テンプレキャラとは


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例えば、のび太はいつもは「お約束通り」のナマケモノでドジで
無力な少年。が、何かイレギュラーな事態にみまわれると、大好き
なドラえもんや友達や、おおぜいのみんなのために、我が身を省み
ず、身体が傷付く事もいとわず、勇敢にコトに立ち向かって行った
りします。いつものお約束なのび太を知っている観客には、お約束
をかなぐり捨てるそうした彼の姿が、架空のキャラにも関わらず、
まるで生身の生きたニンゲンみたいに思えるのです。

例え架空のキャラでも、もしこいつが生きた現実の人間だったら、
こう言う時どうするだろう…と観客に考えさせ、そこで客が納得
するだけの魅力的な振る舞いをキャラが行った時、その架空の
キャラが、生身の説得力を備えた存在になれるのです。

が、そこでもしのび太が、突然無敵のヒーローさまに成り上がっ
たりしたら、それはたちまち「お約束通り」に陥ります。
本物ののび太は、何かに勇敢に立ち向かおうとする時、それでも
勇ましい無敵のヒーローでございといったありがちな形には決して
なりません。どうしても心の弱さ、いつものいくじなしののび太が、
隠しようも無く出てしまったりします。が、それを必死に乗り越え
て、彼はコトに臨もうとする。それが「生身」です。観客が、
「もし自分が同じ目に遭ったら」と考えさせ、そこに共感を抱く様
なキャラ造形を施してあれば、客はそこに生身のニンゲンを見いだす
のです。

例えば、「ツンデレ」のヒロインですと言って出して来ても、
安物の作品の場合、そいつが心の奥底を表に出す、という大事な
見せ場が、何が何でも必ず「オトコにいきなり『デレ』る」以外
無い、なんてやり方だったりします。まさにお約束通り。
そいつは普段は「ツン」であって、「デレ」へと“ぶれる”事がそいつ
の心の奥底の動きを表す表現のはず。なのに、その「デレ」に至る
原動力が、そいつ自身のナマの心の奥底からどうしようも無くにじみ
出たというものでは無く、ただただ客が喜ぶ「お約束」を実行する、
というだけがそいつの行動原理になってしまっているのです。
自分の心で動かず、ただ何かの決めた通り動くなんて、生きた
ニンゲンでは無い。
そいつが「デレ」になるとして、なぜ「デレ」たか、「デレ」に
なるだけの、背後の思いのたけを、事前に作中で描き切ってあった
のか。その辺で手を抜いて、「お約束だから」「こうしときゃ客が
モエてヨロコぶから」とぞんざいなキャラ描写で逃げているような
キャラは、「お約束通り」の「人形」に過ぎません。

また「約束を外した設定」とは、上記「ツンデレ」で言ったら、
本来これはツンとしているお約束通りの振る舞いを、外してみせる
「デレ」が、そのキャラの「意外な一面」という形での見せ場
だったのです。そうやって「お約束を外してみせる」のが売り物
だったのですが、やがて手垢がつくほど乱用され、「お約束を外して
みせる事」それ自体が、新たなお約束になってしまった。「ツン」
という「お約束」を、外してみせる、という「お約束」が新たに
出来ただけで、実は「お約束にがんじがらめ」なまま。これが
「お約束を敢えて外す」という手と、それに頼り切る事の限界です。

お約束を真に外すには、そうした安易な事ではいけない。
基本的な性格付けはお約束でも良いので、そのキャラがコトに
臨んだ際、観客の知っている「お約束」を超えた、(架空の)生身
のニンゲンとしての、「ぶれ」「ゆらぎ」を描き出さなくては
ならない。しかし、それでいてちゃんと、そのキャラの基本的な
性格や人格といったものもまた、ふまえていなくてはならない。
どこまでお約束を外せるか、どこらへんまで外してもそのキャラを
「そいつ」とみなしてもらえるか。これはいわば客と作り手の
「駆け引き」。そのキャラの、「そのキャラらしさ」というお約束
の一点を、ギリギリでつなぎ止めたその上で、キャラにそのお約束
を良い意味で裏切らせて、生き生き動いてもらうのです。

正直、私ごときの文章ではとても伝えきれません。ぜひご自分で、
古今の優れた小説や映画等をご覧になって、「架空の生身のキャラ」
と「お約束の記号キャラ」の違いを、直接感じ取れる様になって
頂きたいのです。
こういった場で、よく「アニメやマンガばかりで無く、過去の
色んなジャンルの名作に接しなさい」と言います。今風のアニメや
マンガやラノベの類には、残念ながらそうした「記号」「人形」の
様なキャラやオハナシが多すぎる。過去の名作映画や小説は、
そうした生き生きしたキャラやドラマの宝庫なのです。名作として
長く語り継がれて来たからには、生き残って来ただけのモノが確実に
あるのです。
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