。ありがと…」程なくして消防車と救急車が現れ、事態の処理が始まった。 「二人とも、奇遇だね~」後ろから声がかけられた。「ゆい姉さん?」「やっ。たまたまパトロールしてたら連絡が入ってね。来てみたわけよ。二人とも、何があったのか教えてくれるかな?」 それからゆいによる事情聴取が始まった。 「ごめんね、時間取らせちゃって。それじゃ、私は続きがあるから。ばいび~」ゆいは次の目撃者を求め、二人の元を後にした。 「今日は…とんだ日ね」「…うん」疲労感が二人を襲った。「こなた…これからどうしよっか…」「うん…」明確な目的のないまま、二人は街をさ迷った。 アニメショップにより、ゲームショップにも寄る。いつものルートを行き、気が付いたら足は駅に向かっていた。 まだ日は頂点を過ぎたばかり。でもお互い、あまり遊ぶ気にはなれないでいた。      結局、そのまま二人は帰路についた。 「ただいま~」こなたが家にはいるなり、そうじろうが慌ててやってきた。 「こなた!大丈夫だったか!?」相変わらずの心配ぶりに、少し呆れながらもこなたは安心していた。 「お父さんは大丈夫だったの?」「ああ、色々物が落ちてきたが、この通りだ」「…うん。良かった」多分部屋は… 一方柊家、「お姉ちゃん!大丈夫!?怪我しなかった!?」出迎えたのはつかさだった。「うん。もうびっくりよ…」居間に来てかがみは言葉を失った。 今しがたいた街のビルが倒壊していたのだ。「何…これ…」「さっきね、地震があったでしょ?その時の…」「私がいた時にはこんな事なかったわよ!?」「だからさっきだよ。お姉ちゃんが来るちょっと前」 ちょっと前?かがみは思い出した。確か、自転車で駅から家に向かう途中、地震があった。「あの…時?」 少しして両親が帰ってきた。「かがみ、帰ってたか、電話繋がらないから心配したぞ」電話!?鳴っていたのにまるで気が付かなかった。履歴を見てみれば家族の番号がびっしり。「ごめん…気が付かなかった…」 夜半、事態は最悪の道を歩んでいた。 再び大地震が発生し、それは夕飯時ともあってそこからいくつもの火事が発生、多くの家々を飲み込んでいった。泉家、柊家も例外ではなかった。 「お父さん!早くにげなきゃぶぉべぁ!?」泉家、倒壊。「みんな?いる!?神社まで逃げるよ!!きゃ!?」柊家、倒壊。 地震は埼玉全土を襲い、揺らぐ大地は眠る炎を呼び醒ました。地表からマグマが流れ、山は遂に火を吹いた。災いの魂、生き延びた人々は皆、そう呟いていた。 ぴろりれりろり~♪ぴっ…『かがみ?無事?かがみ!?』『けほっ!けほ!こっちはみんな…無事よ?そっちは?』『うん!お父さんが腰打ったけど、無事!』 『そっか…安心した。こなた…』『あたしもだよ、かがみん…』 20××ー埼玉壊滅ー大爆発ーおわりー   

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