咲「ねえ京ちゃん、高校では誰を毒牙にかけるの?」

ベッドの上でカピーと戯れながら、宮永咲は己の幼馴染に問いかける

京太郎「毒牙って、また人聞きの悪い」

咲「えー? だって京ちゃん、中学じゃ私とお姉ちゃん一緒にメロメロにしたじゃん
  お姉ちゃんが東京に行っちゃってからはほぼ私が独占だけど」

ねー、とカピーに向かって問いかけるが、げっ歯類は人の言葉で返事をしない

咲「私1人じゃ体力きついから、優希ちゃんとか和ちゃん巻き込む?
  それともいつも京ちゃんに雑用押しつけてくる部長から落としちゃう?」

ニコニコと、邪気のない笑みで他の女に手を出すことを勧めてくる少女、怖い

咲「ふふ、誰が一番京ちゃんのためになるかな?
  私、京ちゃんのためにいっぱい頑張るからね」

なぜ彼女の愛の形は歪んでしまったのだろう?
家族の中で孤立した少女は、好きな男の役に立つことをいつの間にか最優先にし始めた
気が付いた時は、すでにその姉が準備されて差し出された時で、遅すぎたのだ

咲「ねえ京ちゃん、私のこと必要だよね? 私の気持ち、受け取ってくれるよね?」

否と答えることは許されていない。それをすれば、この少女は狂乱するのだ

京太郎「なあ咲、俺はお前だけで……」

咲「だめだよ京ちゃん、嬉しいけど、ちゃんと他の人にも京ちゃんの正しい価値を教えてあげなきゃ。
  うふふ、楽しみだなあ、やっぱり部長を京ちゃんのものにして、こき使うのやめさせないと」

少女が愛だと信じているそれは、あまりにも黒く煮えたぎった想いだった


カン