須賀京太郎という名のプロ雀士が出た時、周囲は誰も期待はしていなかった。
実際、華もなければ負けることも多く『いつ引退するのか』などと賭け事に使われることすらあった。
しかし彼は何度叩きのめされようと挫けず、ぎりぎりのところまで追い詰められようが挑み続けた。
その姿は泥臭く、ついたあだ名は『不屈』。
どこまでも勝利を諦めないその姿勢にファンが出始めたのもこの頃だった。
強さで言えば彼よりも強い人間などいくらでもいる。才ある者には滑稽に見えた。
だが、凡人には――それも麻雀を始めようと志す人間には誰よりも眩しく見えた、
そして男女混合プロオープン、予選の最後の最後で宿命の相手を抜き去り四位に滑り込んだことでついに決勝に駒を進めた。
淡「なーんで才能ない奴がここにいんの?」
心の底から不思議に思っている天才、予選2位・大星淡
照「そっか、ここまで来たんだ」
いつくしむように微笑む無敗の王者、予選1位・宮永照
良子「そのハートはグッドです」
申し込み規定最年長、予選3位・戒能良子
京太郎「お待たせしました」
猛る熱意と執念を胸に笑う唯一勝ち抜けた男子、予選4位・須賀京太郎
そしてその姿をモニター越しに見つめる女性が一人、そこには悔しさとそれを超える誇らしさが入り混じった笑顔を浮かべ
咲「私に勝ったんだから、頑張れっ、京ちゃん」
予選最後で追い抜かれた旧来の友人へと思いを託して見守る。
京太郎「さあ麻雀を、楽しみましょう」
この時こそが、彼の伝説の始まり
『京ちゃんの躍進と何気に京咲』、カン
最終更新:2018年05月02日 20:49