憧「ちょっとシズ、土日練習来れないってどういうことよ!? 宥ねえ卒業するからただでさえ戦力ダウンなのよ!」

穏乃「あー、いや、それはその」

憧「? やけに歯切れ悪いわね。まさか和に一度会えたからそれでいいってわけ!?」

穏乃「いや、違うよ!? 全国は今年も行く気、あるん、だけど……」

憧「なら練習と勧誘でしょ!? なんでさぼろうとするわけ!?」

穏乃「それはえっと、彼氏が来るから」

憧「は? なにそれ!? 私らに出会いなんてなかったでしょ、なかったよね!?」

穏乃「憧も知ってる、和と同じ学校の……」

憧「はあ!? あいつ!? あの男、私の親友に手をかけてタダですむと……」

穏乃「いやいや! 私の方から告白したから! 会った、その日に」

憧「…………なんであんたはそう無駄なとこまで活動力あるのよ?」

ジト目の追求から目を反らしつつ

穏乃「じゃ、そういうことで、ごめん!」

言うだけ言い置いて走り去って行く穏乃と、腕を上にあげてぶんぶん振ってお怒りの憧

憧「ちょっとシズ! 男出来たら麻雀どうでもいいっての!?」

穏乃「ごめ~んっ!!」

疑問に対して否定もせず、小さくなっていく影

憧「あーもう、今度会ったら説教よ、説教っ」

奈良の他の女子の春は、遠い。


カン

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最終更新:2018年01月27日 20:57