STAGE3 月輪の導きのままに

前回申し上げたとおり今回の対戦相手はゲーニッツとツキノヨル
オロチノチニクルフイオリ、こちらはサバタ一人。
それではどうぞ!


ヌウ…

「此所は何処だ?」

俺の視界にはゾンビや骸骨が入っている。

とてもではないが現実とは思えない。といって…

「痛みと共に壁が砕けた…紛れもない現実としか思えんな…」

右拳がビリビリとしびれる…それもそうだろう。

石造りの壁を粉々にしたのだから。

「とにかく、動くのみ…か…何にせよ止まっていても始まらん。」

俺は闇の深い街へと踏み出した…


どれほど歩いただろうか。気がつくと大聖堂のようなところにいた。

「ム…気配…そこにいるのは誰だ!」

微かな気配が一つ。それが揺らいで影から現れる。

「おやおや、あなたは…わたしに力を与えられた八神ではないですか…」

その影…バカな…何故…貴様が…生きている!?

「ゲーニッツ!!」

「覚えていて下さったのですか…倒されてからずいぶん経ちましたし、

ネスツ等と言う無粋な輩までおられる。忘れられたと思っていましたが…

存外あなたの記憶力はよろしいようだ。」

「御託はいい。やるのか?やらないのか?今最も重要なことはそれだ。」

含み笑いと共に奴は

「関係ないでしょう?」

などとのたまう…ッ!

「グッ…ハッ…こ…これは…!」

身体が言うことを聞かん…まさ…か…

「オロチの力が…」

「暴走しているのでしょう?この世界に蔓延する暗黒物質はオロチの力と相性がいい。」

「グ…ク…ケハァッ!ア…あぐあ…き…さ…まァ…」

意識が…遠のく…

「だから言ったではないですか。関係ないと。

と、言ってももう聞こえてはいないようですが…」

破壊したい…無性に何かを破壊したい…だが…何を?関係ない。

何もかもブッ壊す!!そうだ…奴だ…まずは奴だ…覚悟しろ…

「キョオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!

ウウウウウウウオオオオオオオオオオオォォォォォ…!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


ドクゥンッ!

心臓が大きく脈打つ

「何だ…?この感覚…」

血が騒ぐ…そのざわめきに導かれるように俺は先に進む。

そこは、アンデッドによって壊滅した街。

そこのアンデッドを狩ろうとここに来たのではあるが…

特別な血が何かに反応している…?

行くべきか…行かざるべきか…思案している内に反応が強くなり、

「あっ!」

反応の最も強い部屋のドアを開けてしまっていた。

しまったな…まあ仕方ない。

「行くか…」

敢えてそう言って部屋に入る。と、突然。

「ヴォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!」

咆吼。

すさまじい叫び声と共に赤毛の男が襲いかかってきた。

妙だ…この男…吸血変異を起こしていない…それに、

男の攻撃をかわしながらほんの刹那、そんなことを考える。

強い…

「オオオオオオオオ!!!!!」

完全に理性を無くしている。ただがむしゃらに爪を立て、切り裂こうとする。だが…


速い。動きが直線的故に交わせてはいるが…それもいつまで保つか…と、その時である。

動きが…止まった…?いや…あのポーズ…男は左腕を身体の右側へと回す。それは…まるで…


「ぐあ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

ひときわ大きな叫びと共に男の手から青紫の炎が放たれる。

「くあッ…!ぐうッ!一体コイツは…」

背に負った暗黒剣。それを盾にして炎を受け止めたのはいいが…

「ヴァナルガンドが変化したこの剣を押し切っただと!?」

ヴァナルガンドは限りない力を秘めた絶対存在だ。それを押し切り、服の一部を焦がしたというのだ。

「だが、炎ならばこちらにも!!はぁぁぁぁ…」

特別な血、月の血。

月の力は導きの力。

太陽と暗黒、火水風土の四大元素。

それら全てを操り導く。

その力を使い、暗黒剣に炎を纏わせる。

「行くぞッ!」

「ぐああああああああ!!!!!」

剣と爪、互いに炎を纏った得物を振るい、激突させ、文字通り火花を散らす。

その均衡が破れたのはこちらが動きを鈍らせたときだ。

得物が大きく、動きも自然大振りになる。そのような状態で敵の速さに

対抗していたのだ。どうやってもどこかで動きが必ず鈍る。疲れで。

「オオオオオ!!!!!」

そこを見逃さずに炎を纏った正拳突きが腹に入り、大きくはじかれる。

だが、と俺はニヤリと笑い、腰から下げていたそれを引き抜いて構える。

「うなれッ!暗黒銃ッ!人を滅ぼす闇の力よ!!」

漆黒のエネルギー弾が銃口で脹れあがり、一気に放出される。

大きな闇と小さな太陽。

二つの反発するエネルギーが一直線に男に襲いかかる。

当然男は射線上から離れる。だが、

「バーストショット。」

互いに反発し合い、弾丸がまとまりを失う。

つまり、小さなエネルギー塊が無数に飛び散ったのだ。

雨粒のように小さく、だがとてつもない破壊力を伴ったそれは

男をとらえたまま、壁にたたきつける。

「うぐあッ!!」

男は一度目に光彩を取り戻したが、すぐにそれも消えて男は気絶した。

「やれやれ、一応街まで運んで、手当をしないとな。」

俺―暗黒少年のサバタ―はそう呟くとバイクに男を乗せて走り出した。


「うッ…くッ…」

町外れまで来ると、男がうめき声をたてた。

「目が覚めたか?」

「貴様…」

男が動こうとするのを落ちるぞ。の一言で止めると俺は男にいくつかの

事を聞いた。

あの炎は何なのか、あのときの暴走ぶりは何だったのか、

どこから来たのか。

それに対し男は明敏に答えた。

「炎は俺の一族に代々伝わる特別な力だ。暴走ならば一族に伝わる呪いの

ようなモノだ。ある特別な力と共鳴し合い、その力に理性が飲み込まれる。

クソ忌々しいことだがな。出身地は日本。それだけだ。貴様の名前は何だ」

「サバタだ。しかしおかしい…この世界に日本などという場所はないハズ」

とたんに男の顔つきが変化した。

「何だと!?ではやはり…いや…しかし…そんな漫画のようなことが…

違う世界などと…」

「違う世界…だと…?」

男の思案する声に俺も驚く。

「ともかくだ、違う世界から来たと言うのなら行くアテがないんだろう?」

「悔しいがそうだ。」

なら、と俺が話を切り出す。

「なら俺達の町、サン・ミゲルに住むと良い。」

「何故だ?」

「なら野宿して暗黒物質喰らって暴走して俺にトドメ刺されるか?」

「い…いや…遠慮しておこう…分かった。住むからそんな黒い目をして俺を見るな!」
俺の目は赤いんだが…


ハイッ!
STAGE3 月輪の導きのままに、いかがだったでしょうか?一番好きな技は半月斬をキャンセルしての
空中鳳凰脚!バリバリバルカンパンチも良いですね!破壊力ウー!まで聞くと最高にスカッとします!
法皇の昆布です!
ゲーニッツは特に何もしませんでした。せいぜい世界観を説明してくれたぐらい?
逆に盛大に暴れ回ったのは庵。サバタは体内に暗黒物質を宿しているわけではなく暗黒銃は周囲から暗黒物質を集約
してエネルギーブリッドをぶっ放すシステムとなっています。
ちなみにではありますがMUGENやってます。
京と庵だけで四人チームができるぐらい増えてきた…エディットしてもかわりゃしねえよこれ…
それでは次回予告を。


NEXT STAGE! 対戦相手は八神庵!
STAGE4 炎上する格闘家。次はギャグ回です!お楽しみに!
京が少し小説版に近づきます。傲岸不遜から傍若無人へ!変わらんてエエわ!

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最終更新:2012年07月19日 14:12
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