団体戦決勝の終わり、大きくブザーが鳴る
恒子『優勝を飾ったのは、ダークホースの初出場校、清澄だー!』
アナウンサーの大声が会場に響き、そこに遅れて猛ダッシュで近づいてきた男が少女の体を持ち上げてくるくると回る。
京太郎「咲、お前すげーぞ! よくやったなっ」
咲「あわわ、京ちゃん下ろしてよー。怖い怖い、目が回るから~」
穏乃「うそ……」
淡「マジで?」
ネリー「あーあ」
恒子『しかも、なんという事だー!? すこやんが打ち立てた優勝=彼氏が一生できないという呪いを砕く行い!』
健夜『そんな呪いないよ!? あと一生できないって決めつけないでよ!』
咲「か、彼女違いますっ! ただのクラスメートですっ」
あまりの周囲の盛り上がりに、宮永咲は条件反射のように強く否定して
淡「え、そーなの? ねえねえ、金髪同士仲良くしよーよ」
穏乃「あ、あの、私もっ! 高鴨穏乃っていいます、和の友達ですっ」
ネリー「んー。なんだかお金の匂いがする……とりあえず連絡先教えて」
京太郎「お、おう?」
周囲を包囲するようににじり寄った少女たちに、ただ一人の男子高校生は困惑気味。
咲「ちょ、なんで京ちゃんに近づくの!?」
淡「彼氏じゃないっていったじゃん」
穏乃「フリーなら、その仲良くなりたいかなって」
ネリー「なんかこー、付き合うと得な気がするんだよね」
咲「か、彼氏じゃないけど、京ちゃんはダメ! ほら、早く控室に戻ろう!」
京太郎「ん? そんな急がなくても、交流深めちゃダメなのか? 合宿とかやりやすくなるだろ」
咲「いいの!」
普段のポンコツさを発揮して、手を握って走る文学少女の進路方向は控室と全く異なる方向へ。
そしてその後を追う決勝卓の少女三人。このあんまりにもな展開に
恒子『おおっと! 麻雀最強校が決まったと思ったら今度は女の争いが勃発だ! 一体誰に彼氏ができるのか!?』
健夜『これ包装にのせちゃダメな奴だよっ。 カメラさん、カメラさーん!』
響く盛り上がった声を聞きながら、男子高校生の走りについていけなかった清澄女性陣は、決勝卓の扉の前で立ち尽くしたのだった。
和「SOA(そんな終わり方ありえません)!」
カン
最終更新:2018年05月02日 16:38