「最近は暑くなってきたね。汗がびちょびちょだよ」

「夏も近づいてきたものね」

「夏と言えば怪談だじぇ! のどちゃんは怖いの苦手だもんな!」

「へぇ、そうだったのか。意外」

「はい。特に妖怪なんか苦手ですね」

「どんな奴が苦手なんじゃ?」

「例えば――ぬりかべとか女狐とか」

「…………ふーん」

「あっ」

「……どうしたの、優希? なにか連想した?」

「い、いや、そんなことないじぇ! そ、そうかー。咲ちゃんはなにか怖いものとかないのか?」

「……うーん、私はそういうのないかも。でも、京ちゃんのことが心配」

「え、俺?」

「うん。やっぱりこの時期は頭がおかしくなる人がいるって言うし……そういう意味だと変質者とか怖いかな。ほら、男に飢えてそうな……」

「淫乱ピンク?」

「そうそう、それです部長! 頭の中まで桃色の妄想ばっかりしてそうじゃないですか?」

「……ふふっ。そうですね。夏ですから頭の中で叶わない妄想ばかり繰り広げているムッツリ文系やお姉さんぶっている痛い年上とか、危険がたっぷりですものね」

「「「…………!」」」

「……わ、私タコス買ってくるじぇ!」

「ま、待たんか、優希! わしも行く!」

「お、俺も無性に食いたくなったからついていくよ!」



「待って、京ちゃん」

「須賀君にはどれが一番怖いか」

「聞かせてもらわないと困るからここに居てね」



「ひぇっ」

カンッ!