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「あー、なんかやる気でない。もうやめよう」  そう言ってかがみは、シャーペンを放り出して寝転んだ。 「…え…勉強会やろうって言い出したの、お姉ちゃんじゃ…」  始まって五分も経たないうちに投げ出したかがみに、つかさが困った顔を向ける。 「そんなのこなたの顔見る口実だし。こなたの顔見たからもういいやって」  その当のこなたもまた、かがみに困った顔を向けていた。 「いやかがみ…勉強教えてくれないとわたしが困るんだけど…」 「そうねえ…それは困るわねえ…よし、みゆきでも拉致るか」 「え、今からゆきちゃん呼ぶの?家遠いし、なんか今日用事あるって言ってたから無理なんじゃ…って今拉致るって言った!?」 「こなた、五分でお願い」 「いえす、まいろーど」 「そんなあっさりと行くんだ!?って五分!?」 - ぐだぐだ - 「…ねえ、お姉ちゃん」  やることは成し遂げたとばかりにポッキーをかじりはじめた姉に、つかさは恐る恐る声をかけた。 「ん、なに?」 「いくらこなちゃんが足速くても、大分時間かかると思うんだけど…」 「ああ、それなら平気よ。この家とこなたんちとみゆきんちは、直通の地下道で結んでるから、その気にになればすぐ行けるわよ」 「そんなのいつの間に!?って直線距離でもゆきちゃんち遠いよね!?」 「おまたへー」 「むーむー」  ジャスト五分。こなたがSM雑誌でよく見るような縛り方をされた上に、目隠しと猿轡までされたみゆきを担いで、部屋に入ってきた。 「ホントに五分だっ!?しかもこれ以上ないくらい見事な拉致っぷりだっ!?」 「ごくろう、こなた」 「いやー、流石にみゆきさんは手強いねー」  なんだかのんきにしている二人を横目に、つかさはみゆきを解放しようとしたが、縄の解き方がまったく分からなかったので、とりあえず目隠しと猿轡だけ取る事にした。 「ぷはっ…あ、つかささん」 「ゆ、ゆきちゃん…大丈夫?」 「つかささんも捕まったのですか!?地底人に!」 「…へ?」 「足を掴まれて地面に引き摺り込まれたんです!目隠しをされる前に一瞬変な触角が見えましたし、あれは間違いなく地底人です!」 「えーっと…」 「一応、形ばかりの抵抗はしてみたのですが、健闘むなしく…」 「それ、健闘してないよね?ほとんどわざと捕まってるよね?」 「…どのようなプレイなのか、少し興味がありまして…」 「プレイってなに…っていうか、地底人じゃなくてこなちゃんだから。ゆきちゃん捕まえてきたの」 「え?そうなんですか?」  みゆきは周りを見渡し、ここがどこかということと、かがみやこなたがいる事を確認した。 「あ、言われてみれば柊家ですね、ここ…なるほど、あの地下道を使いましたか」 「…ゆきちゃんも知ってたんだ」  とりあえず、まったく説明する気のないかがみとこなたに変わって、つかさがみゆきに事のあらましを説明した。 「勉強会ですか…」  ちなみに、未だみゆきは縛られたままで床に転がされている。 「うん…こんな状況で言うのは、あつかましいと言うか頭がおかしいとは思うんだけどね、協力して貰えるかな…」 「それはもう、つかささんの願いとあれば…とりあえず、ソフトに多頭鞭あたりから…」 「それなんの勉強!?」 「ところでみゆき。用事はいいの?」  自分が拉致らせた事は棚に上げて、かがみがみゆきにそう聞いた。 「用事ですか?大したことはないといえばそうですし、後回しにすることも出来ますが…以前から楽しみにしていたことなので…」 「あ、そうなんだ。どんな用事だったの?場合によっては送り返すけど」 「つかささんの恥ずかしい隠し撮り映像の観賞です」 「なにそれぇぇぇぇっ!?」  つかさは思わず大声を出すと、みゆきの肩を引っつかみ、ガクガクと前後に揺さぶった。 「何撮ったの!?何時撮ったの!?ゆきちゃぁぁぁんっ!」  何故か恍惚の表情で揺さぶられるみゆきを見ながら、かがみは隣にいるこなたに言った。 「ねえ、こなた」 「ん?」 「勉強会やめて鑑賞会にしない?つかさ以下略の」 「あー、それいいね」 「全っ然よくないよ!!」 「居間にならビデオデッキもDVDデッキもあるからそっちで…」 「あ、かがみさん。そのどちらでも見れませんよ」 「え、そうなの?」 「はい、これブルーレイディスクですから」 「なんでそんな無駄に高画質!?ってか持って来てるんだ!?」 「んー、それじゃこなたんちに行くか。たしか、この前PS3買ったでしょ?」 「うん。それじゃサクッと移動しようか」 「やめてよぉぉぉっ!!」  喚くつかさを無視して、みゆきを担いだこなたとかがみは玄関へと向かった。  そして、泉家。 「…ホントにサクッと移動した…五分かかってないよ…」  つかさはこなたの部屋で呆然としていた。 「言ったでしょ?その気になればすぐ行けるって」 「…いや…でも…っていうか、わたしどうやって移動したの?…途中覚えてないんだけど…」 「まあ、気にしたら負けだよつかさ…あ、しまった」  早速観賞の準備をしていたこなたが、何かに気が付いて三人の方を向いた。 「ちょっとあっち向いててくれないかな…」 「どうしたの?」 「いや、ジャケット見ただけで、みんながドン引きするDVD入れっぱなしだったよ。すぐ片付けるからね」 「…こなちゃん…一体何を見てたの…」 「泉さん。なかなかいい趣味ですね」 「いや、見ないでってばみゆきさん…」 「すいません。縛られてるので、向きが変えられないのです」 「いい加減、ゆきちゃん解こうよ…」  そして、準備の終わったこなたがみんなの方を向き、高らかに宣言した。 「それでは今から、つかさの恥ずかしい隠し撮り映像の鑑賞会を始めます!」 「…うん、もうどうでもいいや…好きにして…」  諦めきった表情で、つかさは力なく拍手をしていた。 「………」 「………」 「………」  観賞後、かがみとこなた、みゆきはすっかり言葉を失っていた。 「…こ、これほどだなんて…つかさ、あんたって子は…」 「…わたしのDVDより三倍は引くねこりゃ…」 「…完成版を見たのは初めてですが…流石にこれは…」  青ざめた顔で動けないでいる三人の背後で、つかさはゆっくりと立ち上がった。手にはいつの間に解いたのか、みゆきを縛っていた縄を持っていた。 「つ、つかさ…一体どこに?」 「…こなちゃん…この辺に、枝振りのいい木ってないかな…」 「無い!ないから!落ち着いてつかさ!」 「早まっちゃダメよつかさ!双子ってのはどっちが欠けてもダメなんだから!」 「つかささん!その縄は吊るためのではなく、縛るためのものです!わたしで良ければいくらでも縛られますから冷静になってください!」  結局その日は、つかさをなだめるために費やしましたとさ。 - おしまい -

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