大星淡という人間が須賀京太郎に近づいたのは元は意趣返しのつもりだった。

団体優勝をかっさらった宮永咲が胴上げされて幸せそうに金髪の男とくっついてる姿を見て思ったのだ。
『一人だけ全部持っててずるい』と。

宮永照の後継者という名は実の妹に負けたことで崩れた。照は妹と仲直りした。そして男までいる。
だから、せめて男を取り上げようなんて馬鹿げた復讐心。

なのに早々に見抜いたその男に発破をかけられた。
「正面からぶっ倒してやれ。俺なんか一度も勝ててないけど諦めるつもりなんてないぞ」なんて。

二年目に個人戦でまた負けた。なんでか傍にいた須賀京太郎に八つ当たりした。
頭をポンポンされて「悔しいのは勝てるって思ってるからだろ? まだチャンスはあるんだから馬鹿みたいに笑ってろ」なんて慰められた

三年目は同卓して一矢報いてやった。2位になってぐぬぐぬしてる咲の横で京太郎とハイタッチした。
「なんで京ちゃんは私じゃなくて淡ちゃんの応援するの!?」ってぷりぷりしてる姿を見て溜飲が下がった。

麻雀で勝てたことでいつの間にか自分の中で彼への思いが強くなってた自分に気づいた。
だからプロの話を蹴って京太郎と同じ大学に行った。
プロになってた咲が「まさかそんな手を」とか悔しがってたのでいい気味だ。

なんでか高鴨穏乃に片岡優希まで同じ大学に来て京太郎をめぐって争うのは予想外だったけど。
張り合ってくるけど私は負ける気なんてこれっぽっちもない。だって明らかに私の方が恵まれたボディだし。

ぜーったい、京太郎は私のものにする。これは人生をかけた勝負だ。
そのあとプロになって咲をまた負かすのだ。今度は私が全部持っていく。私は欲張りなのだ。

だから京太郎、この大学100年生の淡ちゃんと付き合え! だーい好きだから、他には譲らないもん!


カン