京太郎(朝起きて、まず涼しさに驚いた)

京太郎(どうやら夏も、もう終わりらしい)

美穂子「ん…おはよう、ございましゅ…」

京太郎「あ、起こしちゃいました? ごめんなさい」

美穂子「いえ…んぅ」

京太郎(寝ぼけ眼の彼女が愛しくて、俺は優しく彼女を抱き締める)

美穂子「ふぁ…」

京太郎「二度寝しましょう、美穂子さん。俺、眠い」

美穂子「え、でも」

京太郎「夏も終わりなんです。…ちょっとくらい、名残惜しみましょう」

美穂子「ふふっ、よくわからないけど…そうね」

京太郎(そういうと彼女は俺の額に自分の額をくっつけた。互いの吐息がかかる。暖かい)

美穂子「ぬくぬく、ね…」

京太郎「ぬくぬく、ですね」

京太郎(彼女の目はとろんとしている。再び寝るのだろう。そういう俺も、睡魔がやってきた)

京太郎(もうじき夏も終わる。新しい季節が来る。楽しみで寂しい)

京太郎(だから、せめて…今この時は、この人を抱いて、静かな高揚と穏やかな哀愁を味わおう)

京太郎「おやすみ」

美穂子「おやすみ、なさい」

京太郎(そう思うのだった)

カン