「こなたん達が3次元に来てしまったようです 第1話 3次元」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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<p>―――こなた・・・こなたっ</p>
<p>声が・・・聞こえる。<br />
聞き覚えのある声。<br />
それもそのはず。これはかがみの声だ。</p>
<p>「ん・・・何」</p>
<p>目をうっすら開けるとかがみの顔がまん前に見える。</p>
<p>「ここ、どこだか分かる?」<br />
「―――ぇ?」</p>
<p>突然の問いに疑問を浮かべる私。<br />
体を起こして周りを見渡す。</p>
<p>私はどこかの公園のベンチに寝ていたようだ。<br />
隣にはつかさとみゆきさんも寝ている。</p>
<p>でも、おかしい。<br />
私はこんなところで寝てなかったはず・・・。<br />
あれ?<br />
私は一体今まで何してたっけ?<br />
起きる前の記憶が少しとんでいるようだ。</p>
<p>「気づいたらここにいて・・それまで何してたか思い出せないの」</p>
<p>かがみが心配そうに私を見つめてくる。</p>
<p>「うん、私も思い出せない。私たち、公園なんかで寝てたっけ?・・・あ」</p>
<p>もう1度周りを見渡していたら気づく。<br />
この公園に見覚えがある。</p>
<p>「ここって・・・アキバの・・・?」</p>
<p>ザッと立ち上がってもう1度見渡す。</p>
<p>うん、この喧騒、この空気、この雰囲気・・・<br />
私たちは秋葉原にいる。</p>
<p>「秋葉原?な、何で私たちそんなとこにいんのよ」<br />
「そ、そんなの知らないよっ」</p>
<p>だってそれまでの記憶の部分が切り取られているというか・・・</p>
<p>「とりあえず、アニメイトでも行こっか」<br />
「はぁ?あんた、何でここにいるのかも分からないのに」<br />
「だって分からないもんは分からないし、ここはいっそ楽しまないとね」<br />
「はぁ・・・あんたは相変わらずだなぁ」</p>
<p>後ろでかがみがつかさとみゆきさんを起こす声がする。</p>
<p>私はふと思う。</p>
<p>・・・うーん、でも何か違うんだよなぁ。<br />
いつものアキバと・・何かが・・・気のせいかな。<br />
そのとき</p>
<p>「あ・・・あああ・・ああああ・・・・」</p>
<p>1人の男が私を指指して震えている。<br />
驚いているけど、嬉しさをも伴っているように見える。</p>
<p>「ふぇ?」</p>
<p>疑問符を頭上に浮かべる私。</p>
<p>「確か・・・らきすたの・・・・」<br />
「らきすた?」</p>
<p>聞き覚えのない言葉だ。</p>
<p>何だかよく知らないうちに人がどんどん集まってきた。<br />
いつの間にか私たちの周りに人だかりができていた。</p>
<p>「おい、あれって・・・」<br />
「・・・うほ、俺の嫁・・・」<br />
「どういうことだ?」<br />
「これってお持ち帰りしていいのか?」<br />
「本当にそっくりだな」</p>
<p>ざわざわと聞こえてくるそんな言葉。</p>
<p>「ちょ、ちょっと、何よこの人たち・・・」</p>
<p>かがみが集まった人たちを見渡して後ずさりする。</p>
<p>「何かこの人たち怖いよぉ・・・」</p>
<p>起きたばかりのつかさが涙目でかがみを見つめている。<br />
見たところ、いかにもオタクな人たちばかりだ。<br />
でも、何で私たちの周りに集まってくるんだろう。</p>
<p>人だかりの中から1人男が私たちに近寄って来た。</p>
<p>「あの、写真撮っていいですか?」<br />
「は?」</p>
<p>1人が出るとみんなが後から続々と携帯を取り出して寄ってきた。</p>
<p>「こなたんは俺の嫁ーっ」<br />
「かがみん!かがみん!」<br />
「つかさちゃんとちゅっちゅしたいよー」</p>
<p>唖然とする私たち。<br />
何かここに居たら危険な気がするよ。</p>
<p>「み、みんな逃げろーっ」<br />
「ぁっ、ちょ、こなた待ちなさいよっ」</p>
<p>私が駆け出すとかがみたちも後を追うように走り出した。<br />
しかし、オタクたちもなんか叫びながら追いかけてきた。<br />
しかもアキバの町行く人々がこちらを注視する。</p>
<p>何でー!?<br />
ワケが分からない。<br />
起きたら何故かアキバにいるし、しかも何か追いかけられるし。</p>
<p>でも・・・「こなたんは俺の嫁」って・・・<br />
何で私たちの名前を・・・それに嫁って2次元のキャラに・・・</p>
<p>はっ!?<br />
まさか・・・・</p>
<p>私はアニメイトに向かって走り出した。<br />
かがみたちもちゃんと着いて来る。</p>
<p>アニメイトに到着し、中に入る。<br />
それと同時に客の目が私たちに向けられ、見つめられた。<br />
でもそんなのお構いなし。<br />
店内を歩く。</p>
<p>・・・やっぱり!!</p>
<p>私たちが描かれている本・・・らき☆すた。<br />
つまり、ここは・・・3次元!</p>
<p>私たちの世界の中の3次元じゃなく、私たちの世界が2次元のときの3次元!!<br />
そんな世界あるのか知らない。ていうかあったの!?<br />
でも、事実。何故だか知らないけど私たちは3次元に来てしまったんだ。<br />
何故?何で?何か理由があるはず。でも分からない。</p>
<p>とりあえず、今はアキバを離れた方がいい。<br />
突然2次元のキャラが3次元に現れたら・・・考えなくても分かる。<br />
私だってそっち系のことは分かる。</p>
<p>「あれ、こなたじゃん・・・」<br />
「何でいるんだ?」<br />
「本物・・・?」</p>
<p>ざわざわと聞こえる声。<br />
その声から逃げるように私はアニメイトから飛び出た。<br />
慌ててかがみたちも私の後を追う。</p>
<p>家に帰ろう。<br />
あるかどうかは分からないけど・・・。</p>
<p>―――鷹宮神社。<br />
かがみの家であり、つかさの家でもある。<br />
けど、何故か名前が鷲宮になってる。<br />
やっぱり2次と3次は違うんだろうなぁ。</p>
<p>遠目から見てても分かるけど、ここにもいた。<br />
オタクっぽい人たちが。</p>
<p>まさか・・・あれですか?聖地化してるんですか?<br />
まずいな。ここからも離れた方がよさそうだ。<br />
私がそう思って引き返そうとしたときかがみが言った。<br />
「ちょっと、こなた。さっきから一体何が起こってんのよ」<br />
「えっ」<br />
「なんか私たちの名前知ってたり、・・・嫁とか言ったり」<br />
「んー・・・どうやら私の考えだと3次元に来てしまったようだね」<br />
「3次元ってなぁに?」<br />
つかさが口を挟んできた。<br />
「夢も希望もない現実世界のこと」<br />
「( ゚ω゚)バル?」<br />
「つかさに変なこと教えるなっ」<br />
「そもそも次元というのは空間の広がりをあらわす一つの指標です。座標が導入された空間では(ry」<br />
みゆきがいつものようにペラペラと話し始めるが、つかさは更に分からなくなったようだった。<br />
「で、何で私たちは3次元に来ちゃったわけ?」<br />
「それは分からないよ・・・」<br />
「と、とりあえず私たちの世界と違うところに来ちゃったってこと?」<br />
つかさが思案顔で呟く。<br />
「そーなるね・・・」<br />
「えぇっ、じゃあ元の世界に戻るにはどうしたらいいの?」<br />
「それも分からないよ・・・でも、きっと私たちがこの世界に来たのには理由があるハズ」<br />
「理由、ねえ・・・なんか心当たりある?」<br />
「ないよ。それに記憶がちょっとないしさ」<br />
「私もないですね。お恥ずかしながら」<br />
「はやく帰りたいよぉ・・・」<br />
「あー、ほらつかさ泣かないの。きっと帰れるから・・・」</p>
<p>そんな中、聖地からこちらに向かって歩いてくるオタク2人を発見した。</p>
<p>「あ、みんな隠れるよ!みつかったらまた騒がれる」<br />
「う、うん」<br />
ささっと狭い道に逃げ込んだ。<br />
そぉ~っとオタクの人たちを覗く。</p>
<p>「最近のらきすたおかしいらしーな」<br />
「そーなのか?」<br />
「ネットで話題になってんぜ」</p>
<p>「!!」<br />
らきすた・・・私たちが描かれている作品。<br />
それがおかしいってどうゆうこと?<br />
オタクの人たちはさっさと通り過ぎた。</p>
<p>「らきすたって何かしらね」<br />
かがみが私に聞いてきた。<br />
「私たちが出てる漫画だよ」<br />
「えっ、そんなのあるんだ・・・。って何でそんなの知ってんのよ」<br />
「さっきアニメイトで見たもん」<br />
「ああ、さっきのアニメイトか」<br />
「私たちが出てる漫画かぁ、なんか見てみたいね」<br />
「え・・・私は嫌だな」<br />
つかさがえへへと笑う横でかがみがじと目になる。<br />
「んー、でもちょっと興味はあるよね」<br />
「そうですね。私も1回見てみたいです」<br />
「よおーし、じゃあ買いに行こう!」<br />
こなたが人差し指を空につきつけた。(>ω<.)<br />
「やったぁ~!」<br />
「ええええ、おいおい。だって私ら人目についたらマズいんじゃ・・・」<br />
「そうだけど・・・それはしょうがないじゃん」<br />
「何がしょうがないんだよ・・・」<br />
「よーしじゃあアキバにれっつご~」<br />
「れっつご~」<br />
こなたがてくてくと歩くのにつかさもわーいと着いて行く。<br />
「でも、秋葉原はマズいんじゃないでしょうか」<br />
「そ、そうよ。何でアキバなのよ。一番危険じゃない。普通の書店とかに・・・」<br />
みゆきとかがみが反論した。<br />
「私もそれは思ったけど、でも、私たちが気づいたらいたのがアキバだったじゃん?だから、私たちが3次元に来ちゃった理由が何か分かるかもしれないと思って」<br />
「ん・・・それはそうかもしれないけど」<br />
「ね、だからアキバ行こうよっ」<br />
「(こいつ、絶対自分が行きたいからよね・・・)」<br />
かがみは1人じと目ではあと嘆息しながらもこなたに着いて行くことにした。</p>
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