「ID:khgtLPXFO氏:ホットミルクゆい姉さん」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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「ゆい姉さんは感情豊かでいいよね~笑いたい時に笑えて泣きたい時に泣けるもんね~」
あのね、こなた。
ゆい姉さんがね、泣く時はね、実はそんなに悲しくない時なんだよ。
そりゃあ楽しい時はわはわは笑うさ。笑顔は大事だよ!
でも本当に悲しい時は……
アタマが真っ白になって何も考えられなくなっちゃうんだよ。
本当に悲しかったのはやっぱりあの日だね。
あの日曜日だよ。ずーっと前の日曜日。
その日私はゆたかに何気なく言っちゃったんだよ。
『ゆたか~日曜日なんだしお天道様の下で友達と遊んできたらどーだい!きっと病気もすっとんでっちゃ』
言い切る前に朝食のホットミルクが飛んできたよ。
その時の私は本当に無神経だったよ……
私はただ前髪から垂れるホットミルクの滴を見つめていた。
軽い親切心で言ったつもりだったんだよ。
その頃のゆたかは病気もそんなに悪くなくてね。外で友達と遊ぶくらいなら大丈夫なんだって聞いてたんだ。
でもゆたかには遊ぶ友達がいなかったんだよ。
真っ白の中からわいてきた感情は後悔だった。
傷つくに決まってるじゃないか。
ちっぽけで勝手な優しさを押し付けた自分に酷く後悔したよ。
『お姉ちゃんなんか……』
聞きたくなかった。でもちゃんと聞いた。
『大嫌いだ!』
駆け出したゆたかを止めることもできなかった。
再び真っ白になったから。
大好きな妹の、『大嫌い』は私の心に酷く深く刻まれたよ。
涙も出ないほど悲しかった。
母さんに声をかけられてやっと心に色がついた。
出ていったゆたかを追っかけて私も家を飛び出した。
後悔と悲しみに青黒く染まった心で。
パジャマのままのゆたかは公園のブランコに座ってたんだ。
かける言葉が思いつかなかった。
また余計なこと言って傷つけるんじゃないかと思った怖かった。
自分が傷つくのも怖かった。
今まで自分の妹のゆたかをこんなに怖く思ったことはなかった。
言葉の力は強いね。本当に強い。
……でもさ。ここで臆してゆたかと距離をとるの?
妹なんだよ?
小早川ゆいの妹の小早川ゆたかなんだよ?
私はゆたかが妹として好きなんだよ?
体は勝手に動いていた。
口も正直だった。
ゆたかが泣いて抱きついてきた時はまたまたアタマ真っ白になったね。
ずーっとずーっと真っ白のまま抱き合って泣きじゃくってたなー
「こなたお姉ちゃん、ゆいお姉ちゃんはマンガのキャラじゃないよ?」
いけないいけない、つい思い出に浸ってしまったよ~
「ほんっとゆたかはかわいいなー!ゆい姉さんほっぺたすりすりしちゃうぞー!」