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#1 勇者王再臨!(後編)



電磁嵐を吹き飛ばし、名乗りを上げたネオガイゴーは、敵のアスタコロボにも引けを取らない巨体だ。
これなら確実に敵性体にも対抗できる。
しかし、二体の巨人がぶつかり合うためには、もう一段の作戦行動が必要だった。
「あやめさん!ディバイディングドライバーを!」
メインオーダールームに、ハイパーツールの要請が届く。
その要請は、そのままオービットベースへと素早く転送された。
バイオネットとのフランスでの戦闘で予備まで残らず大破したディバイディングドライバーは、どれも破損が激しいため、オービットベースでの修復を余儀なくされていた。急ピッチでの作業ではあったが、なんとか補修は済んでいる。今はクニヌシから直接射出してもらうしか手はない。すでに先刻から連絡は済まされ、オービットベースではそのための準備が整えられているはずだった。
しかし!
「大河長官!緊急事態です!先程の衝突で、1号ミラーカタパルトの射出機構に故障が発生!キットナンバー03-A射出、不可能です!」
牛山隊員の切羽詰った声がメインオーダールームを緊張させる。
「なんだと!?2号カタパルトはどうだ!?」
「無事です!しかし、連絡通路が非常対応で封鎖されています!障壁のロックを解除して2号機にドライバーをドッキング状態で持ち込み、射出工程を整えるまで、最低でも17分は必要です!」
「くっ…それではとても間に合わん!」
ネオガイゴーがアスタコロボと対峙しているのは、Gアイランドシティの港湾地区市街地の真っ只中だ。30mを超えるロボ2体がぶつかり合えば、周辺に与える被害は甚大過ぎる。海戦に持ち込めればその場での被害は抑えられるかもしれないが、どのみち大津波を巻き起こして街はおしまいだ。
「くそっ!何か手はねえのか!」
火麻参謀が拳を固く握り締める。ここが現場なら通信機の一つや二つお釈迦になっていたところだ。
猿頭寺チーフが困ったように頭をかく。言うべきか否か何度か口をもぐもぐさせた後、IQ300を誇る稀代の天才が口を開いた。
「2号機側で整備中の、キットナンバー10を使えば、あるいは…」
全員が猿頭寺を凝視する。
「あれはまだ、テストもろくに済んでません!実戦投入は不可能ですよ!」
「失敗すれば、街は壊滅だぜ!」
「ですよなァ…」
しかし、他に手もない。猿頭寺はボソボソと頭をかくだけだった。
「…だが、このまま何もしなくても壊滅だ!」
大河長官の凛々しい眉が決意の形に吊り上がる。
「正気か、幸ちゃん!」
「あぁ、かつてなく正気だ!他に手立てがないとなれば、無謀な手に賭ける恐怖を克服することも、また我々の仕事だ!」
「成功率、高くて30%程度との試算ですが…」
「確率なんてのはただの目安だ!足りない分は…勇気で補えばいい!」
大河の声がメインオーダールームに朗々と響きわたる!
「キットナンバー10、射出ッ!!!」

その叫びはディビジョンⅩ、クニヌシのオペレーティングルームへと伝えられる。
「キットナンバー10、射出…イミッショーーーン!!」
地上では久しく見られない豪快なパンチングでプログラムが作動し、唯一の希望である新世代ツールが今、2号カタパルトから地上へ射出されていく。
それを見送りながら、オペレーターはラビットヘアーを揺らし、もう一つの大仕事に取り掛かる。
「待機中の機動部隊、応答願います!」
「全部聞こえてるよ、命!」
「わかってるわね?」
「市街地の保護だな」
「頼むわ、凱!」
「任せておけって!」
通信機越しの会話の端々に、互いへの信頼が溢れる。また同時に彼らは、地上で戦う護のことも心から信頼していた。
会話には自然と穏やかな笑みがこぼれる。
護ならきっと、やってくれる。必ずこの危険な賭けを成功させてくれる。
なぜ?なぜなら、彼もまた、勇者だから!

剥離したミラー粒子の輝く尾を引きながら、GGGの希望を一身に背負ったハイパーツールがその姿を表す。
ネオガイゴーはその彗星めがけて勢い良く飛び立った。
「うおおおお!」
ディバイディングドライバーと同じように、ツールはネオガイゴーの左腕にがっちり固定される。
その長大な新世代ツールを、ネオガイゴーは高々と振りかざし、声高に呼ばわった。
「ディバイディング…サークラーーーッ!!!」
ネオガイゴーの左手から天を衝くそれは、その形は、まるで巨大なコンパスだ!
根元の目盛りに沿って、長い2本の脚が開かれていく!
脚の開きが調節されると、根元の継ぎ目が蒸気を吹き出しながら一段浮き上がり、回転を始める。
するとどうしたことか?
ディバイディングサークラーの両足が、何もない空間に突き刺さり、回転に沿って空を切り取っていくのだ!
「サークル…」
長い脚を振り回すために、ネオガイゴーにかかる負担は大きい。左腕がねじ切れそうな負荷に耐えながら、護の掛け声が空を裂く!
「ディバイド!!!」
ズバッ!
ディバイディングサークラーがとうとう一回転し、巨大な円を描いた後の空には、ぽっかりと穴が開いていた。
果たしてこれは成功なのか?成功だとすれば、これが市街地の保護とどう関係があるのか?
ツールの実戦運用を初めて目の当たりにしたGGG隊員も、思わず固唾を呑んで空の穴を見つめる。
その時―…
「護!それでこそ、勇者だ!!」
その声!
かつて地球を外宇宙の脅威から救った、懐かしい勇者の声!
世界中の心臓に勇気とは何かを教え、世界中の琴線を震わせたあの、獅子の咆哮が、今!
「ボルティングドライバアアァーッ!!!」
空のトンネルをくぐり抜け、再び地上に降り立った!!

ディバイディングサークラー!
かつて何度もGGGの窮地を救ったディバイディングドライバーと扱いが似るためこう名付けられたが、その原理と用途は全く異なる。
ディバイディングドライバーが利用するのは、ガオガイガーの左腕の持つ空間湾曲能力だ。
だがこのディバイディングサークラーには、GGGの同志、赤の星のオーバーテクノロジー、ES技術が応用されている。
このツールの2本の脚が回転するとき、その描く円の内部には、地球で言うところのワームホールであるESウィンドウが展開される。
地球の技術ではとうてい制御不可能なそれを、レプリションフィールドとアレスティングフィールドの拮抗をもって円形に保つことで、短時間ではあるが、二つの離れた場所を自在につなぐ、異次元のトンネルを切り開くことが出来るのである!
これぞまさに、緑と赤の技術の融合から産まれた、新世代のハイパーツールなのだ。

勇者の咆哮と共に、大地に突き立てられた輝くプロテクトボルトから、空間湾曲のエネルギーが注ぎ込まれる!
建物の密集した市街地だったはずの地面は、20kmに及ぶ長い亀裂を中心に裂け、円形に広がるディバイディングフィールドを形成した。
否応なく戦闘フィールドに突き落とされたアスタコロボが、護たちに向き直って牙をむく。
しかし周りは何もない広大な平地だ。ここでどんなに暴れようが、市街地を傷つける恐れはない。これで機動部隊も存分にその力を発揮できる。
ネオガイゴーはDCモードを解除され、役目を終えたハイパーツールを取り外す。
一方、ディバイディングサークルを通って、宇宙から瞬時に地上に来迎した勇者は、ボルティングドライバーをガジェットフェザーの尾部に格納した。
「よくやったな護!あとはこいつを片付けるだけだ!」
護に振り向きもせず、しかし暖かい賛辞を送るのは、歴戦の勇者―獅子王凱!
そして彼の操るのは、緑の星の大いなる遺産―ジェネシック・ガオガイガー!
輝く真っ赤なたてがみ、鋭い金の爪、牙をむき出した胸の獅子、黒々と広がる翼、鋭い尾。しかしその凶々しい風貌とは裏腹に、その凛々しい佇まいは正義と友愛に満ち溢れ、さながら守護神の風格だ。額に輝く暖かな緑の光は、勇者の証、生命の宝石Gストーン!
「凱兄ちゃん!」
護のその短い呼びかけに、万感の思いが込められる。
もう怖いものなどない。
緑の星の最終兵器と、青の星の叡智の結晶が、凶悪な敵ロボットを睨みつける。
ディバイディングフィールドを踏みしめ、今ここに、両雄が並び立った!

先に動いたのはアスタコロボだ!
相手が増えたと見るや、片腕の大バサミをメキメキと変形させて熱線砲を作り出したアスタコロボは、高出力のレーザービームを放ちながら腕を大きく横に薙ぐ。
熱線を浴びた地面がひとたまりもなく溶け出すが、二人は動じない。前に立った凱は、ジェネシックの左腕を突き出し、装甲を展開させる!
「プロテクトシェードッ!」
ジェネシックとネオガイゴーの2つの巨体を覆って余りある強力なバリアが熱線を遮り、受け止める。湾曲された空間で行き場を失ったエネルギーは、五芒星を描いてアスタコロボへと跳ね返る!
中枢部を見事に避けて敵の五体に命中したレーザーエネルギーは、アスタコロボの金属の体をみるみる溶解させる。しかし、悲鳴とも機械音ともつかない叫びを上げたアスタコロボは、体を再び変形させて、すぐにそのダメージを修復してしまった!
「本当にゾンダーみたいなやつだな!」
護が感じたのと同じように、凱にも苦い記憶が蘇り、その表情が険しくなる。
重厚なキャタピラで地面を這いずる見た目に反して、相手の動きは素早い!キュラキュラと独特の音を立てつつもディバイディングフィールドを縦横に爆走し、隙あらば二人に対して強烈な攻撃を繰り出してくる。
ハサミを大鎚に変形させて打ち下ろしてきた攻撃をかわしきれず、ジェネシックは両腕を交差させてガードに出る!金の爪を備える両足が、地面にめり込んで大きな爪痕を付けた。
「とにかく動きを止めるぞ!護!」
「わかった!」
ジェネシックが敵の両腕を掴み、力比べの体勢に持ち込んだ。しかし相手は変幻自在のロボットだ。すぐに新たに腕を生やし、別の武装を用意するだろう。両手のふさがったジェネシックはなすすべもない。
そのリクスを冒しての凱の捨て身の作戦だ!護は大きく飛び退り、アスタコロボから距離を取って、会心の一撃を与えるべく身構える。
光学攻撃がダメなら物理攻撃だ。だが、敵が変形するたびにせわしなく情報を更新していく二人のスコープには、ゾンダーバリアのような見えない障壁の発生が示される。こんなところまでゾンダーと同じとは!
「だったら…!ファントムリング!」
ネオガイゴーの翼のブースターポッドが空を飛ぶことなく高速稼働し、発生した余剰エネルギーが黄金の輪を作り出す!ガオファイガーのファントムリング生成機能を応用して標準搭載した、ステルスガオーⅣの新装備だ。振り上げた右腕が輝くリングをまとう!
「ブロウクンファントームッ!!」
爆音と共に、ネオガイゴーの右腕から、必殺の威力を持つ拳が放たれた!拳は敵のバリアにぶつかって一度は前進を止めるが、豪速で回転する拳とリングは徐々にめり込み、ついにバリアを破壊して敵の頭部をえぐり、打ち砕く!
「いいぞ、護!」
推進装置から煙の軌跡を描いて帰ってきたブロウクンマグナムを右腕に再装着した護に、敵の大バサミを離した凱が賞賛を投げかける。
フランスではバイオネットの機動ロボに戦力を分断され、凱が護と肩を並べることはついになかった。
凱が宇宙に常駐するようになってかなり経つ。護がGGG戦力として一般投入されるようになってから、会うのはひょっとすると初めてだったかもしれない。こうして、スーパーメカノイドを操って共に戦う日が来ようとは、初めて会った時は想像もしなかった。
当時の護は、遠足に来ていてハプニングに巻き込まれただけの、いたいけな9歳の小学生だったのだから。
それが今では、地上部隊を率いる副隊長だ。本当に、頼もしくなった。

頭を破壊されたアスタコロボは、さすがに修復に手間取り、二人の姿を見いだせずにいる。
「護!民間人は中枢部だったな!」
「うん、凱兄ちゃん!生体反応は移動してないよ!」
「ならば!」
「ゴルディーマーグ!!」
護の号令がベイタワー基地から、無敵の必殺ツールを携えた黄金の勇者を召喚する!
一方メインオーダールームでは、号令を聞いたオペレーター全員が一斉に八木沼長官を振り返った。
「…ふむ」
「長官っ!!」
「…彼らがそう言うなら。…えぇと…」
長官が懐からゆっくりと承認キィを取り出す。鍵にハァと息を吹きかけ、鍵穴に差し込むまでのこの時間が、隊員一同、作戦行動のどの状況よりも胃に悪い。
「ゴルディオンハンマー…発動…承認、と」
カチリ。
ロック解除の音を合図に、オペレーターたちは陸上でクラウチングスタートを切ったかのごとく一斉に動き出す。
整備部ではゴルディーマーグの出撃準備を整え、研究部はドッキングのための補助オペレーティングを開始する。
そして締めくくりは、全てを解き放つ未来の声だ。
「ゴルディオンハンマー、セーフティディバイス…リリーブ!!」
赤く腫れ上がった右手は、カードキィをリーダーに通すのに一瞬手間取ったが、みんな気づかないフリをした。

「まさか災害救助で俺様の出番があるとはな!大事に使えよ、副隊長様よ!」
海底から切り離されて浮上展開したエリアⅡ・ヤサカニから射出されたオレンジの巨体が、勇者の召喚で現場に飛び込んだ!
「ハンマァー…コネクトッ!!」
ゴルディーマーグがマーグハンド形態に移行し、ネオガイゴーとドッキングする!
黄金のハンマーをガッチリ掴んだネオガイゴーのGSライドがフル稼働し、ハンマーの発するエネルギーと合わさって、機体の全身を黄金色に染め上げる!
「ゴルディオン…ハンマー!!!」
護が最終兵器の装備を完了した頃、アスタコロボの頭部も同じく修復を完了し、敵が距離を取りながら黄金のネオガイゴーへ反撃を試みる!
「させるかッ!」
立ちはだかるのはジェネシックだ!左腕の空間湾曲エネルギーを反転!
「プラズマホールドッ!」
ジェネシックの左腕から放たれたエネルギーが、網のようにアスタコロボを絡め取る!
しかしあろうことか、もがく敵の動きを完全に止めることが出来ない。
「なんだと!?」
ジェネシックのエネルギーをもってしても動きが止まらないとは、凱も護も想像しなかった。ゾンダーロボどころの騒ぎではない。スコープに表示される敵のエネルギー出力は上昇の一途を示している。地上と宇宙の二つのメインオーダールームに戦慄が走る。
「なんてやつだ…!」
「凱!護!!」
プラズマホールドが完全に振りほどかれた!
アスタコロボが物々しい両腕を大きく振り上げる。
しかし、二人の勇者は臆することはなかった。
「こんなに歯ごたえのあるやつは久しぶりだぜ!」
「頼んだよ、凱兄ちゃん!」
黄金色の勇者が、正義の鉄鎚を振り下ろすべく、空へと舞い上がる!
くろがねの勇者は地上で敵を迎え撃つ!
「かかってこい!」
大上段に凶器を振りかざしたアスタコロボを、ジェネシックは真正面に見据える。
その腰部から緑の竜巻が吹き荒れた!
「EMトルネード!!」
ヘル・アンド・ヘヴン使用時に相手を閉じ込める、荒れ狂う電磁竜巻だ!
さすがのアスタコロボも、逆巻く緑のトンネルに封じ込められて身動きが取れない。
「護!今だ!!」
「無茶苦茶だよ、凱兄ちゃん!」
EMトルネードといえば、ファイナルフュージョンの時にガオガイガーを守護する大竜巻でもある。何の予告もなくそんな凶悪なものを強行突破させられることになり、護が上空から抗議の声を上げる。しかしその表情に迷いはない!
二人の勇者のカメラアイがかち合う。搭乗者の目こそ見えないが、そこには互いを信じる勇気の心だけがあった。
急降下した黄金のネオガイゴーの輝くハンマーが、竜巻を吹き飛ばし、ネオガイゴーをトンネル内部へと導く!
そしてそのまま、アスタコロボの眼前へ勇者は肉迫した!
GGGの勝利の鍵の座を譲らない、最終フェーズが開始される!
「ハンマー…ヘル!」
マーグハンドから抜き取られたネイルが、重たいハンマーで敵中枢部に打ち込まれる!
「ハンマー…ヘヴンッ!」
同じくマーグハンドから展開した釘抜きが、打ち込まれたネイルを引き抜き、市民の閉じ込められた中枢部の球体を引きずり出す!!
大きな球体はネオガイゴーの右手のひらに収まり、アスタコロボから生体反応が消えた。
一撃必殺の鉄鎚が振り下ろされる!!!
「光になれええぇっ!!!!!」
ズガーンッ!!
GGGの最強ツール・ゴルディオンハンマーの直撃を受け、強力な重力波を浴びせられたアスタコロボは、護の叫びの通りに、一撃の下にその体を崩壊させた。光の粒へと変えられたその金属の体が、キラキラと宙を舞って消えていく。
役目を終えたゴルディオンハンマーは徐々に出力を下げ、ネオガイゴーの機体の色も黒く還っていった。
Gアイランドシティを脅かす謎の脅威は文字通りに消え去った。
ディバイディングフィールドには、戦いを終えた二人の勇者が佇むばかりであった。

「大きくなったな、護!」
「久しぶりだね、凱兄ちゃん!」
オービットベースのメインオーダールーム。
謎の敵性体の飛来を受けて、休暇中の職員も含め、全てのGGG部隊が緊急招集された。
衝突の被害の補修に追われているクニヌシに代わり、ディビジョンXI・オグナの脱出艇であるクサナギでいち早く宇宙に連れて来られた護は、カメラ越しでない凱と久しぶりの再会を喜んでいた。
初めて出会った時から10年、最後に会った時からもう3年になるだろうか。
凱はもう30歳だ。初対面の頃は毎回ムキになって否定していた『おじさん』という不名誉な呼称も、もうそう遠くない。しかし、その顔も体も、まだまだエネルギーに満ち溢れ、今日の戦いぶりも青年期となんら変わりはなかった。
護はぐっと背が伸びて、青年らしくずいぶんと精悍な顔つきをするようになった。さすがに伸び盛りだ。背はもう命も抜いた。しかし、凱から見ればそこかしこの仕草はまだまだ子供で、やっぱり護は護だ。
「今日は見事だったぜ!」
「凱兄ちゃんこそ!」
「本当に、ずいぶん背が伸びたのね、護くん!」
「命姉ちゃん!」
「おう、護がもう到着したんだって!?」
「わっはー、参謀さん!」
クニヌシから招集された命と共に、火麻参謀が大声で笑いながら入室する。他の隊員たちも次々に集まり、久しぶりに宇宙に来る護をこぞって歓迎し、一様にその伸びっぷりに面食らった。3年ぶりどころじゃない。初対面の印象というのはいつまで経っても強烈で、皆にとって護といえばやっぱりあの9歳の少年なのだ。さすがにそれを言うと、子供扱いするなと怒られるけれど。
大河長官はその微笑ましい再会の様子を、うんうんと頷きながら眺めていたが、ふと険しい顔で眉根を寄せる。
あの敵性体は結局なんだったのか?
オービットベースに直撃した飛来物はなんだったのか?
どうやって至近に現れたのか?そして、地球中に散らばった飛来物はどうなるのか…?
謎だらけだ。大河長官の眉間のシワが深くなる。

今地球は、新たなる敵の出現を目の当たりにしようとしていた。


一旦完成。あちこちちょこちょこ修正中。
こういう形式で続くかどうかは不明。