憧「うわっちゃー。やっちゃったわ、これ」

新子憧、全裸。隣の金髪男、全裸。
自分の大事なところもヒリヒリするし、うろ覚えではあるが経緯も何となく思い出せる。

憧「しかしこれ、シズには絶対話せないわ。親友の思い人と酒が入ってたとはいえ寝ちゃったとか」

それだけではない、事情を知れば三人娘が同時に食って掛かるだろう。

憧「そもそもあんたが悪いのよ、ナンパ男から私を体張って守ろうとするから」

最後にナイフまで取り出して目を血ばらせた形相に互いに恐怖を感じたのか
ことが終わればホテルで嫌な思い出を忘れるように求めあった。

生物的本能とはいえ、これは裏切り以外の何でもない。
なのに何故か、自己嫌悪よりも寝てる彼の頬を撫でる方が楽しいと感じ始めている。

憧「っと、ダメダメ、私はシズの応援するって決めたんだから。
  でも、こいつの好みはどっちかっていうと……」

たった一度で絆されてしまったというのか? そりゃ元から嫌いだったわけじゃない。
もしシズが先に惚れてなかったらもしかして、なんて益体もない考え。

憧「こいつの方から責任取るって言われたらどうしよ?」

もしもあの意外に厚い胸板と逞しい腕で抱き寄せられたら、私は……

憧の思案は男が起きるまで悶々と続く。彼が何も覚えてないと知ったときにに感じた思いは安堵かそれとも。

ただ新子憧が須賀京太郎に向ける目がこの日を境に変化してしまうのは、避けられないことだった。


『京ちゃん大学生編。飲み会後の過ち』カン