馬鹿正直な願い


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 「お願いします! 私の話を聞いてください!」

 1人の女性の声が店内に響き渡り、その場にいた3人は一斉に彼女の方へと振り向いた。

 時刻は00:40.場所は無駄に食料等が豊富に存在しているスーパーKONAMI。そこで4人のデュエリストが偶然出会ってしまった。しかもここでの出会った人がそれぞれがルールを確認してから初めて。

 だからルール通りに従うならば、ここにいるデュエリストと最低一回は闘わなければならない、だ。

 必要なエントリーカードは2枚なのだから。
 2人は勝ち残り、2人は脱落する。そう考えるのは正しい。






 ……そんなのおかしい。



 きっと、全員が助かる方法がある。






 「お願いします! 私の話を聞いてください!」

 彼女の名前は東野 りさ。元の世界では滝山 遊介、遊大といった仲間たちと共に戦っていた。とても優しい性格の持ち主で、彼女の言葉がこれまで仲間を支えてきたこともあった。

 そんな彼女は同じくこの場にいた3人のデュエリストに向かって自分が考えた末に思いついた、このルールの“抜け道”を全員に伝えようとしていた。

 「このルールには…………全員が助かる方法、“抜け道”があります」

 「本当に?」

 彼女の言葉に反応したのは、この4人の中で唯一の男性である後藤 遊吉だった。少しバカっぽい部分もあるが、とても心の優しい男であり、また彼がこれまでに使用してきたカードたちは彼に心を寄せている。それほど信頼できる男なのだろう。


 「それって本当? できたら俺も協力させてほしいな!」
 「ありがとうございます!」



 「んで、それを説明してくれないか? あたしもあんたの言う“抜け道”とやらには興味が湧いてんだからよ」

 りさと遊吉の話に割って入ったのはこの4人の中で唯一の外国人。長身でかならのスレンダー。金髪眼鏡っ子の女もりさの言う“抜け道”とやらに興味があるようだった。



 Austin Angelica……通称、アンジー。
 うん、また自分の小説のキャラなんだけどね、本当にごめんなさい(汗

 海外で名を轟かせる彼女はいつも、デュエリストと出会ったら即決闘! それが彼女のモットーであった。それだけ彼女は自身の腕に自信があったし、勝ち負けは気にせず、決闘が大好きだった。
 しかし今回ばかりはあのルールがある。負けたらデッキとエントリーカードを渡さなければならない。もし負けたら今後この世界で生き残れるかが危ういだろう。だから容易に決闘をすることはなかった。

 そして負けられない理由がもう1つ。

 「あたしはこの世界に一緒に来た彼氏を探してんだ。だからあんたの話とやらを聞いてやろうじゃねーかー」

 彼氏というのは、十河 蓮のことです(笑

 「ありがとうございます! 私、東野 りさっていいます」
 「りさっていうんだ。俺は後藤 遊吉、よろしくね!」
 「あたしはAustin Angelica、気軽にアンジーっていってくれよな☆」


 「遊吉さんに、アンジーさん、よろしくお願いします!……あなたも、私の話聞いてくれませんか?」

 りさが声をかけたのは未だに口を堅く閉ざしている女性。少し赤みがあった茶色の髪を肩甲骨あたりまで伸ばしている女性はここまでのことを冷静に頭の中で思い出してる真っ最中であった。

 彼女の名は菜崎 莉江という。中学時代はオカルト研究部に所属していた彼女は、友達一緒にこのゲームに参加していた。
 その友達の高槻 遊善はどこにいるのかわからない、また彼女と行動を共にしている精霊≪宝玉獣 ルビー・カーバンクル≫はデッキと共に移動したしまったため彼女は完全に1人になっていたところであった。

 「貴方が考えている“抜け道”というのは、ペアを作り一か所に2枚を集めておく……4人なのだからちょうど2組作れて全員が無事に生き残れる、って考えでしょ?」

 また、彼女はとても頭がよかった。1人で彷徨っていた40分間はただ歩いていただけではない。このルールを何度も読み返し、莉江もりさと同じ答えにたどり着いていたのであった。

 「ッ……そうです! 私が考えていたことと同じです!」
 「なるほど~、それは思いつかなかったな。たしかにそれなら――」
 「全員が無事に――」







 「無理ね」



 ――え?



 「どういうことですか?」

 莉江の言葉を聞いて、3人は首を傾げる。考え方間違っているのか、りさには分らなかった。

 「たしかにこの考えは正しいし、時間内に逃げ切れれば全員が生き残れるわ」
 「だったら、どうして――」



 「……そうか」

 そこまでりさが言ったところで、遊吉は何かに気づいたように呟く。

 「逃げ切れればいいけど、6時間も他の誰かに見つからずに逃げきるなんて難しいんだ」

 しかもこの大人数だ。図書館で同じ“抜け道を”思いついた十河 蓮と双葉 海道の場合は2人で、しかもかなりの広さを持っている図書館でならば逃げきることができたかもしれないが、4人でそれを行うとなるとかなり危険なのだ。

 誰かに見つかり、もし決闘を申し込まれてしまったら……そのときには闘わなければいけない。全員で脱出なんて考えは不可能に近い。

 「だから、もしチームを組んだとしたら誰かは決闘するかもしれないわよ?」
 「それは……」

 莉江の考えを知ったりさは何も言い返せなくなる。
 やはり、私たち全員が脱出するなんて不可能なのか。

 ――でも、

 「そのときは私が、その人を説得します」
 「何言ってんだよ、もし話が通じない人だったらどうするんだよ?」

 遊吉が止めようとしても、りさは諦めなかった。きっと何とかなる。話せば分かってくれる、そんな馬鹿正直な部分が彼女にはある。だから、りさは真っ先にチームを組むことを考えたのであった。

 「……」
 「で、あんたはどうすんだ? あたしはりさに協力してるやるぜ!」
 「俺もアンジーと同じ考えだよ。りさに協力するよ」

 ここでりさに笑顔が戻ってくる。
 あとは、莉江ただ1人なのだが――







 「…………分かったわよ。いいわ、私も貴方に協力する」






 出会った当初から全員脱出をするためだけを考えていたりさの言葉が、ついに人の心を動かした瞬間であった。

 今ここに4人がチームを組む。
 時間内にこの4人が全員揃って、まずは6時間生き残ることを目標にするわけなのだが、はたして上手くいくのだろうか。

 莉江の言葉と同時に、時計の針は1:00を回った。


 {e-2、1:00}
 【東野 りさ@LIRE遊戯王】
 [参戦時間軸]不明
 [状態]ちょっとした疲れ、安堵
 [デッキ]BA(遊戯王Xs)
 [思考・状況]
 1・何とか4人でチームを組めた
 2・全員で脱出したい
 3・誰か、知ってる人いないかな?


 {e-2、1:00}
 【後藤 遊吉@遊戯王~カード達に祝福を~】
 [参戦時間軸]不明
 [状態]健康
 [デッキ]カエル(Gray foolishness)
 [思考・状況]
 1・りさ達と一緒にいる
 2・自分のデッキがどこにあるか気になる
 3・全員で脱出したい


 {e-2、1:00}
 【菜崎 莉江@遊戯王―Night School―】
 [参戦時間軸]本編開始前
 [状態]健康
 [デッキ]コズミック(遊戯王―Duel garden)
 [思考・状況]
 1・とりあえずりさ達と一緒にいる
 2・自分のデッキがどこにあるのか気になる
 3・6時間、生き残れるか心配


 {e-2、1:00}
 【Austin Angelica@遊戯王championsipにっ!】
 [参戦時間軸]SHADOW最終決戦前日
 [状態]健康
 [デッキ]ヴォルカニック+フレムベル(遊戯王PERSONA)
 [思考・状況]
 1・りさ達と一緒にいる
 2・彼氏(十河 蓮)を探したい
 3・全員で脱出したい