いちご「広島から転校してきた佐々野いちごです。よろしくお願いします」ペコッ

久「麻雀部部長、竹井久よ」

久「同い年なんだからそんなかしこまらなくていいわよ?」

いちご「ほんま? 転校してばっかりで心細いからよろしくなー」

久「こちらこそ。……で、佐々野さんは麻雀部入部希望なのね?」

いちご「うん。転校してくる前は麻雀部におったんよ」

いちご「どうせ転校するなら麻雀部強いところがええから、清澄に来たんじゃ」

久「強いところ……? うちの部員は実質、わたし一人だけよ?」

いちご「えっ」

久「あなたが来る前に一年生がいたけど、親の都合で広島に転校しちゃってね」

久「……ひょっとして風越と間違えて転校した?」

いちご「そんなん考慮しとらんよ……」ズビッ


いちご「――ということがあったんじゃ」

京太郎「……なんとなくそうじゃないかと思ってましたけど」

京太郎「佐々野先輩って抜けてますね……」

いちご「か、返す言葉も無い……」


いちご「でもでも、和ちゃんと優希ちゃんも入ってくれたからこれで四人」

いちご「あと一人来てくれれば団体戦に出場可能じゃー」

京太郎「俺が女だったら人数補填程度はできるんですが」

いちご「……女装とかどうじゃろうか」

京太郎「断固拒否します」キッパリ


いちご「まあ大丈夫じゃ、あと一人だけと思ったら随分気も楽になったし」

いちご「和ちゃんと優希ちゃん、久ちゃんも誰かいないか探してくれてるし」


いちご「……須賀君は私を助けてくれたけんのー」

京太郎「あの事ですか……俺は大したことしてませんよ」


いちご「そがーなことない」

いちご「不良の人に絡まれてるところを助けてくれたのは須賀君じゃ」

京太郎「単に必死こいて佐々野先輩連れて逃げただけですけどね……」


京太郎「もう学校外で勧誘とかしないでくださいね?」

いちご「うぅ……清澄の服来て街中うろうろしてる子ならヒマかと思ったんじゃ」

京太郎「校門でチラシ配る程度でやめておいた方が良かったんですよ」


京太郎「……そういえば、あの時から涙目で配ってましたね」

いちご「わ、私は過去を振り返らん女じゃけん!」

いちご「それに、今度行くときは須賀君についてきてもらえばよかろ?」

京太郎「はいはい、お供しますとも」


いちご「そういえば、助けてもらった時のお礼がまだやったね?」

いちご「私の出来ることなら何でもしてあげるけぇ」

いちご「遠慮なく言ってほしいんじゃ」


京太郎「なんでも? ……じゃあ、俺と付き合ってください」

いちご「えっ」

京太郎「俺……佐々野先輩に初めてあった時から、好きになってしまったんです」

京太郎「……一目惚れだったんです」

京太郎「良かったら……俺と付き合ってください!」

いちご「……ちゃ、ちゃちゃのんと、しゅがくんが……?」アタフタ


京太郎「――なーんて、冗談ですよ」

いちご「えっ」

京太郎「そんなこと要求したりしませんよ」

京太郎「そうですね……何か飲み物でも奢ってもらえれば……って佐々野先輩!?」

いちご「う……うぇ……ひど、ひどいんじゃ」ペタン

いちご「ちゃちゃのん、本気にしたのにっ、あ、あんまりじゃぁぁぁ」ワッ

京太郎「す、すみません、冗談が過ぎました……!」

いちご「須賀君のあほ! ばか! おんなたらし!」グスッ

いちご「女ごころをもてあそぶなんて、さいてぇじゃぁ」ヒック

京太郎「すみませんっ、許してください!」ドゲザー

京太郎「何でもしますから!」


いちご「……な、なんでも?」

京太郎「はいっ! 佐々野先輩の言うことなら何でも聞きますから!」

いちご「じゃ、じゃあ……ちゃちゃのんと、付き合って?」

京太郎「へ?」

いちご「ちゃちゃのん、須賀君のことが好きなんじゃ……」

いちご「はじめて助けてくれたときから、ひとめぼれで……」ダキツキ

京太郎「さ、佐々野先輩!? そ、それはきっと吊り橋効果的なものでは!?」

いちご「そんなんじゃないんじゃ!」

いちご「須賀君のこと考えたら、むねがきゅー……っとなるんじゃ」


いちご「す、須賀君は、ちゃちゃのんのこと、嫌いなん……?」

京太郎「そ、そんなことないですよ」

いちご「じゃあ……付き合ってくれる?」

京太郎「……俺で良ければ」

いちご「……えへっ……須賀君、大好きじゃ……」ギュー

京太郎(む、胸が……いい匂いが……)

京太郎(ドッキリ? ドッキリなのか、これは……?)


いちご「――ということがあったんじゃ」

久「へぇ……それで須賀君と付き合うことになったのね。良かったじゃない」

いちご「た、たなぼたじゃけどね」テヘッ

いちご「でも、部員集めもがんばらんといけん。あと一人、がんばるんじゃ!」

いちご「……で、インハイ終わったら残りの夏休みは須賀君と一緒に過ごすんじゃ」テレテレ

久「それでいいの受験生……?」

いちご「そ、そうじゃった……それじゃ、留年で」

久「もっとダメでしょ……」


京太郎「ちわーっす! 部員連れてきましたよー」

咲「し、失礼します……」オズオズ


いちご「わっ、一年生の女の子?」

咲「はい、一年の宮永咲と言います。京ちゃんに誘われてきました」ペッコリン

久「麻雀部部長の竹井久よ。よろしくね」

いちご「佐々野いちごじゃ、よろしくな? 咲ちゃん」

咲「はい、よろしくお願いします」ニコッ

京太郎「咲も麻雀できるそうなんです。どの程度できるかは知らないんですが」

久「そうなの? じゃあ、歓迎ついでに卓を囲んでみない?」

京太郎「そうしましょうか」


咲「…………」

いちご「? 咲ちゃん、私の顔になんかついとる?」ペタペタ

咲「あ、いえ……京ちゃんから佐々野先輩のことは聞いていたので」

咲「お聞きした通り、きれいな人だな、って」ニコニコ

いちご「て、照れるなぁ……あ、咲ちゃんの親番からじゃ」


咲「……はい」

咲「それじゃ――よろしくお願いします」ゴッ...