ID:kKCvadsAO氏:思い出の蕎麦がき

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「おじさん、何してるんですか?」 「ん、あぁゆーちゃんか。いやね、晩酌のつまみ作ってたんだよ」 台所に行くと、おじさんが何か作っていたので聞いたら、そう返事が返ってきた。 でもこの匂いは…お蕎麦だよね? 「お蕎麦でお酒呑むんですか?」 「いや、これは蕎麦じゃないよ。蕎麦がきって言うんだ。蕎麦粉にお湯を混ぜて練って作る料理でね、醤油とかそばつゆをつけて食べるんだ」 そういっておじさんが見せてくれたお椀には、お蕎麦の匂いがする灰色の塊が入っている。 「へぇ~、初めて見ました」 「蕎麦屋だと、たまにメニューにあるんだが…あまり知られてないか。かくゆう俺も、かなたに教えてもらったんだが」 「かなたさんが…」 じゃあこれって、思い出の料理とかだったりするのかな。でもかなたさん、どうしてこんな料理をおじさんに教えたんだろ…。 「まぁ、かなたに教わったきっかけってのが、ゆきの奴にあるだけど」 「お母さんに?」 どういうことなのかな。 それを聞くと、おじさんは苦笑しながら話してくれた。   あれは、かなたとこの家に引っ越して本当に間もない頃だったかな。 いきなりゆきから蕎麦粉が届いたんだ。 「…なんだこりゃ?」 「蕎麦粉…ね」 「…何考えてるんだゆきは」 付いてた手紙を読んだら、新居引っ越し祝いの蕎麦だって書いてあったんだ。 うん、普通はそれで蕎麦粉を送ったりしないよ。 追伸として 「兄さん、ゆいに『頭文字D』っていう漫画勧めたの、兄さんらしいわね」 ってのがあったんだが……そうだね、ゆきがそれで怒って蕎麦粉にしたんだって、かなたにも言われたよ。 でもまぁ、せっかく貰ったんだ。一応、蕎麦を作って食べようって話にはなったんだが… 「…美味しくないわね」 「…やっぱ、素人の手打ちじゃなぁ」 予想通りにまずかった。麺は太いしつなぎなんて使わなかったからボロボロ千切れるし…。 「どうする?まだ蕎麦粉残ってるけど…パスタマシン使ってみるか?」 「あれはパスタ以外には無理だと思うわ。…そうだ。蕎麦がきにしましょう」 「蕎麦がき?」 「お椀に蕎麦粉とお湯を入れて…こう…混ぜて…」 そう言いながら、かなたがお椀の中身を箸で混ぜ始めたんだ。 その姿が愛らしかったらつい写真を撮ったんだ。これがその写真。 …うん、かなたもそんな感じの顔してたな。 「まったくそう君たら…出来たわよ。さっきのそばつゆにつけて食べてみて」 「…ん!旨い!」   「…そんな感じで消費していったんだ」 「お姉ちゃんの運転って、おじさんに原因があったんだ…」 あれ、何か感想間違ってる? 「それはおいといて。どうだい一口?」 「え、遠慮しておきます。夜食べると太りそうだし…2つ食べるんですか?」 よく見たら、既に1つできていた。 「いや、これは…かなたの分だよ。供えるつもりさ」 「そうですか………じゃあ私、もぅ寝ますね」 「お休み」 ……… 「あれ、ゆーちゃんは何しに台所に来たんだ?」
「おじさん、何してるんですか?」 「ん、あぁゆーちゃんか。いやね、晩酌のつまみ作ってたんだよ」 台所に行くと、おじさんが何か作っていたので聞いたら、そう返事が返ってきた。 でもこの匂いは…お蕎麦だよね? 「お蕎麦でお酒呑むんですか?」 「いや、これは蕎麦じゃないよ。蕎麦がきって言うんだ。蕎麦粉にお湯を混ぜて練って作る料理でね、醤油とかそばつゆをつけて食べるんだ」 そういっておじさんが見せてくれたお椀には、お蕎麦の匂いがする灰色の塊が入っている。 「へぇ~、初めて見ました」 「蕎麦屋だと、たまにメニューにあるんだが…あまり知られてないか。かくゆう俺も、かなたに教えてもらったんだが」 「かなたさんが…」 じゃあこれって、思い出の料理とかだったりするのかな。でもかなたさん、どうしてこんな料理をおじさんに教えたんだろ…。 「まぁ、かなたに教わったきっかけってのが、ゆきの奴にあるだけど」 「お母さんに?」 どういうことなのかな。 それを聞くと、おじさんは苦笑しながら話してくれた。   あれは、かなたとこの家に引っ越して本当に間もない頃だったかな。 いきなりゆきから蕎麦粉が届いたんだ。 「…なんだこりゃ?」 「蕎麦粉…ね」 「…何考えてるんだゆきは」 付いてた手紙を読んだら、新居引っ越し祝いの蕎麦だって書いてあったんだ。 うん、普通はそれで蕎麦粉を送ったりしないよ。 追伸として 「兄さん、ゆいに『頭文字D』っていう漫画勧めたの、兄さんらしいわね」 ってのがあったんだが……そうだね、ゆきがそれで怒って蕎麦粉にしたんだって、かなたにも言われたよ。 でもまぁ、せっかく貰ったんだ。一応、蕎麦を作って食べようって話にはなったんだが… 「…美味しくないわね」 「…やっぱ、素人の手打ちじゃなぁ」 予想通りにまずかった。麺は太いしつなぎなんて使わなかったからボロボロ千切れるし…。 「どうする?まだ蕎麦粉残ってるけど…パスタマシン使ってみるか?」 「あれはパスタ以外には無理だと思うわ。…そうだ。蕎麦がきにしましょう」 「蕎麦がき?」 「お椀に蕎麦粉とお湯を入れて…こう…混ぜて…」 そう言いながら、かなたがお椀の中身を箸で混ぜ始めたんだ。 その姿が愛らしかったらつい写真を撮ったんだ。これがその写真。 …うん、かなたもそんな感じの顔してたな。 「まったくそう君たら…出来たわよ。さっきのそばつゆにつけて食べてみて」 「…ん!旨い!」   「…そんな感じで消費していったんだ」 「お姉ちゃんの運転って、おじさんに原因があったんだ…」 あれ、何か感想間違ってる? 「それはおいといて。どうだい一口?」 「え、遠慮しておきます。夜食べると太りそうだし…2つ食べるんですか?」 よく見たら、既に1つできていた。 「いや、これは…かなたの分だよ。供えるつもりさ」 「そうですか………じゃあ私、もぅ寝ますね」 「お休み」 ……… 「あれ、ゆーちゃんは何しに台所に来たんだ?」 **コメント・感想フォーム #comment(below,size=50,nsize=50,vsize=3)

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