Quo Vadis

狐笛のかなた 著者:上橋菜穂子

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あらすじ 裏表紙より
小夜は12歳。人の声が聞こえる<聞き耳>の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の<あわい>に棲む霊狐・野火だった。隣り合う国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる……。ひたすらに、真直ぐに、呪いの彼方へと駆けていく、二つの魂の物語。

上橋菜穂子の作品である。
この間読んだ守り人のニ作品が面白かったので当然買い。
守り人とは全く関係の無い作品で、物語の舞台は擬似的な日本。
具体的な地名は指されていないものの、名前や雰囲気、地形や風習は全く日本のものだ。
↑のあらすじは正直的外れって感じが否めない。
あまりあらすじは当てにして買わない僕だけど、当てにして買った人は結構残念に思うかも。
話は小夜が12歳の頃の過去と、小夜が16歳になった現在と、大きく分けることが出来るが、前者はほとんど無かった。
加えて小夜と野火の愛の物語、という位置づけをしてるが、そんなにしつこく愛を語り合ったりする訳じゃない。
そういう意味では余りロマンチックな話ではない。
もちろん、この二人の関係は物語りの中心にあるけど……。
加えて最後のあっさりとした終わり方も賛否両論がありそうだ。
個人的にはもうちょっと二人を見せて……と思った。
と悪い部分ばっかりを書き出してみた。

これら全てをひっくり返して面白くしてるのはやはり世界設定だ。
これが、深い深すぎる。
逆に言えば、この設定が在るゆえに登場人物を掘り起こしてる暇が無かったとすら感じる。
ただ不可思議な現象をここまでしっくり書き出せるのはやはり凄いなぁ。
読んでて全く違和感を感じさせないトリップ感は流石。

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