テルーにオカルトを指摘してもらう。という事でちょっと書いてみた。
インハイ後に照が虎姫の皆と一緒に清澄に遊びに来たという前提。
京ちゃんと照はここが初見設定。

咲「あっ、そうだお姉ちゃん。お姉ちゃんの鏡で京ちゃんの能力とか分かったりしない?」

照「えっ」

久「へぇ?宮永さんの能力って卓に付かなくても使えるの?」

菫「あぁ。アイツはある程度分かって使ってるようだし……どうした照?」

照「……ちょっとタイム。須賀くん……だったね。
  君への指導方法を考えさせてもらうから、少し虎姫メンバーを借りたい」

京太郎「あっ、ハイ!!よろしくお願いします!!」

咲「……ちょっとタイムってなんでなんだろう……?」

和「恐らく、京太郎くんが初心者だからでしょう。そもそも京太郎くんに必要なのはあるかどうかも不確かなオカルトより、
  牌効率を実践する経験や場数ですから。」

優希「のどちゃんバッサリだじぇ……泣くんじゃないぞ京太郎」

京太郎「泣かねーっつの!!」

まこ「しかしまぁ、場数が大事っちゅうのは確かじゃな……
   うち等だけだとどうしても打ち方が偏っちょるし……」ウーム

久「頑張ってねー部長さーん」

まこ「あほ抜かせ、おんしも手伝わんかい。」

久「アッハッハッハ……うん、当然手伝うわよ。須賀くんには私の夢をかなえてもらったんだから……」





一方その頃

照「たすけて」

菫「いきなりどうした……鏡で彼の能力は読めるんだろう?」

淡「もしかして能力無かったとか?そんなに強そうに見えなかったしー」

照「……そうじゃなかった。むしろ……こんな物、無い方が本人の為だったかも……」

尭深「……?オカルトがあるのに、無い方が良かった……?」

誠子「どういう事なんです?」

照「……彼の能力は、『相手の有効牌を優先的に引く』能力。
  多分……因果を集めるとか、そういう所から来たんだと思う……
  絶対に引くワケでは無いけれど、通常よりはるかに高い確率なのは確かだと思う」

菫「は……?」

淡「ちょっと待ってよ!それって……」

誠子「無い方が良かったかも……ってそういう事ですか……」

尭深「前代未聞です……『自身に害為す』オカルトなんて聴いた事が無い……!!」

照「だから、迷ってる。この能力を彼に教えるか、教えないか。そして、どう指導するべきか。」

菫「……なんだ、諦めろって言うべきか迷ってるのかと思ったぞ」

照「……咲を助けてくれた人。咲と私を引き合わせてくれた恩人だから……恩を仇で返したくはないだけ」

菫「……なら話は早いな。尭深、清澄メンバーから彼の牌譜を貰ってきてくれ。
  絶対では無いにしても、どれだけの確率なのかが知りたい。」

尭深「はい!!」

誠子「先輩、私たちは?」

菫「思った事はなんでもいい。この能力をどうにか活かす為の発想が欲しい。」

淡「んー……ねぇテルー、あの金髪の能力で引く『有効牌』ってどれくらいの範囲なワケ?」

照・菫・誠子『範囲?』

淡「だからー、例えばテルーと戦ったドラゴンロード、だっけ?
  あの娘の場合って有効牌はほぼドラなワケじゃない?
  だったらこの須賀って奴のオカルトって、ドラゴンロードを超えてドラの有効牌を引けるワケ?」

照「……恐らくだけど、不可能。このオカルトは場を支配するんじゃなくて、
  あくまでも『自分が引く牌』が有効牌になるだけ。」

淡「ふーん……じゃあオカルトで引ける牌って結構絞られるんだ。」

菫「……範囲が絞られる?……じゃあもしかして……」





side清澄

京太郎「しかし、俺にオカルトなぁ……あるのかね?どうにも実感が無いんだが」

和「オカルトかどうかはともかく……京太郎くんの打ち筋は居たって普通ですし……」

優希「でもよく飛んじゃうじぇ」

京太郎「うぐっ!!」

咲「そういえばそうだよね……京ちゃん、牌効率の本とかちゃんと読み込んだ?」

京太郎「あぁ……一応牌効率の本のやり方を参考にして切ってるんだけどなぁ……なぜかよく直撃するんだよな……」

まこ「河から相手の打ち方を予想する……っちゅうても京太郎の場数に加えてうち等の打ち筋相手じゃ難しかろうしのぉ……
   やっぱりどこぞの学校との親善試合を組むべきか……?」

久「その場合なら美穂子の居る風越辺りかしらねぇ。あそこは特殊な打ち方の人も少ないし……あら?」

尭深「すいません、須賀さんの牌譜を貰えますか?指導の際にクセが分かっていると教えやすいので……」
  (騙すようで気が引けるけど……仕方ないよね……)

京太郎「あぁ、ノートPCをこの前新調したのでそっちを使ってください。一応牌譜はデータベース化してあるので抽出も楽だと思いますよ」

まこ「は……?」

咲「でーたべーす……?」

優希「犬……お前って奴は……」

和「……一体いつの間にそんな事をやってたんですか……」

京太郎「えー……使いやすいようにと思ってやったんだけどなんか不評……?」

久「いつのまにやら全部の牌譜を電子化してたってのを私たちに何にも言ってなかったのが不評なだけよ。
  んじゃあ牌に慣れ親しむ前に私たちのサポートをしちゃうような須賀くんへのお説教は後で行うとして……渋谷さんにまずデータを渡しましょ?」

尭深「……ありがとうございます」(凄く……いたたまれない……)






side虎姫

尭深「ただいま戻りました……」

誠子「お帰り……どしたの?」

尭深「清澄の人達、凄く仲が良かったから……騙すようで悪いというか……」

誠子「あぁ……とりあえず見ていくとしよう。弘瀬先輩は長考に入っちゃったし……」

淡「おー、なんかわかりやすいデータベース。もしかして割とリッチな学校?」

尭深「……須賀くんの手作りだって。清澄の人達も驚いてた」

照「……すごい、ね……」

誠子「なんとまぁ……おっと、須賀くんの牌譜は、と……やっぱり直撃が多いですね。
   上位に入る事もあるにはありますが、基本的には四位か、或いは三位が多いですかね……」

淡「んー、見た感じだとやっぱり単に初心者ってだけな気もしてくるねー。言われなきゃ有効牌が多く混じってるなんて気づかないし。」

尭深「でも、ツモした牌が有効牌だった……って言うのがやっぱり多い気がする。大体……一割くらい?」

照「普通なら一割って言ってもそこまで当たりやすい確率じゃないけど……麻雀は数をこなさないといけないから。」

誠子「絶対に勝てない能力では無いけれど、勝ちの目を削るには十分な能力ですね……」

菫「……いや、それはどうかな」

照「菫……?」

菫「思いついた……彼のこの能力を使って【勝ちに行く】方法が……!!」

咲「あっ、戻って来た。」

京太郎「すいませんでした……」

照「……須賀くん。」

京太郎「あっ、はい。……どう、でしたか?」

照(凄く緊張する……)「貴方の能力は……『おおよそ一割の確率で相手の有効牌を引く』能力……です。」

京太郎「……へっ……?」

咲「……えっ?」

照「……残酷な事だけど、恐らく事実。牌譜を見ても、須賀くんが牌効率に従ってツモ切りした所で直撃する事例が多く見られる」

久「……単なる偶然の可能性は?」

照「それも否定出来ない。こちらから出せる証拠はそれしかない。……信じてもらう以外に無い。」

まこ「……んな、アホな……話が……そう易々と信じられるワケが……!!」

京太郎「…………ありがとうございます。照さん。」

照「……え?」

京太郎「こんな地味で役に立たない能力、黙ってても気づかないだろうに。それでも敢えて教えてくれて、ありがとうございます。」

照「……やっぱり、優しい人なんだね。」

菫「……しかしだ京太郎くん。私たちはキミに二つの道を示そう。能力の事は諦め、麻雀は楽しむだけにするか。
  ……もう一つは、その能力を使って勝ちに行く荊の道。君はどちらを選ぶ……?」

咲「京ちゃん……」

優希「京太郎……」

京太郎「ありがとな、咲、優希。……でもな、俺、個人戦で負けたのが悔しかったんだ。
    勝てなかったのが悔しかったんだ。皆が団体戦で頑張ってるのに、俺一人蚊帳の外なのが悔しくて堪らなかった。
    だから、お願いします。俺が強くなる方法を教えてください!!」

菫「……いいガッツだ。やはり男の子だな。」

淡「んじゃキョータロー、さっそく卓に付いて。」

京太郎「へっ?大星さん?その呼び方は……というか、何故に卓に付けと?」

淡「そんなのどうだっていーじゃん。大事なのはキョータローと麻雀する事だし。」

京太郎「でもよ、大星さんって咲と競う程強いんだろ?だったら俺が挑んでも……」

菫「いや、それこそがキミが勝つための手段……キミを待ち受ける荊の道だ。
  いいか?キミのオカルトは『他者のオカルトを阻害しない』。故に、キミは『他人のオカルトにもっとも上手く嵌ってしまう』。
  だが、それを逆に利用すればいい。相手の有効牌を引くのだから、その有効牌を勘案して役を作ってしまえばいい……!!」

尭深「相手の能力を利用して自分の役を作る。コレは生半可な経験では不可能。
   さらに言えば、尋常な確率が当てにならない以上牌効率は捨てなければならない。」

誠子「私たちだってずーっと麻雀に惚れ込んで、打ち続けてここまで強くなれたんだ。
   でも須賀くんが勝ちたいならその経験の差を乗り越えなきゃいけない。」

照「だから、ひたすらに様々な打ち方を知り、経験を積み。巧くならないといけない。」

菫「改めて言おう、あらゆるオカルトに挑み、叩き潰され、それでも折れない覚悟がキミにはあるか?」

京太郎「……俺、なんだかんだ麻雀の事、大好きッスから。それに、叩き潰されるくらい普段の部活で慣れてますよ!!」

京太郎「よし、やぁってやるぜ!!」

漢ッ!!

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最終更新:2017年10月20日 00:54