阿知賀部室


灼「こんにちは……来てるのは、京太郎だけ?」ガラッ

京太郎「……」スースー

灼「寝てる……」

灼「(部室で寝るなんて、疲れてるのかな……)」

灼「(部の雑用、京太郎に任せきりだし……負担掛け過ぎてるのかもしれな……)」

灼「(……起こすのも可哀想だし、寝かせておこう)」


灼「(京太郎のおかげで、私たちはより多くの時間を練習に使えるようになった)」

灼「(京太郎には、本当に色々とお世話になってる。感謝しても、し足りない)」

灼「(今は、それに報いるだけの余裕はないけど……せめて、労わるくらいはしてあげられないかな……)」

灼「(…………頭でも撫でてみようか)」


灼「……」ナデナデ

京太郎「……うーん……」


灼「(……何をやってるんだろう、私は)」ナデナデ

灼「(頭を撫でるなんて、子供相手じゃあるまいし)」ナデナデ

灼「(……あ、でも京太郎の髪の毛、柔らかくて触り心地がいいかも……)」ナデナデ

灼「(これはくせになるかもしれな……)」ナデナデ


灼「…………」ナデナデ

京太郎「…………」

灼「……ふふ」ナデナデ


灼「……いつもありがとう、京太郎」ナデナデ

穏乃「……」ノゾキ

憧「……」ノゾキ

玄「……」ノゾキ

宥「……」ノゾキ


穏乃「ど、どうしよう。部室に入れない」

憧「部室に入るタイミングを完全に見失ったわね」

玄「私、あんなに優しそうな顔する灼ちゃん初めて見たかも」

宥「灼ちゃん、あったかーい」ポワポワ

穏乃「でも、どうする? このままじゃ練習始められないよ」

憧「仕方ない、今来たふりして部室に入りましょ」

憧「灼さんも、あんまり人には見られたくないだろうし」

玄「そうだね、そうしよっか」

宥「あ……」


晴絵「アンタたち、部室の前でなにやってるの?」


穏憧玄「!?」ビクッ

灼「っ!?」バッ

京太郎「……」ピクッ


憧「ハ、ハルエェェェ……! なんてタイミングで話しかけるのよ!」

晴絵「え、なにこの雰囲気、私なにかマズイことでもした?」

灼『……みんな、そこにいるの?』

晴絵「なんだ、灼が中に居るんじゃない。ほら、さっさと練習始めるよ!」ガラッ

灼「……」

穏憧玄宥「(き、気まずい……)」

灼「……みんな、見てたの?」

穏乃「え、いやー、そのー」

憧「見てたっていうか、入りそびれたっていうか、なんていうかー……」

玄「ごめんなさい灼ちゃん、覗くつもりはなかったんだけど……」

宥「でも灼ちゃん、とってもあったかい顔してたよ」ポワポワ

灼「っ……」カアアッ


晴絵「灼、何かあった?」

灼「な、なにもな……」フイッ

晴絵「そう? まあ、何もないならいいんだけど」


晴絵「ていうか、京太郎。灼が居るのに、なんで寝たふりなんかしてるのよ?」

穏憧玄宥「えっ?」

灼「えっ……!?」

京太郎「っ」ピクッ

灼「……」

京太郎「……」

灼「……京太郎?」

京太郎「……う、うーん、あー良く寝たー。よく寝たから疲れがすげーとれたなー熟睡だわー」

京太郎「あ、もう部活始まる時間か。すいません、すぐ準備します」

灼「……起きてたの?」

京太郎「え、何の話ですか部ちょ「起きてたの?」……えっと、まあ、その……はい」

灼「……いつから?」

京太郎「……その、頭撫でられ始めたときから、です」

灼「……」

京太郎「部長?」オソルオソル


灼「うぅっ……!」カアアアッ


灼「もうやだ……しにたい……」ウズクマリ

京太郎「ぶ、部長!?」アタフタ

晴絵「ど、どうしたの灼!?」

灼「うぅぅぅ……」ボシュッ


この後みんなでめちゃめちゃ慰めた。


カンッ