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北朝鮮ミサイル問題
北朝鮮の飛翔体発射、極めて遺憾で厳重に抗議=官房長官
高良みゆき官房長官は5日正午に緊急会見し、北朝鮮が5日午前に飛翔体を発射し、太平洋へと通過したと発表した。日本領土内に落下物はなく、被害の情報も確認されていないと述べた。
その上で高良官房長官は、極めて遺憾であり、北朝鮮に対して厳重に抗議すると述べた。
また、日本の領土・領海内に弾体が落下する危険性が認められなかったため、迎撃システムは作動させず、破壊措置は実施しなかったと述べた。
高良官房長官は、ミサイルではなく、衛星を搭載したロケットの発射でも国連決議に違反しているとの日本の立場をあらためて主張し、北朝鮮の発射を強く批判した。
ただ、ミサイルか衛星搭載のロケットの発射だったのかは、今のところ確認できていないとした。
飛翔体の1段目とみられるものは、午前11時37分ごろ、秋田県の西約280キロの日本海落下したと推定される。
防衛省は5日午後0時半、飛翔体の2段目が「日本の東方1270キロの太平洋上で落下したとみられる」との発表を訂正し、日本の東方2100キロの太平洋上で、自衛隊が追尾を終了した段階では、飛翔体の2段目の切り離しが確認されていなかったと発表した。
その後、2段目が切り離されたかどうかや、落下推定地点は不明という。
首相官邸。
小早川ゆたか首相、高良みゆき官房長官、永森やまと外務大臣、日下部みさお防衛大臣が集まって、情報集約会議が行なわれていた。
「うちで確認できた情報は以上だぜ」
みさお防衛大臣が、防衛省で確認できた情報を報告した。
「永森さん。追加情報はありますか?」
みゆきが、やまとにそう質問した。
それは、外務大臣としてのやまとではなく、幸星党工作機関のボスとしてのやまとに対する質問だった。
「アメリカから盗った情報では、飛翔体はテポドン2号の改良型で人工衛星を搭載していたのは間違いありません。アメリカの軍事衛星がレーザー兵器による迎撃を実施した結果、電子部品が故障し、人工衛星の軌道進入には失敗した模様です」
レーザーとは、集束した電磁波でもある。磁石で電子製品が故障するのと原理は同じだ。
「アメリカは、迎撃の事実を発表してませんね?」
「発表するつもりはないものと思われます。北朝鮮側は迎撃の事実に気づいてないでしょうから、人工衛星に関しては失敗だと認識するでしょう。まあ、例によって、人工衛星の打ち上げは成功したと嘘の発表をするでしょうが」
「そこをとらえて、アメリカは、人工衛星の軌道進入は確認されてなく、北朝鮮の発表は全くのでたらめであり、ミサイルの発射実験だったと主張するというシナリオですね?」
形だけでも人工衛星を軌道にのせることができたなら、あくまで平和利用だという屁理屈も押し通すことができる。
アメリカは、相手に全く気づかれない形で、そこのところを封じたわけだ。
「はい。外務大臣としては、アメリカのシナリオにのるのが得策かと思います」
「小早川さん。そういうことでよろしいでしょうか?」
「みんなを騙すみたいで嫌ですけど、仕方ないですね」
アメリカのシナリオを暴露したところで、日本にとって得なことは何もないどころか、損なことばかりだ。
ならば、シナリオにのって国益の確保を図るのが得策というものだった。
「あと、もう一つ追加情報ですが、昨日の誤報は、アメリカによる工作活動が原因と判明しました。レーダーシステムにハッキングして偽の探知情報を表示させ、情報伝達系統に介入してアメリカの偵察衛星でも確認済みという偽情報を付加してます。そして、誤探知に基づいて迎撃行動を開始する前に、レーダーシステムは正常状態に復帰してます」
やまとが、そんな衝撃の事実をさらりと述べた。
「アメリカは、なんでそんなことしたんだよぉ?」
みさおが率直な疑問を口にした。
「制服組の一部が少々加熱気味でしたからね。冷や水を浴びせたかったのではありませんか?」
「確かにちょっと力入りすぎの奴もいたけどさぁ……」
「そういう意味では、今回はアメリカに感謝すべきかもしれませんね。二度とこんなことが起きないように、システムの穴を埋める必要がありますけど」
みゆきがそう述べる。
情報が出尽くした時点で、ゆたかが最終確認をとった。
「では、事前の閣議了解のとおりに対応することでいいですか?」
対応方針では、国連安保理の開催を要請し、北朝鮮に抗議を伝達し、北朝鮮への制裁の延長を検討するということになっていた。
事前に閣議決定していたものであり、異議はなかった。
「では、発表は高良長官にお願いします」
「かしこまりました」