京太郎「なー咲ー」
咲「なーにー？」
京太郎「俺さぁ、今までお前のことポンコツだと思ってたんだけどさぁ」
咲「京ちゃんっていきなりひどいよね」
京太郎「今更だろ？」
咲「今更だけど」
京太郎「それでさぁ、お前は俺がいないと駄目だなってずっと思ってたんだよ」
咲「むー。そんなことないってば」
京太郎「そう、そんなことなかったんだ」
咲「え？」
京太郎「麻雀部に入って、友達ができて、頼れる先輩もできて、照さんとも仲直りできて…中学の時は考えられないほど前に進んだよな」
咲「どしたのさ、急にそんなこと言って」
京太郎「最近は慣れたところなら迷わなくなったし、迷っても人に聞いて自力で辿りつけるようになってきたしな」
咲「…京ちゃん？」
京太郎「そうやってお前が一人で行動できるようになってさ、ふと思っちまったんだよ…『もう咲に俺はいらないんじゃないか』ってさ」
咲「そんなわけ…！」
京太郎「ない…って言ってくれるのは嬉しいんだけどな、俺自身がそう思ったんだよ」
咲「京ちゃん…」
京太郎「始めの方はさ、これで面倒が無くなったーって喜んでたんだよ。いくらでも好きなことができるってな」
咲「むぅ…」
京太郎「でもな、いくら考えてもやりたいことなんて思い浮かばなかった。そのくせ今咲は何やってんだろとか大丈夫なのかとかそういうのは考えちまってんだ」
咲「…」
京太郎「『咲は俺がいなきゃ駄目』なんじゃない、『俺が咲なしじゃ駄目』なんだよ」
咲「…え」
京太郎「だから咲様仏様、どうかこれからも見捨てないで下さいましってな…よっと！」
咲「きょ、京ちゃん？」
京太郎「シリアスな空気終了！喉渇いたから何か適当に持ってくるわ」ｽﾀｽﾀｽﾀ ｶﾞﾗﾗ
咲「京ちゃん！今なんて…！」
ﾊﾟﾀﾝ
咲「…………」
咲「私がいなきゃ駄目…京ちゃんが、私がいなきゃ駄目って」
咲「…………えへっ」
咲「えへ、えへへへへ…あの京ちゃんが…私がいなきゃ駄目って…いひひひひ」ｺﾞﾛﾝｺﾞﾛﾝ
咲「…ひっ？」ﾂﾙｯ 「みぅっ！！」ｺﾞﾁﾝ
咲「ぅぅぅぁぁ…あたまうったぁ…」
ｶﾝｯ
最終更新：2018年01月27日 21:01
