〔京太郎⇔和時空 優希編1〕

私には中学から付き合いの親友がいる。
ことあるごとに抱き着いたり甘えるため、恋人と思われることもある。

正直、複雑だ。
私はあいつが――京太郎が、好きだ。

麻雀の時は真剣で、普段は気安くて、私がタコスのある進路を選んでも「しょうがねえなあ」なんて付き合う面倒見もある。
それで背が高くて二枚目になり切れなくて優しい。

好きになるななんて、無理だ。
でも同時に親友の関係を壊しそうで一歩が踏み出せない。

それに――あいつは、ときどき私を通して誰かを見ているような眼をするときがある。
それはきっと、いつか言ってた『私に似てる前の学校の二人』のうちのどっちか、もしくは両方。
その時のあいつの目は懐かしそうで、焦がれているようで。

そのたびに私は悔しく、切なくなるのだ。
その目を私に向けて欲しい。私だけを見て欲しい。
そんなことを、考える。

でも私はまだ運がいい。高校の三年間が丸々残っている。
だからその間に私であいつの中をいっぱいにするぐらい、頑張るんだ。

そうと決まったらタコスを食べよう。
エネルギーをつけてガンガン行く。私はこれしか知らないから。

だから清澄でもよろしくな、京太郎!


カン 『優希@清澄入学目前』

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最終更新:2017年10月20日 00:59