Himmlisch Seele


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

強者が弱者を食う、それは当然の話だ。
力の無い者と言うのは、それだけで罪なのだから。
何を為すにしろ、その身に力が無ければ何も始まらない。
ただ、ただ、蹂躙されていくだけ。
それは、この世の当然の理。

決着は一瞬だった。
突如現れた獣人が、体に無数の穴を残して息絶え。
ほぼ同時に現れた鋼鉄の棺桶が、高速で自身へと詰め寄る。
剣を抜く間もなく、体全身に重々しい衝撃が走る。
ふわりと浮遊感を味わった頃には既に遅く、激痛が前進に走る。
自身の体が地面に着地する前に、棺桶はまるでドラゴンのような急速の方向転換を行う。
そのまま流れるように獣人の命を刈り取った、無数の鋼鉄の矢のようなものを放つ。
激痛に加わる激痛、的確に四肢が貫かれていく。
そして、無抵抗のままドサリと重い音と共に体が地面へ着地する。
初撃に比べればなんて事は無い攻撃なのだが、ボロボロの体には効果覿面の追い打ちだった。

腕の一本を動かそうとするだけで全身に走る激痛が身を蝕む。
足りない。
生き残る力が。
痛みを超える力が。
全てに対抗する力が。
彼女を守るだけの力が。
このちっぽけな体には、力という力が足りない。
「く……そ……」
また、あの時のように指を咥えて見る事しか出来ないのか。
そんな事は無い、そんな事はさせないと思って体を動かそうとする。
動かない。
痛みに耐えられない、肉体が動くことを拒否する、本能がさせてくれない。
行動しなければ力は手に入らないのに、体は動かない。
こんなところで寝ている場合じゃないのに、もっと力を手に入れて彼女を守らなきゃいけないのに。
動け、動け、動け動け動け動け動け。
「おい」
声がする。
唯一まともに動く顔を動かし、声のするほうを向く。
「力、欲しいか?」
そこに立っていたのは、悪魔だった。





殺す事は容易かった。
車体による一撃に加え、ノラバルカンを撃てばそれだけで終わりだ。
だというのに、レナはそれをせずにわざと狙いを外して男を生かした。
何故か?
レナの心に、ある一つの興味があったからだ。
ノラバルカンで獣人を打ち抜く前、獣人はある一言を残した。

「ベヘリット…………」

騒音に掻き消えてしまいそうな小さな声を、彼女は逃さず聞いていた。
そして、獣人がその一言を呟いたのはあの男を見たときだ。
考え込むまでも無く、男が首から提げていた赤いアクセサリがそれだと分かる。
一歩間違えればすぐに死ぬという状況で、何故あの獣人はそれを欲したのか?
力だ、生き残る力を手にしようとしたのだろう。
だが、獣人はそれを手にすることが出来なかった。
力を手にする代償と覚悟を、持っていなかったからだ。
空気と起こった出来事と情報から、そこまでを察していく。

ならば。

あのベヘリットというアクセサリは、己に力を与えるのではないか?

何らかの、代償と引き換えに。

そこまで辿り着いたレナを支配するのは、力への単純な興味だった。

「もち、ろん」
地に這い蹲りながらも、自分を睨みつける男が問いかけへと即座に反応する。
「そう」
返事を受け、にやりと笑う。
「力を求めるのは、何故?」
次の質問を、淡々と投げかけていく。
「愛、する人を、救う、ため」
答える男の目は、力に対する"欲"で満ちていた。
何時かの自分と重なる光景に、吐き気を覚えながらもレナは次の質問を投げかける。
「それを失っても力を欲し続ける覚悟がある?」
男が目を見開き、瞬時に黙る。
「力の為に、守りたい何かを手放す覚悟はある?」
力は欲しい、だがそれは愛しの彼女を救うための力。
力と彼女を天秤にかけたとき、天秤が傾くのは彼女の方だ。
彼女を手放してまで、手にする力など無意味に等しい。
「最後に立っているのが自分だと笑っていられる覚悟がある?」
だって、自分が欲しいのは彼女を守る力なのだ。
彼女の刃となり、彼女の盾となり、彼女と共に道を歩む力が欲しいのだ。
自分が生きているのは、彼女を愛し守り続けるためなのだから。



俺は、俺は、俺は、僕は、彼女と共に生きる力が欲しい。

だから、力より彼女が欲しい。

彼女が欲しい、愛したい、愛されたい、傍に居たい。

そのためには力が欲しい、でも彼女は失いたくない。

力は、彼女を守るためのもの。

この身で享受すべきなのは、彼女の愛なのだ。

そのために力を欲しているというのに、彼女が居なければ意味が無い。

彼女を失ってまで手に入れる人生と力に価値は無い。

無意味、無価値。

彼女という存在が無ければ、何もかも色と意味を失う。

自分には、彼女という存在があれば良い。

守るための力、守るための刃、守るための盾。

守るものが無ければ、何の意味もない。

自分の力も、肉体も、人生も。

ああ、フリアエフリアエフリアエフリアエフリアエフリア――――

「甘い」

ぱん

一発の軽い銃声が響いた。





力を欲する姿勢、それにレナは一つの興味を持った。
この男も、何時かの自分と同じなのではないかと。
ここで命を奪わず、生かしておくことでより強大な力を手にするのではないかと。
自分を上回る力、それに対しての単純な興味で男をまずは生かした。
あの日、わざと自分を生かすためにトドメを刺さなかったテッド・ブロイラーのように。
だが、返ってきた答えはそうではなかった。
力を欲していたのは、他人のためだった。
男は、自分が生きるためではなく他人の為に力を欲していたのだ。
自分が生き残るつもりが無い人間が、強大な力を手に出来るはずも無い。
今の自分を作り上げてきたのが、自分が生き残るという確固たる意思ただそれだけだったからだ。
自分の命を顧みない奴に、力は宿らない。
何を捨ててでも前を向く人間にのみ、生き残る力という物は宿る。
何かを守るなんて考えは、甘えだ。

淡々と、淡々と彼女は"作業"をする。
獣人と男の道具を剥ぎ取り、刀を用いて手馴れた手つきで心臓を抉り出す。
返り血も、肉が裂ける嫌な音も、彼女の人生を止めるには弱すぎる。
そんなことで立ち止まっているのならば、彼女は既に死んでいるのだから。
立ち止まらない、失うものも、後悔するものも、何も無い。
生き延びるための力を手にするためなら、なんだってする。
だって、自分が生きなければ意味が無いから。
他人に構っている暇など、一秒だってあるはずも無い。
だから、彼女は前を向き、一つの物を取り出す。
それは、獣人が最後に縋った存在。
弱者たる男が付けていた、アクセサリを手に取る。
本当に、こんなちっぽけなアクセサリが力を与えるというのだろうか?

「力を、寄越せ」

力の為に、彼女は呟いた。



誰もいなかったはずの場所、そこに現れる存在。
人と呼ぶべきか、霊と呼ぶべきか、なんと呼ぶべきか。
自分にはわからないが、そんなことはどうでもいい。
"それ"は、現れた。

声が聞こえているような、聞こえていないような。
そもそもそこにそれがいるのかどうか、分からない。
そんなあやふやな意識の中で、彼女は考える。
獣人は、力を得れなかった。
何故か? 代償が無かったからだ。
男は、力を得れなかった。
何故か? 代償たる者がそこにいなかったからだ。
では、自分はどうか。
捧げるものなど、何もない。
金も、友も、時間も、何もかも。
生きるために、生きるための力を手にするために差し出し、失っててきた。
この手には、全てを失いながら手にした力しかない。
力を捧げて力を手にしても、何も代わりはしない。
もう、力を得るために捧げるモノなんて、自分には何もない――――





いや、ある。



一つだけ、ある。



生きる為に死ぬ。

死ぬ為に生きる。

自分が生きる為、生き延びる力を手に入れる為なら。

彼女は、何も躊躇わない。

生き延びる力さえあれば、自分が生きるための力が手にはいるならば。

自分を縛り付ける命も、肉体も、いらない。

それを手放すことで生き延びることが出来るのならば。

より強力な力を持って、生きることが出来るのならば。

喜んで、差しだそう。



そして、彼女は。

笑顔と、共に。

銃を素早く、こめかみに当て。

躊躇い無く、引き金を引いた。



【イウヴァルト@ドラッグオンドラグーン 死亡】
【レナ@メタルマックス2:リローデッド 死亡】





【レナ@メタルマックス2:リローデッド 死】



【レナ@メタルマックス2 死】



【レナ 死】



【レナ】



終わらない。

むくりと、一人の人間が起きあがる。

いや、人間ではない。

力を手にし、生きる者が起きあがる。

「ふふ、ふふはは」

生きるにふさわしい力。

それを手にするために、彼女は"自分"を失った。

別にかまわない、人間であることを失っても。

別にかまわない、生きられるのだから。

別にかまわない、力が手にはいるのだから。

大事なのは、力を手に生きることだから。

生きて力を手に出来るのならば、自分だって捧げてみせる。

「あははははははははは!!!!」

レナという一人の少女は死んだ。

ここにいるのは、力を手にただ生き続ける。

"存在"

【B-6/森林地帯/早朝】
【"  "@俺ODIOロワ】
【状態】使徒化
【装備】三菱GTO(後述状態表に詳細)@現実+改造、黄金銃@真・女神転生
     銀の銃弾@真・女神転生、ムラマサ@LIVE A LIVE、星降る腕輪@DQ5、アームターミナル(中身:空)
【道具】基本支給品×4、やくそう*5@ドラゴンクエスト5、ドクンドクン細胞@MM2R、覇王の剣@真・女神転生Ⅰ
     ワイアルドの心臓、イウヴァルトの心臓
【思考】基本:力で生き残る。
     1:デスクルスへ
【備考】女ハンター、サブジョブとしてレスラーをマスターしています。他のサブジョブは不明。
    一番大切なもの"自分"を捧げて使徒になりました。その他詳細は不明です。

【三菱GTO@現実+改造】
【状態】装甲初期状態
【装備】穴1:ノラバルカン
     穴2~5:未改造
     エンジン:ルドルフ
     Cユニット:ATストライク
【道具】なし
【備考】特殊弾は搭載できません。装備は全てMM2Rのものです。シャシー重量はスーパーカーと同等だと思っていただいて結構です。

049:やってしまいましたなあ 投下順 051:背徳螺旋
049:やってしまいましたなあ 時系列順 051:背徳螺旋
035:狩人 レナ 消失
再誕 "  " [[]]
035:狩人 イウヴァルト GAME OVER
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。