須賀京太郎は自分が何故麻雀部に居続けてるのか、その価値はあるのかについて悩んでいた
だから、聞いた相手の返事が悪ければ距離を取ろうと、そんな諦観ににも似た心境で最も近い人間に聞くことにした
京太郎「咲お前さ、俺のことどう思ってる?」
咲「どうしたのいきなり? うーん、強いて言えば空気?」
だからその解答に寂しさと同時に解放されたような、そしてそれを表に出さないために軽口をたたいた
京太郎「なんじゃそりゃ? いてもいなくても同じってか」
それに対して、宮永咲はきょとんとした顔で
咲「なに言ってるの? 空気がなかったら死んじゃうじゃない。いなかったら生きていけないってこと」
その予想もしない返答を理解するのには一拍かかって、理解すると同時に顔が熱くなっていくのが分かる
咲「だからこれからも一緒にいてね、京ちゃん」
文学少女に浮かぶ『してやったり』とでもいうような笑みを見て、京太郎は悟る
京太郎(全く、これだからいつまでも見捨てられないんだよなぁ。こういう時に限って言いやがって)
先程まで抱いていたのとは全く毛色の違う諦めと呆れを苦笑に込めて、胸を打たれた事実を誤魔化そうと試みる
京太郎「んじゃまあ、お世話料としてレディースランチでも貰いますか」
咲「えー、またー?」
そうしていつものように二人は食堂で昼食をとるのだった。
カン
最終更新:2018年05月02日 16:48