ID:KLErSLw0氏:怪傑かがみん危機一髪!

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こなた「かがみんのカバンって、パンパンだねぇ~」 かがみ「あ、あんたと違って教科書をちゃんと持って帰ってるからよ!」 こなた「あー、なるほど」 『怪傑かがみん危機一髪!』 こなた「おーい、かがみ~。あれ?かがみ?かがみ~?」 みさお「おー、ちびっ子。ひいらぎなら今はいねーぞ」 こなた「えぇー。せっかくノートを返しにきたのに……」 みさお「なんだ、そんなことかよ。あたしが代わりに受け取っといてもいーぜ?」 こなた「気を遣わなくてもいいヨ。勝手にかがみのカバンに突っ込んどくからさ」 みさお「そんなことして、後で怒られても知んねーぞ?」 こなた「ふっふっふ。わたしとかがみの仲を侮らないでもらいたいものだネ」 みさお「なっ!?……ち、ちくしょー、全然悔しくなんてねーからなっ!」 こなた「みさきちとは違うのだヨ!みさきちとは!」 こなたはみさおに対して高らかに勝利宣言をし、鼻歌交じりにかがみのカバンを漁る。 こなた「ふんふんふ~ん♪んあ?なんだこりゃ?……ここここ、これって、まさか!?」 みさお「何をそんなに慌ててんだよ?」 こなた「な、なんでもないよ!……私、慌ててなんかないヨ?」 みさお「なんだー?ひいらぎのカバンの中にすげぇもんでも入ってたのかー?」 こなた「そんなわけないじゃん!……いたって普通だったヨ?」 みさお「怪しいなー。どれどれ、あたしにも見せてみろよ」 かがみ「人の机の周りで何やってんのよ、あんた達は?」 みさお「ちぇー。なんだよ、もう戻ってきちまったのかよ」 かがみ「自分の席に戻ってきて何か悪いのか?」 みさお「じょ、冗談だよ、じょーだん。そんな恐ぇ顔すんなって」 かがみ「まあ、いいわ……で、何やってたの?」 みさお「うーんとな、ちびっ子がひいらぎのカ――いてっ!?」 こなた「ノート!ノートを返しにきたんだよ、かがみ!はいっ、コレありがと!」 かがみ「ど、どういたしまして」 こなた「じゃ、そういうことで!みさきち、ちょっとこっとへ来てもらっていいかな!?」 みさお「ちょ、何すんだよ、ちびっ子!お、おい、ひっぱんなって!」 かがみ「まったく、あいつらときたら何やってんだか……」 こなたがみさおに何やら必死で話している様子を見ながら、かがみは溜息をつく。 そして、とりあえずノートをしまおうとカバンに手をかけ……固まった。 カバンの中身が少し乱れていたのだ。 あの仮面と、あのマントが詰め込んであるカバンの中身が。 かがみ「まさか……こなたに見られた……!?」 昼休みも放課後も、かがみから見たこなたの態度はいつも通りだった。 そしていつも通り、こなたはかがみを寄り道に誘ってきた。 かがみ「ごめん、こなた。悪いけど今日はそんな気分じゃ――」 こなた「大事な話があるんだよ」 かがみ「そっか……ねえ、こなた……その話ってさ、私に関係すること?」 こなた「うん……かがみの、秘密、になるのかな?それに関しての話なんだ」 かがみ「そう……やっぱり……」 こなた「気持ちの整理が必要だっていうなら、別の日にしてもいいけどさ」 かがみ「……別にいいわ。いつかはバレるんじゃないかって思ってたから」 こなた「ありがと。ここじゃアレだから、とりあえず他の場所に行こうか」 かがみ「できれば、他の人がいない場所でお願いできるかしら」 こなた「わかってるよ。私のバイト先、今日は定休日なんだけどさ、控え室なら使わせてもらえるから」 控え室までの移動はお互いにほとんど無言のままだった。 会話を交わしたのは途中のコンビニで1回だけ。 緊張で喉が渇いていたためか、2人はそこで飲み物を買ったのだ。 こなたが鍵を開けて控え室に入り、味気ないパイプ椅子に座る。 座ってからも暫くの間、2人は無言のままだった。 それから時計の長針が半分程度まわったあたりで、こなたが口を開いた。 こなた「まず最初に謝っておくよ。私、かがみのカバンを勝手にさわっちゃったんだ……本当に、ごめん」 かがみ「もう、いいわよ」 こなた「それでね、中身のアレなんだけどさ……やっぱりアレって、その、アレであってるんだよね?」 かがみ「はっきり言ってくれてかまわないわ」 こなた「うん、わかった…………アレって、『怪傑かがみん』の仮面とマント、であってるんだよね?」 かがみは深い溜息をついてから、そうよ、と小さな声で答えた。 こなた「やっぱり」 かがみ「そうよ。アレは『怪傑かがみん』の衣装よ……馬鹿みたいな話よね。笑ってくれてかまわないわ」 こなた「なんで?」 かがみ「え?」 こなた「なんで私に隠してたの?恥ずかしいから?」 かがみ「なんで……か。よくはわからないけど、あんたの言うとおり、私はアレが恥ずかしかったのかもね」 こなたは突然立ち上がると、かがみの目をしっかりと見据えて言葉をはなった。 こなた「私は!私は、アレが恥ずかしいだなんて思わない!」 かがみ「……こなた?」 こなた「怪傑かがみんのこと、私はカッコイイと思う!かがみはそうは思えないの!?」 かがみ「……私は、私はアレがカッコイイとは思えないわ」 こなた「なんでさ!」 悩みを解決してみんなを幸せにする。 そんな大義名分があるとは言え、己が関係する悩みを解決するのに『柊かがみ』以外の力を行使するのは卑怯だ。 例えどれほど伝えにくい想いでも、本来、想いを伝えるのは自分自身であるべきなのだ。 かがみは怪傑の力を使うたび、そういう風に思っていた。 こなた「だったらなんで!なんでカバンの中にあんなモノいれてたのさ!」 かがみ「そ、それは……」 こなた「ちゃんと答えてよ!かがみ!」 そうなのだ。 こなたの言うとおり、嫌ならあんなもの持っていなければいい。 ならば何故、自分はアレを片時も放さず持っていたのか。 自分の想いを伝える手段としてあまりにも便利な代物だったから? 誰かの悩みが4人の関係を僅かでも悪化させるのを恐れたから? ヒーローとしての絶大な力に酔いしれていたから? 或いは、そのどれもが正解なのかもしれない。 かがみが答えられないでいるのを見て、こなたはさらに言葉をはなつ。 こなた「アレがカッコイイと思えないなら、なんで!」 かがみ「もう、もう許して……こなた……」 こなた「なんで怪傑かがみんのコスプレ衣装なんかもってたんだよぉーーーーーっ!」 かがみ「……は?」 こなた「ね、かがみ、心配しなくても私はそういう趣味にも理解はあるんだよ?それにさ、私とかがみの仲じゃん!」 かがみ「え?あれ?」 こなた「だから、別に恥ずかしがらなくともいいいんだヨ。さっきも言ったけど、怪傑かがみんってカッコイイし!」 かがみ「えーっと、こなたさん?」 こなた「確かに、かがみにそういう趣味があるってのは意外だけどさ、まあそれも萌え要素のひとつだヨ!大丈夫!」 かがみ「ごめん。ちょっと整理させてくれるかしら?」 こなた「どうぞどうぞ」 かがみ「まず、あんたは私のカバンの中に怪傑かがみんの衣装があるのを見た、と」 こなた「いやぁー、見た瞬間、あのクオリティにはびっくりしたよ。本物そっくりだったから」 かがみ「で、あんたは私にそういうコスプレの趣味があると考えた、と」 こなた「中々いいセンスしてるよ。かがみはツインテールだから初音ミクか怪傑かがみんの格好が似合うと思ってたんだよね」 かがみ「ひとつ聞きたいんだけどさ、怪傑かがみんの正体が実は私だった、とかは考えないわけ?」 こなた「えー、さすがにその発想はないよ。だいたいさ、正体がかがみなら、私やつかさやみゆきさんが見たらすぐにわかるって」 かがみ「ああ、そう……そうなんだ……そうよね……」 こなた「ということで、かがみ!」 かがみ「な、何よ?」 こなた「ここの奥にはいろいろなコスがある訳なんだけど……どうだい?レイヤーの血が騒いだりはしないかい?騒ぐよね?」 かがみ「ちょ、自分の趣味がそっち方向だなんて、私がいつ認めたって言うのよ!?」 こなた「ふっふっふ、今さら隠しても無駄だよかがみ。怪傑かがみんというマニアックなコスを持っているのが何よりの証拠!」 かがみ「い、いや、だから、これは、その」 こなた「さあ、楽しいお着替えの時間だヨ!」 かがみ「な、納得いかねぇ~~~~~~っ!」 こなた「むふふ、やっぱ基本はメイドだよネ。次は何を着てもらおうかな~♪」 かがみ「はぁ、結構な数の衣装があるのね……げっ、怪傑かがみんの衣装までありやがる……」 こなた「あ、それ私のだから。なんなら、ダブル怪傑かがみんでもやってみる?」 かがみ(こなたさん……それはマジっすか……)

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